大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

160 / 394
どうも(゜▽゜*)

台風やばいですね。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百四十七話 心の花を守る伝説の戦士XIX

ヒエンside

 

 

 

「ふわあぁ~」

 

 

俺はあくびをしながらモニターを見る。

 

時間は既に5時を指していた。

 

 

(やべ。徹夜しちゃったよ……)

 

 

やる気が出てくるのでどんどんとフルドライブの改良を進めていたら、いつの間にか朝日が昇っていた。

 

まぁ、改良自体はある程度メドはついたのだが……後は細かい設定をしていかなければならない。

 

相棒はオーバードライブシステムの改良に途中で疲れてしまったらしく、現在は心の中で眠っている。

 

俺はこの後花屋の仕事が始まるので、調和の効果で眠気を吹き飛ばすことにした。

 

死ぬ気モードになり自身のおでこに手を当てる。

 

 

(眠気を調和の炎で包み込んで浄化するイメージ……)

 

 

数分後……

 

眠気は治まり、身体に少しの疲労がかかる。相棒のように調和の効果だけ使うのは慣れていないので俺自身に過度の負担がかかってくる。

 

 

(もう少し……慣れないとな)

 

 

だがこれをもっと使える様になれば、戦闘でも有利になるはずだ。

 

そして俺は朝練をするため、黒ジャージに着替えて外へと向かった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

そしていつも通りトレーニング場所となっている希望ヶ花市の丘の上へとランニングで行こうとしたとき……

 

いつきとポプリがウチの前にいた。

 

 

「あ、ヒエンさん。おはようございます!」

 

 

「おはようでしゅ~」

 

 

「二人ともおはよう。こんな朝っぱらからどうしたんだ?」

 

 

まだ5時過ぎだぞ?

 

 

「今日からつぼみとえりかの二人と新技の特訓をしようという話になってたんですけど……二人とも忘れてるみたいです」

 

 

「あー……なるほど」

 

 

いつきが苦笑しながら話す。

 

 

「ポプリが起こしに行ってくるでしゅ~」

 

 

そしてポプリが起こしにいった。

 

 

「ヒエンさんは今から朝練ですか?」

 

 

「ああ。魔法の訓練と体力トレーニングも兼ねてな」

 

 

「じゃあ今日は僕達と朝練しませんか?」

 

 

「うん?いいのか?」

 

 

「ヒエンさんのやるトレーニングに興味あったんですよ。ウチの道場で一緒にやりましょう!」

 

 

「お、おう」

 

 

いつきが目を輝かせながら言ってくる。だが超直感が少し警鐘を放ってくることから嫌な予感がしてきた。

 

 

「「おはようございます~」」

 

 

すると寝ぼけた様子のつぼみとえりかがやってきた。

 

 

「ふわあぁ~~こんな朝っぱらからどうしたの?」

 

 

えりかがあくびをしながら聞いてくる。

 

二人とも完全に忘れてるな。

 

 

「やだなぁ。今日から道場で新しい技の朝練を決めたろ?」

 

 

「「はっ!?」」

 

 

いつきの言葉に二人は反応する。

 

 

「「ああああああ!!!???」」

 

 

そして慌てたように準備を進め始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所かわって俺達は明堂院流道場へと移動していた。

 

 

「でかっ……」

 

 

なのはの家にも道場はあるが敷地の大きさは、完全にいつきの家の方が大きい。

 

そして道場の中に入る。

 

中は学校の道場の様であった。

 

マットが引かれており、かなり広かった。

 

 

「始めます」

 

 

「「お願いします」」

 

 

そして体操服に着替えたつぼみと、えりか、そして袴を着けたいつきがいた。俺はその中に混じっていた。

 

つぼみとえりかが柔軟体操を始めたので俺は軽く準備体操をしてからいつものトレーニングメニューに入る。

 

 

「ヒエンさんは今からどんなメニューをするんですか?」

 

 

するといつきが柔軟体操をしつつ聞いてきた。

 

 

「んーっと、軽く筋力トレーニングかな?腕立て伏せ、腹筋、背筋、スクワット100回ずつ」

 

 

「「100回!?」」

 

 

するとつぼみとえりかが驚いたような声でこちらを見る。

 

 

「あ、そっか。女の子から見たら異常な回数か。でもプロのアスリートや、スポーツ選手ならこれくらい軽くやってるぞ?オリンピックに出る選手なんてこれ以上にトレーニングしてる人なんてざらにいるし」

 

 

俺は腕立て伏せをしながら会話する。

 

 

「それに魔法っていうのは身体に負担がかかるからな。俺の力は特に体力がものを言うからやってて損はないし」

 

 

「「ほへぇ~」」

 

 

「あとは身体の健康にもいいしな。つぼみ達もあれだぞ?こういうトレーニングをしろとまでは言わないけど……毎日柔軟とかするだけでも結構違うぞ?基礎代謝が上がるからな。いくら食べても太りにくい体質、いわゆる痩せ型の身体にも頑張ればなれるぞ?」

 

 

「「本当(ですか)!?」」

 

 

すると二人が勢い良く聞いてくる。俺は少し引きつつ、腕立て伏せを終わらせ、続いて腹筋に入る。

 

 

「ホントホント。しかも身体を柔らかくしとけば、ケガとかも減るしな」

 

 

「そうですね」

 

 

いつきは俺の足をいつの間にか掴んでおり、支えてくれていた。

 

 

「お、悪い」

 

 

「いえいえ」

 

 

そして俺は腹筋を早く終わらせる。

 

続いて背筋に入る。

 

いつきは引き続き支えてくれる。

 

 

「むぅ……」

 

 

するとつぼみがこちらを気にしながら柔軟体操を続けていた。

 

俺はそれに首を傾げながらも背筋を早目に終わらせた。

 

そして立ち上がるとスクワットをやっていく。何度もやっていると慣れてくるので自然とスピードも速くなる。

 

五分程で終わらせるとつぼみ達はフラフープをやっていた。バランス能力をつけるためだろう。

 

いつきはバランスよく回し、えりかは三本同時に回し、つぼみは足に引っかけていた。

 

こう見るとつぼみは運動が苦手なのだということがよく分かる。

 

つぼみ達は二十分程続けた後、休憩に入る。つぼみの体力が切れたからだ。

 

 

「はぁ……はぁ……つ、つかれました~」

 

 

つぼみが目を回しながらうつ伏せに倒れる。

 

それを見た俺は炎の物(ファイアオブジェクト)で出した白タオルを水道で濡らした後、つぼみの首元に当てた。

 

 

「ひゃう!」

 

 

「あ、すまん」

 

 

するとつぼみが小さな叫び声をあげながらこちらを睨み付ける。

 

 

「い、いきなり当てるのはやめてください!驚くじゃないですか!?」

 

 

「す、すまん」

 

 

「でも、あ、ありがとうございます」

 

 

「お、おう」

 

 

顔を赤くさせながら言うのでこちらも妙に緊張する。とりあえず俺はえりかといつきにも濡れタオルを渡した。

 

そのとき、いつきがこちらに喋りかけてくる。

 

 

「ヒエンさんは何か武術をしているんですか?」

 

 

「まぁ、太極拳を少々……」

 

 

「そうなんですか!?じゃあ、つぼみとえりかが休憩している間、僕と一試合してみませんか!?」

 

 

いつきが目を輝かせながら言ってくる。

 

そうか。

超直感が警鐘を放ってたのはこういうことだったのかorz

 

 

「俺は別に構わんが二人は……「「その試合見たいです(っしゅ)!!」」……いいみたいねうん」

 

 

急遽、俺といつきの試合が決まった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

明堂院いつき

 

 

 

ハートキャッチプリキュアの三人目のプリキュアにして、キュアサンシャインその人である。

 

僅か14歳ながらにして「明堂院流古武道」の達人という凄まじき少女である。

 

成績優秀で、文武両道を体現しており、学園では生徒会長を務めている。その関係で学園でも男女問わず非常に人気が高い。

 

ハートキャッチプリキュアの原作では、病弱な兄:さつきの代わりに「明堂院流」の跡継ぎになるために日々武道の訓練に明け暮れていた。

 

学園生活では常に男子用の学生服を着用しており、兄を生涯守ることを誓っている。「明堂院流」の次期当主及び道場師範代という重圧に負けない覚悟をもつイケメンな女の子である。

 

ちなみに素の状態でコブラージャとの交戦でしなやかな蹴りを放ち、クモジャキーとの交戦では見事に攻撃をかわしたことにより、彼らからその戦闘センスを感心されていた。

 

その後のデザトリアンの攻撃も生身でバク宙で回避するという身体能力の持ち主である。ハッキリ言って生身でも十分強い。いやマジで。

 

 

改めて考えてみたが……

 

この世界の女の子スペック高くない?

 

この前戦った月影といい、今から勝負をするいつきといい……毎度の事ながら俺より素の身体能力が高すぎる気がするんですがorz

 

こちとら死ぬ気モードで潜在能力解放してやっと対抗できるというのに……。

 

確かこの子が武道を始めたのは幼少期からだった気がする。

 

だとすれば……強さの目安は少なくとも美由希さんクラスと考えた方がいいだろう。

 

俺といつきは少し離れて向き合っていた。

 

 

「よろしくお願いします!」

 

 

「よろしく」

 

 

「それじゃ両者中央へ!!」

 

 

えりかが少しテンションをあげながら言う。えりかには審判を頼んでいる。つぼみはえりかの隣で俺達の勝負を少しハラハラしながら見ている。

 

とりあえず俺は対抗するため死ぬ気化した。

 

俺の雰囲気が変わったことに三人は驚く。見慣れていると思っていたんだがそうでもなかったか?

 

 

「さぁ、始めようか」

 

 

「はい!」

 

 

そして共に構えた。

 

 

「えりか合図頼む」

 

 

「了解っしゅ!それじゃ、試合開始!」

 

 

両者共にまずは様子見だ。

 

俺は前にいるいつきを観察する。

 

 

(隙がない……)

 

 

目の前の少女の身のこなしには少しの隙もなかった。

 

 

(だがこのまま様子を見ていても(らち)が明かない。まずはこちらから攻める!!)

 

 

周囲が静寂に包まれる中、俺は目の前のいつきに突っ込んだ。

 

 

「フッ!」

 

 

まずは手始めに掌打を繰り出す。いつきはそれを受け流す。それを見た俺は連続で掌打を仕掛ける。

 

だがいつきは俺の攻撃をまるで見切っているかのごとく受け流していく。そしてカウンターで蹴りを繰り出してきた。

 

それを感知していた俺はガードして防ぎ攻撃に移ろうとしたが……続けて連続で蹴りを放たれた。

 

 

「甘いですよ!」

 

 

(二段蹴り!?)

 

 

咄嗟にバックステップでかわす。

しかしそこからいつきの猛攻が始まる。

 

まるで地面を滑ってくるかのような独特な歩法でノーモーションで攻撃を繰り出してきたからだ。

 

 

「ハッ!」

 

 

「…………」

 

 

(速い……それに上半身が全くぶれていない。古武術独特の歩法か?)

 

 

人間は攻撃をするときは少なからずモーションというものが存在する。

 

分かりやすくいえば『動いて、打つ。打ったら、動く』といったように一つの動作を行った後は、また次の動作を入れるのだ。

 

だがいつきの場合、『動く時と技が同じ動作』になっている。

 

つまりなんの動作もなくノーモーションで動いているのだ。こういう動きをされると、こちらが動いた、と認識したときには既にこちらに攻撃が放たれている。

 

 

(厄介な……)

 

 

「ハァ!」

 

 

俺はまずは防御体勢を整える。

 

いつきは一撃は軽いが、それをカバーするかのように手数で攻めてくる。俺が攻撃をするころには一手二手を先に繰り出してくるのだ。

 

俺はいつきとの間合いに注意しながら冷静にそれを捌いていく。

 

なるほど。

僅か14歳ながら師範代と呼ばれるレベルのことだけはある。俺の攻撃をことごとくかわし、受け流し、速い攻撃を繰り出してくる。現に今、俺は防戦一方だ。

 

だが……まだ対処できるレベルだ。

 

先日戦った月影ほどではない。

 

月影の連続貫手(ぬきて)の速さはこれの比ではなかった。文字通り命の危機を感じたほどだ。

 

そしていつきのスピードにも段々()()()()()

 

 

(そろそろ反撃に出る!)

 

 

そして俺は修行時代老師に教わった太極拳真髄の動き……相手を中心にした円を描く動きに切り替える。

 

 

「消えた!?」

 

 

そして俺はいつきの後ろに回り込み、首に手刀をトンと叩きこんだ。

 

 

「え?」

 

 

するといつきはガクンと姿勢を崩した。

 

俺はいつきに聞こえるように言った。

 

 

「勝負ありだな」

 

 

そして俺はえりかに視線を向ける。

 

 

「しょ、勝者ヒエンさんっしゅ!」

 

 

えりかが合図を出したことにより試合が終了した。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「負けたぁ~」

 

 

いつきが悔しそうに仰向けに寝転がる。

 

だがその顔は晴れ晴れとした表情であった。

 

 

「あのいつきが負けるなんて……」

 

 

「うん。でもすごかったよね。なんか映画みたいでシュバババって!!」

 

 

つぼみは純粋に驚き、えりかはテンションが上がっているようであった。

 

 

「ふぃ~」

 

 

俺は死ぬ気化を解き、座り込む。

 

するとどっと疲れが押し寄せてきた。

 

 

「強いですねヒエンさん」

 

 

「まぁ、曲がりなりにも実戦経験は豊富だからな」

 

 

周りの人々が怪物みたいな人ばかりだからね……そんな人達に日々鍛えられてたら悩む暇もなく強くなるし、精神も身体も嫌でも丈夫になる。まさに一石二鳥さ!やったね!!(錯乱)

 

 

「また時々、勝負してもらってもいいですか?」

 

 

「おう、いつでもいいぞ。俺も良い経験になるし」

 

 

「次は負けません」

 

 

「俺も負けないさ」

 

 

そしていつきは起き上がり、つぼみとえりかを鍛えるために指示を出す。

 

 

「さぁ、つぼみとえりかは次は筋トレするよ!」

 

 

「「ええ!?」」

 

 

皆元気だね。これが若さか。

 

そしてつぼみとえりかは筋トレに入る。

 

まずは無理せず10回ほどだ。

 

いつきがえりかのサポートに入ったので俺は自動的につぼみのサポートとなる。

 

 

「い~ち、に~、さ~ん、し~、ご~…………」

 

 

えりかは運動は得意だと言うだけあって楽に進んでいる。一方つぼみは……

 

 

「い~ち…………に~…………あう」

 

 

早々に限界が来ていた。

 

まあつぼみは根っからの文系少女といった感じだから体力がないのは仕方ないが。

 

だがせめて5回はいっておきたい。

 

 

「がんばれつぼみ。5回いけたらなんか好きな物おごってやるぞ」

 

 

「5回ですか?……が、がんばります。さ~ん……し~…………も、もうダメです~……ガクッ」

 

 

腕をプルプルさせながら突っ伏した。

 

だが甘やかしてはこの子の為にはならない。自分を変えたいと思っているなら尚更だ。

 

 

「がんばれ!あと1回!!あと1回できたら……そうだな。なんでも一つだけいうこと聞いてやるぞ!!」

 

 

 

ピクリ……

 

 

 

「ほ、本当ですか……?」

 

 

「おう」

 

 

「な、なんでも?」

 

 

「お、おう」

 

 

つぼみがのそりと起き上がり確認を取ってくる。

 

俺はそれに頷いた。

 

 

「わ、わたしやります!!」

 

 

君、もうダメだと言いつつ案外元気だよね?

 

まぁ、なんでもやるって言っちゃったけどつぼみならそんな変なことは言ってこないだろうし大丈夫だろう。

 

そしてつぼみは再び腕をプルプルとさせながら腕立て伏せを再開した。

 

 

「ご~~~~~……………ガクッ」

 

 

そして彼女は腕立て伏せを5回やりきった。

 

 

「ヒ、ヒエンさん……わ、わたし、わたしやりました!!」

 

 

「おう!良く頑張った!!」

 

 

俺の脳内ではロッ○ーのテーマソングが流れていた。

 

 

「あ、そっか」

 

 

音楽流せばやる気でるよね。

 

俺は空中モニターを操り、ロ○キーのテーマソングを流した。そして俺はテンションを上がらせこういった。

 

 

「さぁ、やるぞ!次は腹筋だツボッキー!!」

 

 

「人を○ッキーみたいに言わないでください!!」

 

 

つぼみが吠えながらもやる気は出したようで、文句を良いながらやり始めた。

 

 

「な、なんだかんだ言いながら……いいコンビっしゅ」

 

 

「あはははは……」

 

 

そして腹筋、背筋、スクワットの筋トレを終わらせた後、最後の仕上げとして二人は跳び始めた。そして一緒に跳んでいるえりかがつぼみを鼓舞する。

 

 

「ジャンプよつぼみ!」

 

 

「はい!」

 

 

「ジャンプよつぼみいぃ!!」

 

 

「はいぃ!!……わあぁ!?」

 

 

するとつぼみは足を滑らせ、顔面からマットに落ちてしまった。

 

 

「ふむ。ここまでかな」

 

 

俺達は曲を止めてつぼみに駆け寄る。

 

 

「大丈夫つぼみ?」

 

 

「はい……」

 

 

「今日は全体的に少し集中力が欠けてたようだけど……?」

 

 

「どうかしたの?」

 

 

いつきとえりかは質問する。

 

そういえば様子が変といえば、昨日学校から帰ってからやたらと落ち込んでたような気がする。

 

 

「その……実は……」

 

 

そしてつぼみは俺達に話した。

 

その内容は俺達が思ってたよりも重い内容であった。

 

 

「ゆりさんの妖精が?」

 

 

「はい……」

 

 

つぼみの話によれば薫子さんと月影が話してた内容を立ち聞きしてしまったらしい。

 

その話の内容が月影のパートナーである妖精が過去に失われた話だった。その話を聞いてしまったつぼみはその事がずっと気になっていたようだ。

 

 

「そうか……だからあのとき……」

 

 

「何か覚えがあるのか?」

 

 

「はい。ポプリが家出したときのこと覚えてますか?」

 

 

「ああ」

 

 

いつきは皆に話した。

 

ポプリが家出した日……ポプリとはるかちゃんを保護していた月影と邂逅した日のことを。

 

そのときに月影にこう言われたそうだ。

 

 

『あなたは今……一歩間違っていればパートナーの妖精を失うところだったのよ』

 

 

月影はかつてプリキュアだった。

 

そして過去にパートナーだった妖精を亡くしている。

 

妖精を失ったことがある月影からしたら、ポプリを一人で行動させたいつきの対応は許せるものではなかったのだろう。

 

たとえそれがいつきに非がなかったとしても……。

 

 

「そんなことが……」

 

 

「ゆりさんの妖精はなんで失われてしまったの?」

 

 

「おばあちゃんなら知ってると思って聞いてみたんです。そしたら……『ゆりさんが自分の口で話せるようになれば話してくれるから』って」

 

 

「そっか」

 

 

「私……想像してみたんです。もしシプレ達がいなくなってしまったらって。そうしたら……あんまり悲しくて涙が出てきてしまって」

 

 

「分かるよ……」

 

 

三人は静かに話している。

 

俺はそれを黙って聞いていた。

 

俺は月影がなぜ妖精を失ったかを知っている。ハートキャッチプリキュアの原作知識で知っている。

 

月影のパートナーの妖精の名前はコロンというのだが……

 

コロンは月影を庇って消滅してしまったのだ。

 

この子達に今その事を伝えるのは簡単だ。

 

だがそれは今、俺が言うべきことではない。

 

この事に関しては俺は深入りするつもりはない。

 

いや……そもそもそんな権利すら俺にはない。

 

この問題は彼女達プリキュアの問題なのだから。

 

そして俺達は朝練を終わらせ、各自の家へと帰っていった。

 

そのときのつぼみの顔は少し落ち込んでいた。

 




最近、人生についてよく考えることがある。

まぁ、人生いろいろあるよね。

では、また(・∀・)ノ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。