大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

書けたので投稿。

今回は特に戦闘とかないです。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百六十五話 心の花を守る伝説の戦士XXXVII

ヒエンside

 

 

 

俺は今、開店前の準備として『花咲フラワーショップ』の店の前の掃除を行っていた。

 

緑色のエプロンをつけてホウキでゴミを集め、チリトリで取っていた。

 

 

「ふぃ~」

 

 

あの俺の過去に関わった事件のことをハートキャッチプリキュアの面々に話してから既に五日が経った。

 

今では頭のキズもすっかり治り、身体に蓄積していた疲労もすっかりとれた。フィジカルヒールを毎日身体全体にかけていた甲斐(かい)があった。もうすっかり全快である。

 

当初は頭に包帯をまいた状態で帰ると花咲夫婦がひどく慌てたが、頭を軽く打っただけだと伝えたらなんとか納得してくれた。

 

もう全快した今なら、あのパワーアップしたダークプリキュアだって倒せる自信がある。

 

 

フハハハハハハ(゜▽゜*)

 

 

すいません。

調子に乗りました。

 

だがああいった激しい戦いを乗りこえた後は、身体も段々丈夫になっていっている気がする。

 

すると丁度お隣さんのファッションショップ『フェアリードロップ』から、俺と同い年の明堂学園高等部の制服を着た女の子が出てきた。

 

そしてその子は俺に気付くと声をかけてくる。

 

 

「あ、ヒエン君おはよう~」

 

 

「おはようももか」

 

 

この女の子の名前は来海(くるみ)ももか。えりかのお姉さんである。

 

なんとこのももかさん。

今を輝きときめく、超人気スーパーモデルなのだ。

 

そんな芸能人の彼女と俺がなぜ話しているかというと、えりかのおかげである。

 

俺が花咲家に居候してからそろそろ二ヶ月になるのだが……その間にも当然お隣さんである来海家とも交流はあった。

 

 

ここで来海家を軽く紹介しよう。

 

 

来海家は四人家族である。

 

 

家族構成は父親の流之助(りゅうのすけ)さんに、母親のさくらさん、長女のももか、次女のえりかである。

 

流之介さんは世界的に有名なカメラマンで、若いころは数々の国際的な賞を受賞しているほどの凄腕カメラマンだ。

 

さくらさんは元有名ブランドの専属モデルで、パリコレに出演するほどのカリスマスーパーモデルであったらしい。現在は女手一つでファッションショップの『フェアリードロップ』を経営しているオーナー兼デザイナーの凄腕ママさんだ。

 

つまり何が言いたいかというと、来海家はエリート一家なのだ。

 

 

「今日も頑張ってるね~えらいえらい」

 

 

ももかはチリトリとホウキで座ってゴミを集めている俺に近寄り、頭を撫でる。

 

 

「ねえももかさん?毎度言ってると思うんだけど、そういうのやめない?こういうところあなた様のファンに見られたら半殺しにされてもおかしくないんだけど。主に俺が」

 

 

「大丈夫大丈夫~。この時間帯はあんまり人は通らないから」

 

 

「確信犯というところに、そこはかとなく悪意を感じるのだが」

 

 

「うーん……普通、私にこんなことされたら、クラスの皆なら卒倒ものなんだけどなあ」

 

 

「やっぱり確信犯じゃねえかこのやろう」

 

 

だが誰もイヤとは言ってない。

むしろ全力でありがとうございます!!

 

タマにこうして話す分には、俺とももかの仲は良い。

 

来海家でも俺の話題が出ることはあるらしい。来海家での俺の主なイメージは、えりか曰く……『いつもつぼみに怒られてる人』らしい。

 

思わずえりかの頭をチョップした俺は悪くない。

 

 

「何をやっているのかしら?」

 

 

すると突如どこか覇気のある凛とした声が後方から響く。俺はゆっくりと後ろを向き、目を見開いた。

 

 

「げ……月影!?」

 

 

「人を見てその態度は(いささ)か失礼じゃないかしら?」

 

 

「モ、モウシワケゴザイマセン」

 

 

思わず片言になる。

 

 

「おはようゆり~」

 

 

「おはようももか。それで一体何をやっているの?」

 

 

月影が俺の頭を撫でているももかを見る。

 

 

「ヒエン君からかってたの。頭撫でたらどんな反応するかなあって」

 

 

「至って普通だこのやろう」

 

 

たかだか超人気モデルに頭を撫でられたくらいで精神を乱すはずがないだろうが!!

 

 

「その割りに顔が段々赤くなってきているのだけど」

 

 

「前から思ってたけど、お前さん絶対ドSだよね」

 

 

冷静に俺の表情を分析するんじゃねえよ。

 

 

「それよりいいのか?もう8時過ぎてるぞ?」

 

 

俺は未だに頭を撫でるももかの手をヒョイとかわすと、立ち上がる。

 

 

「まだ余裕があるから大丈夫よ」

 

 

「ふーん」

 

 

そんな俺と月影が会話しているところを見ていたももかが言う。

 

 

「ゆりが男の子と会話してるところを見るのなんて……中々レアよね」

 

 

「そうかしら?」

 

 

「だってゆりったら、普段誰とも話さないじゃない」

 

 

「それはももかも同じじゃないの」

 

 

二人の美女が言い合いをする。

 

うん。

それはたぶんあれだ。

高嶺の花とかいうやつだ。

 

たぶん俺がこの二人と同じクラスメートだったとしても、話してはいない気がする。

 

今、俺がこの二人と普通に話せているのは、ももかはご近所さんで話す機会があるからだし、月影はプリキュアとしてデザトリアンと戦う際に、共闘したことがあるからだ。

 

しかし……

 

朝から美女の戯れを見るのは非常に目の保養になる。

 

願福願福。

 

あ、そうだ。

 

そういえばつぼみの件を月影に言っておかなければ……。

 

 

「月影……そういえばつぼみが呟いてたんだが、新しくできた服の試着をしてほしいみたいだったぞ?もう明日だろ学園祭?」

 

 

「え、ええ。そうね」

 

 

「最近、月影がつかまらないってつぼみのやつ悶々と悩んでたからな。用事があるのは分かるんだが、帰る前に服の試着だけでもしてやってくれ」

 

 

「分かったわ」

 

 

よし。

これでOKだろう。

 

すると学園へと向かう生徒をチラホラと見るようになってきた。

 

 

「あら……もうこんな時間。結構話し込んでたみたい。ももか、そろそろ行きましょう」

 

 

「うん。じゃあヒエン君いってきま~す~」

 

 

「いってらっさ~い」

 

 

大きくこちらに手を振る超人気モデルに若干呆れながら、手を小さく振り返す。

 

さて、今日も花屋の仕事がんばりますか!!

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

午前の仕事が終わった昼休み……

 

俺は近所の三浦ラーメン2号店にラーメンを食べに来ていた。

 

 

「塩ラーメンと、チャーハン大盛り、餃子二人前ください」

 

 

「今日はいつにも増してよく食べるねえ」

 

 

すると大将が話しかけてくる。

 

 

「なんだか最近やたらと腹が減るんですよね」

 

 

「今が食べ盛りなんだろうねぇ」

 

 

「そうなんですかね?」

 

 

ひどい時なんてごはん三杯くらい食べても足りないときがある。さすがにそれ以上は自重するが。

 

 

「はい」

 

 

するとコトンと例のごとく野菜サラダが置かれる。

 

俺がこの店にくると必ずといっていいほど置かれるこのサラダ。どうやら女将さん特製らしく……いつも脂っこいものばかり食べる俺を心配して作ってくれたそうな。お客にも意外と好評でお店のメニューにも増えたほどだ。

 

だが気のせいでなければ……

 

 

「あの……女将さん。段々、野菜の量と種類が増えてきてませんか?」

 

 

「だって貴方、()()()()()()野菜を頼もうとしないんだもの。常連さんの健康を気遣うのも、お店としては当然のことでしょ?」

 

 

「その割りに他のお客さんとサラダの()()()()()が違いすぎませんかねぇ!?」

 

 

そうなのだ。

他のお客さんのサラダがお椀一杯分なら、俺の分はお椀四杯分はある。むしろ嫌がらせレベルである。

 

おかしいよ……こんなの絶対おかしいよ……。

 

某魔法少女の分かる人には分かるセリフがつい出てしまったのは仕方ない。

 

 

「だって食べる量が増えたら、野菜の量も増やさないとダメでしょう?」

 

 

それは確かに一理あるが……

 

 

「ウチにもせがれがいるからね。妻は君の事が心配なんだよ」

 

 

そう言われたら反論できん。

 

母は強しというが……いや、いつの世も女性が強いのは当然なのだろう。

 

 

「ヒエン君……いい加減食べないとつぼみちゃんに今日のこと報告するわよ?」

 

 

「イエスマム!ありがたくいただきます!」

 

 

女将さんの言葉を聞いたら条件反射でそんなことを言い返していた。

 

つぼみという言葉を聞いただけで身体が動くとは、どうやら俺の中でつぼみはなのはと同じくらい『絶対逆らえない人ランキング』上位にいるらしい。

 

 

「はい。塩ラーメンに、チャーハン大盛り、餃子二人前ね」

 

 

すると頼んだメニューがやってきた。

 

 

「いただきます」

 

 

とりあえずいただくことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後の花屋の仕事を終わらせた後、植物園の手伝いにいく。職員の方に軽く挨拶をしたあと、いつもの如く、花に水をやる。

 

すると俺の姿を見つけたコロンが近寄ってきた。

 

 

「やあヒエン」

 

 

「あ、コロン。おいっす」

 

 

コロンは俺の頭の上に乗ると話しかけてくる。

 

 

「花屋の仕事はいいのかい?」

 

 

「ああ。今の時間帯はお客さんの数も少なくなってくるから問題ないよ。それより、あれから五日経つけど……体調は大丈夫か?」

 

 

「うん。特に変な感じはしないよ」

 

 

「そっか。身体に不調を感じたらすぐに言えよ」

 

 

「分かってるよ。全く……君やゆりは心配性だねえ」

 

 

「コロンの場合は、特別なんだから心配しすぎるくらいで丁度良いんだよ」

 

 

コロンが復活してから既に五日が経つ。

 

一応、今のところは身体に特に変な不調はなく、月影と一緒に日々の生活を過ごしているらしい。

 

念のために相棒に頼んで一日毎にコロンの身体をスキャンして、メディカルチェックを受けさせている。

 

相棒が調べる分にもコロンは健康体で問題ないらしい。

 

恐らく俺の生命エネルギーを含んだ魔力……【調和】の効果を持った魔力だからか健康体になったと思うのだが……注意しておくに越したことはない。

 

というか今、重要なこと気付いたけど妖精の生体データ手にいれちゃってたよ((((;゜Д゜)))

 

よし。

封印しておこう。そうしよう。

 

そして俺がある意味、戦々恐々していると植物園の扉が開く。

 

するとつぼみ、えりか、いつき、月影そしてなぜか、ももかまでいた。

 

 

「あ、ヒエンさん!」

 

 

「おいっす」

 

 

つぼみがこちらに駆け寄ってくる。肩の上には珍しく相棒が乗っていた。いないと思ったらつぼみと一緒にいたのか。

 

 

「おばあちゃんはいないんですか?」

 

 

「薫子さんは人と会う用事があるみたいで今は出掛けてる。で、俺が留守番してる」

 

 

俺は花に水をあげながら答える。

 

 

「そういえば月影の試着はうまくいったのか?」

 

 

「はい!ゆりさんが家庭科室に直接来て、合わせてくださったので大丈夫です!!」

 

 

「そりゃ良かった。あ、そういえば……俺の明日の服はどうなってるんだ?採寸しかされてないけど」

 

 

すると他の面子がこちらにやって来た。

 

そしてえりかが何やらテンションをあげながら言ってくる。

 

 

「ふっふっふっ。安心してヒエンさん。もう服は準備できてるから」

 

 

「あ、そうなんだ」

 

 

「それにしてもヒエンさんってば……私達にあんなに面白いくろれき……ゲフンゲフン……面白い秘密を隠しておくなんてひどくない?」

 

 

「はい?」

 

 

なんのことさ?

 

 

「ヒエンさん!明日のファッションショー楽しみにしておいて下さい!きっと盛り上がります!!」

 

 

「お、おう」

 

 

いつきまで一体どうした?

 

 

「ヒエンさん!ヒエンさんなら……あの服をきっと着こなせます!!」

 

 

「そ、そうか」

 

 

つぼみまでテンションをあげている。

 

 

「頑張りなさい」

 

 

「ファイト!!」

 

 

月影とももかまで応援してくる。

 

一体なんなんだ?

 

 

「どうしたんだお前ら?やけにテンション高くないか?」

 

 

「「「なんでもありません!/ないっしゅ!」」」

 

 

「あ、そう」

 

 

俺は少し(いぶか)しげに思いながらも気にしないことにした。

 

そして俺はこのときの選択を後悔することになる。

 

学園祭のファッションショーをあんな形で参加することになるとは、このときの俺は思いもしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『計画は順調の様ですねヒッツ』

 

 

『ガァウ』

 

 

『ふふふ。明日の学園祭が楽しみですね』

 

 

『ガゥガゥ』

 




いつも誤字報告してくれる方々ありがとうございます。

僕も見直してはいるのですがどうしても気付かないときがあって助かります。

次回こそは学園祭回。
そして他のプリキュアと邂逅ありかも。

では、また(・∀・)ノ

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