遂に原作開始ッす。
うまく書けるか不安で仕方ないですorz
ではどうぞ( ゚д゚)ノ
第十四話 原作開始
第三者side
時刻は真夜中…
ある1人の少年が黒い異形の怪物と戦っていた。
怪物が人通りの少ない公園の中を駆け抜ける。金髪の幼い少年は後ろから追いかけ、怪物をボートが止まってる湖の上まで追い詰める。そして少年は橋の上で立ち止まり手に持っていた赤い石を怪物へと向け、話し始める。
「お前はこんな所にいちゃいけない…」
赤い石が光だす。
「帰るんだ…自分の居場所に…!」
怪物はうっすらと目をあけ鋭い視線で少年を睨み付ける。そして雄叫びをあげながら少年に猛スピードで突っ込んでいく。少年が構えると、緑の魔方陣が前方に飛び出した。
「妙なる響き光となれ!許されざる者を封印の輪に……!ジュエルシード封印!!」
黒い異形の怪物と金髪の少年の魔方陣が正面から激突する。しばらく拮抗していたが、怪物は消滅していき青い宝石のようなものが姿を表した。しかしその直後、怪物が再生し姿を取り戻す。少年は驚いたのか体を硬直させてしまう。
そして怪物はそのまま距離を取り、己の体の一部を銃のように弾き飛ばした。
少年はすぐに走り出し何とか回避する。が、そばにあった橋やボートの一部が吹き飛んでしまった。
かわすのが困難だと悟ったのか少年は防御魔法を展開する。しかし怪物の攻撃は強く、防御魔法を貫通してしまい少年は林へと吹き飛ばされてしまう。
怪物は少年を吹き飛ばして満足したのか飛び去っていった。
「逃がしちゃった。追いかけなきゃ…」
少年は怪物を追いかけようとするが力を使い果たしたのか倒れてしまう。すると少年の体が突如発光する。光が収まるとそこにいたのは1匹のフェレットであった。
そしてフェレットは気絶してしまった。
「今の夢は…」
ある一室で一人の少年が夢を見ていた。そして何か確信したかのように呟く。
「いよいよ始まるか」
第三者side end
◆◆◆
ヒエンside
俺はベッドから起き上がり朝食の準備を始める。いつもなら俺の同居人兼、家庭教師&使い魔といった複数の属性を持つ女性がやってくれるのだが訳あって今はこの場にいない。
「ヒッツ~飯の用意できたぞ~」
「ガウガウ~」
部屋のリビングからオレンジ色の小さなライオンがピヨピヨと飛んでくる。こいつが俺の相棒兼デバイスのヒート・スピリッツ、通称ヒッツさんである。この小さなライオンさん、見てたら非常に和むので我が家のマスコットのポジションをほしいままにしている。
「じゃあ飯食うか」
「ガウ」
俺は焼いたトースト、ヨーグルト、コーヒーを机の上に置き、自分の席につく。
「いただきます」
朝食を食べ終わったあと、俺は徒歩で学校へと向かう。まだ朝だからか人通りが少ない。俺は空を見ながらのんびりと歩いていく。
「今日は快晴だな」
しばらく歩いていると、バス停が見えてくる。するとその側には茶色いツインテールをした見慣れた女の子の後ろ姿が。
「おはよーなのはちゃん」
「ふぇ?……あ、おはよう!」
おお…
朝から輝かんばかりの笑顔!!
元気ですねなのはさん。
「今日は少し早いんだねなのはちゃん。いつもはねぼ…遅いのに」
「今寝坊って言おうとした!?なのはだっていつも寝坊してるわけじゃありません!それにケータイの目覚ましだってちゃんとかけてるんだから!!」
「あ、そういえばケータイ買ってもらったんだっけ?」
「うん。小学三年生の進級祝いにお父さんとお母さんが買ってくれたの!えへへ。もう大人の仲間入りです!」
そういってなのはは俺にピンク色のケータイを見せる。っていうか今の子ってこんな小さな頃からケータイもってるのか?俺はケータイ持ち始めたの中一からだぞ?
「あ、ヒエンくんアドレス交換しよ!」
「いいよー」
俺となのははお互いのアドレスを交換した。俺は電話帳に「高町なのは」のメールアドレスが追加されたのを確認するとケータイをしまう。
「じゃあ今夜メールするね?アリサちゃんとすずかちゃんにも教えてもいい?」
「うん。全然いいよ」
俺となのはは、そこで五分程世間話をした。しかし話題はそこまで持たず軽い沈黙が訪れる。
「………」
「………」
俺はなのはの方をチラッと見た。するとなのはが何か言いたげな表情でこちらを見ていたので俺は話をふることにした。
「どうかした?」
「え?な、なんで?」
「いや、なにか言いたそうな顔してたから何かあったのかなあって」
「………」
「………」
「………夢を見たの」
「夢?」
「あのね…」
なのはが言おうとしたとき丁度、聖祥大学付属小学校行きの通学バスが到着した。なのはは少し残念そうな顔になるが、すぐに笑顔に戻る。
「今日、夜に電話してもいい?」
「全然大丈夫だよ」
「ありがとう。またねヒエンくん」
「いってらっしゃいなのはちゃん」
俺はなのはに手をふりバスを見送る。すると視線を感じたので、その地点を見るとバスの一番後ろにアリサとすずかの姿があった。俺は片手を上げて挨拶する。アリサはピースサイン、すずかは小さく手を振ってくれた。そこに丁度なのはが合流し、バスは発進していった。三人は後ろを見ながら手を降ってきたので俺も小さく手を振っておく。
「俺も行くか」
俺も学校へ行くため歩き出した。
歩いている間、俺は先程のことを考えていた。さっきなのはが言おうとしてたのは…間違いなく今朝の夢のことだろう。
夢の中ではある一人の少年が黒い怪物と戦っていた。その少年の名はユーノ・スクライア。物語の発端となる『ジュエルシード』というエネルギー結晶体のロストロギアを発掘した9歳の考古学者であり天才少年である。
彼がこの海鳴にいたということはジュエルシードはすでに各地にばらまかれたということ。だとすれば今夜から物語が始まることになる。
俺はこの後に起こることはなんだったかなと考えながらとりあえず学校へと向かった。
◆◆◆
授業が終わり放課後となったので、俺はさっそく昨夜の戦いの現場となった公園に来ていた。
周囲には警察官やその関係者と思わしき人達が忙しなく動いていた。俺は野次馬に紛れて軽く周りを見回してみる。ボートや橋、公園の壁の一部がところどころ破壊されていた。
思ってたよりも凄まじいな…
「あの何かあったんですか?」
うん?
すると聞き覚えのある声が聞こえたので見てみると、見覚えのある三人組の女の子達がいた。というか今朝も会ったなのは、アリサ、すずかの仲良し三人組が作業員と思われる男性と話していた。
「いや
アリサとすずかが男性の話を聞いているが、なのはは周囲をキョロキョロと見渡している。
(助けて…)
突然頭の中に声が響く。
これは…念話だな。
「すずかちゃん……いま何か聞こえなかった?」
「……何か…?」
「……ちょっとごめん…!」
「なのは!?」
なのはは何かを探すように急に走り出す。アリサとすずかはなのはの急な行動に驚いていたがすぐに後を追いかけ始めた。
俺もとりあえず後を追いかけることにした。
そしてしばらく走ると道の真ん中に座り込んでいる三人を発見した。
「おーい」
「「「あ、ヒエン(さん/くん)!」」」
「何かあったのか?」
「うん。この子が…」
なのはが抱き抱えているフェレットと思わしき動物を見せる。恐らくこの子がユーノ・スクライアだろう。
「随分、衰弱してるな。この近くに動物病院がある。すぐにいこう」
「「「うん/はい/わかったわ」」」
俺達はフェレットを抱え動物病院へと急いだ。
結論からいうとフェレットは助かった。かなり衰弱していたが…。だがこれといって大きなケガはなかったので俺達四人はホッとしている次第である。
「院長先生…ありがとうございます」
「いーえー」
三人がお礼を言う。槙原動物病院の医院長槙原先生が直々に見てくださった。俺の回復魔法で治そうと思えば治せたのだが、今魔法を使うとややこしくなるのでやめておいた。槙原先生には感謝してもしきれない。
「これってフェレットですよね…?どこかのペットなんでしょーか」
「フェレットなのかな…?変わった種類だけど……」
アリサは気になったのか槙原先生に問いかける。確かにユーノのフェレット姿は野生のフェレットとは違うだろう。
「ま、しばらく安静にしてた方が良さそうだから…。とりあえず明日まで預けておこうか」
「はい」
「「「おねがいします」」」
三人とも息ピッタリだね。
でも三人とも予定なかったっけ?
「三人ともそろそろ塾の時間なんじゃないの?」
三人は俺の言葉を聞いて時計を見ると、分かりやすく慌て出す。
「ヤバ塾の時間!ヒエンもっと早く言いなさいよ!」
「なんか理不尽!?」
「そんなことよりアリサちゃん!そろそろいかないと!」
「じゃ…じゃあ院長先生すみません…また明日来ます!」
三人は急いで出ていった。
それよりすずかさんや?
最後にそんなことよりって言ってたね…
普段君が俺をどう思ってるかよく分かったよorz
「はぁ」
俺は思わずため息をついた。
「貴方も大変ね?」
「いえいえそんなことないです。それより治療ありがとうございました。それで料金の方は?」
「治療費はいらないわ。私は貴方たちみたいな優しい子からお金は取らない主義なの。それに野生の動物の治療は私の趣味でもあるのよ?」
「は、はあ、そうなんですか。それではお言葉に甘えます」
なんて立派な人なんだろうか。
ていうかこの人前世のゲームのとらいあんぐるハートに出てなかったか?
…………ダメだ。なんも思い出せん。ここ数年で原作知識も段々思い出せなくなってきてるし…帰ってからとりあえず覚えてることだけでも書き出しておくか。
「すいません。それじゃそろそろ俺も失礼します。あ、あと俺も明日またここにこさせてもらってもいいですか?」
「ええ、大丈夫よ。基本的にここは毎日開けてるから」
「分かりました。それでは失礼します」
「気を付けてね」
とりあえず晩御飯の買い物してから帰りますかね。
◆◆◆
晩御飯を食べたあと、俺は原作知識をノートへと書き出していた。そして書いて気付いたことがある。前世では俺はリリカルなのはのファンであったため、細かいことまで知っている自信があった。なのだが、ここにきて大まかな情報しか思い出せない。
これは…あれだな。
しまったああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!
前世の知識思い出したときに全部書きだしとけば良かったーorz
記憶の劣化とかまじないわー。
とりあえず悩んでも仕方ないのでノートは魔方陣の中にしまっておく。これで誰にも見られる心配はない。こんなの見られたら黒歴史どころか、頭おかしいやつと思われてもおかしくない。
「はぁ」
俺はため息を吐きながらソファに深く座る。最近はため息することが多くなったな。
ヒッツから大丈夫~?といった思念が届く。
ああ大丈夫大丈夫、ちょっと疲れただけだから。
俺は少し目を閉じる。
ちょっと眠いな…。少し眠ろう。
そうだ。もうすぐ原作が始まる…。少し早起きして…いか…ないとな……。
「zzz」
『聞こえますか…?ボクの声が…聞こえますか…』
はっ!?
こ、この声は…
し、しまった!俺、眠ってたのか!?
『聞いてください……』
この念話が聞こえるということは、なのはもすぐに動き出すはず。
『ボクの声が……聞こえる方…お願いです…力を貸してください…!お願い………』
こうしちゃいられない。
俺もいかないと!
「いくぞヒッツ。セットアップ」
俺はバリアジャケットを身にまとい夜の海鳴へと飛び出した。
ヒエンside end
◆◆◆
なのはside
私は急いでいた。小学三年生の私がこんなに遅い時間に出歩いちゃダメだっていうのは分かってる。でもどうしても気になるの!
あの助けを求めてる声が!
声が聞こえてくる方角まで来てみるとそこは夕方に来た動物病院の前だった。すると突然頭に響く音が聴こえてきた。
キイイイイイイ!!!
思わず耳をふさぐ。
「……また……この音……!」
音が収まると今度は大きな爆発音が聞こえてくる。
ドゴオオオオオンンンン!!!
すると黒い大きな何かに追われているあのフェレット君の姿が。私は思わず両手を前にだし飛んでくるフェレット君を受け止める。と同時に黒い大きな何かも一緒に飛んできたので咄嗟に横に飛んだ。
「ヴアアッ!!」
「んな……なに!?いったいなに!?」
『来て……くれたの……?』
わぁ!フェレット君がしゃべった!?もう色んなことが起こりすぎて何がなんだか…
「ええと…あのなんなの!?なにが起きてるのー!?」
「あの…お願いがあるんです…!ボクに少しだけ力を貸して……」
「…え…ええ?」
どういうこと?
「オオオ!!!」
さっきの黒いのが!?と、とにかくまずは逃げなきゃ!
「お礼は必ずしますから…!」
「お礼とか!そんな場合じゃないでしょ!?」
私は走りながらフェレット君と話す。
「今のボクの魔力じゃアレを止められない…だけどあなたなら……」
「魔力…!?」
魔力ってあの魔法とかで出てくる?
「ヴオオオオー!!!」
この声は!?もうあの黒いのが!?
「どうすればいいの?」
「これを…」
フェレット君が首にかけていた赤色の宝石を私に渡してきたのでそれを受けとる。
「それを手に……目を閉じて心を澄ませて…」
私は目を閉じて心を落ち着かせる。すると胸の中に暖かな鼓動を感じた。
ドクンッ!!
「管理権限、新規使用者設定機能フルオープン」
ドクンドクン
「繰り返して………『風は空に 星は天に』」
「…風は空に……星は…天に……」
『不屈の魂はこの胸に』
「不屈の魂はこの胸に!」
『この手に魔法を』
「こ…この手に魔法を……!」
『「レイジングハートセット・アップ!」』
《スタンバイレディセットアップ!》
私は暖かな桜色の光に包まれた。
なのはside end
◆◆◆
ヒエンside
俺は全速力で槙原動物病院まで急いでいた。病院の近くまでくると轟音が辺りに響く。
するとジュエルシードの魔力を複数感知する。それとは別に二つの魔力も動いていた。
これは……なのはとユーノか!?
急がないと!
俺は上空からなのはを探す。すると曲がり角の電柱近くにいる二人を発見した。二人とも何か話しているようだ。おそらくレイジングハートを渡しているんだろう。
ならば俺がやることはひとつ。
時間稼ぎだ!
俺は動きだそうとしているジュエルシードの思念体三体をバインドで拘束する。
「悪いがあの子達の邪魔はさせないぞ。お前たちにはもう少しジッとしていてもらう」
俺は更にバインドを増やし思念体達の動きを止める。
なのはとユーノの声が聞こえてくる。二人に視線を向けると、桃色の魔力柱が空へと迸った。凄まじい魔力が辺りに広がる。
事前に知っていたとはいえ凄まじい魔力だな。さすが主人公。
なのはは白いバリアジャケットを身に纏い地面へと降り立った。そしてそのバリアジャケットを見た俺は思わず目をこすった。
え?
劇場版仕様ですか?
なんのことか分からない人達のために説明するが魔法少女リリカルなのははテレビシリーズの他にも、映画化されている。
ストーリーはそんなに変わらないがそのときなのはとフェイトのバリアジャケット、デバイスなどの細部が変更されていたりする。ちなみに俺が好きなデザインは劇場版の方だったりする。
ってそんなこと考えてる場合じゃない!
なのはは無事セットアップできたようだ。
するとバインドで拘束していた思念体達が鎖を引きちぎり動きだそうとしていた。
こいつらを拘束するのもそろそろ限界か。
思念体三体は目標をなのはに定め動き出した。
俺も合流するとしますかね。俺はなのはの驚く顔が頭に浮かび、思わず笑う。
それじゃあいきますか!
ヒエンside end
◆◆◆
なのはside
「成功だ……!」
「え……えええええええっ!?」
な、なんか変わってるー!?
なにこれ!?
なんなのこの杖ー!?
「ヴォオオーーーーーッ!」
「ええええーーーーっ!?」
く、黒いのがこっちにきたー!?
私は恐怖に思わず目を閉じてしまう。そしてこれから来るだろう痛みに身構えた。
…………………
あ、あれ?
な、なにも起きない…
私はチラリと閉じていた目を開き、前をそっと見る。
するとそこには何度も見たことのある、あの人の大きな後ろ姿があった。
「無事かなのは?」
「ヒ、ヒエンくん?」
私の孤独な心を救ってくれたヒーローがそこにいた。
どうでしたでしょうか?
こういうのって難しいですね。
とりあえず書けるだけ書いていこう。
ではまた( ̄0 ̄)/