できたので投稿。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
ヒエンside
俺には最近はまっている店がある。
「いらっしゃいませ~……って今日も来たのかいヒエン君」
「だってうまいんですもん」
俺は近所の三浦ラーメン2号店というところに来ていた。
俺が現在いる三浦ラーメン2号店……
この店の大将と女将さんは気前のいい人であり、俺はお昼休憩のときに良く来ている。
ちなみにこの大将の息子さん……
つぼみのクラスメートで三浦あきら君というのだが、ハートキャッチプリキュアの原作第5話でデザトリアンにされたことがある。
なんだったかな?
確か話の内容が、あきら君が野球のレギュラーになったけど、父親がお店の準備で忙しくて構ってくれないから寂しい思いをしていた……だったか。
しかしその反面、父の店が繁盛しているのも嬉しい。だけど構ってくれなくて寂しい。その心の葛藤を利用され、コブラージャにデザトリアンにされたはずだ。
まぁ、結局はあきら君の心の叫び声を聞いた両親が、あきら君と向き合うことで解決したのだが……。
というかコブラージャとは俺はまだ面識はない。最近、つぼみが俺を関わらせようとしないのだ。
前も小学校でデザトリアンと戦ったみたいなのだが、そのとき俺は花屋で働いていたので欠片も関わっていない。
恐らく、ダークプリキュアに襲撃されたことで俺を事件とは関わらせないようにしているのだろうが……。
だが甘い。
甘すぎる。
最近、つぼみ達におやつで翠屋のシュークリームを作ってほしいとねだられる程に甘いわあぁ!!
そんなことでこの俺が巻き込まれないはずがない。グラフ様という神様のお墨付きを貰うほどの運の悪さなのだ。
今までの経験から言えば……何もせずとも自然と巻き込まれるに決まってる!!
なんか自分で言ってて虚しくなってきたなorz
「何、百面相してるんだい?」
「自分の人生について数分程、考えてました」
「そ、そうかい。今日は何にするんだい?」
「醤油ラーメンで」
「野菜は頼まないのかい?」
「野菜ジュースちゃんと飲んでるからいらないっす」
そのとき俺の前にサラダがコトリと置かれる。
「ダメよ?ここ一週間連続で来て頼むのなんて君が初めてなんだから。ウチのラーメンを気に入ってくれたのは嬉しいけど、ちゃんと野菜も食べなきゃダメよ?」
「えー……ちょっとくらい食べなくても大丈夫だと思うのですが」
「つぼみちゃんに報告するけど、それでもいいなら大丈夫よ?」
「ありがたく食べさせていただきます!!」
苦笑いしながら俺を見る三浦夫婦。ここでつぼみの名前を出すのは正直反則だと思います。
『花咲フラワーショップ』近辺では俺の顔は既に知られている。
もうこの世界に来て約一ヶ月が経とうとしているが……なんと驚くべきことに初日から俺の存在はある程度有名だったらしい。……主に奥様ネットワークによって。
『そうそう。そういえばこないだ見たのよー。あの花咲さん家の娘さんのつぼみちゃんがね、なんと男の人と手を繋いで歩いていたのよー!!』
『そうなの?どんな感じだったの?』
『それが男の人は黒いスーツをビッシリ着ていかにも決めてるって感じだったわ。顔をチラッと見たけどかなりの……イケメンだったのよ』
『うそー、凄いわねつぼみちゃん』
『それもお店の方に連れていったから挨拶に伺ったんじゃないかって』
『え!?つぼみちゃんてまだ14歳よね?』
『さあ、どうなのかしら?でもその男の人、昨日からお花屋さんで働き始めたらしいわよ?』
『え!?婿養子!?』
『どうかしら?今から見に行ってみましょうよ』
という具合にorz
だがこれで合点がいった。
俺が働き始めた当初、やたらとお客さんが多いと思った。
つぼみもつぼみで俺が花咲家に居候してから数日、顔をまともに合わせてくれなかったのはこの噂が原因だったのかもしれない。
近所でこれだけ噂が広まっているのだ。学校で広まっていても不思議ではない。
顔を合わせてくれるようになったのも、だいたい五日くらい経ってからだった。正直、嫌われているのだとばかり思っていた。
だが俺がこの噂を聞いたのはこの店に来るようになってからである。つまり約三週間程、俺は知らなかったことになる。
意図的に花咲家で情報を封鎖されていたとしか思えない。
というかご近所でも、俺がつぼみによく説教されているのはなぜか周知の事実であるし。なにそれ悲しい。
「はい。醤油ラーメンお待ち」
「どうも」
俺は箸をとる。
「いただきます」
そして手を合わせてラーメンを食べ始めた。
◆◆◆
「でヒエン君、最近つぼみちゃんとの仲はどうなの?」
ラーメンを食べ終わると、女将さんがそんなことを言ってきた。
「え?いや、別にどうということはありませんが?」
「そうなの?……近所でも噂になってるんだけどなあ」
「あー……だいたいなんの噂かは想像つきますが、俺とつぼみはそういった関係ではないですよ?どちらかと言えば妹のような感覚とでもいいましょうか?」
「そうなの。ごめんなさいね。……つぼみちゃんの方はとてもそうは見えないのよねぇ(ボソリ)」
「ん?なんかいいました?」
「別になんでもないのよ?……オホホホホ」
そして俺は会計を済ませて三浦ラーメン2号店を後にする。
「ごちそうさまでしたー」
「はーい。また来てねー」
そして戻ろうとしたとき、前から
(暑いのに頑張るなぁ~)
それをなんとなく見送った俺は花咲フラワーショップへと戻った。
店に戻ると陽一さんから声をかけられた。
「戻りましたー」
「あ、丁度良かった。これ、三丁目の佐藤さんに配達してもらえるかい?」
「了解です。三丁目ってあそこですよね?あの土手の……」
「うん。住所はここに書いてあるから。分からなかったら電話してきて?」
「分かりました。じゃあ自転車お借りします」
「うん。頼んだよー」
そして俺は店のPHSを首からかけ、花の入った袋をカゴに入れて自転車を走らせた。
ヒエンside end
◆◆◆
第三者side
自転車で京都から東京を旅してきたつぼみのクラスメイト、林ゆうきは今日東京へと戻ってきた。
そして先ほどクラスメート達に出迎えられ、用意されたゴールテープをくぐり抜けたのだった。
目標を無事やり遂げたゆうきのもとに集まるクラスメート達。
皆はゆうきの自転車旅行中の写真に興味津々となる。その写真を見た皆からスゴイと言われるが、ゆうきはなぜか暗い顔をしていた。
そのころ、見事に目標を達成させたゆうきを見習って、つぼみも自分の力だけで自分のデザインしたドレスを作るという目標を立てていた。
そこでつぼみは、ドレスに使った生地の残りで、ゆうきに服の生地でメダルを作った。そして出迎えた際に、それをゆうきに渡したのだ。
そんな中、膝を擦りむかせていたゆうきと、服の裁縫で指を刺してしまったつぼみは保健室でバッタリと鉢合わせる。
自分のドレス作りをガンバっていたつぼみであったが、なかなかうまくいかずに悩んでいたことをゆうきに話す。
そんなつぼみに、ゆうきは難しいならえりかに手伝ってもらえば?と提案する。……がつぼみは「絶対に自分の力でやり遂げます!」とゆうきに決意を伝えた。
そんなつぼみの様子を見たゆうきは、ますます顔を暗くさせていく。
そして、つぼみにメダルを返すと逃げるようにどこかへ行ってしまった。
そして彼は今、土手で落ち込んでいた。
(絶対にやりとげるなんて言わなきゃ良かったなあ……)
「はぁ……」
そのとき彼の前に一人の男が現れる。
「ずいぶん辛気くさい顔をしちゅうのう」
「だれ!?」
その男は不敵に笑いながら告げた。
「俺は砂漠の使徒の大幹部……クモジャキー」
クモジャキーと名乗る男は赤色のダンダラ模様の白色のロングコートを着用して、黒色のズボンをはいて、茶色いブーツを履いていた。帯刀している剣が目立つ。
するとクモジャキーの目が怪しく光る。
その目にはゆうきのこころの花、菜の花が映っていた。
「おまんのこころの花いただくぜよ!!」
そしてクモジャキーは能力を発動させた。
「こころの花よ!出てくるぜよ!!」
「うわあぁぁぁ!!!!!」
そのとき、ゆうきの身体が
そして結晶の下についている
「デザトリアンの!お出ましぜよ!!」
するとマウンテンバイク型の巨大デザトリアンが生み出されたのだった。
第三者side end
◆◆◆
ヒエンside
「♪~♪~♪」
俺がハートキャッチプリキュアのテーマソングを鼻歌で歌いながら自転車で走っていると……
ドシイイイィィィンン!!!!!!
といきなり地響きが響いた。
(うお!?)
キキイ!!
驚き、急ブレーキをかけて周囲を確認する。
(なっ!?あれは!?)
土手の方でデザトリアンと思われる巨大な怪物の姿が確認できた。
あれを放っておけば、一般人にも危害が及ぶ。曲がりなりにも管理局に所属している身としては放っておける状況ではなかった。
見たところ……つぼみ達もまだ来ていないようだ。
だったらやるしかない。
俺は周囲に人影がないことをすぐに確認すると、
すると俺と同じ姿の分身が現れる。
「緊急事態だ。俺はあのデカブツの相手をするから、この花の配達任せていいか?」
「おう。任せとけ」
「頼んだ」
俺は分身に配達を頼むと、そのままセットアップする。
「セットアップ:スピリットフォーム
そしてセットアップを完了させると同時に俺は橋から飛び上がり、炎の翼を展開してデザトリアンの方へと向かった。
次回は三幹部の一人、クモジャキーと対面。
では、また(・∀・)ノ