大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

続き書けたで候。

今回は伝説のあの御方が登場。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第二百六十八話 歌い舞い踊る戦姫Ⅸ

第三者side

 

 

 

現在、S.O.N.Gの拠点となっている潜水艦はバルベルデ共和国から日本へと移動していた。

 

そんななかフィリスは備えられているメディカルルームにて、S.O.N.Gエージェント達、装者の健康状態が記載されている書類を纏めていた。

 

弦十郎の計らいにより、フィリスはこのメディカルルームで働けることとなったのだ。

 

元々、医師として優秀な彼女はこの世界でもその力を遺憾なく発揮した。

 

バルベルデ共和国で重傷を負っていた患者を次々と治療していったのだ。

 

元々彼女は医師としての専門は外科なのだが、一般外科だけでなく特別な知識と技術の必要な心臓外科や脳外科もこなせる。

 

外科以外にも、内科や眼科、薬学、果ては獣医学までも含めて医療全般に精通しており、それら専門外の治療も行うことができるのだ。

 

さらには中国人医師からもらった本で針麻酔を勉強し、必要であれば自身の患者に催眠術をも使い治療する。

 

そのうえ超能力者であることから、処置や判断の速さもかなりのもので、複数の患者を同時に治療することもできるというまさに天才いや、天災と呼ばれる程の才能を持つ医師なのだ。

 

そして趣味で整体の資格まで持っているという。

 

この先生は一体どこを目指しているのだろうか?

 

もうここまで来るとドン引きですわー。

 

 

「人をそんな変人みたいに言わないで下さい!!」

 

 

失礼しました。

 

 

「全く……あ、これは」

 

 

するとフィリスは少年の健康状態を纏めた書類を発見する。

 

 

「ここ最近は安定していますね。ですが……」

 

 

だがある欄を見て溜め息をはく。

 

 

「魔力ランクが遂にSを突破ですか……」

 

 

そこには少年の魔力ランクがAAAからSランクへアップしたという内容が書かれていた。

 

 

「考えられるのはヒッツ君の姿が変わったあの日ですね」

 

 

ヒッツはこの世界に来た日に二つの物を食べることによってパワーアップもとい、進化している。

 

その二つはイマジンストーンとプリズムフラワーの種と呼ばれる代物である。

 

これらをヒッツが取り込んだことにより、ヒッツ自身の魔力量も増えたのだ。

 

 

「ヒエン君とヒッツ君の魔力()()()()()()Sランク。まあこれは精密検査をしなければ分からないほどの微細なものなのでどちらにしろヒエン君の魔力としてカウントされてしまいますが……」

 

 

少年自身の魔力ランクはAAA。

 

ヒッツの魔力ランクはA。

 

二人で合わせるとギリギリSに届くといった具合である。

 

 

「しかしこの情報を開示するとただでさえ目立っているのに、さらに目をつけられてしまうかもしれませんね。Sランクなんてそれこそ管理局の中でも一握りですし。ここはリニスさんに相談しましょう。……本当に世話のかかる患者さんです」

 

 

フィリスは苦笑いしながら呟く。

 

しかしその表情はどこか楽しげであった。

 

 

「きゅ~」

 

 

するとフィリスの肩の上に白いモコモコが現れた。

 

ポンっといった効果音と共に姿を現したのはナハトである。

 

 

「あ、ナハトちゃん」

 

 

「きゅー」

 

 

「そういえばそうでした!エルフナインちゃんのLiNKER作製の手伝いもあったんでした。教えてくれてありがとうございますナハトちゃん」

 

 

「きゅ!」

 

 

「確かシンフォギアは強い想いによって力を発揮するのでしたね……つまりその力の根底は感情の(たかぶ)り……強い感情を司る器官。LiNKERが作用する脳領域は恐らく……中脳の腹側被蓋野(ふくそくひがいや)の可能性が濃厚でしょうか」

 

 

そしてフィリスはブツブツ呟きながら考察していく。

 

このロリ先生、実はエルフナインのLiNKER作製の手伝いもしている。

 

彼女はエルフナインが現在悩んでいるLiNKER使用時の脳への効果範囲の解析と解明に既にある程度、目星をつけていた。

 

それが……

 

 

腹側被蓋野(ふくそくひがいや) ventral tegmental area……VTA

 

 

と呼ばれる箇所である。

 

VTAの中にあるドーパミン神経というものが人間の報酬や目標志向型の行動に中心的な役割を担っている。

 

正や負の感情の学習、意思決定や作業記憶、報酬・刺激の顕著性、忌避刺激など……つまりあらゆる刺激作用において重要な役割を担うのである。

 

これらの行動上からVTAのドーパミン神経は、あらゆるパターンの神経入力のデータを反映しており、その他にも様々な脳領野からの入力によって制御されている。

 

長々と語ったが、つまり言いたいことはこうだ。

 

LiNKER作用時のシンフォギアと最も繋がる脳領域こそ、VTAと思われる。

 

ちなみにナハトもエルフナインのLiNKER作製の手伝いをしている。

 

これは一重に防衛プログラムとして『錬金術』の解明というナハトの知的好奇心もあったりする。

 

 

「あとはエルフナインちゃんが持っているデータディスクに宿る思念……その作成者であろうウェル博士の残留思念から、読心能力(サイコメトリー)で彼の知識を完全に読み取ることができれば……LiNKERは完成します」

 

 

そして仕事が一段落したフィリスはナハトと共にエルフナインの研究室へと向かう。

 

フィリスは研究室前につくと、扉をノックする。

 

 

「どうぞー」

 

 

中から幼い少女の声が聞こえる。

 

フィリスが扉を開けると中には彼女より幼い金髪の少女がいた。

 

その少女こそ、科学者兼錬金術師のエルフナインその人である。

 

 

「フィリス先生、ナハトちゃんもお疲れ様です!」

 

 

「お疲れ様ですエルフナインちゃん」

 

 

「きゅー」

 

 

そしてフィリスはさっそく自身の考察をエルフナインへと伝える。

 

 

「……ということなのですが、エルフナインちゃんの意見を聞かせてほしいです」

 

 

「VTA……なるほど。感情を最も司る器官があるのでしたらシンフォギアと繋がっている可能性は十分にあるかと」

 

 

「では、まずはそこから調べていく形でいきましょう。あとは念のためにシンフォギアを纏っているマリアさん達の脳波領域を調べるのと……ウェル博士が作製したというディスクを貸していただけますか?」

 

 

「はい。これです」

 

 

エルフナインは懐から例のディスクを取り出す。

 

 

「少しお借りしますね」

 

 

フィリスは紫の羽根、フィンを展開させると超能力を発動させる。

 

ディスクに手をかざし、読心能力(サイコメトリー)を使用したのだ。

 

 

「…………」

 

 

そして彼女が読み取ったものは……

 

 

 

 

 

 

『僕こそが真実の人ォッ!ドクタァァァァァアアアアッ!ウェルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウッ!!!!! 』

 

 

 

 

 

 

ウェル博士のドアップの顔であった。

 

 

「ひゃあああああああ!?」

 

 

フィリスは悲鳴をあげながら超能力の行使をやめる。

 

 

「だ、大丈夫ですかフィリス先生!?」

 

 

「は、はい……び、びっくりしました」

 

 

フィリスは胸を押さえながら呼吸を整える。

 

 

「あ、あんなに鮮明なイメージが残っているなんて……」

 

 

「何があったんですかフィリス先生?」

 

 

「いえ、ウェル博士のイメージが()()()()()驚いただけです。普通、残留思念というのは余程のことがなければ強く残っていないのですが……」

 

 

「ウェル博士は生前、英雄願望が強かったそうです。英雄になりたいがために自ら世界を破壊し、人々を導こうとまでした方ですから」

 

 

「フロンティア事変……でしたか」

 

 

「既にご存知でしたか」

 

 

「はい。エージェントの皆さんが教えてくれました」

 

 

そしてフィリスは深呼吸を繰り返しながら再度挑戦する。

 

 

「スー……ハー……。よし、もう一度です」

 

 

再び彼女の脳内にウェル博士のイメージが投影される。

 

 

 

『世界がこんな状況だからこそッ、僕たちは英雄を求めているッ!そうッ! 誰からも信奉されるッ、偉大なる英雄の姿をッ!』

 

 

 

『ならばッ!求められるのは…英雄だァッ!!』

 

 

 

フィリスの顔が険しくなっていく。

 

 

 

『だったらLiNKERぶっ込んだばかりの今ならァッ!絶唱歌い放題の殺りたいほうだああああいッ!!!!』

 

 

 

『これだけあればぁ…十分にイキり立つぅ…ッ!!!』

 

 

 

『いつもいつもッ!いつもッ!いつもッ!いつもッ!いつもッ!いつもッ!いつもッ!もッもッもッほッほああああああああぁぁぁッ!!!』

 

 

 

段々と険しくなっていく。

 

 

 

『人権も存在も失った僕は、人ではなくモノッ!回収されてネフィリムの一部としてェ、放り込まれていたのさァッ!!!』

 

 

 

『イチイバルの砲撃も、腕の力で受け止めたんじゃなぁい、接触の一瞬にネフィリムが喰らって同化ァ、身体の一部として推進力を制御したまでのコトォッ!』

 

 

 

『oh……レディに夢はないのかぁ?英雄とは飽くなき夢を見、誰かに夢を見せる者ッ!!!託されたモノなんかで満足してたらッ!底も天辺もたかが知れるッ!!!』

 

 

 

『至高の英知を手にする等ッ!天工を破れるのは英雄だけェッ!!!英雄の器が小学生サイズのレディにはァ、荷が勝ちすぎるゥッ!!!』

 

 

 

『いぃやったぁぁぁぁぁッ!!願ったり叶ったりぃッ!してやったりィィィッ!!!!!』

 

 

 

険しさを通り越し、青白くなっていく。

 

 

 

 

 

 

『愛ッ!ですよッ!!!!!』

 

 

 

 

 

 

そしてウェル博士の残留思念からの知識の読み込みによって、ついに核心に迫った。

 

 

 

『シンフォギアの適合に奇跡などは介在しないッ! その力、自分の物としたいなら、手を伸ばし続けるといい……ッ!』

 

 

 

ここでディスクの残留思念の読み取りが終わった。

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……も、もう無理ですうぅぅぅ」

 

 

フィリスはヘナヘナになりながら座り込んでしまう。

 

側にいるナハトまでへばっていた。

 

どうやらフィリスを通じてウェル博士の残留思念をナハトも読み取ってしまったらしい。

 

 

「きゅー……」

 

 

「お二人とも大丈夫ですか!?」

 

 

エルフナインが近寄ってくる。

 

 

「だ、大丈夫です。それよりエルフナインちゃん!LiNKER作製の最後のピースが分かりましたよ!!」

 

 

「ほ、本当ですか!?」

 

 

「はい!それは……」

 

 

「それは?」

 

 

フィリスは大きな声で言う。

 

 

 

「愛です!!」

 

 

 

答えを聞いたエルフナインはつい突っ込んでいた。

 

 

「何故そこで愛ッ!?」

 

 

 

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

 

 

フィリスは論より証拠ということで先程の残留思念をナハトを通じて、エルフナインにも見せる。

 

エルフナインは悲鳴をあげながらもその思念の想いを感じ取った。

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……な、なんとなく理解しました」

 

 

「これでいよいよLiNKER生成ですね」

 

 

「はい!さっそく今から取りかかりましょう!!」

 

 

「私もお手伝いしますエルフナインちゃん!!」

 

 

「きゅ!!」

 

 

こうして二人と一匹はLiNKER生成の作業へと入る。

 

そしてバルベルデ共和国から日本へと着く頃にはLiNKERは完成したのだった。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

「いくよフェイトちゃん!」

 

 

「うん、なのは!」

 

 

「こっちもやるよクリスちゃん!」

 

 

「任せろ!」

 

 

所変わってトレーニングルームではなのは&フェイトチームと、響&クリスチームによる模擬戦が行われていた。

 

 

「アクセルシューター……シュート!」

 

 

なのはのアクセルシューター20発が響とクリスへと迫る。

 

だがクリスは不敵に笑いながら迎撃に移る。

 

 

「っは!甘えぞなのは!!」

 

 

 

MEGA DETH PARTY

 

 

 

クリスは腰部アーマーから小型ミサイルを一斉に発射する。

 

そしてアクセルシューターを相殺すると、さらなる追撃を浴びせる。

 

 

「なのは!」

 

 

フェイトがなのはの元へと向かおうとするが、そこに響が立ち塞がる。

 

 

「行かせないよ!」

 

 

「響さん!?」

 

 

響の拳とフェイトの鎌が激突する。

 

しかしパワーは響の方が上なのかフェイトは吹き飛ばされる。

 

 

「あぐっ!?……まだまだ!」

 

 

だが空中で吹き飛んだ体勢を立て直したフェイトは響へと突っ込む。

 

一方のなのははエクセリオンシールドでミサイルを防ぎつつ、移動しながらショートバスターを繰り出す。

 

 

「バスター!」

 

 

「だったらこれならどうだ!」

 

 

 

MEGA DETH FUGA

 

 

 

クリスも移動しつつ大型ミサイル2機を展開し発射した。

 

 

 

ドガァアアアアアアアンン!!!!!!

 

 

 

爆発音がトレーニングルームに大きく響く。

 

互いに致命傷にはならずに戦いを続行させる。

 

クリスは走りながら、なのはは飛翔しながら互いに攻撃を行っていた。

 

 

「早いねフェイトちゃん!」

 

 

「いえ、まだまだです!」

 

 

響はフェイトから繰り出される早い連撃を受け流しながら、カウンターを入れていく。

 

 

「クレッセントセイバー!」

 

 

そしてフェイトは一旦距離を取ると、バルディッシュを振るい、三日月型の魔力刃で攻撃する。

 

 

「おりゃああああ!!」

 

 

だが響はそれを殴り飛ばした。

 

フェイトは唖然とする。

 

 

「ヒ、ヒエンみたいに滅茶苦茶ですね……」

 

 

「え?なんでそこでヒエン君?」

 

 

「いえ、その殴り飛ばすという発想が似ているといいますか。ヒエンも徒手空拳ですから」

 

 

「あはははは……。私のアームドギアはこの拳だから!」

 

 

するとビーッという音がトレーニングルームに鳴り響く。

 

模擬戦終了の合図である。

 

 

「いや~二人とも強いねぇ」

 

 

「全くだ。その年でここまでやるとか自信無くすぜ」

 

 

「「あ、ありがとうございます」」

 

 

響とクリスが褒めると二人は照れ臭いのか声を小さくしながらお礼を言う。

 

 

「なのはちゃんも、フェイトちゃんもずいぶん戦い慣れてる」

 

 

「デスデスデース」

 

 

「二人とも私と会う前から魔法関係の事件に関わってましたから」

 

 

調、切歌、はやての三人は端の方で見学していたらしく感心していた。

 

すると、そこにリニスが飲み物とフルーツを持ってやってきた。

 

頭には久遠も乗っている。

 

 

「皆さん、少し休憩しましょう」

 

 

「くぅ」

 

 

「リニスさん!久遠ちゃん!」

 

 

響達はリニスから飲み物とフルーツを受けとる。

 

そこでクリスが話を切り出す。

 

 

「お前達との模擬戦は良い経験になったよ」

 

 

「うん!今まで戦ったことがなかったタイプだから新鮮だったよ!!」

 

 

響も同意する。

 

とそれを見ていた調と切歌が話す。

 

 

「私達もLiNKERがあれば訓練に参加できたのに」

 

 

「響さんとクリス先輩だけズルいデース!私達もなのは達と模擬戦したいデース!!」

 

 

二人が残念そうにしていると、そこで答えたのがリニス。

 

 

「それは近い内になんとかなるかもしれませんよ?」

 

 

「本当デスか!?」

 

 

「切ちゃん落ち着いて。飲み物こぼれちゃうよ」

 

 

切歌がつい前のめりになる。

 

 

「はい。先程、エルフナインさんの所に差し入れを持っていったのですが、LiNKERでしたか。その作り方がついに分かったそうなので、遅くとも日本に着く頃には完成するそうですよ?」

 

 

「「「「え、えぇ!!??」」」」

 

 

響、クリス、切歌、調の四人は驚愕する。

 

 

「あんなにエルフナインちゃん、悩んでたのに?」

 

 

「はい。フィリス先生も作製に携わったことで問題も解決したみたいです」

 

 

「あの先生、とんでもねぇな」

 

 

「「す、すごい(デース)……」」

 

 

フィリスがエルフナインと知り合ってからまだ数日なのだが、僅かな期間でLiNKERの完成にこぎ着けたことに切歌と調は、尊敬を通り越して畏敬の念を抱いていた。

 

 

「でもこれで近い内に私達もなのは達と模擬戦できそうデスね調!」

 

 

「うん、そうだね切ちゃん!」

 

 

「私達もお二人と早く戦ってみたいです!ね、フェイトちゃん?」

 

 

「そうだね、なのは」

 

 

切歌と調、なのはとフェイトは互いのパートナーとイチャイチャしながら会話する。

 

それを見ていたクリスが呆れた顔をしながら話題を変える。

 

 

「そういや模擬戦といや、あのお気楽バカと先輩が戦ってるところを記録映像で見たが、ありゃあ両方ともガチだったな」

 

 

「私は翼さんがイグナイトまで使ってたことにビックリしたよ」

 

 

「翼さんがイグナイト使うまでは正直、お兄さんが優勢だったデスからね」

 

 

「でも最後の方は両方とも相討ちだった」

 

 

四人がそれぞれの感想を述べる。

 

 

「まあ結局二人ともやり過ぎだってことでマリアから正座で説教食らってたけどな」

 

 

「翼さんに至っては絶唱使おうとしてましたし。でも正直、正座姿は様になってた」

 

 

「お兄さんもどこか慣れた感があったデース」

 

 

切歌の言葉になのは達は苦笑していた。

 

そこに響がなのは達へと質問する。

 

 

「なのはちゃん達もヒエン君が使ってたオーバードライブは使えるの?」

 

 

なのはが答える。

 

 

「い、いえ私達はオーバードライブは身体に負担がかかるので使えません」

 

 

「そうなの?」

 

 

響がフェイトに視線を向ける。

 

 

「はい、リニスに禁止されてまして。あ、でも()()()()()()()()ならありますよ」

 

 

「そうなんだ!何て言うものなの?」

 

 

「それはまだ……秘密です」

 

 

「えぇー……気になるなあ」

 

 

響ははやてに視線を向ける。

 

 

「い、いやあ、私にはそういったものはないですー。な、リインフォース?」

 

 

「はい、我が主。主は私がしっかりサポートします」

 

 

はやては響の視線から逃げるようにリインフォースへと視線を移す。

 

トレーニングルームでは和やかな雰囲気が流れていた。

 

リニスはそれを温かな様子で見守っていた。

 

だが彼女の胸中では不安のようなものが渦巻いていた。

 

 

(なんなのでしょう、この胸騒ぎは……)

 

 

リニスは腕に抱く久遠を優しく撫でながら翼、マリアと共にバルベルデ共和国に残っている一人のマスターのことを思う。

 

 

(心配ないとは思いますが……無茶だけはダメですよヒエン)

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

響達がバルベルデ共和国を経って数日、マリアと翼のサポート役として俺は未だバルベルデに残っていた。

 

バルベルデ政府が保有していた機密資料を纏めるのに少し時間がかかってしまったのだ。

 

そして俺達はその資料を手に、遅れて日本へと帰国することになる。

 

いや、俺の場合は帰国ではないけどね?

 

そして俺がファーストクラスの席で豪華なビーフ&チキンの機内食を食べていたときのことだった。

 

 

 

 

 

ドガァアアアアアアアンン!!!!!!

 

 

 

 

 

 

いきなり爆発音が響いたと思ったら空に投げ出されていた。

 

意味が分からなかった。

 

俺はナイフとフォーク片手に猛スピードで落ちながら呟く。

 

 

「ハハ……デナ……スカイ…………ダイビンググウウウゥ!!」

 

 

風圧で喋れねぇよ。

 




スカイダイビングダー。
そしてウェル博士ちょっと登場しつつ、LiNKERあっさり完成っていう。

あっさりしすぎとか言わない。

気にしたらあかん。

次回は日本にやってきた。

そして主人公と393がついに対面。

では、また(・∀・)ノ

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