今回からゆりさん編入ります。
何話かキュアムーンライトについて触れるかも。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
第三者side
つぼみ達はデザトリアンを倒したあと、その足で学校へと向かった。
そして昼休み……
つぼみは園芸部で育てている花の様子を見にやってきた。ジョウロに水を入れてやってくると……既に先客がいた。
「ゆりさん?」
花壇の前で赤い
つぼみはシプレと共にゆりに話しかけた。
「彼岸花が綺麗に花を咲かせました」
「きれいですぅ~」
「……そうね」
ゆりは静かに返す。
「つぼみ~!」
「あ、ゆりしゃんでしゅ~!!」
そのとき空からコフレ&ポプリがやって来る。
ポプリはそのままゆりに抱き付こうとしたが……
「ふにゃ?」
「お?」
ゆりは華麗にかわし校舎へと戻ってしまった。
「ゆりさんって……どこか寂しそうですぅ」
「……うん」
つぼみは少し顔を俯かせながらも花に水をやった後、教室へと戻った。
放課後……
つぼみ達はミーティングをするためファッション部の活動拠点、家庭科室に足を運んでいた。
「諸君!いよいよ秋の学園祭が迫って参りました!残された時間はもう……あと僅かです!!」
「えりか大げさ~」
「まだ一ヶ月以上あるじゃない……」
えりかの発言にファッション部員のメガネ少女:黒田るみこと、ポニーテール少女:
「甘い甘い!夏休みの宿題だってギリギリになって焦ってやったりするようじゃダメなの。と・に・か・く!!」
えりかは机をバンと叩き……大声で言った。
「私は学園祭のファッションショーを大成功させたいの!!」
「もちろん、僕達も同じ気持ちだよ?」
「だから自分達が着る服のデザイン画を書き上げて……」
「服の製作も……」
生徒会長:明堂院いつき、ファッション部員:沢井なおみ、同じくファッション部員:佐久間としこの発言に合わせて……
ファッション部員全員が
「「「「「「「終わったんじゃなーーーーーーーい!!!!!!」」」」」」」
「イェーーイ!!」
皆さん楽しそうで何よりです。
「でねでね、これからファッションショーの練習に入る訳だけど……ショーを盛り上げる目玉企画が欲しいってわけ!!」
「まぁモデルやるのも私達だし」
「地味といえば地味よねぇ」
「そうだ!特別ゲストとしてももかさんに来てもらおうよ!!」
「え?」
部員達の提案にえりかは意外そうな顔を向ける。
「売れっ子モデルのももかさんが来てくれたらショーは盛り上がるよ~!!」
「「「うんうん!!」」」
「
盛り上がるえりかと部員達。
えりかの姉は現役高校生カリスマモデルなのだ。ティーンズファッション雑誌のグラビアを飾ったり、「BiBi」の専属モデルとして大活躍している。
「あのー……」
そこにつぼみが遠慮がちに声をかける。
「私はゆりさんにもお願いしたいです」
「ゆりさんに?」
「ねぇねぇ!ゆりさんって誰なの?」
「モモネェの友達で、超美人なの!」
「「「「へぇ~」」」」
盛り上がる部員達。
「僕も賛成するよ!」
「じゃあ決まりだね!!あ、そうだ。ねぇつぼみ、なんだったらあの人も呼んじゃおうよ!!」
「あ、あの人?」
ここでつぼみは嫌な予感がした。あの人と聞かれ今花屋で働いているであろう……ある少年の姿が頭をよぎった。
「またまた~もう分かってるでしょ~?クラスでも噂になってるあの人だよ~」
そこでファッション部員の目が怪しくキラリと光る。
つぼみは冷や汗をダラダラとかきながら一歩ずつ後退していく。
「い、いやヒエンさんは花屋の仕事で忙しいですし……」
「あれあれ~~私、ヒエンさんだなんて一言も言ってないよ~??」
「あ、もしかしてつぼみちゃんの噂のボーイフレンド!?」
「花屋のイケメン店員さん!?」
「「その話!詳しく!!」」
いつきとえりかを除く部員全員に窓際まで追い詰められたつぼみは顔を赤くさせながら言った。
「何度も言いますが……ヒエンさんは私のボーイフレンドじゃありませんってば~!!」
つぼみの大声が家庭科室に木霊するのだった。
◆◆◆
「はい……日本史と古典」
「いつもありがとう」
その頃、話題にあがっていたゆりとももかは中庭のベンチで座っていた。
「モデルの仕事も大変ね……」
「ふふ、大丈夫よ。ゆりがいてくれるから」
ももかの言葉にゆりはソッと微笑む。
「感謝ついでにもうひとつお願いしてもいい?」
「?」
ももかの言葉にゆりは首を傾げる。
「数学で分からないところがあるんだ~」
「いいわよ」
「やったあ!やっぱり持つべき者は友達よねぇ」
「それと可愛い妹です!」
「お?」
突如聞こえてきた聞き覚えのある声にももかは驚く。そこには妹のえりかがいた。後ろにはつぼみといつきの二人が控えていた。
「えりか?どうしたの?」
「モモネェに頼みたいことがあってさ~」
えりかはももかに抱きつきながら頬をすりよせる。
「ゆりさんにもです」
「私も?」
「はい」
そしてつぼみといつきが話を切り出そうとしたとき……
「僕も月影ゆりには用がある」
突如聞こえてきた声に五人は振り向く。
「誰?」
ももかが苦笑いしながら質問する。
そこには三人の男子が立っていた。
そして真ん中に立っていたリーダーと思われるパソコンを持ったメガネの少年が話そうとしたとき……取り巻きの少年が話し出した。
「テストで月影に毎回一番を取られたせいで『二番目の人』とか不名誉なあだ名をつけられた……」
「「
「お、お前ら!?」
リーダーの才谷秀雄は取り巻きの紹介にすかさずツッコミを入れる。
「一組の……」
ももかは苦笑いしながら話す。彼らのやり取りはコントにしか見えないのだ。
「しかしそのあだ名ともおさらばだ。次のテストでは僕が必ず……一番を取る!!」
才谷秀雄はメガネをキラリと光らせながらゆりに宣戦布告した。
「楽しみにしていたまえ月影ゆり。ハッハッハッ!!アッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!!!!!」
「「それでは~」」
そして三人は校舎の中へ去っていった。
「だって」
「はぁ……」
ゆりはため息をつく。そして話を戻した。
「それより……頼みたいことって?」
「あ、あのね……」
そしてえりかはファッションショーの件を二人に話した。
「私達をモデルに?」
「私……ゆりさんの着る服をデザインしたいんです」
「…………」
つぼみがゆりの前に移動して話す。するとゆりではなく、ももかが興味を持ち始める。
「へぇ~どんな服?」
「はい。テーマは『新しい自分』なんです」
「!?」
そのときゆりは少し動揺する。しかしそのゆりの動揺に他の皆は気付かない。
「面白そうじゃない?ゆり、やってみようよ?」
「悪いけど……できない」
「「「「え?」」」」
「ももか、数学はまた今度教えるね?」
「あ、ゆり!?」
そしてゆりは急ぎ足で学校から去っていった。
◆◆◆
部活が終わった後、つぼみは植物園に足を運んでいた。
そして中に入ろうとしたとき、話し声が聞こえてきた。
「へぇ~。ゆりちゃんをモデルにねぇ」
中では薫子とゆりが話していた。
「面白そうじゃない?やってみたら?そうしたらきっとゆりちゃんのこころの花も……」
「私のこころの花は妖精と共に失われました。そのとき私の心も……半分に引き裂かれてしまったんです」
ゆりの手の中には半分に割れた紫色のプリキュアの種があった。
「まだ……心の傷が癒えてないのね。でも、
薫子はゆりを優しく見ながら言った。
「きっとゆりちゃんのこころの花が、もう一度咲くことを望んでいると思う」
ゆりは目を潤ませながらプリキュアの種を見つめる。
そして入り口でその話を聞いたつぼみは絶句していた。
「ゆりさんの妖精が……
その日つぼみは植物園には行かず、そのまま帰った。
先ほど話された言葉の意味を考えながら……。
早くA`s本編いきたいorz
では、また(・∀・)ノ