大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

とりあえず書けた。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百六十話 心の花を守る伝説の戦士XXXII

ヒエンside

 

 

 

俺の目の前にはキュアムーンライトと、そのパートナーの妖精のコロンの姿があった。

 

コロンの姿があるということは蘇生はうまくいったようだ。だが今回うまくいったのは本当に奇跡に近い。

 

コロンの()という核があったからこそ……うまくいったのだから。

 

するとムーンライトの肩に乗っていた相棒が俺の肩の上に乗ってきた。

 

 

「ガゥガゥ!!」

 

 

「え?頭から血が出てる?あー……さっき吹き飛ばされたときにちょっとな」

 

 

少し痛みは感じるが段々打たれ強くなってきたせいか、我慢できないほどではない。

 

するとブロッサムがこちらへ寄ってきた。

 

 

「ヒエンさん!」

 

 

「あ、ブロッサム」

 

 

するとブロッサムは俺の状態を見ると慌てふためく。

 

 

「ち、血が!?頭から血が出てるじゃないですか!?」

 

 

「い、いや別にこれくらい大したことないって。()()()()()()()()()()()()()()()()だし……」

 

 

「え……」

 

 

そのときブロッサムが絶句しているような表情をしていることに俺は気付く。

 

 

「どうした?」

 

 

「あ、あの……」

 

 

ブロッサムが何やら言いたそうな表情をしていたが、俺は頭をゴシゴシと拭きながら前を見る。

 

 

「それより前を見ておいた方がいい。ムーンライトが戦おうとしている」

 

 

「は、はい。でもその前に……」

 

 

 

ビリビリ……

 

 

 

なんとブロッサムは自分の服のスカートを少し破ると俺の頭に巻き始めた。

 

 

「お、おい」

 

 

「応急処置です!この戦いが終わったらすぐに治療しますから動いちゃダメですよ!」

 

 

「い、いやでも服が……」

 

 

「変身が解けたら元に戻るので大丈夫です!!」

 

 

いやあのね?

俺が言いたいのはそういうことじゃなくて……「見てください!ムーンライトが戦うみたいです!!」

 

すると丁度サソリーナと対峙していたムーンライトが動き出した。

 

そして彼女は何を思ったのか持っていたタクトを急に上へと投げ飛ばした。

 

 

「あらぁ?」

 

 

サソリーナは上を見ながら首を傾げる。

 

どうやらムーンライトの()()が分からないようだ。

 

()()()()()()()()()()サソリーナの隙をつくと、ムーンライトはサソリーナの姿勢を崩す。

 

 

「フンッ!」

 

 

「どわぁ!?」

 

 

そしてトドメとばかりに右後ろ蹴りをお見舞いした。

 

 

「フッ!」

 

 

「があっ!」

 

 

サソリーナはそのまま噴水まで吹き飛ぶと動かなくなった。そしてムーンライトは、落ちてきたタクトを華麗にキャッチした。

 

 

(ムーンタクトは囮よ!となぜだか無性に言いたい……)

 

 

俺とブロッサムはそれを唖然と見ていた。

 

続いてムーンライトはマリンと戦っているクモジャキーに視線を向ける。

 

 

「ふん!せいっ!!」

 

 

「く……」

 

 

そのときマリンは必死にクモジャキーからの攻撃をかわしていた。見る限りではマリンのスタミナはギリギリである。

 

 

「マリン!」

 

 

ブロッサムが心配そうに声を上げる。

 

するとムーンライトは助走をつけると、クモジャキーに向けて飛び蹴りを放った。

 

 

「ふふふ……ぬ!?」

 

 

 

ガキン!!!!

 

 

 

マリンを攻撃していたクモジャキーはムーンライトの飛び蹴りを察知すると、持っていた剣でギリギリ防ぐ。

 

 

(あ、あいつ……躊躇なくクモジャキーを死角から強襲しやがった!?いや、それを防いだクモジャキーも十分凄いが……)

 

 

「覚悟するじゃきい!ぬぁああああああああ!!!!」

 

 

するとクモジャキーはムーンライトに向かって剣を力強く振るいながら、無数の赤い斬撃を放つ。

 

だがムーンライトは臆せず特攻する。

 

斬撃を全て見切り、正面から突破したのだ。

 

そしてタクトを居合い刀のように構え、クモジャキーと交差する一瞬に紫の斬撃を縦一線に放つ。

 

 

「フッ!!」

 

 

「ちいぃ!?」

 

 

そしてクモジャキーは時間差で放たれた紫の斬撃をくらい、サソリーナと同じく噴水へと吹き飛んでいった。

 

続いて彼女はサンシャインと戦っているコブラージャへと視線を向ける。

 

サンシャインはコブラージャが放つ闇のエネルギー弾を必死にかわしていたが、数発ほど当たってしまう。

 

すかさずポプリがそのカバーに入るが、ポプリのシールドも呆気なく破壊されてしまった。

 

 

「ふふっ」

 

 

そしてトドメをさそうとコブラージャがブロマイドを構えたとき、ムーンライトがコブラージャに攻撃をしかけた。

 

 

「おのれ!」

 

 

コブラージャは接近戦をしかけるがムーンライトは軽やかな足捌きでかわし、懐に潜り込む。

 

そしてコブラージャのお腹に右手を軽く添えるとエネルギーを収束させた。

 

 

「ムーンライトシルバーインパクト」

 

 

「わぁああああああ!!!!」

 

 

攻撃を食らったコブラージャも同じく噴水にまで吹き飛んだ。

 

 

(しゅ、瞬殺!?知識であらかじめ知っていたとはいえ……あのダークブレスレットでパワーアップした三幹部が一分も経たない内に瞬殺!?)

 

 

そして俺はムーンライトの圧倒的な強さに完全に震えていた((((;゜Д゜)))

 

 

「私、ムーンライトの所に行ってきます!!」

 

 

「あ、ああ。気を付けてな」

 

 

するとブロッサムが何やら慌ててムーンライトの所へと向かっていった。見たところマリンとサンシャインも向かっていたので焦って行ったのかな?

 

 

「どうだい?強いだろ彼女は」

 

 

そのとき俺の隣にいた一匹の妖精が話しかけてきた。

 

シプレやコフレ、ポプリより一回り大きな紫の紋様が入った妖精。

 

 

「あ、ああ。確かコロン……だったよな?」

 

 

「うん。そういう君は大空氷炎(ひえん)でいいのかな?」

 

 

「ああ。ヒエンでいいよ」

 

 

「じゃあ僕もコロンと呼んでくれ」

 

 

俺はコロンと握手する。

 

手が物凄く小さい。

 

石田さんボイスの妖精……なかなか絵になる。

 

 

「それでムーンライトの強さだったか。あいつはヤバイな。こないだ生身で一度戦ったことがあるが……とても女子高生とは思えないほどの強さだった」

 

 

いやホントマジで。

普通の女子高生は空手の貫手(ぬきて)なんて使わないからね?

 

 

「ムーンライトと戦った事があるのい?」

 

 

「まぁ、色々成り行きで……」

 

 

言えない。

 

口を滑らせて月影の裸体を褒めてしまったなんて言えない。さらに白いパンツが見えて攻撃が苛烈になったなんて……さらに言える訳がない!!

 

 

「まぁ、そのときのことは後でムーンライトに聞いてみればいいか」

 

 

「やめて!?あいつにその事は聞かないで!?」

 

 

聞かれたら、俺はまたあの連続貫手を相手にしなければならなくなる。

 

月影の体術レベルは……下手をすれば恭也君並なんだぞ?今のコンディションでそんな技を食らってみろ。俺がどうなるかは明白だ。

 

 

今度こそ……確実に殺される((((;゜Д゜)))

 

 

「後は私達が!!」

 

 

するとブロッサム達は胸のブローチから各々の武器を取り出していた。どうやら決めるようだ。

 

まずはサンシャインがタンバリンを構えた。

 

 

「はっ!!」

 

 

そしてタンバリンを巧みに操り、ひまわり型のエネルギー光弾を自身の周囲に集めていく。

 

 

「花よ舞い踊れ!プリキュア・ゴールドフォルテバースト!!」

 

 

そしてそのエネルギーを放たずに収束させる。

 

今度はブロッサムとマリンがタクトを構える。

 

 

「「はっ!!」」

 

 

そして二人はタクトの中心にあるドームを回転させる。

 

 

「「集まれ二つの花の力よ!プリキュア・フローラルパワーフォルテッシモ!!」」

 

 

二人はタクトを振ってフォルテッシモ記号のような形をしたピンクとブルーのエネルギーを生み出し身に纏う。

 

そして一直線にサンシャインの金色のエネルギー体に突っ込んでいった。

 

二人は金色の光を纏いながら三幹部へと一直線に突っ込んでいく。

 

 

「プリキュア・シャイニング……」

 

 

「「フォルテッシモオォォォ!!」」

 

 

 

ドォオオオオオンンン!!!!!!

 

 

 

咄嗟にサソリーナが赤い障壁でシャイニングフォルテッシモをガードする。

 

だが完全にパワーはプリキュア達の方が上だった。

 

 

「いかん!浄化されるぜよ!!」

 

 

「きいいい!覚えてらっしゃい!!」

 

 

完全な悪役のセリフありがとうございます。

 

そしてサソリーナ、クモジャキーは気絶しているコブラージャを背負い、テレポートで逃げたのだった。

 

前から思ってたが……便利だなあのテレポート。

 

俺も覚えたいなあ。

 

なんでかって?

 

説教から逃げられるじゃない。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

シャイニングフォルテッシモを解除させたブロッサムとマリンはこちらへと戻ってきた。

 

そしてサンシャインと合流するとゆっくりとムーンライトの方を向く。

 

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

四人はしばらく顔を見合わせる。

 

するといつもの妖精トリオがやってきた。

 

 

「キュアサンシャイーーン!!」

 

 

ポプリはさっそくサンシャインに抱きつく。その後にシプレ&コフレもしっかりといた。

 

 

「ついにプリキュアが四人揃ったですぅ!!」

 

 

コフレの言葉でプリキュア四人は再び顔を見合わせる。

 

 

「「「「…………」」」」

 

 

するとブロッサムが静かに話を切り出した。

 

 

「ムーンライト……ダークプリキュアはどうなったんですか?」

 

 

ブロッサムの質問にムーンライトは空を見上げながら答えた。

 

 

「あと一歩のところで……サバークが現れて一緒に消えてしまったわ」

 

 

ムーンライトはやりきれない表情をしていた。

 

彼女の本音としては決着をつけたかったのだろう。

 

だが俺としては原作よりもパワーアップしたダークプリキュアに勝ったということに驚いていた。

 

彼女が勝った要因は恐らく……

 

 

(コロン……だろうな)

 

 

俺の後ろでどこか満足げな表情でプリキュア達を見守っている紫の妖精がいた。

 

っていうかなんで俺の後ろに隠れてんの?

 

 

「でもおぉ!!ムーンライトがいれば百人力だよ!!ダークプリキュアだろうが!!砂漠の使徒だろうが!!」

 

 

そのときマリンがはしゃぎながら、身体全体で喜びを表現する。

 

元気だなおい。

 

君、さっきまでめちゃめちゃ疲れてる表情してましたやん。

 

あれか。

マリンは学校で授業終わった後、途端に元気になるタイプと見た。

 

 

「…………こういうときなんていうんだっけ?」

 

 

「朝飯前……ですよ」

 

 

「そうそう。それそれ」

 

 

おい。

 

 

「砂漠の使徒を(あなど)ってはいけないわ」

 

 

そのときムーンライトが呟く。

 

まあ、ムーンライトは一度砂漠の使徒を侮った結果……プリキュアに変身できなくなったからな。

 

基本的に言葉の重みが違う。

 

 

「そうですね。砂漠の使徒は必ずまた襲ってきます。皆で力を合わせてこころの大樹を守りましょう!!」

 

 

ブロッサムの言葉で皆が気合いを入れる。

 

それを見ながら……俺は一息ついていた。

 

 

「はぁ……なんとかなって良かった」

 

 

そのとき俺の視界がぐらつく。

 

 

「おっと……大丈夫かい?」

 

 

だが後ろにいたコロンが俺の頭を支えてくれたおかげで倒れることは回避できた。

 

 

「す、すまんコロン……そういえば頭から血が出てたの忘れてた……」

 

 

とりあえず俺は頭にフィジカルヒールをかける。

 

治癒魔法は二番目に得意な魔法なのでこの程度のキズであればすぐに治る。

 

手始めにまずは血が出ない程度には塞いでおく。

 

後は身体全体にかけておくことで疲労とダメージをなくしておくことも忘れない。

 

 

「ん?…………ああ!?」

 

 

そして俺とコロンが話す声でようやく気付いたのだろう。ブロッサムがこちらを勢いよく見た。

 

それにつられて他の面子もこちらを見る。

 

するとムーンライトを除く全員がこちらを見てギョッと驚いてるのが分かった。

 

ちょっと怖いよ君達……

 

 

「「コ、ココココ……コローーーーーンン!!!!!!??????」」

 

 

先に反応したのはシプレ&コフレだった。

 

 

「やあ。元気だっかいシプレ、コフレ」

 

 

コロンは大人の対応で声をかける。

 

大物か。

 

一方のシプレ&コフレは目から大粒の涙を流しながらコロンに抱きついた。

 

 

「「うえぇぇーーん!!コローーン!!会いたかったですうぅぅ!!!!」」

 

 

他の面子もコロンの登場に驚愕していた。

 

 

「え、えええええ!?なんでコロンがここに!?おばあちゃんの話じゃサバーク博士にやられたはずじゃ……」

 

 

「う、うん。そのはず」

 

 

「私もそう聞いてます……」

 

 

「ポプリもでしゅ」

 

 

マリンとサンシャイン、ブロッサム、ポプリも驚く。

 

まだ生まれて間もないポプリは仕方ないとはいえ、ブロッサムは俺の側にいたのにコロンの存在に気付いてなかったようだ。

 

コロンは三人と一匹に向くと挨拶する。

 

 

「初めまして。君達が新しいプリキュアのブロッサム、マリン、サンシャインそして妖精のポプリだね。僕はコロン……ムーンライトのパートナーさ。どうぞよろしく」

 

 

「こ、こちらこそよろしくお願いします」

 

 

「よ、よろしく」

 

 

「よろしくお願いします」

 

 

「よろしくでしゅ~!!」

 

 

三人は戸惑いながら、ポプリは元気な声で挨拶を返す。

 

それを見たコロンは話し始めた。

 

 

「それで君達の疑問なんだけど……それは後ろにいるヒエン達のおかげさ。僕は彼らのおかげでこうしてここにいる」

 

 

「「「ええぇぇ!?」」」

 

 

コロンを除く全員がこちらを驚愕した目で……再度見る。

 

 

「まぁ、彼には僕も聞きたいことが山ほどあるんだけど……今は後回しにしないとね。彼、大分無茶してるから今すぐ休ませないと。頭の出血もひどいことになってるしね」

 

 

「そうですよヒエンさん!!早く治療しに植物園へ行きますよ!!」

 

 

「あー……ケガなら治癒魔法で治ったぞ?」

 

 

俺はブロッサムに巻かれた布をほどく。少し血が染み込んでいたが、頭の出血は止まっていた。

 

 

「何を言ってるんですか!?いくら治癒できるからといっても重傷なのはかわりないんです!!さっさと戻りますよ!!」

 

 

「は、はい……」

 

 

俺はブロッサムの剣幕に押されながらなんとか立ち上がる。だが、血を失って平行感覚がなくなっているのかフラフラする。

 

するとブロッサムが俺を左から支えてくれた。

 

 

「おっとっと……」

 

 

だが少し姿勢を崩してしまう。

 

そのとき咄嗟に右側を支えてくれた人物がいた。

 

 

「ほら……しっかりしなさい」

 

 

なんとムーンライトだった。

 

 

「す、すまん二人とも」

 

 

俺はなんとか立ち上がり二人に支えられながら植物園へと向かった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「とりあえず……今はこれでOKよ」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

植物園に戻った俺は死ぬ気モードを解除した後、薫子さんから簡単な治療を受けていた。

 

一応塞いだ傷が開かないようにと、念のために頭に白い包帯を巻いている。

 

今頃気付いたが……俺だけやたらと重傷である。いや、年頃の乙女達が傷つくよりかはマシなのか?

 

 

「しかし驚いたわ……コロンが蘇るなんて」

 

 

薫子さんは側にいるコロンを見ながら感慨深そうに話す。

 

 

「それは僕自身が一番驚いているよ」

 

 

コロンがこちらを見ながら話す。

 

コロンの視線に釣られて全員俺の方を向いていた。

 

あー……やっぱあれっすよね?

 

 

「…………説明しなきゃダメ?」

 

 

「「「「当たり前です!!/っしゅ!!」」」」

 

 

プリキュア達全員から突っ込まれた。

 

解せぬ。

 

 

「うーむ……」

 

 

だが何から説明したものか……

 

コロンを蘇らせたのは十中八九ジュエルシードのおかげである。

 

だが正直これらを説明するとなると、並行世界云々の話からせねばならなくなる。つまり俺がなのはの世界からやって来たと言わなければならない。

 

だが俺自身この世界に来たのは転生者の先輩にして初代プリキュア……キュアアンジェ……アンジェ先輩に呼び出されたからに他ならない。

 

とりあえず、説明するにしてもアンジェ先輩の許可が必要になる。

 

 

『説明しても問題ありませんよヒエン』

 

 

そのときアンジェ先輩の声が俺の頭の中に響く。

 

 

『というか聞いてたんですか?』

 

 

『はい。先程の戦いも拝見していました』

 

 

『なるほど。そういえばアンジェ先輩は俺の事をずっと見ていたんですよね?』

 

 

以前プリキュアパレスでそんなことを言ってた気がする。

 

 

『はい。その通りです』

 

 

『ということは俺が今まで関わってきた事件や戦いも見てきた……ってことですか?』

 

 

『はい。貴方が関わったとされるジュエルシードを巡るPT事件、異世界での魔法少女達と共闘して立ち向かった黒化英霊(こくかえいれい)との戦い、久遠を祟り狐から解放するための戦いも……全部知っています!!』

 

 

『そ、そうっすか……』

 

 

『貴方の勇姿は他の後輩プリキュアとハラハラしながら見ていました。なんというかこう……出来の悪い弟を見守る姉のような心境とでもいいましょうか……』

 

 

え?

ちょっと待って……

 

今、重要なこと気付いたけどそれ俺の私生活も全部見られてるってことだよね?

 

まさかの出所からプライバシーの侵害があったんですけど!?伝説の戦士達に……俺の私生活が全て知られているというのか!?Σ(゜Д゜)

 

 

『あ、安心してください。貴方の私生活については覗いてはいません』

 

 

『あ、そうっすか』

 

 

ちょっと安心。

 

 

『ですが一つ言わせていただきますと、エロ本というのですか?あのような不埒な本に興味を持つ年頃だというのは分かるのですが……』

 

 

「おもいっきり見てんじゃねえかーー!!」

 

 

俺は思念で話すのを忘れてつい大声で突っ込んでしまった。

 

 

「ど、どうしたんですか!?」

 

 

するとつぼみがビックリしたような声をあげる。

 

あ、そっか。

俺が喋らないから考え事してると思ったんだな。

 

 

「あ、いやちょっと天然で不思議系キャラの初代プリキュアに突っ込んでいたというか……」

 

 

「へ?」

 

 

つぼみがキョトンとしたような声を出す。

 

 

『ちょっとヒエン!先輩に向かってその口の聞き方はなんですか!?』

 

 

「すいません!ですが突っ込まれるような事を言う貴方が悪いです!!」

 

 

「ヒエンさん……一体誰と話しているんですか?」

 

 

まずい。

つぼみが危ない人を見るような目でこちらを見ている。心なしか他の面子も俺との距離が離れている気がする。

 

 

『アンジェ先輩……先輩のせいで皆から避けられているんですが。というかなんで俺だけに話すんですか?他の皆に聞もこえるように話したらいいじゃないですか。っていうか責任とって先輩が皆に話してください』

 

 

『きゅ、急に辛辣になりましたね。貴方にだけ話しているのは、貴方の中に封印しているあの赤い宝石を介して話しているからです。皆に聞こえるようにするのでしたら、赤い宝石を表に出してください』

 

 

『了解です』

 

 

そして俺は精神世界(アンダーワールド)からあの赤い宝石を出す。するとアンジェ先輩の声が聞こえてきた。

 

 

『プリキュア達よ……』

 

 

「こ、この声は!?」

 

 

「プリキュアパレスでの……」

 

 

そのとき月影とつぼみが驚く。

 

 

『この者を……魔導師ヒエンをこの世界に呼び出したのは私なのです』

 

 

「「「「え!?」」」」

 

 

全員が驚愕している。

 

 

『ですが……その話は皆さんが気になってることを説明してからお話致します。さぁ、ヒエン説明を』

 

 

結局俺がするんかい。

 

そこで俺はアンジェ先輩にささやかな復讐をすることにする。

 

 

「アンジェ先輩……その話し方似合ってませんよ?なんか年頃の娘が無理に敬語使ってるみたいで」

 

 

『な、失敬な!?これでも私は初代プリキュアと呼ばれているキュアアンジェですよ!?敬語くらい訳ありません!!』

 

 

「いや、ムキになっている所が余計に猫を被っているとしか」

 

 

『そ、そういう貴方だってここにいる皆さんに話せないことがあるなどと日々悶々と悩んでいたではないですか!?』

 

 

「な、なんてことを暴露しやがる!?あんただって無理に威厳出そうとして言葉使いグダグダじゃないか!この天然不思議系プリキュア!!」

 

 

『罪悪感がどうとかくだらないことで悩んでいる貴方に言われたくありません!この二重人格魔導師!!』

 

 

「死ぬ気モードは二重人格じゃないですーー!冷静な俺が表に出てるだけですーー!あんただって天使なんて大層な名前名乗ってるじゃねえか!このキュア天使(笑)が!!」

 

 

『なっ!?誰がキュア天使(笑)ですか!?貴方だって氷凍炎焔(アイスフレイム)なんて痛い二つ名があるでしょう!この中二病魔導師!!』

 

 

「『グルルルルル!!!!』」

 

 

そして俺達が激しく言い合っていると、アワアワ慌てながらつぼみが声をあげた。

 

 

「お、落ち着いて下さあああぁぁぁい!!!!」

 

 

他の面子は俺達のやり取りを呆れたように見ていたそうなorz

 




なんでか戦いが終わるとグダグダになってしまう。

では、また(・∀・)ノ

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