大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

そういえばとある魔術の禁書目録の三期がアニメ化するそうですね。ソードアートオンラインもアリシゼーション編がアニメ化企画がついに始動したようですし。

こういう情報聞くと思う。

日本に生まれて良かったーーー!!と。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百八十一話 心の花を守る伝説の戦士LIII

ヒエンside

 

 

 

デューンの襲撃から約一ヶ月半の時が過ぎた。

 

あれから大変だった。

 

デューンにボロボロにやられてしまった俺は薫子さんの呼んだ救急車によってすぐに市内の病院に担ぎ込まれた。

 

相当重傷だったようでアバラ骨の骨折、全身打撲、打ち身などもいくつかあったらしい。そして目を覚ますまで一週間もかかってしまった。

 

目を覚ますと、そのときお見舞いにきていたつぼみ達が泣いて喜んでいた。妖精達や相棒、久遠も喜んでくれた。どうやら俺が目覚めるまで順番交代で看病に来てくれていたらしい。

 

そして何があったのか全員いるときに話した。

 

砂漠の王デューンが暇潰しと称して俺に勝負を挑んできたこと、戦力が整い次第潰しにくると言っていたこと、だいたい約一ヶ月後にくることを伝えた。

 

そのときの戦闘映像も見せた。

 

デューンの狂喜的な笑みを浮かべながら戦う姿に、全員青い顔をさせていた。だがすぐに気合いを入れて一致団結していた。

 

訳を聞くと、仲間の俺がボロボロにやられたことに全員(はらわた)が煮えくり返る気持ちになったらしく、絶対に負けない!と気持ちを一つにさせていた。不覚にも少し泣きそうになった。

 

フランスでのことも詳しく聞いた。

 

どうやら映画の通りであったらしく、無事乗り越えることができたらしい。鍵を握っていた二人、オリヴィエとサラマンダー男爵は今、旅に出ているようである。つぼみが嬉しそうに話しているのが印象的であった。

 

サラマンダー男爵と聞いて、アンジェ先輩が複雑そうな反応を示していたが。まぁ、犬猿の仲って奴なんだろう。そっとしておこう。

 

俺の入院生活は三週間にも及んだ。

 

その間、色んな人がお見舞いに来てくれた。花咲家はもちろん、来海家、弟子の番少年、ファッション部の子達、コッペ様だけでなくご近所さん、ラーメン屋の夫婦、オールスターズの面々まで来てくれた。

 

特に花咲家には頭が上がらない。俺の入院費用を全額出してくれたのだ。本当に申し訳ない。その上、警察まで動いていたらしく俺が襲われたことはニュースにまでなっていた。

 

一応、事情を聞いてきた警察にはあまりよく覚えていないと言っておいた。デューンのことに関して言えることなど何もない。

 

 

そして月日はさらに経ち……

 

 

既に十二月に入り、季節はすっかり冬に変わっている。無事退院した俺もリハビリがてら花屋を手伝っていた。

 

そんなとき朗報が一つ入った。

 

なんと花咲家に新たな家族が増えることになったのだ。

 

そう。

いわゆるおめでただ。

 

つぼみの母であるみずきさんが妊娠していたのだ。だいたい三週目に入ったらしい。

 

みずきさんの妊娠が発覚してからつぼみは気合いを入れて家事や、料理に取り組むようになった。

 

だが空回りしすぎて卵焼きをこがしてしまったり、味噌汁の沸騰している鍋を止めるのを忘れたりとドジっ子属性を発揮したが、そこは家事に慣れている俺がうまくサポートに徹することで事なきを得た。

 

それから数日は、花屋の人手が足りないということでえりか、いつき、ゆりの三人も花屋を手伝ってくれた。

 

三人とも最初は意外と多い花屋の仕事に戸惑っていたが、数時間もすれば、すっかり慣れていた。

 

えりかはお客さんに恋愛にオススメの花を教えたり、いつきは女性客にナンパされたりとそれぞれの個性を生かしながら売り上げに貢献していた。ゆりに至ってはベテラン販売員のようにプリザーブドフラワーの新規契約まで獲得する始末である。

 

いや、ホント……この世界の女の子のスペックの高さマジヤベェッス。

 

俺?

俺は普通にいつも通りこなしてましたよ?もう何ヵ月花屋の仕事やってると思ってんだ。五ヶ月もいれば慣れてきますとも。

 

そうして各々互いにカバーしあいながら過ごしていった。

 

だが俺には懸念すべき問題もあった。

 

デューンだ。

 

あれから約一ヶ月後……と言っていたのに全くといっていいほど動きがないのだ。あのときの戦いから一ヶ月は当に過ぎているというのに。

 

そのことについて俺はアンジェ先輩に相談した。

 

俺の知るハートキャッチプリキュアの正史によるデューンの動きについて、そしてこれから起こることについて。

 

するとこう返事が返ってきた。

 

アンジェ先輩曰く、『並行世界は()()()()()正史の流れに沿っていく』傾向にあるらしい。この()()()()()というのが味噌だ。

 

完全に正史の通りにはいかない……だがなるべく正史に沿っていくということだ。

 

その証拠が俺を襲ってきたデューンの行動だ。奴の行動は正史にはなかった行動だ。

 

だがアンジェ先輩の言葉を信じるのであればデューンは、なるべく正史通りの行動をとる可能性が高い。

 

だとすれば……奴は史実通りクリスマス前にくるはずだ。

 

まぁ、奴が一ヶ月後に来なかったおかげで俺も完全に復活することができたのだが。それだけでなく最低限の準備を整えることもできた。

 

そしてクリスマス前日……クリスマスイブになった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「じゃあ全員に注意するように伝えておいてくれ。あ、あと決して無茶だけはするなってことも付け加えといてくれ」

 

 

『ガァウ』

 

 

心の中にいる相棒に使い魔経由で()()()()に伝言を伝えてもらった後、俺は日課の朝練に行った。

 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

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軽く筋トレと魔法のトレーニングをこなした後、身体の調子を確かめる。

 

 

「もうなんともないな」

 

 

アバラも痛くないし、魔法も問題なく使える。

 

そのとき……

 

 

「「「ヒエンさ~ん」」」

 

 

「ん?」

 

 

つぼみ、えりか、いつき、ゆりの四人が朝っぱらから俺の様子を見にやって来た。

 

しかし四人揃ってどうしたんだろう?

 

 

「どうしたんだお前ら?それにつぼみとえりかが早起きするだなんて……砂漠の種が世界中に降ってくるんじゃ」

 

 

「ちょ!?それ洒落になんないから!?」

 

 

「そうですよ!デューンの来る日が今日か明日かもしれないと言ったのはヒエンさんじゃないですか!?」

 

 

「あくまでもその可能性が高いってだけだ」

 

 

俺はスポーツドリンクを飲みながら皆に言う。そして続けて尋ねた。

 

 

「で、どうしたんだよ四人揃って?」

 

 

「貴方の訓練がどんなものか興味があって皆で見に来たのよ」

 

 

「いや、別にそんな珍しいものでもないんだが……」

 

 

ゆりが聞いてきたのでそれとなく答える。

 

まぁ、見せた方が早いか。

 

そして俺はさらに魔法を使う訓練に入った。

 

手始めに身体の中の魔力をひたすら循環させたり、射撃魔法で缶を三つ同時に100回当てたり、魔力弾による回避訓練を行う。

 

その他にも幻影を使った戦闘訓練、砲撃魔法を自分に向けて撃ち防御魔法で防ぐ訓練、分身との格闘戦闘、氷を使った造形魔法の操作訓練など多種多様に行った。

 

全て終わらせると既に二時間経っていた。

 

 

「って長いよ!?」

 

 

「いや、いつもこんなもんだぞ?修行時代の二年間なんてこれよりもっとキツかったし。ひどいときなんて休日と称して一日中模擬戦なんてこともざらにあったからな。

 

それに疲労やケガで倒れたとしても回復魔法ですぐに治されるし。ある意味無限地獄もいいところだったなあ…………あははははははははは」

 

 

語っていると、そのときのことが段々思い出されてきた。なつかしいと共に色々辛くなった。だがそのおかげで死ぬ気モードの発動時間が必然的に長くなったのも確かである。

 

 

「ヒエンさんが遠い目をしています!?」

 

 

「ど、どんな訓練だったんだろ……聞くのが怖いっしゅ」

 

 

「と、とりあえず壮絶だったんだろうなとは想像がつくよ」

 

 

「ある意味、苦労してきたのね」

 

 

四人とも同情的な視線で俺を見ていた。

 

やめろ!

そんな目で俺を見るな!

惨めになるだろうが!!

 

と、なんだかんだで訓練を終わらせるともう昼前だったので、皆で植物園へと向かう。今は冬休みのため学院は休みなのだ。よってつぼみ達も休日となる。

 

そして今日はクリスマスイブということもあって花咲フラワーショップも特別休日である。

 

そして植物園の近くに来ると、植物園の前にあるモミの木がキレイに飾りつけられてクリスマスツリーとなっていた。

 

俺ももちろん手伝った。モミの木に星をつけるのはちょっと怖かった。だって高けぇんだもん。思わず死ぬ気化しちゃったよ。

 

とりあえず寒いので、俺達は植物園に急いで入った。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

日も暮れ始め夕日になる頃……

 

俺はクリスマスツリーの前に小さな女の子がいることに気付く。

 

 

「あ、まゆかちゃん」

 

 

つぼみが声をあげる。

 

どうやら知り合いのようである。

 

つぼみの話によれば、まゆかちゃんはツリーに七夕の短冊のように『プリキュアに会えますように』とお願いを書いていたらしい。

 

植物園に勤める橘さんの娘さんだ。

 

俺は橘さんとは良く話すので娘さんのことは少しだけ聞いていた。橘さんの話によれば、まゆかちゃんはよく嘘をつくことが多いらしい。

 

そんなときつぼみは、まゆかちゃんが友達に『クリスマスイブにプリキュアと会わせてあげる!』とウソをついているところを目撃した。

 

つぼみ曰く、まゆかちゃんは『本当はみんなとお友だちになりたい』だけなのだが、ついついウソをついてしまうとか。

 

要は小さい子特有の構って欲しいというやつだ。

 

それにつぼみ自身、まゆかちゃんと過去の自分の小さいころを重ねているのだ。

 

恥ずかしがり屋で、話をすることが苦手で、なかなか友達を作ることができなかった……過去の自分と。

 

そしてつぼみはまゆかちゃんと、ある約束をしたらしい。

 

その内容がクリスマスイブにプリキュアと会わせてあげるというやつだ。なぜか聞いたらまゆかちゃんが嘘をもうつかないと言ったから、らしい。

 

それを聞いて思わずチョップをした俺は悪くないと思う。

 

 

そして時刻は過ぎ、17時前……

 

 

まゆかちゃんの友達と思われる子達がクリスマスツリーの前に現れる。どうやら約束の時間は17時らしい。

 

だがここで問題が起こる。

 

いつまで経ってもいつきが現れないのだ。まあ最悪、いつき抜きで会いに行けばいいだけなんだが。

 

するといきなりポプリが現れ、予想外なことを言い出した。

 

 

「大変でしゅ~!!デザトリアンが現れたでしゅ~!!」

 

 

「「「「え!?」」」」

 

 

「今、サンシャインが一人で戦ってるでしゅ~!!」

 

 

「どうしよう!?」

 

 

えりかが焦るが、ゆりが凛と答えた。

 

 

「決まってるでしょ。被害者を救出するのが先決よ」

 

 

「でも」

 

 

「さあ、行くわよ」

 

 

つぼみがまゆかちゃんと、ゆりを何度も見る。

 

つぼみとて分かっているのだ。どちらを優先すべきか。だがまゆかちゃんも放っておけないのである。

 

まぁ、緊急事態なのだ。

 

今回ばかりは……俺が我慢すればいいだけさ!!(血涙

 

 

「いけお前ら。要はまゆかちゃんの前にプリキュアが現れればいいんだろ。俺に任せとけ」

 

 

「え?」

 

 

「セットアップ:プリキュアフォームrev1(リヴィジョンワン)

 

 

そして約二ヶ月ぶりとなるヒエちゃんもとい、キュアヒートとなった。

 

いつかのゴシックロリータの黒い服に、黒いウィッグ、黒のローヒール、黒いカチューシャをつけた俺がいた。

 

それに前より身長を少し縮めた。俺の身長は170cmなのだが150cm後半ほどにした。ヒエちゃんとキュアヒートの区別をつけるためだ。

 

だがもしものために保存しておいたバリアジャケットデータが、また役立つことになるとは……欠片も思わなかったよ(震え声

 

こうなればもうやけだ(錯乱

 

 

「こ、ここは……大空を包容する一輪の花……キュアヒート!……に任せなさい!!」

 

 

と空元気で大声をあげた。ちなみに花澤さんボイスである。

 

 

「ヒ、ヒエンさん……い、いえキュアヒート!ありがとうございます!!」

 

 

そしてつぼみ達はいつきの元へと向かっていった。

 

すると薫子さんが心配そうに声をかけてきた。

 

 

「……大丈夫?」

 

 

「……なんとか」

 

 

空元気なのはバレていたようである。

 

あのコッペ様まで頭を撫でてくる始末である。

 

さあ、死ぬ気でプリキュア頑張ろう(震え声

 

 

 

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 ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

 

やはり登場シーンというものは派手でなければダメだと思う。それがヒーローの醍醐味であろう。

 

子供達はツリーの前にいる。

 

そしてツリーといえば雪だろう。

 

なら雪を模した登場シーンでいこう。

 

俺はファーストエディションを使用し、結晶の形をした雪を降らせる。そして幻想的な演出をしたあと、空中に季節外れのオレンジ色の花火を打ち上げた。

 

 

 

パァン!パァン!パァン!

 

 

 

「「「「わぁああああ」」」」

 

 

 

そして俺は氷のペガサスに乗って空中から現れる。

 

子供達の視線が俺へと向いたとき、フワリと着地した。

 

そして名乗った。

 

 

「大空を包容する一輪の花、キュアヒート!……初めましてキュアヒートです」

 

 

「「「「ほ、本物のプリキュアだあ~!!」」」」

 

 

子供達のテンションはうなぎ登りである。

 

俺は微笑みながら花澤さんボイスで自己紹介する。

 

その成果もあって子供達全員、顔が赤い。

 

やはり花澤さんボイスは世界を越えて人々を魅了するようだ。

 

だがすまない。

 

俺は男なんだ……。

 

本当にすまない……。

 

 

「あ、思い出した~!お姉ちゃん学園祭で見たことある~!!幻のプリキュア~!!」

 

 

すると小さな女の子がそう言った。

 

ちょっと待とうか。

 

え?幻のプリキュアってなに?

 

 

「幻のプリキュアって?」

 

 

「知らないの?お姉ちゃんのことだよ」

 

 

なんだか俺の知らないところで事態はとんでもないところまで進んでいるらしい。

 

 

「お姉ちゃん、滅多に現れないプリキュアだから幻のプリキュアって呼ばれてるんだよ~。出会ったら幸せになれるって皆言ってた~」

 

 

え?

なにその幸せの青い鳥みたいな感じの噂?そんな幸せないよ!?むしろ正体知ったらお互い不幸しかないよ!?

 

するとまゆかちゃんが俺の服の裾を握ってきた。

 

 

「キュアヒート……来てくれてありがとう」

 

 

「どういたしまして」

 

 

「あの……他のプリキュアは?」

 

 

「皆は今、町で悪いやつが現れたからやっつけにいってくれてるんだよ?」

 

 

「そうなの?」

 

 

「うん。だからもう少ししたら、皆来てくれるから。もうちょっとだけ待ってようね?」

 

 

「うん!!」

 

 

まゆかちゃんは笑顔になった。

 

こんな小さな女の子の笑顔が守れるなら俺の精神ダメージなど……大したことないさ!!(吐血

 

だがそのとき予想外な声が聞こえた。

 

 

「『アレヲイタダクゼヨ!!』」

 

 

そして……

 

 

 

 

 

 

ドシイイイイィィィィンン!!!!!!

 

 

 

 

 

 

突然、空から雪だるま型デザトリアンが現れた。

 

 

(な!?こいつは!?)

 

 

「『ハッハッハッハッハッハ!!コノツリーヲタオセバ、サゾヤオオクノココロノハナガ、カレルダロウ!!』」

 

 

雪だるま型デザトリアンはツリーを見て倒そうとする。そして拳を振りかぶった。

 

 

「『イクゼヨ!!』」

 

 

「させません!」

 

 

そのとき俺は手をかざし三重捕縛魔法でデザトリアンを縛ると、右手のグローブをガントレットに変化させ、ビッグバンアクセルを放った。

 

 

「『ヌオオ!?/グオオ!?』」

 

 

デザトリアンは吹き飛ぶ。

 

俺は奴等の前に立ち、構える。

 

 

「『キ、キミハアノトキノ!?マボロシノプリキュア、キュアヒート!?』」

 

 

「お久しぶりですコブラージャ」

 

 

そして俺は普通に答える。っていうかお前らにまで幻のプリキュアで伝わってんのかよ?

 

 

「『ホウ……コイツガオマンノイッテタクロイプリキュアゼヨ』」

 

 

「『アア、ソノトオリサ。キヲツケタマエ、ナカナカツヨイ』」

 

 

「『フン!ジョウトウゼヨ!!』」

 

 

デザトリアンの中にはコブラージャだけでなく、クモジャキーもいるらしい。ということは二人で融合しているということか?

 

ならデザトリアンのパワーもいつもより強いはず。それにこいつらがここに来たということは、つぼみ達はやられてしまったか、足止めをくらっているはず。

 

だとすれば悠長に構えている暇はない。

 

 

rev2(リヴィジョンツー)

 

 

俺はフルパワーになり再びデザトリアンを三重捕縛魔法で拘束する。

 

 

「『ヌウ!?/グウ!?』」

 

 

「皆、今すぐあの建物の中に避難してください!さぁ、急いで!!」

 

 

「「「「う、うん!!」」」」

 

 

そのとき……

 

 

「『ニガサンゼヨ!』」

 

 

デザトリアンから氷柱(つらら)の攻撃が俺に向けて放たれる。俺は両手を向けて多重ラウンドシールドでガードする。

 

 

 

ドドドドドドドッッッッッ!!!!!!

 

 

 

氷柱をなんとか防いでいく。すると子供達はその攻撃に足がすくんで動けなくなっていた。

 

 

(まずい!このままでは!?)

 

 

「『アマイゼヨ!キュアヒート!!』」

 

 

そして氷柱を放ちながら、こちらに接近していたデザトリアンは強烈なパンチでシールドを破壊し、そしてそのまま強烈なアッパーで俺を吹き飛ばす。

 

俺はクロスガードでそれを防ぐが……

 

 

 

ドオン!!

 

 

 

「くっ!?」

 

 

空中に吹き飛ばされてしまった。

 

 

「『クラウゼヨ!/クライタマエ!』」

 

 

するとデザトリアンから強烈な吹雪が放たれ、俺の身体が凍る。

 

 

「う、動けない……」

 

 

全身が凍り、身動きがとれなくなる。

 

苦肉の策で全身から調和の炎を出して溶かしていくが間に合わない。

 

 

「『コレデオワリゼヨ!/コレデオワリダヨ!』」

 

 

万事休すかと思われたそのとき……

 

 

 

バシン!!!!

 

 

 

いつのまにか俺達の目の前にデザトリアンの拳を受け止めた薄いピンク髪の女性がいた。

 

 

「ふっ!」

 

 

その女性は虹色のオーラを纏いながら、デザトリアンを拘束し、吹き飛ばしてしまった。

 

 

「『ヌアアアアアア!?』」

 

 

「プリキュア?」

 

「すご~い」

 

「でもなんてプリキュア?」

 

「キュアブロッサムでも、キュアマリンでもない」

 

 

すると女性が話す。

 

 

「私の名前はね?」

 

 

「名前は?」

 

 

そして女性は子供達の声に答えるように名乗った。

 

 

「聖なる光に輝く一輪の花、キュアフラワー!」

 

 

「「「「わぁああああ!!」」」」

 

 

子供達のテンションはさらにうなぎ登りである。

 

しかし、やっぱり……キュアフラワーだった。プリキュアって若返るんだね。普通に十代後半のお嬢さんにしか見えないっていう不思議。

 

俺は氷を溶かし終わったのでキュアフラワーの隣に立つ。

 

 

「大丈夫?」

 

 

「はい。おかげさまでなんとか」

 

 

するとデザトリアンが起き上がった。

 

 

「『キュアフラワーダト!?デューンサマヲヤブッタトイウ、デンセツノプリキュアカ!?』」

 

 

「『オモシロイ!ノゾムトコロゼヨ!!』」

 

 

「『デンセツノプリキュアト、マボロシノプリキュアガアイテトハ、メンドウダネェ』」

 

 

するとフラワーが話す。

 

 

「子供達を安全な所へ」

 

 

すると人間形態のコッペ様が現れ、子供達を連れて植物園への中へと、瞬間移動で移動した。

 

 

「さて、いきましょうかキュアヒート」

 

 

「……は、はい。キュアフラワー」

 

 

そうだ。

俺も今はプリキュア(仮)だった。

だが伝説の先輩と共闘することになるとは、本当人生って分からない(小並感。

 

 

「『クラウゼヨ!オオフブキ!!』」

 

 

俺達は咄嗟に後方へ飛び上がり、吹雪をかわしていく。

 

フラワーは身体を覆うほどの球体バリアーでガードすると攻撃を仕掛ける。

 

 

「プリキュア・フラワーキャンドル!」

 

 

するとデザトリアンの足下に円状のフィールドが展開され、フィールド内部の花冠が高速回転する。

 

その影響で花びらの上に立っているデザトリアンは体勢を崩した。

 

俺はその隙をつき、再び三重捕縛魔法でデザトリアンを拘束する。

 

そしてフラワーは再び攻撃を仕掛ける。

 

 

「プリキュア・フラワーカーニバル!」

 

 

すると敵を包囲するように4枚の花冠が放たれ、そこから更にフラワーの分身が現れた。

 

そしてデザトリアン内部に侵入してクモジャキーとコブラージャ達幹部へ直接攻撃を行っているのか、悲鳴が聞こえる。

 

っていうか俺より出せる分身一人多いってどうよこれ。俺ももう一人分身出せるようにがんばろうかなあ。

 

 

「『グアアアアアア!!??』」

 

 

そしてデザトリアンが倒れる。

 

 

「はぁ。今の私にはこれが精一杯……フォルテウェイブすら使えないもの」

 

 

いや十分だと思います。

むしろ通常技だけで幹部二人を気絶させたあなた様にわたくし戦慄しています((((;゜Д゜)))

 

っていうか弱体化している今でも通常戦闘に限れば、コッペ様より圧倒的に強えぇと思います。

 

 

「さあヒート、後は頼んでいいかしら?」

 

 

「あ、はい」

 

 

そして俺は両腕をクロスに構えワードを唱えた。

 

 

「オペレーション……ダブルヒート」

 

 

そして前へと伸ばす。

 

すると肘側の噴射口から放つ柔の炎で姿勢を制御させ、クロスさせた両腕に膨大なエネルギーが凝縮されていく。

 

 

「ダブルヒートバーナー!!」

 

 

そしてヒッツを模した巨大な剛の炎を放った。

 

雪だるま型デザトリアンは巨大な剛の炎に飲み込まれ『調和』の炎で浄化されていく。

 

 

「『ぽわわわわあああ~~!』」

 

 

「く……」「覚えてろ!」

 

 

そしてデザトリアンが消滅していく前に幹部二人は撤退していった。

 

 

 

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デザトリアンを浄化した後、俺達はこころの花を回収し、ブロッサム達のところへと向かっていた。

 

 

「それにしても凄いわねさっきの技。新技?」

 

 

すると隣にいるフラワーが俺に質問してくる。ちなみに彼女、コッペ様に抱きかかえてもらいながら飛んでいる。ラブラブやん。

 

 

「はい。デザートデビルに対抗するために編み出しました」

 

 

「そう。でもあれ、本気じゃなかったでしょ?」

 

 

「あ、分かりますか?」

 

 

「ええ。だって貴方まだまだ余力を残してるもの」

 

 

確かに約六割くらいの力でしか放っていない。デザトリアン程度であれば、軽い一撃で十分だ。

 

するとブロッサム達を発見した。

 

キョロキョロ周りを見渡している。するとこちらに気が付いたのか、大きく手を振っていた。

 

 

「おばあちゃん!」

 

 

「あらあら」

 

 

ブロッサムが勢い良くフラワーに抱きついていたが。

 

 

「ブロッサムは甘えん坊ですぅ」

 

 

シプレさんそれはいっちゃダメよ。

 

そして無事合流した俺達はデザトリアンにされた人を元に戻す。するとそばにあった携帯電話が落ち、待受画面が開かれた。

 

それを見た俺は驚愕する。

 

なんとハートキャッチプリキュアが待受画面になっていたのだ。だが俺が驚いたのはそれだけではなかった。

 

 

(なぜ……なぜ……キュアヒートまで待受画面になっているんだ!?)

 

 

そう。

その中に俺まで混ざっていたのだからorz

 

っていうか一回しか戦ってないのにその姿が出回るっておかしくない?

 

あ、でも学園祭のファッションショーで滅茶苦茶コブラージャと肉弾戦繰り広げてたわ。思いっきりオールスターズの面々にも見られてたわ。

 

その中で写真撮った人が恐らくインターネットにでも上げたのだろう。

 

だがヒエちゃんとキュアヒートは別人だと思われるはず!そのために身長10cmも下げたんだからなああぁぁ!!

 

すると俺が携帯電話を見ているのをブロッサムが気付いたのか、横からヒョイと覗きこんでくる。

 

 

「あ、私達待受になってますよ!」

 

 

そして嬉しそうにしていた。

 

すると他の面子もワラワラと寄ってくる。

 

すまん。

ちょっと暑苦しいんだけど……でも女の子って良い匂いする。

 

そして俺達は、丁度男性が持っていたサイン色紙にそれぞれサインしておいた。

 

プリキュアファンである男性にちょっとしたクリスマスプレゼントだ。

 

その可憐なプリキュアの中に女装した男子と、70歳のおばあちゃんがいることは絶対の秘密である。

 

ほら、世の中には知らなくてもいいことがいっぱいあるだろう?これもそのひとつさ(迫真

 

そして俺達は改めてまゆかちゃん達に会いにクリスマスツリーにまで戻ってきた。

 

すると子供達は何やら会話していた。

 

 

「まゆかちゃんごめん。嘘つきなんていって」

 

 

「ううん。謝らないで」

 

 

「でも本当にプリキュアとお友達だったなんて……」

 

 

するとまゆかちゃんは顔を一度下げると、友達の顔を真っ直ぐ見て言った。

 

 

「ううん……違うの。嘘だったの。プリキュアは私のお願いを聞いてくれただけなの。本当は嘘なんてつくつもりはなかったの。ただ、皆と仲良くなりたかっただけなの。……ごめんなさい」

 

 

「「「…………」」」

 

 

まゆかちゃんは頭を下げる。

 

そして子供達は顔を見合せて言った。

 

 

「何言ってるのまゆかちゃん?私達まゆかちゃんのことずっと友達って思ってたよ?ねぇ?」

 

 

「「うん!!」」

 

 

そして子供達四人は仲良くなり、笑顔で話していた。

 

 

「そういえば……キュアヒートは?」

 

 

 

ギクゥッ!?

 

 

 

するとまゆかちゃんがキョロキョロと周りを見る。

 

そう。

俺は現在変身を解いて、普通の男の姿に戻りツリーの後ろに隠れている。だっていつまでもキュアヒートのままなのは、精神的に辛いんだもの。

 

それにここには……もうすぐ()()()がやってくるだろうし。あの野郎に見られたら絶対にからかってくることは目に見えている。

 

 

「キュアヒートはもう帰ってしまいました。まゆかちゃん達によろしく言っといてくれって言ってましたよ?」

 

 

ブロッサムが答える。

 

 

「助けてくれたお礼言いたかったのに……」

 

 

「それは私達がキチンと伝えておきます」

 

 

「ほんとう?」

 

 

「はい!約束です!」

 

 

「ありがとうプリキュア!!」

 

 

そしてブロッサムと約束をしたまゆかちゃんは、友達と家へと帰っていった。

 

なんて良い子達なんだろう。

やはり持つべきものは友達なんだろう。

願わくばあの子達がずっと善き友達でいれることを願うのみである。

 

そして俺はツリーの後ろから出る。

 

 

「何も戻らなくてもそのままで良かったのにー」

 

 

「これ以上は俺の精神が持たないので勘弁して下さい」

 

 

マリンが文句を言ってくるが俺は受け流した。

 

 

「それにしてもおばあちゃんが変身するとはなあ~」

 

 

「今はキュアフラワーよ♪」

 

 

「「「「あははっっ」」」」

 

 

皆で仲良く笑い合う。そのとき……

 

 

 

 

 

 

ゾクッ

 

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

 

かすかな殺気が俺達に向けて放たれる。

 

俺とフラワーが視線を向けるとそこには見覚えのある緑髪の少年が立っていた。

 

 

(きたか……)

 

 

「貴方は……」

 

 

「フフッ。久しぶりだねぇキュアフラワー。それに元気そうで良かったよ魔導師君」

 

 

「デューン!?」

 

 

再び砂漠の王、デューンが現れた。

 




いよいよ最終決戦だあ!!Σ(゜Д゜)

ふふふふ。
長かった。
ここまでくるまで二ヶ月半もかかってしまった。

さあ!
ここから原作ブレイク!!あ~~んど超展開の連続でいくぜえぇぇぇ!!!!(良い方に転がるとは言ってない。

では、また(・∀・)ノ

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