大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

続き書けたで候。

今回は魔導師vs錬金術師。

しかしシンフォギア見てて改めて思ったけど、錬金術師ってのは身体能力が高過ぎやしませんか?錬金術で身体能力をアップでもさせてるんやろか?

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第二百七十一話 歌い舞い踊る戦姫XII

第三者side

 

 

 

S.O.N.G本部では響達がアルカ・ノイズと戦ってる様子をモニターしていたとき、異変が起こった。

 

 

「大型のアルカ・ノイズを確認!」

 

 

()()()だとぉ!?」

 

 

大型のアルカ・ノイズを検知した途端、モニターに映っていた響達が突如姿を消したのだ。

 

 

「装者達の映像を捉えられません!」

 

 

「ギア搭載の集音器より辛うじて音声を拾えます!」

 

 

藤尭(ふじたか)と友里が状況を伝える。

 

 

「空間を閉じてしまうアルカ・ノイズ……」

 

 

エルフナインも唖然と呟く。

 

どうやら響達は亜空間に囚われてしまったらしい。

 

さらに状況は悪くなっていく。

 

装者達の攻撃がアルカ・ノイズに効かなくなったのだ。

 

 

『バカな!?』

 

 

『攻撃が……』

 

 

『全部通らねぇのか!?』

 

 

すると藤尭があることに気付く。

 

 

「はっ!?まさかアンチリンカー!?でも一体誰が……」

 

 

「いえ、各装者の適合係数に低減は見られません!」

 

 

だがその可能性を友里が否定する。

 

かつて装者達のギアの適合係数を下げるために使われた薬品がある。

 

それがアンチリンカーである。

 

リンカーが適合係数を上げるための物であるならば、アンチリンカーはその対となる。

 

 

「つまりこちらの攻撃力を下げることなく守りを固めているのだな」

 

 

弦十郎が結論を出し、装者達へと指示を出す。

 

 

「三人とも聞こえるか!」

 

 

『おっさん!どうなってやがる!?』

 

 

クリスが反応する。

 

 

「そこはアルカ・ノイズが作り出した亜空間の檻の中と見て間違いない!」

 

 

『亜空間の檻……ですか?』

 

 

翼が聞き返す。

 

その疑問にはエルフナインが答えた。

 

 

「そこではアルカ・ノイズの位相差障壁がフラクタルに変化し、インパクトによる調律が阻害されています」

 

 

「ギアの出力が下がったように思われるのはそのためです!」

 

 

緒川も補足情報を伝える。

 

 

『だったらドカンとパワーを底上げてぶち抜けば!』

 

 

『呪いの(つるぎ)、抜き所だ!!』

 

 

三人の装者は胸元のギアペンダントの2つのレバーを押し込む。

 

三人はギアに搭載されている決戦機能を使用するつもりだ。

 

 

『『『イグナイトモジュール!抜剣ッ!』』』

 

 

《ダインスレイフ》

 

 

装者達の反撃が始まった。

 

しかし……

 

危機は続けてやってくる。

 

 

「ん?この反応は!?」

 

 

すると藤尭がある反応をキャッチする。

 

 

「新たなアルカ・ノイズの反応を確認!それだけではありません!パヴァリア光明結社の錬金術師三名の反応もあり!そしてその近くに……ヒエン君達がいます!!」

 

 

「なんだとぉ!?まさか……奴らの狙いは初めからヒエン君達か!?」

 

 

S.O.N.G陣営でも少年達の異常に気が付いた。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

俺達の前にパヴァリア光明結社幹部の錬金術師、カリオストロ、プレラーティ、サンジェルマンの三人が姿を現した。

 

俺は即座に額に炎を灯し、死ぬ気モードとなる。

 

状況はかなり最悪だ。

 

周りを無数のアルカ・ノイズに囲まれ、前方には幹部クラスの錬金術師三人がいる。

 

対してこちらは俺、なのは、フェイト、はやての四人に加えて一般人である未来さんまでいる。

 

まず優先すべきは未来さんの安全確保だが、アルカ・ノイズに囲まれている現状、それは厳しいと思った方がいいだろう。

 

だとすれば守りながら戦うしかない。

 

 

「なのは、フェイト、はやて戦闘準備だ」

 

 

「「「はい!」」」

 

 

そして三人はデバイスを構える。

 

 

「レイジングハート」

 

 

「バルディッシュ」

 

 

「夜天の書」

 

 

「「「セーーットアップ!!」」」

 

 

三人はバリアジャケットへと換装する。

 

なのはは防御力をさらに向上させたセイクリッドモード改へ。

 

フェイトは速度と空戦機動の旋回性能をさらにアップさせたライトニングフォーム(ツー)に。

 

はやては圧倒的な魔力量で強固な防御力を誇る騎士甲冑を身に纏う。

 

 

「セットアップ、スピリットフォーム改」

 

 

そして俺もバリアジャケットへと換装し、構える。

 

 

「来いお前達」

 

 

「ガゥ!」

 

「きゅ!」

 

「くぅ!」

 

 

さらに相棒、ナハト、久遠を呼び出し命令する。

 

 

「相棒は未来さんの護衛、ナハトははやてのサポート、久遠は人型になって周りのアルカ・ノイズの迎撃だ」

 

 

相棒は未来さんの肩の上に飛び移り、ナハトもはやての肩の上に乗る。久遠は幼女形態になり、未来さんを守るように構える。

 

未来さんは突然のことに唖然としていたが、事態の重さを認識したのか表情を引き締める。

 

 

「あらぁ~?やる気満々じゃない??」

 

 

「私達を見てからの対応が早いワケだ」

 

 

「……やはり一番に警戒すべきは貴方のようね」

 

 

三人は俺の対応に感心するように声をかけてくる。

 

俺も奴らへと話しかける。

 

 

「お前達の目的は最初から俺達か?」

 

 

俺の疑問に答えたのはカリオストロだった。

 

 

「ええ、そうよ。あーし達にとって、貴方達魔導師は未知の戦力であり、不確定要素。その戦力の詳細を把握しようとするのは当然でしょ?」

 

 

プレラーティとサンジェルマンも後に続く。

 

 

「シンフォギア装者の戦闘力はとっくの昔に把握しているワケだ」

 

 

「装者達と貴方達を引き離すことには成功した。後は私達自ら貴方達の相手をさせてもらう」

 

 

「……なるほど」

 

 

つまりそれだけ俺達の存在が奴らパヴァリア光明結社にとって邪魔だということか。

 

俺は続けてなのは達に指示を出す。

 

 

「はやては久遠と協力しながら周りのアルカ・ノイズの迎撃を頼む。なのはとフェイトは俺と一緒に錬金術師の相手だ」

 

 

「「「了解」」」

 

 

はやては後方タイプ故に接近戦には不向きだ。

 

それに今はリインフォースが側にいないため魔力コントロールの精度も下がってしまう。

 

それをカバーするためのナハトだ。

 

ナハトはかつて夜天の書の防衛プログラムとして活動していた。

 

ナハトならはやてのサポートも上手くこなせるだろう。

 

そして俺はなのはとフェイトに忠告する。

 

 

「気を付けろ。奴らは以前バルベルデで生身のままシンフォギアを纏ったマリア、切歌、調と互角に戦っていた。つまり……」

 

 

「それだけ身体能力が高いってことだね?」

 

 

「ああ。それに攻撃手段として錬金術という異端技術を使ってくる筈だ。どんな効果があるか分からない上に、食らったら一撃でやられる可能性もある。だから奴らの攻撃はできるだけ……」

 

 

「当たらないように注意しろ……でしょ?大丈夫」

 

 

二人は前方を見据えながら力強く返事をする。

 

本当に頼りになる子達だ。

 

俺は前に注意しながら後ろの未来さんにも視線を向ける。

 

表情を引き締めながらも僅かにその身体は震えていた。

 

その姿を見たとき、俺は思わず彼女に謝っていた。

 

 

「……すまない」

 

 

「え?」

 

 

彼女は驚く。

 

 

「君を巻き込んでしまったのは……俺の責任だ」

 

 

「いえ、そんな……」

 

 

「俺が奴らに狙われたせいで、無関係な君まで巻き込んでしまった。本当にすまない」

 

 

「……別にヒエンさんのせいではありません。だから謝らないで下さい」

 

 

「しかし……」

 

 

「しかしも何もありません!もう謝るの禁止です!!」

 

 

こんな状況で戸惑いながらも彼女は俺を攻めようとしなかった。

 

 

「……君も響に似て変な奴だな。こういう場面は普通怒ると思うんだが。それに妙に落ち着いているし」

 

 

「それは……過去に私も色々ありましたから。それより落ち着いてるのは、ヒエンさん達もだと思いますけど」

 

 

「それは……俺達も過去に色々あったから、こういう状況には慣れてるというか」

 

 

「その過去が妙に気になりますが、今は置いといてあげます」

 

 

彼女が妙にジト目を向けてくるので思わず目を逸らす。

 

彼女は言葉を続ける。

 

 

「なんというか、大丈夫な気がするんです。明確な根拠なんてありません。でもヒエンさん達の後ろ姿を見ていたら、いつも私を助けてくれる親友の……響の後ろ姿の面影を見たから」

 

 

彼女は優し気な表情で話す。

 

人間追い詰められると本性が現れると言うが、この優しさこそが彼女の本質なのだろう。

 

だからこそ思う。

 

そんな彼女を傷つけてはダメだ。

 

絶対に守らなければならない。

 

それに俺の()()()()()()()()()もこんな危機的状況でも絶対に諦めないだろうから。

 

だからここは彼の言葉を少し借りよう。

 

 

「大丈夫……。君は必ず守ってみせる。俺の命に変えても……」

 

 

そして俺は彼女を安心させるように笑いかけた。

 

 

「だからそこで信じて待っていてくれ」

 

 

「…………」

 

 

すると何を思ったのか彼女は俯いてしまった。

 

 

「ど、どうした?」

 

 

「い、いえ、大丈夫です。なんでもありません」

 

 

「そんな風には見えないんだが……」

 

 

「大丈夫です!大丈夫ですから!!」

 

 

未来さんは両手をバタバタと振りながら顔をさらに俯かせる。

 

本当に大丈夫か?

 

そのとき……

 

 

「「ヒエン(君)……」」

 

 

辺りに底冷えするような声が響いた。

 

思わず身体中から冷や汗がドッと流れる。

 

 

「戦いの前に余所見なんてダメだよね?」

 

 

「今は集中しないとダメなんじゃないかな?」

 

 

前を見ればハイライトの消えた目でこちらを見つめるなのはと、フェイトの姿があった。

 

しかも二人とも既に魔王モードと、死神モードになっているという。

 

それに地味にこちらに向けられているデバイスが怖い。

 

っていうかあれ?

 

なんでこの子達こんなに怒ってるの?

 

はやてはなんか額に手を当てて、アチャーっていう表情してるし。

 

小動物達もなんかこっちを呆れた目で見てくるし。

 

なんなんだ一体……

 

 

「ちょっとー!あーし達の存在を忘れてイチャついてんじゃないわよー!!」

 

 

「随分と余裕なワケだ」

 

 

「……なめられているようね」

 

 

そのときサンジェルマンがこちらに黄金の銃を向ける。

 

俺は咄嗟に前へと出る。

 

 

 

パァン!パァン!パァン!

 

 

 

銃声が響く。

 

俺は両手を前に出し、炎の壁で銃弾を防いだ。

 

その直後こちらもヒートカノンを放つ。

 

するとサンジェルマンも再び銃弾を放った。

 

互いの銃弾同士が当たり、軽い爆発が起こる。

 

その間に俺はなのはとフェイトに注意する。

 

 

「二人とも話は後だ!今は戦いに集中しろ!!」

 

 

二人は頬を膨らませながら反論しつつ、射撃魔法を放った。

 

 

「先に余所見してたのはそっちなの!」

 

 

「私もそう思う!」

 

 

なのははアクセルシューターをカリオストロに、フェイトはプラズマランサーをプレラーティに放った。

 

 

「おっとっと!いきなりねぇ!!」

 

 

「やっとやる気になったワケだ!!」

 

 

カリオストロは自身の周囲に赤い魔方陣のようなものを複数展開させるとそこから青いエネルギー弾を放ち、アクセルシューターを相殺した。

 

同じくプレラーティも赤い魔方陣のようなものを複数展開させるが、こちらは火炎弾を放ち、プラズマランサーを相殺させる。

 

なのははそのまま飛翔しながらカリオストロへ、ショートバスターを放つ。

 

フェイトもそのまま突っ込みながらバルディッシュをクレッセントフォームへと切り替えると、プレラーティへと斬りかかった。

 

俺もサンジェルマンへと狙いを定め、突貫する。

 

互いに相手を見定め、戦いへと突入した。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

パァン!パァン!パァン!

 

 

 

銃声が鳴り響く。

 

俺は炎熱疾走(フレアドライブ)を発動させて高速で動き回る。

 

対してサンジェルマンは黄金の銃をこちらへと向けながら発砲する。

 

しかし銃弾は直線的な動きしかできないため、楽にかわせる。

 

俺は奴の後方に回り込むことに成功すると、そのまま炎の拳で殴りかかる。

 

しかし……

 

 

 

ガキンッッ!!!!

 

 

 

突如シールドのような物が現れ、俺の攻撃をガードする。

 

するとサンジェルマンはこちらに銃を向け、さらに引き金を引こうとする。

 

俺は跳躍し、銃弾をかわす。

 

そのままビルの壁に立つとヒートカノンを連射で放つ。

 

サンジェルマンは再び銃を向けるのだが、そのとき銃弾に変化が起きる。

 

なんと魔方陣のような物に一瞬包まれると、アイスピックのような鋭い突起物へと変化したのだ。

 

 

「なにっ!?」

 

 

そのアイスピック弾はヒートカノンを楽々と撃ち破り、俺へと迫る。

 

咄嗟にラウンドシールドを展開させてガードするが、威力が凄まじいのか数発受けただけでヒビが入った。

 

さらにサンジェルマンは左手にもうひとつの銃を取り出すと、二丁拳銃でこちらへと放ってきた。

 

それを見た俺は市街地のビルの間を高速で跳び回りながら回避する。

 

そしてフェイクシルエットを使い、三十体の幻影を出す。その中に紛れることでサンジェルマンを翻弄する。

 

 

「小癪な手を!」

 

 

しかしそれらに対してサンジェルマンはその場で回りながら引き金を引いていく。

 

すると放たれた銃弾は又しても変化する。

 

今度は黄金色のクリスタルに変化し、地面やビルの壁から生えてきたのだ。

 

クリスタルに貫かれた幻影体は次々と姿を消していく。

 

 

「だがこれで隙ができた!」

 

 

俺はサンジェルマンの真上へと回り込むと、右手を向けてヒートバーナーを放つ。

 

 

「くらえ!」

 

 

オレンジの砲撃が勢いよくサンジェルマンへと迫る。

 

しかしこの攻撃に対しても彼女は楽に対処する。

 

銃を真上へ向けると青い炎を纏った狼が放たれたのだ。

 

そして大きな爆発が起こり、辺りに煙が立ち込める。

 

俺は追撃として両手を上げて巨大な炎を収束させると、下にいるであろう奴へと思いっきり放った。

 

 

火炎の大砲(フレイムキャノン)!」

 

 

 

ドガァアアアアアンン!!!!!!

 

 

 

巨大な爆発が起こる。

 

俺は少し離れた地面に着地すると様子を見る。

 

普通の敵なら間違いなくダメージがあるはずだが……

 

 

「やっぱりそううまくはいかないか……」

 

 

サンジェルマンは水の膜で自身を覆うことでガードしていた。

 

俺はそれを見ながら考える。

 

 

(少し戦って分かってきた……。奴の扱う『錬金術』の特徴ってやつが)

 

 

錬金術には四大元素という物が存在する。

 

世界を構成する物質は大きく分けて四つ、『火』・『水』・『風』・『土』の元素であるとされている考え方だ。

 

サンジェルマンは銃弾にそれらの『属性』を付与させることで破壊力を上げているのだ。

 

最初のアイスピック弾には『風』の属性を、次の黄金色のクリスタルには『土』の属性を、ヒートバーナーを相殺した青い炎の狼には『火』の属性を、最後の水の膜には『水』の属性を付与させている。

 

それらを瞬時に使い分けることで、強力無比な攻撃や防御を繰り出しているのだ。

 

それだけではない。

 

驚くべきはサンジェルマンの冷静な判断力と、銃の命中精度だ。

 

奴は恐ろしいほどの正確さで銃を操り、錬金術を駆使することで俺の攻撃にことごとく対処してくる。

 

 

(だが隙がない訳じゃない)

 

 

奴にも弱点は存在する。

 

それは属性付与を三回以上行えないこと、そして錬金術を使った直後は僅かにタイムラグが存在すること。

 

奴は拳銃で錬金術を行使している。

 

それは片手一丁につき一回ずつ、ということは最大でも二回の行使しかできないということ。

 

それらの隙をつければ打倒することも不可能ではない。

 

方針をある程度固めた俺は更なる追撃を仕掛けた。

 




次回はなのは、フェイト、はやての奮戦模様をお送りします。

あとちょっとご報告。

次のクロスオーバーは、【とある魔術の禁書目録Ⅲ】を予定していますのでヨロシクオネガイシヤス。

では、また(・∀・)ノ

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