大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

続きかけたで候。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百九十六話 それぞれの戦い

第三者side

 

 

 

シャマルは結界を展開しつつ、中の様子を見守っていた。

 

 

「上空に転移反応!?」

 

 

シャマルが上を見上げると、上空から降下してくる二人の少女の姿があった。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

エイミィからの緊急通信を受けたなのはとフェイトは結界が展開されている真上に転移してきた。

 

そして二人は上空約1000mからスカイダイビングをしながら己の相棒に話しかける。

 

 

「ごめんねレイジングハートいきなり本番で……」

 

 

《オーライ。そのための私です》

 

 

「バルディッシュも」

 

 

《問題ありません》

 

 

二人の眼下には結界が確認され、段々と近づいてくる。

 

そんななかレイジングハートは冷静に伝える。

 

 

《新システムの初起動です。新たな名で起動コールを》

 

 

「「うん!!」」

 

 

勢いよく降下しながら、なのはとフェイトは相棒を手に取り、()()()()()()()()()

 

 

「レイジングハート・エクセリオン!」

 

「バルディッシュ・アサルト!」

 

 

「「セーーーットアーーーップ!!」」

 

 

二人は桃色と金色の光に包まれる。

 

そして桃色と金色の閃光が結界の天井に衝突すると、勢いよく突き破り、結界内に躊躇なく飛び込んでいく。

 

二つの光はそのまま近いビルの屋上に着弾する。

 

そして煙の中から新しいバリアジャケットを身に纏ったなのはとフェイトが現れた。

 

二人のバリアジャケットは所々デザインが変わっていた。

 

なのはは被弾しても耐えることを目的とした防御力の強化に重点が置かれたセイクリッドモード……

 

フェイトは胸部・左腕・両足を部分強化しつつ、彼女の長所である速度を殺さないよう工夫されたライトニングフォームである。

 

 

『起動状態……異常なし』

 

 

『カートリッジユニット、動作正常』

 

 

彼女達が持っているレイジングハートとバルディッシュの声が響く。

 

二人のデバイスにはこれまで無かったユニットが盛り込まれている。

 

レイジングハートにはオートマチックのマガジン、バルディッシュにはリボルバー型の弾倉が追加されていた。

 

二人はデバイスを構えシグナム、ヴィータ、ザフィーラに視線を向ける。

 

 

「あいつら……!?」

 

 

ヴィータが二人を睨む。

 

なのは達からは既に魔力を蒐集した以上、二人はもう用済みだ。だからこそ二人の登場はヴォルケンリッターにとって予想外であった。

 

この場に置いて二人はヴォルケンリッターにとって障害でしかなかった。

 

そんななかフェイトはリンディに念話を飛ばす。

 

 

『リンディ提督、大丈夫ですか?』

 

 

『ええ、なんとか』

 

 

『良かった……』

 

 

リンディの変わらぬ様子に安心するフェイト。

 

その一方でシグナムは現れた二人に意識を向けていた。

 

 

「あの二人もう魔力が回復したのか。呆れた回復速度だ」

 

 

二人が襲われてからまだ10日ほどしか経っていない。回復速度から考えてもこの二人は色々と規格外なのだ。

 

 

「それにあのデバイス……」

 

 

「何だろうが関係ねぇ!邪魔する気なら……ぶっ叩く!」

 

 

「フェイトちゃん!」

 

 

「うん!」

 

 

ヴィータが叫んで飛び出す。その後を追うようにシグナムも飛び出した。それを見たなのはたちも迎え打つように飛び立った。

 

交錯するなのはとヴィータ。

デバイス同士をぶつけ合いながらなのはが叫ぶ。

 

 

「私達、戦うために来たんじゃないの!話を聞きたいの!!」

 

 

「笑わせんな!やる気の新型武装ぶら下げて言う事かよ!!」

 

 

そして一度距離を取るなのはとヴィータ。

 

 

「それにベルカの(ことわざ)にはこういうのがある!『和平の使者なら槍は持たない』ってな!」

 

 

「…………??」

 

 

疑問符を浮かべるなのはに、ヴィータはアイゼンを向けながら言った。

 

 

「話し合いしようってのに武器を持ってやってくるかバカって意味だよ!バーカ!」

 

 

「なっ!こないだも今日も!いきなり襲いかかってきた子がそれを言う!?」

 

 

なのはは少し呆れるように言う。

 

すると後方で様子を見ていたザフィーラが思わず突っ込んだ。

 

 

「それにそれは(ことわざ)では無く小話のオチだ」

 

 

「うっせー!いいんだよ細けぇことは!」

 

 

ザフィーラの指摘に言葉を詰まらせるヴィータ。そしてアイゼンを構えながら、なのはへと突貫する。

 

 

「それにこっちはもうテメェに用はねぇんだ!」

 

 

するとアイゼンからカートリッジが射出されヘッドパーツからスパイクと噴射口が現れる。これは以前なのはがやられたラケーテンハンマーだ。

 

 

「これでも食らって、しばらく寝てろ!」

 

 

一方のなのははビルに着地すると同時に己の愛機に声を掛ける。

 

 

「レイジングハート!」

 

 

《カートリッジロードいきます》

 

 

するとレイジングハートのマガジンから薬莢(やっきょう)、カートリッジが射出される。そしてそれが炸裂しレイジングハートの中に魔力が補充された。

 

 

「はぁあああ!」

 

 

「!?」

 

 

そしてなのはは右手を突き出し、ピンク色の障壁を展開させる。

 

 

《Protection Powered》

 

 

そこにヴィータのハンマーが激突する。

 

 

 

ドガァアアアアアアンン!!!!!!

 

 

 

「う、うううぅぅぅ!!」

 

 

必死に耐えるなのは。

 

ヴィータも以前とは異なる手応えに思わず歯ぎしりする。その障壁は以前とは比べものにならないほどに強固となっていた。

 

 

「かてぇ!?」

 

 

「簡単に倒されちゃうわけにはいかないから!」

 

 

するとヴィータの左手には小さな4つの鉄球が用意され、一方のなのはも左手で握ったレイジングハートにエネルギーを収束させる。

 

 

「このやろおおおぉぉぉ!!」

 

 

「クロススマッシャー!!」

 

 

 

ドゴォオオオオオオオンン!!!!!!

 

 

 

互いに攻撃魔法を近距離で放ったことから勢いよく爆発する。

 

その余波で二人は吹き飛ぶが、即座に立て直し、共にデバイスを構える。

 

武器を構え直したヴィータは12個の鉄球を浮かせると、それらを勢いよくアイゼンで打ち出した。

 

 

「このおおおぉ……ぶっとべええぇぇぇ!!」

 

 

対してなのはは迫る鉄球に対して、レイジングハートを構え、カートリッジを二発ロードする。

 

すると彼女の足元に魔法陣が現れる。

 

 

《Accel Shooter》

 

 

「アクセル……シュートッ!」

 

 

そして自身の周囲に12個の魔力弾を展開させ、それらを放った。

 

一斉発射された桃色の魔力弾は、迫り来る鉄球に次々と命中し、一際大きな爆発を発生させた。

 

 

「く!?」

 

 

予想以上に強くなっているなのはに思わず声をあげるヴィータ。

 

カートリッジシステムの導入により二人に武器の差は無くなっていた。このまま戦闘が長引けば長引くほど……ヴィータ達が不利になっていく。

 

だがなのははデバイスを下ろしてヴィータに話しかける。

 

 

「本当にお話し聞かせてもらいたいだけなの……帽子の事も謝りたいって思ってたの」

 

 

「あ……」

 

 

なのはの言葉に、ヴィータの表情に少しだけ戸惑いの色が映る。

 

 

「ね?良い子だから……」

 

 

「ぅ……うっせえチビガキ!邪魔する奴はぶっ潰す!」

 

 

だがヴィータは首を横に振るとアイゼンを構え、再度なのはへと突貫した。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

空中で金色と薄紫色の閃光が、何度も衝突していた。

 

 

「くっ……!」

 

 

「はぁあ!」

 

 

バルディッシュを振るうフェイト。対してシグナムもレヴァンティンで斬りかかる。

 

そしてフェイトは切り返しと同時に複数の魔力弾プラズマランサーをシグナムへと放つ。

 

しかしシグナムはそれを見切りかわす。そして無駄のない動きで剣を鞘に納める同時にカートリッジをロードし、再び抜刀した。

 

 

《Schlangebeißen(シュランゲバイセン)!》

 

 

「ふ……!」

 

 

抜刀された剣は鞭のように伸び、フェイトへと向かっていく。

 

放たれたシュランゲバイセンは不規則な軌道を描いていくが、彼女は持ち前のスピードを使い見事に回避する。

 

そしてバルディッシュのパワーアップしたサイズフォーム……鎌形の魔力刃を生成するクレッセントフォームに変形させ、刀身が戻る前にシグナムに高速で接近していく。

 

 

「はあぁぁっ!」

 

 

「くっ!」

 

 

フェイトの掛け声と共に振り下ろされた攻撃は、シグナムの左手に持たれている鞘によって防がれる。

 

どうやらあの鞘は攻撃をする際に無防備になる隙を補う役割を担っているらしい。

 

そしてシグナムは強引に鎌を弾くと、彼女の懐に蹴りを入れる。

 

フェイトは吹き飛ぶものの体勢を立て直し、再び突貫する。シグナムもそれを迎え撃つ。

 

 

「「はあぁっ!」」

 

 

両者共に気合と魔力の乗った一撃が衝突し、周辺のビルの窓ガラスが次々に割れた。

 

両者は一度距離を取る。

 

 

「…………ふむ。先日とはまるで別人だな。相当に鍛えてきたか……それとも……前回の動揺がひどすぎただけか?」

 

 

「ありがとうございます。今日は落ち着いてますし、鍛えてもきました」

 

 

シグナムはフェイトに話しかける。

 

 

「ヴォルケンリッターが将、シグナムだ。お前は?」

 

 

「……フェイト・テスタロッサです」

 

 

フェイトも答える。

 

 

「テスタロッサか……こんな状況でなければ心躍る戦いだっただろうが、今はそうも言ってられん」

 

 

シグナムは剣を鞘に納めながら左腰付近に引き付けた。抜刀術でよく用いられる構えである。

 

 

「殺さずに済ませられる自信はない……この身の未熟を許してくれるか?」

 

 

「構いません。勝つの……私ですから」

 

 

フェイトは強気な笑みを浮かべてシグナムに言った。

 

そして彼女達はさらに激突を開始した。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

「うぉおおおおお!」

 

 

「でやぁああああ!」

 

 

一方で援護に駆けつけたアルフと、その相手をするザフィーラも戦っていた。

 

両者は拳に魔力を収束させ互いにぶつけ合う。

 

 

 

ドガァアアアアアンン!!!!!!

 

 

 

そしてその激突により爆発が起こる。

 

両者は激突と同時に交差し、入れ替わる。

 

するとアルフが振り返りザフィーラに話しかける。

 

 

「デカブツ!アンタも誰かの使い魔だろ!」

 

 

「古代ベルカでは騎士に仕える獣を使い魔とは呼ばぬ!」

 

 

「ああん?」

 

 

「主の牙……そして盾!……守護獣だっ!」

 

 

「おんなじような……モンじゃんかよぉ!」

 

 

さらに二人の拳がぶつかり合う。

 

そんななかアルフはさらに言葉を続ける。

 

 

「それに……アンタ達がなんでこんなことをしてるか知らないけど、ご主人様が悪いことや間違ったことしてんなら……アンタ達が止めなきゃダメじゃんかよ!」

 

 

アルフの脳裏にはかつてプレシアの指示を守っていたフェイトの姿がよぎる。

 

するとザフィーラが答える。

 

 

「我が主は我らの所業については何もご存知ない」

 

 

「なに?」

 

 

「全ては我ら四人の意志であり、我ら四人の責だ」

 

 

「え?」

 

 

ザフィーラの表情が僅かに歪んだのをアルフは見逃さなかった。

 

 

「……貴様にこれ以上語る理由はない。悪いが倒させてもらう」

 

 

「はっ!上等じゃんかよ。やれるものならやってみなあぁ!!」

 

 

そして使い魔と守護獣も戦い始めた。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

「くっ!?」

 

 

 

ドドドドドドドドッッッッ!!!!!!

 

 

 

俺は高速で撃ち込まれる魔力弾を後退しながらかわしていく。

 

と同時に仮面の男の5発の魔力光弾が俺を襲う。

 

こいつが使う射撃魔法はクロノのよく使うスティンガーレイなのだが……

 

 

(パワーもスピードも……クロノより上だ!?)

 

 

スティンガーレイはただでさえ貫通力のある攻撃魔法だ。それに魔力を込めればこめるほど破壊力もアップする。

 

さきほど俺が片手で防いだとき痺れたのにも納得である。

 

 

「どうした?逃げてばかりではどうすることもできんぞ?」

 

 

「……甘く見ないで下さい!」

 

 

俺は両手に魔力を集中させ、向かってきたスティンガーレイを握りつぶす。

 

 

(残りは3つ!)

 

 

すると時間差で前、後ろ、上から来た。

 

俺はブリッツアクションを発動させ、それらをかわす。すると魔力光弾はそのままぶつかり合い相殺された。

 

それを確認していた俺はそのまま奴の背後へと回り込む。

 

そして横蹴りを放ったのだが……

 

 

 

ジャラララララ……

 

 

 

青い鎖で拘束されてしまった。

 

 

(これは設置型バインド!?)

 

 

「保険をかけておいて正解だったよ」

 

 

そして仮面の男は俺をさらにリングバインドで拘束した後、右手をこちらに向け砲撃を放った。

 

俺は()()()拳に炎を纏い、【調和】の能力でバインドを砕くと同時に砲撃を逸らすように真下からアッパーで殴り飛ばした。

 

 

 

ドオン!!!!!!

 

 

 

そして拳の炎を()()()()()、猛スピードで仮面の男に肉迫する。

 

先ほどこいつは俺のことを『()()()()()()()()()()()』と言っていた。

 

つまり現在、行方不明扱いになっている大空氷炎とキュアヒートが同一人物であるということに()()()()()()()

 

ということは戦い方次第でまだどうにかなるレベルだ。

 

最初はファーストエディションを使用した氷オンリーで戦おうと思っていたのだが……よくよく考えれば俺はヴィータと激突した際に炎を使って攻撃していたし、アリサ達を助けたときも炎を使用していた。

 

だとすれば炎オンリーで戦った方がまだバレない。それに炎と氷を駆使した戦い方をするのは現在()()()なので氷を使用すれば余計にバレる確率は高まる。

 

それに俺は()()()()()()()()()()()()()()()使()()

 

それを使用しないだけでもバレる確率はグッと減るだろう。

 

そのことを分かっていた俺は移動する際に、短距離高速移動魔法ブリッツアクションを使い、真っ正面から仮面の男の懐に潜り込んだ。

 

 

「なっ!?」

 

 

まさか真っ正面から砲撃を殴り飛ばし向かってくるとは思わなかったのだろう。

 

仮面の男は驚きの声をあげる。

 

話は変わるが俺は器用な方じゃない。むしろ不器用である。そんな俺が咄嗟に戦い方を変えるなんて器用な事ができる筈がない。

 

だから俺はシンプルに考えることにした。

 

すなわち……

 

 

 

『近づいて殴る』。

 

 

 

それだけを考えることにした。

 

とりあえずこいつは射撃、砲撃、幻影、捕縛魔法など()()使()()()接近戦オンリーで倒す。

 

そして魔力をおもいっきり込めたパンチを奴の腹にぶちこんだ。

 




次回も引き続き戦闘。

では、また(・∀・)ノ

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