大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

令和になってから初めての投稿。

今回はvs美沙斗さん。

すげぇ強えぇです。

一応強さの設定としてはゼストさんとタメはれるレベルです。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第二百五十五話 完成された御神の剣士

ヒエンside

 

 

 

俺は現在翠屋の近くにある廃ビルで美沙斗さんと向き合っていた。

 

なぜ向き合っているのかというと今から彼女と模擬戦をするためだ。

 

先ほど俺は切断魔(スライサー)ことグリフと戦いを繰り広げた。

 

だがそのせいでグリフのバックにいるチャイニーズマフィアの『(ロン)』に目をつけられてしまったらしい。

 

美沙斗さんの助言で俺は彼女と共に連中が本格的に動き始める前に奴らの支部を片っ端から叩き潰していくことを決意する。

 

そして美沙斗さんが俺の力を見るために模擬戦を提案したという訳だ。

 

ちなみにこの廃ビルには既に結界を展開済みである。

 

これでいくら暴れても迷惑がかかることはない。

 

一応この模擬戦は翠屋、どこからか話を聞き付けたさざなみ寮、八神家、ハラオウン家の面々がモニターしている。……意外と多いなおい。

 

ちなみに(ロン)の支部に攻めいることは誰にも言っていない。

 

今は俺と美沙斗さんだけの秘密だ。

 

すると美沙斗さんが大声で話し始めた。

 

 

「聞こえるか恭也、美由希。今からお前達には私とヒエン君の模擬戦を見てもらう。そしてこの模擬戦で私は()()()()を使用する。それをその目にしかと焼き付けろ」

 

 

そして美沙斗さんは小太刀を二刀構え……

 

 

「完成された御神の剣士の力を……見せてやろう」

 

 

こちらを勢いよく睨んだ。

 

 

 

ゾクッ……

 

 

 

そのとき俺は凄まじい威圧感を美沙斗さんから感じ取った。

 

彼女の顔は剣士としてのそれだった。

 

俺も額の炎の炎圧を上げて死ぬ気モードとなる。

 

既にセットアップは済ませているので問題ない。

 

俺の様子を見た美沙斗さんは笑う。

 

 

「ほう、それが話に聞いていた死ぬ気モードというやつか。本当に額に炎がつくんだね」

 

 

「ええ、それだけ俺も本気だということです。悪いですが美沙斗さん、女性だからといって手加減はしませんよ」

 

 

「ふっ、心配するな。これでも剣士の端くれ、修羅場もそれなりに経験している。言っておくが……私はかなり強いぞ?」

 

 

「……でしょうね」

 

 

さっきから威圧感をビシバシ感じるからな。

 

強い人というのは相対すると雰囲気でだいたい分かる。

 

美沙斗さんの力量はかつて戦ったゼストさんクラスと見ていいだろう。

 

初めから全開でいかなければ一瞬でやられるかもしれない。

 

 

「スゥ……ハァ……」

 

 

俺は深呼吸する。

 

ここ最近のなのは達との模擬戦では集中できず、負けっぱなしであった。

 

だからこそ、この模擬戦はしっかりと集中して戦わなければならない。

 

勝敗はどうあれ、この模擬戦は俺にとって今後の道を左右する重要なターニングポイントになる気がするからだ。

 

 

「準備はいいかヒエン君?」

 

 

「いつでもOKです」

 

 

俺は様子を見ているであろうエイミィに合図を頼む。

 

 

「エイミィ合図頼む」

 

 

『はいはーい。それでは二人ともいきますよ?模擬試合……始め!!』

 

 

「時空管理局嘱託魔導師、大空氷炎……いきます!」

 

 

「永全不動八門一派・御神真刀流小太刀二刀術・御神流剣士、御神美沙斗……いざ参る」

 

 

そして模擬戦が始まった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

俺はまず距離をとりつつ、魔力弾をセットする。

 

 

火炎の銃弾(フレイムバレット)、ファイア!」

 

 

自身の周囲に配置すると、一気にそれらを放った。

 

今の俺の操れる魔力弾の数は最大で15発。

 

ナハトが術式を改良してくれたおかげで操れる数も増えたのだ。

 

 

(まずは様子見……さて、どう動く?)

 

 

炎のスフィアが全方位から美沙斗さんへと迫っていく。

 

相手は近接戦闘を主軸にした剣士。

 

普通ならある程度距離をとってしまえば攻撃はできないだろう。

 

だが相手は普通ではない。

 

身体に宿る体内エネルギー『気』を操る【闘気(オーラ)使い】であり、完成された御神の剣士であるのだから。

 

 

「…………」

 

 

美沙斗さんが動き出す。

 

彼女は俺へと向けて走り出し、炎のスフィアを必要最低限の動きだけでかわしていく。

 

 

「verミサイル!」

 

 

それを見た俺はバージョンを誘導弾へと切り替える。

 

彼女の背後から多数の炎のスフィアが迫る。

 

しかし彼女は驚くべき方法でそれらを突破する。

 

 

「フッ!」

 

 

彼女が背後から迫っていた炎のスフィアを斬ったからだ。

 

後ろを見もせず正確に。

 

 

(なんて人だ……自分に当たるものだけを寸分違わず斬っている)

 

 

もちろん彼女の持つ小太刀からは魔力反応はない。

 

だが俺からしてみれば完全に小太刀だけで斬っているようにしか見えない。

 

すると美沙斗さんは小太刀を一端鞘に収めると、懐から飛針を取り出し、こちらに投げた。

 

 

「verマシンガン!」

 

 

俺は再度バージョンを切り替え、連射で魔力弾を放つ。

 

飛針と魔力弾がぶつかり合う。

 

しかし魔力弾はいとも簡単に消し飛んだ。

 

 

「!?」

 

 

俺は咄嗟に前方にラウンドシールドを展開させる。

 

額の炎の炎圧を上げて強化しておくことも忘れない。

 

 

 

ピキキッ…………

 

 

 

飛針がシールドに当たると僅かにヒビが入った。

 

 

(なんて威力だ!?下手な射撃魔法よりずっと強い!!)

 

 

そのまま美沙斗さんはシールドの前に来ると技を放った。

 

 

(ざん)

 

 

シールドは一刀両断され、彼女はそのまま俺に迫ってくる。

 

だがそんなもの()()()()だ。

 

 

「……これは!?」

 

 

俺は地面から氷のトゲを彼女の眼前に出す。

 

美沙斗さんは急ブレーキで止まると後方へと跳びずさる。

 

 

「ここだ!ヒートカノン!!」

 

 

俺はそれをチャンスとばかりに右手から炎の銃弾を連射で放つ。

 

だが美沙斗さんは小太刀を横に振るうと斬撃を振るい、逆にヒートカノンを吹き飛ばしこちらに攻撃を仕掛けてきた。

 

 

「飛ぶ斬撃って……なんでもありか!?」

 

 

俺は両手のグローブから炎を噴射させて即座に美沙斗さんの着地点へと回り込む。

 

そして炎を纏った蹴りを放とうとするが、なんと美沙斗さんは腕につけていた鋼糸を操り、俺を拘束する。

 

 

「ぐっ……うぉおおおおお!」

 

 

俺はグローブの炎の炎圧を最大限にまで上げると鋼糸を強引に焼き切る。

 

そしてこちらに攻撃を仕掛けようとしていた美沙斗さんをかわし、バックステップで後ろへと下がった。

 

 

「……半端ないですね闘気(オーラ)使い」

 

 

「こちらも驚いた。炎だけでなく氷まで操るとは。魔導師……予想以上の強さだ」

 

 

俺達は互いに話しかける。

 

 

「……質問いいですか?」

 

 

「いいよ」

 

 

「さっきの飛針、気を纏わせたんですか?破壊力が異常にありましたけど」

 

 

「ああ。第三段階の【掌握】まで極めれば、遠距離での攻撃も可能となる」

 

 

「あの飛ぶ斬撃も?」

 

 

「あれは第二段階の【開放】を修得していれば誰でもできる技だよ。この小太刀に気を纏わせてそれを斬撃として放っただけだからね」

 

 

「鋼糸にも気を纏わせたんですか?めちゃくちゃ頑丈だったんですけど」

 

 

「基本的に気を纏わせた物は耐久性が上がり丈夫になる」

 

 

「……答えてくれてありがとうございます」

 

 

やっぱり闘気(オーラ)使いハンパネェ。

 

 

「こちらからもいいかい?」

 

 

「どうぞ」

 

 

「魔導師というのはあそこまで自在に光の球?みたいなものを操れるのか?」

 

 

「あれは射撃魔法といって魔力に形を持たせることで遠距離攻撃を放つ技なんですが……程度はありますが魔導師ならば訓練次第で誰でもできるようになります」

 

 

「魔導師は炎だけでなく氷も操れるのか?」

 

 

「あれは魔力変換資質といって魔力を意図的に炎や氷、あとは電気などに物質変換させるものです。ちなみに誰でもできる訳ではありません。炎と氷に関しては俺個人の能力です」

 

 

まあ実際は死ぬ気の炎と魔力変換資質は別物の能力であるのだが、説明がややこしいので今は黙っておく。

 

 

「なるほどな」

 

 

美沙斗さんは納得したのか一度頷いた。

 

俺は彼女をジッと観察する。

 

俺も武術を(かじ)っているから分かるのだが、美沙斗さんからは底知れぬ迫力のようなものを感じる。

 

間違いなく素の状態では絶対に勝てない。

 

だが魔法や能力ありの戦いであれば結果は分からない。

 

たとえ相手が小太刀の達人といえど勝てる可能性はある。

 

 

「お互い知りたいことも知れたようだし、ここからは本気でいこうか」

 

 

「もう様子見は終わりということですね」

 

 

「ああ、今度はこちらからいかせてもらうよ」

 

 

「いつでもどうぞ」

 

 

「なら……スタートだ」

 

 

「!?」

 

 

気付けば目の前に美沙斗さんがいた。

 

超直感が警鐘を放つ。

 

 

「ブリッツアクション!」

 

 

俺は身体を加速させる。

 

美沙斗さんが攻撃を放つが体捌きでなんとかかわす。

 

そこから加速した世界での近接戦闘が開始された。

 

 

「御神流奥義之()花菱(はなびし)

 

 

美沙斗さんは神速と言わんばかりの速さで二刀の小太刀を器用に操り、連続で斬りかかってくる。

 

俺は両手に小さくラウンドシールドを展開させる。

 

イメージするのはリリカルなのはvividでヴィヴィオが使用していた防御技。

 

セイクリッドディフェンダー。

 

言うなれば……

 

 

「ラウンドディフェンダー!」

 

 

美沙斗さんの花菱をラウンドディフェンダーで受け止めていく。

 

ラウンドディフェンダーはラウンドシールドを小さく展開させた分、防御範囲は狭くなっているが、耐久力はアップしている。

 

美沙斗さんの小太刀は気で強化されている。

 

普通のシールドでは斬り裂かれてしまう。

 

ならさらに強化するしかない。

 

俺は美沙斗さんの動きを感じとり、小太刀を防御していく。

 

反撃に移りたいがいかんせん、そんな余裕など微塵もない。

 

そして互いに加速状態が時間切れになったのか、その場に姿を表す。

 

俺はチャンスとばかりに両手のグローブから炎を噴射させて、彼女の後ろに回り込み首元に手刀を放つ。

 

しかし動きが読まれていたのか細い丈夫な糸、鋼糸が放たれており俺は再び拘束されてしまう。

 

咄嗟に地面から全方面に氷のトゲを展開させることで、追撃を仕掛けようとしていた美沙斗さんに牽制として放つ。

 

 

「またそれか!?」

 

 

そして俺は鋼糸を再び焼き切ると地面に両手をつき、さらに攻撃を仕掛ける。

 

 

氷結(フリージング)ver(ソード)!」

 

 

ビルのフロア全体を凍らせ床や天井、壁などから氷の剣が美沙斗さんへ迫る。

 

どこかの赤い弓兵の剣の丘をイメージした技である。

 

 

「御神流歩法之奥義・神速(しんそく)

 

 

だがそんな呟きが聞こえたと思った束の間、美沙斗さんの姿が消えた。

 

すると一筋の影と思わしき者が縦横無尽にビルの中を跳び回る。

 

その身のこなしは、まるでどこぞの忍者だと思わなくもないほどのスピードであった。

 

俺も負けじと氷の剣を展開させて放つが全く当たらない。

 

そして一筋の影が俺の眼前に迫る。

 

俺はしゃがみ、攻撃をかわし反撃としてアッパーを繰り出すがまたもやかわされる。

 

後ろから気配を感じたが、振り向く暇はない。

 

だが()()()()()()()()が聞こえた。

 

 

「これは……オレンジの鎖!?」

 

 

「ディレイドバインド……トラップの拘束魔法です」

 

 

後ろを向くと拘束されている美沙斗さんの姿があった。

 

俺は右手を手甲に変化させると動けない美沙斗さんにビッグバンアクセルを放った。

 

 

「くっ!?」

 

 

 

ドガァアアアアアアン!!!!!!

 

 

 

咄嗟に小太刀をクロスに構えてビッグバンアクセルをガードする美沙斗さん。

 

後方に吹き飛んだが、少ししかダメージを受けてないようだった。

 

 

「……頑丈ですね。本当に人間ですか?」

 

 

「言ってくれるね。まさか神速に対応してくるとは……」

 

 

「高速戦闘なら慣れてますので」

 

 

主に運命の名前がついている女の子のおかげで。

 

 

「ふっ。やるねヒエン君、予想以上の強さだ。これなら切断魔(スライサー)と互角に戦えたことも頷ける」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

だが美沙斗さんからはまだまだ余裕を感じる。

 

確実にまだ力を隠しているな。

 

 

「だから一つだけ忠告だ。戦いが有利に運んでいるからといって油断や慢心は禁物だよ」

 

 

「!?」

 

 

すると10メートルは離れていたはずの距離を一瞬で詰められていた。

 

 

「ブリッツアクション!」

 

 

「御神流歩法之奥義・神速 (かさね)」 

 

 

俺達は再度加速状態に入る。

 

だがそのスピードは美沙斗さんの方が完全に早かった。

 

 

(ブリッツアクションを……超えるスピードだと!?)

 

 

「御神流奥義之参・射抜(いぬき)!」

 

 

「がはっ!?」

 

 

俺は猛スピードで放たれた突きをまともにくらい壁まで吹き飛ばされる。

 

 

「く……速さが足りないなら強化すればいいだけだ!」

 

 

俺は額の炎の炎圧を最大限にまであげる。

 

ブリッツアクションを強化し、神速・重に対抗する。

 

美沙斗さんが使った技は()()()()()()()()()()()更に神速に入る【神速の二重掛け】である。

 

言うなれば超加速状態。

 

俺達は縦横無尽にビル内を駆け抜け、激突する。

 

拳と小太刀を幾度もぶつけ合わせる。

 

しかし……

 

 

「くっ……はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 

「驚いた。まさか神速・重にも対応してくるとは……末恐ろしい少年だな君は」

 

 

俺が膝をついて息を乱しているのに対し、まだ余裕すら感じられる美沙斗さん。

 

はっきり言って……強すぎだろ。

 

以前戦ったイレインが可愛く見えるレベルだ。

 

 

「ま、まだまだですよ」

 

 

だが俺にだって意地がある。

 

この模擬戦で()()()()()()が分かるかもしれないんだ。

 

そりゃ必死にもなる。

 

 

「スゥ……ハァ……」

 

 

俺は呼吸を整える。

 

大丈夫だ。

 

まだやれる。

 

 

形態変化(カンビオフォルマ) 攻撃形態(モードアタッコ) 死炎の手甲(ミテーナ・ディ・ヒート)

 

 

俺は籠手を手甲に変化させ構える。

 

 

「決着をつけましょう美沙斗さん」

 

 

「いいだろう。御神の奥義のさらに先……その極みを見せてあげよう」

 

 

そして俺達は最後の超加速状態に入り、真っ正直からぶつかりあった。

 

 

灼熱の加速(バーニングアクセル)!」

 

 

「御神流奥義之(きわみ)(ひらめき)

 

 

だが気付けば美沙斗さんは既に俺の後ろにいた。

 

いつ移動したかすらも()()()()()()()()

 

 

「あははは……これが完成された御神の剣士か。完敗だ……」

 

 

そして俺は意識を失った。

 

 

 

「よく頑張った……君の力はしっかりと見せてもらったよ」

 

 

 

そんな言葉が最後に耳に残った。

 




美沙斗に敗北した主人公。

だがその顔はどこか清々しそうであった。

そして模擬戦を通して主人公に迷いがあることに気付いていた美沙斗。

そんな主人公に美沙斗は昔話をする。

※えー、最近強さの基準に関して疑問の声が上がっているのですが、人によっては「この人がこんなに強いとかあり得ないだろう」、「このキャラが弱いとかないわー」と思われる方もいると思います。

一応、弁明としてはアニメを見たり、資料を調べたりして作者的にはかなり吟味して決めているつもりです。決して適当に判断してる訳ではありません。

なのでそこらへんを理解して見ていただけたら幸いです。

長文失礼しました。

最後に……ハッピーニュー令和(ノ゚∀゚)ノ

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