大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

書けたので投稿。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百四十九話 心の花を守る伝説の戦士XXI

ヒエンside

 

 

 

無事デザトリアンを倒した俺達は才谷秀雄君のこころの花を戻す。

 

眠っている才谷君をイスに座らせ、目覚めるまで待つ。

 

そのまま俺達は離れたところから二人の様子を見る。

 

数分後……才谷君が目を覚ましたようだ。

 

 

「ん?」

 

 

「大丈夫?」

 

 

「月影?……あ!さっき変な人が!?」

 

 

「きっと……悪い夢を見たのね」

 

 

「え?……あ、そっか」

 

 

月影の言葉に才谷君は納得する。

 

そして才谷君は話し始めた。

 

 

「夢でこんなこと言われたよ。『次、勝てるように死ぬ気で努力しろ。たかだか数回負けた程度で諦めてんじゃねえよ……』って。大切なのは……負けても諦めない心だったんだ」

 

 

ちょっと偉そうなことを言い過ぎたかもしれない。

 

ごめんよ才谷君。

 

 

「なんか力が湧いてきた!」

 

 

しかし彼自身はそんなことを思ってなさそうだった。ちょっと安心した。

 

 

「「秀雄~!!」」

 

 

そのとき才谷君の名前を呼ぶ声が聞こえた。

 

そこには才谷君の友人なのだろう二人の男子生徒がいた。才谷君は小走りで向かいながら月影に振り返って言った。

 

 

「次のテストでは負けないからな!良いライバルでいてくれよ!!」

 

 

そして月影に手を振って校舎へと入っていった。

 

それを見送った俺達は月影に近付いていく。

 

 

「良かったです。才谷さんが元気になって」

 

 

「えっと……ほうれん草の花言葉は……」

 

 

「活力!」

 

 

いつもの三人組が元気に花言葉を言う。

 

すると例の如く今度はコフレが震え出す。

 

 

「こころの種が生まれそうですぅ!!」

 

 

コフレのブローチが金色に光だす。

 

 

「はっ!プリプリプリ……プリリリーン」

 

 

するとコフレのお尻から金色の種が生み出された。

 

つぼみがそれを受け取るとココロポットに入れた。

 

 

「これでまた少しこころの大樹が……」

 

 

「元気になったでしゅ~」

 

 

三匹は満足そうに言う。

 

もうこころの種が生まれる過程については突っ込まん。突っ込まんぞおおおぉぉぉ!!!!

 

するとつぼみが月影に話を切り出した。

 

 

「私……ゆりさんのこころの花がもう一度咲くような服をデザインしたいんです。生意気な事を言ってすみません。でも私!ゆりさんのこころの花を感じるんです!!」

 

 

「私のこころの花を?」

 

 

つぼみの言葉に月影が振り返る。

 

 

「はい!見ているとこちらが励まされるような……可憐な……そして美しい花を」

 

 

そしてつぼみは頭を下げた。

 

 

「お願いです!モデルになって下さい!!」

 

 

「…………」

 

 

しかし月影は黙って校舎へと歩いていく。そして立ち止まって言った。

 

 

「……また私のこころの花が咲くのなら引き受けるわ」

 

 

そしてまた歩き始めた。

 

 

「本当ですか!?」

 

 

つぼみは笑顔で歩いていく月影の後ろ姿を見ながら言った。

 

 

「咲きます!ゆりさんのこころの花はきっと咲きます!!」

 

 

「「「ふふっ」」」

 

 

皆、嬉しそうにその後ろ姿を見ていた。

 

 

「ガゥガゥ」

 

 

すると眠っていた相棒が俺の頭の上に現れた。

 

 

「おはよう相棒。え?青春?そうだな」

 

 

「ガゥ」

 

 

「うん。まぁ、見た感じ素直じゃないよなあいつ。いわゆるクーデレってやつだな」

 

 

「ガゥ~」

 

 

「だな」

 

 

そんな呑気な俺達の前にえりかといつきがやって来た。

 

 

「ヒエンさん!」

 

 

「少しいいですか?」

 

 

「あ、ああ」

 

 

二人の言いたいことは分かる。

 

 

「さっきの戦いのことか?」

 

 

「そう!あのときつぼみに……何もあそこまで言わなくても良かったんじゃないの!?」

 

 

「ヒエンさんの言いたいこともなんとなく分かりますよ?でもつぼみは……まだ中学生ですよ?」

 

 

「あのときは正直……言い過ぎたと思う。反省してる」

 

 

そうだ。

あのときは戦いの途中で余裕がなかったとはいえ……才谷君を必死に助けようとしてるつぼみにきつく言ってしまった。

 

俺は月影の後ろ姿を見ているつぼみを見る。

 

 

(謝らないとなあ……)

 

 

そして二人に相談する。

 

 

「あ、謝った方がいいよな?」

 

 

「当たり前っしゅ!」

 

 

「うんうん」

 

 

二人は頷く。

 

それを聞いた俺は……意を決して話しかけた。

 

 

「つぼみ」

 

 

「は、はい……」

 

 

つぼみがビクッとしながらこちらを見る。

 

怒られると思ってるのだろう。

 

俺は頭を下げた。

 

 

「さっきはきつく言ってすまなかった」

 

 

「…………」

 

 

「言い訳に聞こえるかもしれないけど、あのときはその……俺も余裕がなかったというか、必死だったんだ……」

 

 

「…………」

 

 

「でも……君を泣かせてしまったのは俺のせいだ。本当にすまなかった」

 

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

「……顔を上げてください」

 

 

「……う、うん」

 

 

するとつぼみがゆっくり話し始めた。

 

 

「最初はその……物凄く怖かったです。あんなに睨まれたのは……生まれて始めてでしたから」

 

 

「うぐ……」

 

 

「でも……ヒエンさんの言葉を聞いて……貴方の言いたいことが分かりました」

 

 

「…………」

 

 

「才谷さんに……諦めるなって言いたかったんですよね?」

 

 

「あ、ああ。ぶっちゃけると才谷君のようなことは俺も経験あったし」

 

 

テストで一番になれないなんてことはざらにあった。ありすぎてテストで遂に一番になれたときは、思わず自分へのご褒美で翠屋のシュークリームをお腹一杯食べ過ぎて……お腹を壊したまである。

 

 

「負けて悔しい気持ちは良く分かるから。でもだからって自暴自棄になって投げ出すのはダメだ。彼はあのとき、()()()()()()()()()()()()()()()()()()……」

 

 

「そうだったんですか……」

 

 

「うん」

 

 

俺が話し終わると、今度はつぼみが意を決したように話しかけてきた。

 

 

「あの……あのときは私も頬を叩いたりして……申し訳ありませんでした」

 

 

「ああ、別に大丈夫だよ」

 

 

うん。

特に痛くなかったし。

ビックリはしたけど。

 

 

「あのときヒエンさんが才谷さんのことを否定したと思っちゃいまして、そのつい……」

 

 

「だ、大丈夫だ」

 

 

その言葉を聞いてなぜだか納得してしまった俺がいた。やはりこの子は優しい子だ。だからこそプリキュアに選ばれたのだろう。

 

すると俺達の後ろでやり取りを聞いていたえりかといつきが話しかけてきた。

 

 

「それじゃ……仲直りも無事にできたことだし皆で帰ろっか!!」

 

 

「えりか?まだ授業始まってもいないよ?」

 

 

「あぁー!そうだったー!!」

 

 

「もうえりかったら~」

 

 

三人が仲良く笑っている。

 

あ、そういえば授業で思い出した。

 

俺、弁当箱届けに来たんじゃん。

 

 

「そういえばつぼみ……これ忘れてるぞ?」

 

 

俺は魔法陣から弁当箱を取り出すと渡した。

 

 

「あ、私の弁当箱……」

 

 

「ウチに忘れてたぞ?」

 

 

「わざわざありがとうございます……あ、そうだ」

 

 

「うん?どうした?」

 

 

すると何かを思い出したように呟くつぼみ。

 

 

「あのヒエンさん。今朝のなんでも言うこと一つ聞くってお願いを……今言ってもいいでしょうか?」

 

 

「あ、ああ。俺ができる範囲でだけど」

 

 

まぁ、約束しちゃったからなあ。

 

 

「でしたら……お願いです!私達の秋の学園祭のファッションショーにモデルとして出てください!!」

 

 

つぼみが頭を下げる。

 

だが俺は予想外のお願いにフリーズした。

 

 

「…………え?」

 

 

モデル?

モデルってあのモデル?

 

 

「ダメ……でしょうか?」

 

 

「お、おう。ど、ドンと任せとけ」

 

 

「ありがとうございます!服は私達に任せて下さい!!」

 

 

「オ、オネガイシマス」

 

 

うん。

約束してたし。

上目遣いで言われたら誰だって断れないよね?

 

さっきだってビビらせて泣かせちゃったし。

 

文面で見ると俺……結構なクズじゃね?

 

とりあえず弁当箱を無事渡し終えた俺は花屋へと戻ったのだった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「ってなことがあったんですよ」

 

 

「あらあら……大変だったわねぇ」

 

 

そして花屋の仕事が一段落した後、夕方植物園に行きさっそく薫子さんに報告していた……包み隠さず映像付きで(゜▽゜*)

 

 

『……また私のこころの花が咲くのなら引き受けるわ』

 

 

『咲きます!ゆりさんのこころの花はきっと咲きます!!』

 

 

俺は朝の映像を薫子さんとコッペ様に見せていた。

 

特に月影がクールに去っていくところなどBGMをつけてみた。我ながら納得のいく配曲であった。ちなみにBGMはペル○ナ4に使われる挿入曲である。

 

 

「まさかあの恥ずかしがり屋のつぼみがあそこまで言うとは思いませんでした」

 

 

「そうねぇ。でも、しっかり成長してるみたいで安心したわ~」

 

 

「まぁ、泣き出したのはちょっと予想外でしたが……」

 

 

「お互いに謝ったんならそれでいいじゃない」

 

 

「あははは……。それにしても月影って案外あれなんですね。意外と照れ屋なんですね」

 

 

「ゆりちゃんは元々優しい子よ?」

 

 

「つぼみとのやり取りを見てればすぐに分かりましたよ。あ、こいつ照れ屋だと。ただもうちょっと器用にできないもんなんですかね?どうせOKって返事するなら、別に少し歩いて止まらずにその場で返事すれば良かったのに」

 

 

「……ヒエン君」

 

 

「いや、あのキャラだって自然にやってるなら大したものですよねぇ。つぼみへの返事の仕方もキザだったし」

 

 

そして俺は再度月影の言葉を再生する。

 

 

『……また私のこころの花が咲くのなら引き受けるわ』

 

 

「いや~俺だったらこんな返事の返し方絶対にできませんよ!まさに生きたクーデレですね!!」

 

 

「…………ヒエン君」

 

 

「つぼみもつぼみで完全にドラマのヒロインみたいになってるし。これだけ見たら完全に恋愛ドラマですよね。主役月影で、ヒロインつぼみ。題名つけるなら『月光と大地の花、禁断の恋!』なんつって!あっはっはっはっは!!(゜▽゜*)」

 

 

「…………はぁ。ヒエン君御愁傷様……」

 

 

「え?どういう意味ですか?」

 

 

 

そのとき俺は話に夢中で気付いていなかった。

 

 

後ろから近付いている阿修羅二人組に…

 

 

 

ガッ!!!!

 

 

 

「随分……面白い話をしているのね大空君……」

 

 

「いつこんなの録ってたんですか?」

 

 

 

【ジリリリリリリ!!!!!!】

 

 

 

聞き覚えのある声が聞こえたと思った直後、超直感からの警鐘が鳴り響く。

 

 

 

俺はそっと後ろを振り向く。

 

 

 

そこには黒いオーラを身に纏った(くだん)の女性が二名いた((((;゜Д゜)))

 

 

 

俺は震える声で聞く。

 

 

 

「あ、あの……お、お二人さん?ど、どうしてここにいるんです?」

 

 

「今日は薫子さんに用があったから来たのだけれど……随分興味深い話をしていたから気になってね?」

 

 

「私は植物園のお花に水をやりに来たらヒエンさんがとても面白そうな話をしていたものでしたから……」

 

 

「そ、そうなんだ~。でも俺は話が終わったから……もう帰りますね」

 

 

まずい。

 

ここにいては確実に…………死ぬ!!

 

そして立ち上がり帰ろうとするが……立ち上がれなかった。

 

 

 

ミシミシミシミシミシ!!!!!!

 

 

 

おおー!!

立ち上がれねぇ!!

上から重りをつけられたかのようにまるで立てねぇ!!全然ビクともしねぇーーー!!!???Σ(゜Д゜)

 

そうか!?

彼女達の俺の肩を持つ握力の強さが半端ないのか!?

 

え?

なんなのこの子達?

本当に女の子?

握力200kgあるんじゃないの?

 

どこの奪還屋?

邪眼でも操るの?

1分間良い夢見るの?

 

 

「お、落ち着け二人とも。話せば分かる」

 

 

「ええ。キッチリお話しましょう」

 

 

「そうですね。キッチリOHANASHIしましょうね」

 

 

「いや、自分から話振っといてなんだけどつぼみさん?お話のイントネーション違うと思うんだ」

 

 

「じゃあ……奥にいきましょうか」

 

 

「ソウデスネ、イキマショウユリサン」

 

 

「キャーΣ(゜Д゜)」

 

 

そして俺は引きづられながら植物園の奥へと連れていかれたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、えりか。なんであの人は毎度自分から地雷に突っ込んでいくんだろうね?」

 

 

「いや、たぶんあれは……素でやってるっしゅ」

 

 

「「ヒエンが来てから笑顔が増えたですぅ!!」」

 

 

「でしゅ~!!」

 

 

「皆、楽しそうね。ねぇコッペ」

 

 

「…………」

 

 

そして俺は植物園の奥で数時間正座させられながら……月影からは論理的な正当派説教、つぼみからは無言の威圧感バリバリ取り調べ式説教を受けることになったのだったorz

 




説教のバリエーション減ってきたな。

もっと増やそう(無慈悲)

では、また(・∀・)ノ

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