書けたので投稿しやす。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
ティーダside
ティーダはヒエンとミラーの会話を聞いていた。
今回、ヒエンとティーダの任務は広域次元犯罪者ミラー・テットナーの捕縛が主なのだが……ミラーの
もしミラーを逃がしてしまった場合、ティーダは管理局に情報を知らせるよう言われていたのだ。
そしてティーダはヒエンが見事ミラーの能力や弱点などを言い当てたことに驚いていた。
(ヒエンのやつ……頭の回転、はえぇんだな。少なくとも洞察力と分析力は並みの奴以上だ)
ティーダは感心しながらスコープごしに彼らを見る。
(それだけじゃねぇ。かなり戦い慣れていやがる。正直、嘱託魔導師一ヶ月であれは……異常だ)
ヒエンはミラーに幻影で数百人囲まれたときも、
しかしティーダは別のことで驚いていた。突然額に炎が灯ったときも驚いたが……。
最初はぶつくさ文句を言いながら、仕方なく任務につこうとしていた様子だったのに……いざ任務が始まるとなると、相手はミラー・テットナーという広域次元犯罪者の大物にも関わらず、闘志むき出しで任務についていたからだ。
ティーダは、ヒエンという少年の人柄が段々分かってきた気がした。
(まぁ、異常かどうかはともかくあれは単なるお人好しか、ただのバカだな。いやあるいはその両方か……)
だがティーダとしては嫌いな人物ではなかった。
すると二人に動きがあった。
なんとミラーが『
(な!?あれが『
ティーダの目に映った映像は突如現れた白いドームにヒエンが飲み込まれた姿だった。だが彼の目にはさらに予想外な光景が映っていた。
(ミラーの野郎!?自分ごとあの白いドームに飲み込まれやがった!?)
ティーダは慌てる……がすぐに冷静に考える。
(いや……奴は言っていた。『相手に能力を使用するとき、直接触れることでしか効果を発動させることはできない』と。だとすれば恐らく……)
そしてすぐに結論に至る。
(ここで決める気か!?)
ティーダは改めて狙撃用の銃型デバイスを構える。
(いやそれでも……あいつなら……。ミラーの野郎の『
そしてティーダはじっとチャンスを待ち続けた。
ティーダside end
◆◆◆
ヒエンside
プカプカと自分の身体が浮いている様であった。
意識がハッキリしない。
そして脳内に声が響く。
「『君の心の奥底に潜む不安や……恐れ……それらを見せてあげよう』」
すると何かに引っ張られるような感覚に陥る。
そして意識がハッキリとしたとき俺は再び黒い空間にいた。
「こ、ここは?」
俺はキョロキョロと辺りを見回す。
そこには何もなく黒い空間だけだった。
俺は先ほどの記憶を思い出す。
俺はミラーの発動した『
(だとすればこれも幻覚のはず……)
だったらやることはひとつだ。
「相棒……俺に向けて調和の咆哮」
『ガゥ。ガァアアアアアア!!!!!』
俺は心の中にいる相棒に調和の咆哮を使ってもらう。しかし……
「幻覚が……解けない?」
黒い空間は無くなっていなかった。
「どういうことだ?」
『ガァウ』
「相棒……外に出てやってくれるのか?でも、俺ももう体力ギリギリだぞ?」
『ガァウ~』
「加減するから大丈夫って?分かった。頼む」
「ガゥ。ガァアアアアアア!!!!!」
俺の頭の上に現れた相棒は再度、調和の咆哮を放ったが……
シーン…………
「なにも起こらないな」
『ガァウ……』
うまくいかなかった相棒は拗ねて心の中にこもってしまった。すると疲労からか俺は少し膝をつく。
「相棒……そんなに落ち込むな」
『ガゥ……』
俺はフラフラになりながらも相棒をなぐさめる。
だが、これは少々予想外だ。
調和の咆哮で空間が破壊できないということは……咆哮で無効化できない何かがあるまたは、単純に出力が足りなかったかのどちらかということだ。
俺がどうしようか悩んでいると……
「ヒエン君……」
すると
ドクンッ!!
なぜか心臓の鼓動が一段と早くなった気がした。
そして俺は静かに後ろを振り向いた。
そこには……
「なのは……」
白いバリアジャケットを着たなのはの姿があった。
◆◆◆
俺は黒い空間にて、なのはと向き合っていた。
だが、目の前のなのはが幻覚だと分かっていても無視はできそうになかった。
なぜなら……泣きそうな表情でこちらを見ていたからだ。
(ち……ミラーの野郎やってくれる)
「あのね……私に何か……隠してることない?」
なのはが話しかけてくる。しかもいきなり核心をつくような質問であった。
「どうして……そう思うんだ?」
「見てれば分かるよ?私、ヒエン君のこといっつも見てるんだから。悩んでたらすぐに分かるもん」
「…………」
確かに俺は彼女に隠してることがある。
だがそれは……この世界に住んでる人は知らなくてもよいことだ。
いや……むしろ知っている俺が異常なのだ。
彼女は不安そうな顔でこちらを見るが、ミラーに観察されているかもしれないこの状況で……安易に話すことはできない。
「どうしても……ダメ?」
「……すまん」
俺の言葉になのはがスッと俯き、そして悲しそうに消えていった。
俺は黙ってそれを見送った。だが……
(幻覚と分かっていても……これはくるものがあるな……)
「どうして話してくれないの?」
そこにさらに二人目の聞き覚えのある少女の声が聞こえた。
俺は声のする方を向く。
「フェイト……」
そこには黒いバリアジャケットを着たフェイトの姿があった。
「ヒエンが私達に何か隠し事してるのはなんとなく気付いてるよ……。でも……それは……どうしても私達に話せないことなのかな?」
そんなことはない。
俺がその気になればサラッと話せる内容だ。だが……
「…………」
「どうして……黙っちゃうの?」
「フェイト達は……知らなくてもいいことだ」
もし仮に言える状況であっても決して俺は言わないだろう。
俺が『君達のことは会う前から知識として知っていたんだ』なんて言えばどうなる?
そんなものは簡単だ。
『気持ち悪い……気色悪い……』
『こいつは何を言っているんだ?』
『頭は大丈夫か?』
そんなことを思われるに決まってる。
いや、お人好しの彼女達のことだ。
そんなことは思わないかもしれない。
だが……俺自身、知ってる人に突然そんなことを言われてしまったら、少なくとも少しは
「そっか……ごめんね。無理矢理聞こうとして」
そしてフェイトも顔を俯かせ、悲しそうな表情でスッと消えていった。
「それが貴方の答えなのですか?」
「リニスか……」
今度はリニスか。
なぜこうも俺の心の度合いを多く占める奴等ばかり現れるのか……
「答えも何も……隠していることなんて何もない」
「嘘ですね。ならばなぜそんなに心苦しそうな顔をしているのです?」
「別に……。仮にそんな顔をしていたとしても
俺は死ぬ気モードを維持したまま言葉を少し強める。
すると幻覚のリニスは少し驚き、何やら考え込む。そして何か納得がいったという表情でこちらを見る。
「まぁ、
「…………いいのか?」
「いいも何も貴方は
「ああ」
幻覚といえどさすがはリニス。俺の
「ですが……注意しなさい。あなたのその不安や恐れ……いつか向き合わなければならない日が必ずきます。いつまでも逃げてばかりではいられませんよ?」
幻覚リニスが注意してくる。
だがそれは少し違うぞ。
「別に逃げてなんていない。回答を少し
すると幻覚リニスは呆れたような目線で見てくる。
「ものは言い様ですね。ですが……」
そして細い目をして威圧感を放ちながら言ってきた。
「幻覚とはいえ……なのはとフェイトを泣かせたのはいただけません。そこになおりなさい」
ん?
ちょっと空気が怪しくなってきたぞ?
「え?いや、でもミラーのやつに……」
「安心しなさい。あの男は貴方に幻覚を見せているだけであって、その内容までは把握できていません。この空間は
「だったら……」
「ですがなのはとフェイトを泣かせた罰として……貴方にはこの空間の精神攻撃を耐え抜いてもらいます」
「は?」
「それに丁度良いではありませんか。貴方は来年のインターミドルでチャンピオンを目指すのですよ?だったらこの程度の精神攻撃……耐え抜いて見せなさい!!」
なんか無茶振りきたこれー!?
「貴方の中でどうやら私はトラウマの最上位らしいですね。ふむ、ならまずは軽いものからいって、徐々にレベルを上げていきましょう」
なんでいつものトレーニング風景みたいになってんだよ!?
っていうか今気付いたけど、俺のトラウマってリニスとの二年間の修行期間だったのね!?
「ふむ」
すると幻覚リニスは何か道具を出したり消したりしていた。
「この空間は便利ですね。貴方に必要だと思った道具がすぐにでてきます。さすがは精神的に追い詰める空間ですね。……ぜひとも今後のトレーニングのためにも修得したいですね(ボソリ」
ちょっとリニスさん!?
聞こえてるんですけど!?
っていうかお前がこの空間を魔法として修得したら絶対に死ぬわ!?
「というわけで今から徐々に精神的に追い詰めていくので覚悟しなさい」
そのセリフを聞いて脱兎の如く逃げ出す俺。だが……テレポートしてきたリニスに回り込まれた。
「男の子でしょう。さっさと覚悟を決めなさい。……ちゃんと休憩は取るので安心しなさい」
そういう問題じゃねえよ!?
「あ、あとこの子達にも手伝ってもらいます。なのは、フェイト」
「「よ、よろしくお願いします……」」
すると、なのはとフェイトが気まずそうにスッと現れる。
あんなことを言った後だからか、俺も少々気まずい。
「ヒエン……気まずいのは分かりますが、シャンとしなさい。これも精神的に追い詰めるための試練です。社会に出れば、このような状況いくらでもあります」
「ねぇリニスさん?精神的に追い詰める意味合いが随分違うと思うのですが?」
「何を言いますか。私は貴方の家庭教師であり、師匠です。あらゆる状況を想定して訓練する。それができずして何が家庭教師ですか!?何が師匠ですか!?」
「分かった!分かったから落ち着け!!」
そしてヒートアップしたリニスをなんとか落ち着け……俺はリニスの精神修行を受けることになったのだった。
どうしてこうなった?
ヒエンside end
◆◆◆
ティーダside
ティーダはじっとスコープを覗きこみ、チャンスをうかがっていた。
ヒエンが白いドームに囚われてから時間的には数十秒しかたっていなかったが……動きがあった。
(『
すると楽しそうに笑っているミラーと、じっと座り込んでいるヒエンの姿があった。
(なんだ!?一体どうなった!?あいつは無事なのか!?)
そしてミラーは笑いながらヒエンに近付いていく。
だがヒエンは座ったまま、ピクリとも動かない。
ティーダは念話で話しかける。
『ヒエン!しっかりしろ!大丈夫か!?』
『ティーダ……か?』
『ああ、俺だ!気を付けろ!今、お前の側にミラーがいる!!』
『ミラー……だと?』
するとティーダの言葉に反応したヒエンは目の前にいるミラーをにらみつける。
そして……
問答無用で三重捕縛魔法で拘束した。
『な、なんだと!?』
ミラーはいきなりのことで
『なぜお前は意識がある!?私の『
『………そうか。そうだったな。お前が『
『何を言っている!?』
『別に……ただお前のおかげで俺はかなり精神に耐性がついたみたいだ。その礼として今からある物をプレゼントしてやるよ』
そしてヒエンは両腕をクロスさせある言葉を言った。
『オペレーションヒート』
そして背中に炎の翼を出現させ、右手を前へと出した。
まずいと思ったのかミラーは『
『ぐっ!?』
思わず苦悶の声を出すヒエン。
すると……
『ティーダ!今だ!!』
なんと『
『任せとけ!!』
(全く……洗脳を耐えるってどんだけ常識はずれな野郎だ。それに
そしてティーダはある魔法を発動させる。
「こいつで終わりだ。ファントムブレイザー!!」
ヒエンと同じオレンジ色の砲撃が放たれる。だが彼のオレンジ色より少し色は濃かった。
そしてその砲撃は真っ直ぐにミラーへと向かっていった。
ティーダside end
◆◆◆
ヒエンside
遠距離からティーダが放った砲撃魔法ファントムブレイザーが真っ直ぐにミラーへと向かう。
ミラーはまだ俺のヒートバーナーに目を向けており、ファントムブレイザーには気付いていない。
「私の邪魔をするな!!私の邪魔をするなあああぁぁぁ!!!!!」
必死なのかミラーは俺に『
「『iabhbfwqはyjrpkqw』」
(おおおお……頭がいてぇ……!?)
その影響で俺の砲撃体勢が崩れる。
それを見たミラーはニタリと笑いながら、さらに『
「ハハハハハ!!もう限界そうだな管理局の魔導師イイイィィィ!!!!」
前にいるミラーがわめいている。
だがあの『
それに俺の尊敬する
だから言ってやろう。
この妄想殺人鬼に。
「この……程度かよミラー……お前の力がこんなものなら拍子抜けだ……ぜ。だって……たかが魔導師一人……廃人にすら出来ないん……だからな!!」
「貴様!まだ私をバカにするかああぁぁ!!!」
さらに『
「がっ!?」
頭の中のノイズがさらに強まる。
その影響で俺は膝をつく。
「『死死死死deiabhbfwq殺はyjrpkqw呪kill恨怨』」
「もう貴様は死ね!死ね!死ね!死ねえええぇ!!!」
俺はさらに強まるノイズを耐えながら笑っていってやった。
「ああ……ある意味……
「なにを言って……!?」
そして気付く。
横から迫ってくるオレンジ色の光に……。
「なああぁにいいぃぃぃぃ!!??」
ミラーは逃げようとするが……俺の展開している三重捕縛魔法から逃れることはできない。
「チクショー!!チクショオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォーーーーー!!!!!」
そしてミラーはファントムブレイザーに飲み込まれた。
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
ミラーが直立不動で気絶しているのを見た俺は死ぬ気モードを解除し、ドサリと仰向けに寝転がる。
「お……おわったああああ~~~」
あー……
もうやだー。
幻術使いとかもう戦いたくねぇー。
「ヒエン!」
すると狙撃をしていたティーダがこちらに寄ってきた。
「ティーダ」
ティーダは呆れたような目をしながら俺を見る。
「お前……いろいろスゲェな。受けたら確実に廃人になるっていうミラーの『
「ある意味で……廃人になりかけた」
「まぁ……その……なんだ。今日なんかおごってやるから」
「焼き肉食い放題」
「そんなんでいいならいくらでもおごってやるよ……」
ゴチになりまーす。
あ、でも眠くなってきた。
「すまんティーダ。もう色々限界かも……」
「ミラーの連行部隊がくるまで時間あるから……少し眠っとけ。あとは俺が見といてやるから」
「サ、サンキュー……じゃあちょっと寝る。…………グガー」
「もう寝たのかよ……」
こうしてなんとか広域次元犯罪者を捕らえることに成功した二人であった。
ヒエンside end
◆◆◆
???side
遠くからミラー・テットナーを捕らえた二人の魔導師を観察している二人の
「まさか本当に……あの【
「クロ助が信頼するだけの力はあるってことか……」
その使い魔二人の姿は印象としては……猫を思わせた。
「でも厄介だよあの小僧……」
「そうね。あの子の力を見るために、クロノに
その二人は遠方にいる一人の少年魔導師を睨み付けていた。
「これは……お父様に報告した方がいいかもしれないわね……」
「そうだね。これ以上イレギュラーが起こるのは勘弁だし」
そして二人は踵を返す。
「そういえば……本格的にあいつら
「そうなの?じゃあもっと監視も強めていかないとね」
二人の猫の使い魔の足元に青い丸い魔法陣が展開される。
「それじゃいきましょうロッテ」
「そうだねアリア」
そして転送魔法を展開させ、二人組は消えたのだった。
主人公強化フラグ(精神的に
うん。
こういう幻覚があってもいいと思うんだ(迫真
あとお知らせすることが……。
A`s編が終わったあとにハートキャッチプリキュアとコラボする言いましたが、話の都合上、先にコラボさせることにしました。
というわけで次回からコラボさせるんでよろしくお願いします((((;゜Д゜)))(震え声
では、また(・∀・)ノ