今日の仮面ライダージオウは面白かった。
ジオウトリニティ……まさかの三人合体。
そして相変わらずのブレイドの棒読み!
久しぶりにきけた「ウェイ!」に少し感動しましたですはい。
今日は少し悩む主人公。あと裏の世界の剣士が登場します。ちなみにとらハ3のOVAで登場した方です。キャラは完全に想像ですが。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
ヒエンside
フィアッセさんと邂逅してから約一ヶ月の時が過ぎた。
あれから俺はフィアッセさんのことについて軽く調べた。
インターネットにのっている情報ではコンサートは六月末にあり、コンサートの場所は海鳴市にある大きなホテルで当日は貸切りにするらしい。
チャリティーコンサートをするようでチケット代などの売り上げは全て寄付するそうだ。
他の具体的な情報などは残念ながら分からなかった。
フィアッセさんはあれから高町家で居候として元気に過ごしている。
今は彼女は翠屋の店員として働いている。
その影響か世界の歌姫が働いているということもあって、翠屋の売り上げはうなぎ登りだ。
人が足りないときは久しぶりに忍さんもバイトとして入って活躍している。
他にも那美さんや、リニス、小学生六人娘も積極的に手伝っていることからなんとかなっているようだ。
そして俺はというと……
◆◆◆
「はぁ……はぁ……はぁ」
季節は五月となり桜もすっかり枯れるころ、俺は海鳴市の街中を全力疾走する。
目の前をリニスが走り、その後を全力で追いかける形となっている。
塀の上を走り、民家の屋根づたいを走っていく。
時にはビルや木の上に飛び移り、着地するときはしっかりと受け身を取る。
いわゆるパルクールというやつだ。
そしてゴール地点である海鳴臨海公園につくと息をゆっくりとはく。
「はぁ~」
「ゴォール!」
「タイムまた縮んだな~」
するとゴール地点で俺達を待っていたアリシアとはやてが出迎えてくれた。
最近はこうしてインターミドル対策として練習する俺に六人娘の誰かがついてくれている。
なのは・フェイトコンビに、アリサ・すずかコンビ、そしてはやて・アリシアコンビだ。
どうやらリニスに手伝いを頼まれたらしく六人で相談した結果、俺に鼓舞を入れるためにそれぞれコンビでサポートすることに決めたらしい。
まあ、本音としては俺の側に入れば何か面白いことが起きるから、らしいが。
巻き込まれるという点に関しては否定できないのが少しつらいゼ。
そして俺はリニスが持ってきていたスポーツドリンクを受けとる。
「どうぞ」
「ありがとう」
だが恐るべきはリニスの身体能力の高さである。
軽く10キロは走っているのに汗をかくどころか、息ひとつ乱していない。
俺も死ぬ気化して身体能力を上げているのにその俺に全くひけをとらないのだ。
元々猫というのは狩りに適した身体的特徴を持つ。
身体はしなやかな筋肉質で、瞬発力を活かした動きで狩りを行う。俊敏なところもあるし、木登りなども得意だ。
一言で言えば、猫は動き回ることが得意なのだ。
そういえばリニスが家で家事をしているときは大体忙しそうに動き回っている。
それも猫の特性故なのだろうか。
しかしここ最近の特訓はきつい。
きつすぎる。
「さあヒエン、少し休んだら柔軟をやって筋トレに移りますよ。腕立て伏せ、腹筋、背筋、スクワットそれぞれ100回×10セットです」
「……前より格段に増えてない?」
少なくとも前までやってた筋トレの軽く十倍は増えてるんですけど。
「体力がついてきたのですから量を増やすのは当たり前でしょう?」
「ですよねー」
「さあアリシア、ヒエンを手伝ってあげてください。はやては映像の記録を頼みましたよ」
「「は~い!!」」
しかし最近の六人娘は実に楽しそうである。
君達、友人付き合いとかいいのかね?ほら、気になる男子とかいないのか?
「クラスの男子ってどこかおこちゃまっていうか。それにお兄ちゃんの方こそ友達とどうなの?お兄ちゃんが友達と一緒にいるところ見たことないんだけど」
「は、話す人はちゃんといる!」
「ヒエン兄ちゃん……それ、友達おらへんって自白してるようなもんやで」
「うぅ……可哀想なお兄ちゃん。輝かしい高校の青春時代をボッチで過ごしているなんて」
「おい、そんなにはっきり言うんじゃない。悲しくて泣いちゃうだろうが」
だってしゃーないやん。
クラス替えがあって知ってる人が美由希さんしかいなくなったんだもの。
むしろ美由希さんがいてくれてラッキーだったわ。
それに席も奇跡的に隣という。
おかげでいつも昼飯を食べるときはお世話になっています。
ボッチ飯じゃないってだけで心は救われる。
「…………コミュニケーションを取らせる訓練も検討した方が良さそうですね」
そこでリニスがポツリと呟いたことに気付く。
コミュニケーションを取らせる訓練って何させられるの?
この山猫さん、基本的に妥協という言葉を知らないから何をさせられるか全く分からないのだ。(俺限定)
こないだなんて超直感の強化という名目で、なのは、フェイト、はやて(リインフォースと
だけど最近、特訓に付き合ってくれる皆が急激に強くなってきてて、正直相手をするのがきつすぎるんだ(涙目
なのはなんて今じゃ射撃魔法20発くらい操れるようになってるし……
フェイトもソニックフォームを使いこなしてきたのかさらにスピードアップしてるし。たぶん100m走、2秒もあれば余裕でゴールできるんじゃないだろうか?
はやてもリインフォースとのユニゾンに慣れてきたのか操る魔法全て安定してたし……
ヴィータとシグナムもデバイスの中のシステムを一新したのか、さらに攻撃力が増していた。
シャマルに関しては新魔法を開発したのか、千手観音の如く魔力で形成した手を幾度も放ってくるし、ザフィーラに至ってはさらにパワーが増していた。
だが俺にとって一番戦いづらかったのがユーノであった。
ユーノの防御魔法や捕縛魔法、補助魔法、支援魔法に関してはこの中で群を抜いている。
いざ戦いが始まったと思ったら、いきなりフィールド全体にバインドを仕掛けており、しかもそのバインドには捕まったら爆発するという恐ろしい機能付き。
中には転送魔法を幾重にも仕掛けておくことで逃げていく敵がポイントに到着する束の間、再び自分の前に転移させてくるとかいうトラップまであった。
その時点で俺のやるべきことは既に決まっていた。
逃げ一択である。
なんとかそこから隙を見出だして勝利にこぎ着けたが、今更ながら思う。
皆、強くなりすぎじゃね?
これはあれか?
勝つための作戦として相手の弱点をネチネチ攻めていたが……調子に乗って攻めすぎたか?
弱点克服のために皆がそれぞれの長所を生かした形で伸ばしてきていた。
だがこちらだって負けてる訳じゃない。
ナハトが術式を改良してくれたので魔力消費も軽くなっているし、魔力コントロールだって余裕が出てきたのか幾分かレベルアップしている。
常時死ぬ気化訓練、体力強化トレーニングのおかげで体力だって前に比べて格段についている。
確実に強くはなっている。
だが
それが今の俺には分からなかった。
「…………」
そんな俺の様子を見ているリニスに俺はこのとき気付かなかった。
────────
──────
────
「せい!」
「おっと」
朝練から帰った俺は恭也君と組手を行っている。
ハンデとして恭也君の神速は使用不可だ。
神速を使われると生身の状態の俺では対応できないからだ。
そして恭也君は俺の攻撃を的確にいなし、ガードしていく。
「はぁあああ!」
俺はさらにスピードを上げて猛烈に攻める。
回し蹴り、正拳突き、掌底打ち、前蹴り、膝蹴り、裏拳打ち……
様々な技を組み合わせて攻めていく。
もっと早く、もっと鋭く、もっと鋭敏に攻める。
「うぉおおおおお!」
「…………」
恭也君が俺の攻撃に合わせてカウンターを仕掛けてくるが、俺はそれを合えて前に進むことで紙一重でかわす。
そして太極拳秘伝の歩法【円地】を使用して彼の背後へと回り込む。
そのまま攻撃を加えようとしたが……
「!?」
直後、恭也君の姿が消えていた。
そして気付けば後ろから首元へ木刀を突きつけられていた。
「その歩法は……」
「ああ、お前がよく使っている円地だ。お前とは一体何度組手をしていると思ってる?同じ技を何度も見れば理解、模倣もできるようになるさ」
「そんな簡単に修得できる技じゃないんだけどな……」
少なくとも俺がその歩法をまともに使えるレベルになるまで一年はかかった。
それも師父やリニスに指導してもらいながらだ。
「確かに修得するのに苦労した。一ヶ月もかかってしまったからな」
「い、一ヶ月……」
俺が一年も苦労して覚えた歩法を僅か一ヶ月……
それも一人で模倣してだ。
凄まじい才能だ。
「美由希もこの技は既に修得している。次の組手は絶対負けないと意気込んでいたぞ」
「……美由希さんまで」
俺の中に少し黒いものが芽生える。
この感情の正体は分かっている。
『嫉妬』だ。
俺の周りには天才が多い。
俺が時間をかけて覚えた技も天才達は何度か使用するだけですぐに修得する。
俺が時間をかけて覚えた魔法も天才達は僅かな期間だけですぐに修得する。
俺が時間をかけて編み出した戦法も天才達は何度か戦うだけですぐに自分の物にしてしまう。
凡人と天才の違い。
そこには超えられない壁……才能の差というものが存在する。
俺にだって他の人にはない力やスキルがあるのは分かっている。
だがそれでも他人の才能と比べてしまう。
嫉妬してしまう。
「……ありがとうございました」
俺は礼を言って組手を終える。
だがその内心は穏やかではなかった。
六月末のコンサートに向けて美沙斗さん対策として恭也君と美由希さん中心に何度も組手を行っている。
おかげである程度なら御神流の技にも対応できるようになってきた。
それだけでなくインターミドル対策としてなのは達ともさらに模擬戦をするようになった。
でも最近になってさらに
順調に強くはなっている。
しかし
だがその足りない物が何か分からない。
だから焦る。
焦ってがむしゃらになる。
俺は完全に悪循環に陥っていた。
「……何を焦っている?」
すると恭也君が声をかけてくる。
「別に焦ってなんていない」
心の中を見透かされたような感覚に少し驚くが、死ぬ気化しているのでクールフェイスで返す。
「嘘だな。いつものお前なら俺の最後の攻撃にも普通に対応できていたはずだ」
恭也君は続ける。
「それにどうも最近のお前は動きにキレがない。どこか迷っている印象がある。なのは達との模擬戦も最近は負け続けているらしいな?」
「…………っ」
俺は唇を噛み締める。
「だから聞いた。何を焦っていると?」
恭也君はただ心配して聞いてくれているだけだろう。
だがこれ以上ここにいると、質問されると……
彼に八つ当たりしてしまいそうだった。
「別になんでもない。……先にあがる」
俺は逃げるようにその場から立ち去った。
────────
──────
────
高町家で朝練を終えた俺は挨拶を終えるとそそくさと出ていく。
途中、桃子さんやなのは、フィアッセさんが何か言っていた気がするが聞こえていないフリをした。
今はとにかく一人になりたかった。
とりあえず人がいないところを目指して海鳴臨海公園へ行くことにした。
公園につくとベンチに寝転がる。
「はぁ……」
最近は何をしてもうまくいかない。
組手も模擬戦も段々勝てなくなってきている。
今日も午後から訓練だがどうもやる気が起きない。
「今日はもうサボろうかな……」
ジーっと寝転びながら青空を見る。
雲がゆっくりと流れていく。
それを見ていると次第に
「朝練で疲れたし……一眠りするかなぁ」
俺は目を閉じて眠りについた。
目が覚めると時刻は既に昼過ぎとなっていた。
「うげっ……もう14時じゃん」
公園にある時計に視線を向けると時刻は2を指していた。
それに携帯を開くと……
「ちゃ、着信履歴89件……」
数時間で結構な着信数である。
そのほとんどがなのは、フェイト、リニスの三名であり、他には知り合いがチラホラ。
とりあえず連絡を入れるのは腹ごしらえをしてからでいいと思う(現実逃避
ひとまず俺は駅へと向かい、適当に昼飯を食べることにした。
駅に向かっている途中、どうか知り合いに会いませんようにと思いながら歩いていると駅前に人が集まっていることに気付く。
どうやら選挙の演説をしているようだった。
「選挙かー。まあ別に俺にはまだ選挙権なんてないから関係ないけど」
そしてどこかごはんを食べる店を探そうとして、ふと気付く。
人だかりの中で
その男は長身で白髪である。
だが五月の暑くなってきたこの時期にコートを着ているのだ。
俺はそこに強烈な違和感を感じた。
白髪の男は胸元に手を伸ばすと何か携帯サイズのスイッチらしきものを取り出す。
そしてボタンを押した。
ドガァアアアアアアアンン!!!!!!
すると突如、演説をしている議員の側に合った車が爆発した。
「なっ!?」
爆発としては小規模であったが集まっていた人達はパニックに陥る。
見れば先程の白髪の男はいなくなっていた。
だが事態はさらに進んでいく。
「あれは!?」
逃げようとしていた議員の側に大剣を持った金髪の女が接近していた。
見れば彼の側にいたSPと思わしき人達が倒れていた。
それに気付いた俺は咄嗟に手をかざし、ラウンドシールドを発動させる。
ガキン!!!!
議員の前に現れたオレンジの魔方陣が、大剣を防ぐことに成功する。
「セットアップ!」
その間に俺はセットアップを済ませるとグローブから炎を噴射させて高速で接近する。
そして大剣を持った女に殴りがかった。
「!?」
大剣の女は俺の接近に気付くと容易に防ぐ。
だが俺が驚いたのはそんなことではなかった。
(セットアップした俺のパンチを……生身で防いだだと!?)
「なんだい君は?ああ、この男の護衛か。さっさと仕事を終わらせるつもりだったんだけど……まあいいか。
すると大剣を持った女は金髪のカツラらしきものを外す。
そこには青髪の男がいた。
身長は俺より少し高いくらいである。
だがその身に纏う雰囲気がただ者ではないことを物語っていた。
(この男……強い)
俺は死ぬ気モードになり構える。
俺の額に炎が灯ると男は笑う。
「へえぇ。君はHGSの能力者か?これはついている。超能力者とは今まで戦ったことがなかったんだ」
狂喜的な笑みを浮かべる。
「……超能力者は一度斬ってみたいと思ってたんだ」
そして戦いは唐突に始まった。
ビュッ!!!!
青髪の男が消えるような速度で俺へと接近する。
そして大剣を勢いよく振り下ろした。
それを俺はクロスガードで受け止める。
ガキン!!!!
大剣を受け止めるがその影響で地面にヒビが入る。
俺はそのまま奴を吹き飛ばすと、右手を向けてヒートカノンを連射で放つ。
だが男は再び消えるように高速で移動し、ヒートカノンをかわすと大剣を軽く横に凪ぎ払う。
そのとき超直感が警鐘を放つ。
俺は直ぐ様、跳躍する。
その直後、鋭い剣風が放たれ、俺の後ろに合ったテレビ局のロケバスを横に一刀両断してしまった。
その強力な攻撃に思わず冷や汗を流すが、まずはこの男をなんとかすることが先決と判断する。
見れば狙われている議員は護衛と思わしき人達に保護されていた。
駅に集まっていた人達も悲鳴をあげながら十分な距離をあけている。
ならば後はこいつをどうにかするのみ。
俺はチェーンバインドを発動させて男を拘束しようと試みる。
だが男は再び高速でその場から移動すると俺へと斬りかかる。
咄嗟にラウンドシールドを展開して斬撃を防いだあと、奴の後ろに回り込み殴りかかるが、恐ろしいほどの反射神経と勘の良さで俺の攻撃を楽々と防ぐ。
そして互いに高速で飛び交いながら交戦する。
すると男が懐からクナイを取り出すとこちらへと放つ。
俺は咄嗟にそのクナイをかわすが……
ズドンッ!!!!
なんとそのクナイがビルの壁にめり込んでいた。
さらに男はクナイを放ってくる。
俺は
「あははははは!!」
すると男も笑いながら俺の動きに追随してくる。
高速で道路を走っていく俺達。
そして互いに拳と大剣を幾度も激突させる。
時にはビルに飛び移り、車の上に飛び乗りながら互いの武器をぶつけ合わせる。
男が斬撃の連撃を放つと、俺も炎の銃弾の連射で対応する。
何度目かの交戦をしたあと特大の斬撃が放たれるが、俺はそれを紙一重でかわしビッグバンアクセルを奴へと放つ。
すると男も大剣で対抗した。
そのときに凄まじい衝撃が起こる。
いつの間にか俺達は高速バスの上で睨み合っていた。
「いやあ~楽しいね。やっぱり戦いというのはこうでないと。さらに欲を言えば君が剣士であれば尚、最高だったんだけど」
「……あんた一体何者だ?」
少なくとも生身の状態でセットアップしている俺と渡り合うとは……まず普通の人間ではない。
それにこいつの扱う大剣とクナイ。
ビルのコンクリートや、看板などを意図も簡単に破壊していた。まるで強化されているかのように。
一体どうなっている?
「僕かい?そういえば名乗ってなかったか」
そして奴は名乗った。
「僕の名はグリフ。裏の世界では暗殺を生業としている……そして【
スライサーことグリフは笑顔で俺に告げた。
「そういう君の名はなんていうのかな?」
それに俺も答えた。
「ヒエン……オオゾラ・ヒエンだ」
「ヒエンか。君の名は覚えたよ。今日はもう満足したし、僕は帰るよ。機会があったらまた殺し合おうヒエン」
するとグリフはその場から煙のように消えてしまった。
俺はそれを呆然と見送ることしかできなかった。
スライサーが使ってたのはワンピースでいえば覇気、HUNTER×HUNTERで言えば念みたいなものと思って下さい。
そのスレイサーがそれらを使えるということは、彼の目的となる御神の剣士の真の強さは……((((;゜Д゜)))
では、また(・∀・)ノ