大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも|ω・`)ノ ヤァ

外伝書けたで候。

うん。

なんか無性にこっちを書きたい気分だったのさ。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


ミラクルリープ 皆との不思議な一日⑧

ヒエンside

 

 

 

俺の視線の先には、ヒーリングっど♡プリキュアの面々がいる。

 

のどかが変身したキュアグレースに、ちゆが変身したキュアフォンテーヌ、ひなたが変身したキュアスパークルの三人でヒーリングっど♡プリキュアだ。

 

 

「プリキュア?」

 

 

リフレインはというと、プリキュアという単語に反応する。

 

聞き覚えがあるのだろう。

 

 

「ふむ。ではその力、どれほどの物か見せてもらいましょう。やりなさい、お前達」

 

 

そして三人に向かって合体モンスター達を向かわせた。

 

 

「来るよ!」

 

 

グレース達はそれを迎え撃つ。

 

グレースには中モンスターが、フォンテーヌには大モンスターが、スパークルには小モンスターが向かっていく。

 

三人はそれぞれ個別に相手取るが、その様子はどうも(かんば)しくないようだ。

 

 

「早い!?」

 

 

「それにパワーもあるわ!」

 

 

「意外とタフだよこいつら!」

 

 

見たところ、そこまで戦い慣れている訳ではないようだ。

 

 

(もしかしたら、プリキュアになってまだ日が浅いのかもしれない……)

 

 

だとしたら、俺のやる事は一つ。

 

 

「援護する!!」

 

 

俺はチェーンバインドを発動させて三体の合体モンスターを拘束する。

 

 

「今だ三人とも!!」

 

 

「「「はい!!」」」

 

 

そして三人はそれぞれ強烈なパンチを合体モンスターに叩き込んだ。

 

 

「「「はぁああああ!!」」」

 

 

「「「チクタクゥ!!??」」」

 

 

合体モンスターは吹き飛んでいく……が、体勢を立て直し、リフレインの元へと戻る。

 

俺もその間にヒーリングっど♡プリキュアの三人の元へと向かい、合流した。

 

丁度、四対四で向かい合う構図となる。

 

俺は前を向きながら三人に話しかける。

 

 

「三人とも、少し聞きたいんだが……もしかしてプリキュアになって、まだ日が浅いんじゃないか?」

 

 

すると代表してグレースが答えた。

 

 

「はい……実はプリキュアになってまだ一月(ひとつき)ぐらいなんです」

 

 

「やはり、そうか」

 

 

道理で戦い慣れていないと思った。

 

しかし彼女達は未だ原石の状態ではあるが、磨けば光る宝石の可能性を秘めている。

 

つまり経験さえ積めば、化けることは大いに有り得る。

 

ここは俺が後方支援に徹し、フォローしていけば、まだ勝ちの目は見えてくるはず。

 

 

「三人ともよく聞け。奴らは強い。恐らく君達が今まで戦ってきた敵の中でも、特に強い部類に入ると思う」

 

 

三人が息を呑むのを尻目に、俺は言葉を続ける。

 

 

「奴らは、基本的に力とスピードもある上にタフネス。並の攻撃じゃ、びくともしない。しかも奴らの背後には、強力な親玉が控えてる」

 

 

俺の視線はリフレインに向けられる。

 

奴は変わらず、時計の魔法陣の上に乗ってこちらを観察していた。

 

 

「だからあいつは俺に任せてくれ。その代わり、君達にはあのモンスター達を任せたい。なに、安心しろ。しっかりフォローはする」

 

 

俺は炎の分身(ファイアアバター)を使用し、分身を三体呼び寄せる。

 

するとグレース達はあからさまに驚く。

 

 

「ヒエンさんが……」

 

 

「三人に……」

 

 

「増えた!?」

 

 

俺は説明を続ける。

 

 

「とりあえずグレース達は好きに攻めてみろ。後はこっちで合わせる」

 

 

グレース達三人は顔を見合わせると、力強くしっかりと頷いた。

 

 

「準備はいいか三人とも?それじゃ……いくぜ!!」

 

 

そして俺の合図を皮切りに、それぞれの敵へと向かっていった。

 

 

 

ヒエンside end

 

◆◆◆

 

第三者side

 

 

 

「やるぞグレース!」

 

 

「はい!」

 

 

少年の分身とグレースは中モンスターへと突貫する。

 

グレースが、まず牽制としてエネルギー弾を放つ。

 

中モンスターは素早い動きでそれらをかわすと、グレースへ向かおうとするが、少年の分身が数個の光弾を操り、翻弄していく。

 

 

「フレアレイ!」

 

 

「チク!?」

 

 

中モンスターが思わず動きを止めると、グレースはその隙をついて、真上から勢いよく踵落としを叩きつけた。

 

 

「はぁあああああ!!」

 

 

「チクゥ!?」

 

 

轟音が響く。

 

中モンスターの足元は覚束なくなる。

 

 

「よし!今だ!!」

 

 

「はい!!」

 

 

そしてグレースがトドメの桃色のエネルギー弾を放つと、中モンスターは気絶したのか、動かなくなった。

 

それを見届けたグレースは安心したのか、その場で座り込んでしまった。

 

 

「は、はぁ〜」

 

 

「お疲れさん」

 

 

少年の分身は苦笑いでその様子を見ていた。

 

 

 

________

______

____

 

 

 

「タクゥ!!」

 

 

フォンテーヌは大モンスターの連撃をかわしていく。

 

 

「はぁあああ!!」

 

 

そして攻撃直後の硬直を狙って大モンスターの首辺りに横蹴りを食らわせるが……

 

 

「タクゥウウウ!!」

 

 

「耐えた!?」

 

 

なんと大モンスターはそれに耐え、反撃のパンチを繰り出してきたのだ。

 

咄嗟にフォンテーヌは青い肉球型バリアを展開させるが、受け止め切れずに吹き飛ばされてしまう。

 

そこへ後ろに回り込んでいた少年の分身が、フォンテーヌを受け止めた。

 

 

「大丈夫か!?」

 

 

「は、はい。ありがとうございます」

 

 

少年の分身はフォンテーヌを下ろすと、アドバイスをする。

 

 

「フォンテーヌ、あいつの動きはとても素早い。だがそれ故に、攻撃は直線的になりやすい傾向にある。だからそれに合わせて……」

 

 

アドバイスを聞いていたフォンテーヌは、ハッと気付く。

 

 

「……タイミングを狙って、カウンターをかけるんですね!」

 

 

「その通り」

 

 

すると大モンスターは左足を軸に右足を突き出すと、そのまま螺旋状に回転させる。

 

それはまるでドリルのようであった。

 

 

「来るぞ。タイミングは任せる」

 

 

「はい」

 

 

「タァクウウウウ!!!!」

 

 

そして二人の元へ、大モンスターが一直線に突っ込んできた。

 

その速度はギリギリ目で追えるかという程に早かった。

 

 

「今です!」

 

 

「おう!」

 

 

だがそれにフォンテーヌはタイミングを合わせ、走り高跳びの要領で跳躍してかわし、同じ方法で少年の分身もかわしていた。

 

そしてフォンテーヌはステッキを向け青色のエネルギー弾を、少年の分身は左手を向けオレンジのエネルギー弾を、零距離から食らわせると大モンスターはうつ伏せに倒れていた。

 

 

「さすがだな」

 

 

「攻撃は最大の防御なりです!」

 

 

フォンテーヌの笑顔は晴れやかであった。

 

 

 

________

______

____

 

 

 

「やぁああああ!!」

 

 

スパークルは小モンスターに蹴り技で果敢に攻めていく……が、防御力があるからか、ひたすら耐えられていた。

 

 

「チクタク!!」

 

 

すると小モンスターはスパークルを弾き飛ばし、そのまま跳び上がると、身体をコマのように回転させて、スパークルへと突っ込んでいく。

 

 

「やばっ!?」

 

 

スパークルが咄嗟に黄色い肉球型バリアを展開させて防ごうとするが、それよりも先に間に割り込んだ少年の分身が、小モンスターを勢いよく殴り飛ばした。

 

 

大爆発の加速(ビッグバンアクセル)!」

 

 

「チクタクゥ!?」

 

 

ビッグバンアクセルを食らった小モンスターは木々を倒しながら、大きく吹き飛んでいく。

 

 

「すごっ!?」

 

 

スパークルはそれに驚きながら、少年の分身へと話しかけた。

 

 

「た、倒したかな……?」

 

 

「いや、どうだろう。あいつは特に耐久力が高いからな」

 

 

少年の分身は厳しそうな表情を向けながら、前方を睨みつける。

 

すると前の方から、転がりながら近付いてくる小モンスターの姿があった。

 

 

「チクタクウウウゥゥ!!!!」

 

 

「やっぱり頑丈だなこいつ!!」

 

 

少年の分身はラウンドシールドを展開させて、真っ正面から小モンスターを受け止める。

 

その間に少年の分身は、スパークルへと指示を出す。

 

 

「今だスパークル!俺がこいつの動きを止めてる間に攻撃を!!」

 

 

「分かったよ!!」

 

 

スパークルはステッキにエネルギーを収束させると、横から回り込み、小モンスターに黄色のエネルギー弾を放った。

 

 

「はぁあああああ!!!!」

 

 

見事、小モンスターに攻撃が当たる。

 

 

「チク……タク……ゥ」

 

 

そして当たりどころが悪かったのか、小モンスターはそのまま気を失ってしまった。

 

 

「どんなもんだい!!」

 

 

「良くやった!!」

 

 

スパークルと少年の分身はハイタッチをかわした。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

「はぁ!」

 

 

俺はリフレインへと砲撃を放つ。

 

今はヒーリングっど♡プリキュアの面々が合体モンスター達の相手をしてくれているおかげで、こいつ一人に集中できる。

 

 

「こざかしい」

 

 

リフレインは砲撃を障壁を張って防ぐ。

 

あいも変わらず硬い障壁だ。

 

だがこれで()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

そして俺は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

灼熱の加速(バーニングアクセル)!」

 

 

「なっ!?」

 

 

背後からの攻撃で吹き飛ぶリフレイン。

 

俺の呼び出せる分身は最大で四人。

 

三人の分身はグレース、フォンテーヌ、スパークルの援護に向かっているため、最後の一人は俺と共にリフレインの対処に当たる。

 

戦って分かったが、奴は万能だ。

 

貫通力のある光の矢に、破壊力のある稲妻、丈夫な障壁に、魔法陣での安定性のある高速飛翔、制限のないテレポート能力に、強力な合体モンスターの使役など……今まで見た中でもこれだけの能力を有している。

 

それだけでなく、奴自身の近接戦闘能力も高い。

 

だが最も厄介なのは、奴の冷静な判断能力にある。

 

俺の戦闘時の動きを事前に予測しているのか、その対処が実に鮮やかなのだ。

 

綺麗すぎるといってもいい程に。

 

()()()()()()、突発的な出来事には弱いとみた。

 

予測から外れる動きをすると、一瞬だがその対処に遅れる。

 

そこに奴に付け入る隙がある。

 

俺は吹き飛ぶリフレインの先に回り込むと、ヒートバーナーを放つ。

 

 

「っつ!!」

 

 

リフレインは舌打ちをしながら障壁を張ると、ヒートバーナーを防ぐ……が、俺には分身がいる。

 

リフレインの後方から迫り、再度バーニングアクセルを放つが……

 

 

「そのパターンはさっき見ましたよ!」

 

 

稲妻を放ち、バーニングアクセルを相殺させる。

 

 

(もう対処してくるとは……)

 

 

だが、やり用ならいくらでもある。

 

後ろがダメなら横からだ。

 

俺は五つの光球を生み出し、リフレインへと放つ。

 

 

「フレアレイ!フレアショット!!」

 

 

リフレインの腹、顔、背中など全身にまんべんなくダメージが通るように攻めていく。

 

 

「ええい!鬱陶しい!!」

 

 

リフレインは全身から衝撃波を発生させると、フレアレイの光球をまとめて消し飛ばす。

 

 

「ぐあ!?」

 

 

その余波を食らってしまった俺と分身も、少し吹き飛んでしまった。

 

 

「消え去りなさい!!」

 

 

その隙を見逃さなかったリフレインは、全方面に光の矢を放つ。

 

 

「まずっ!?形態変化(カンビオフォルマ) 防御形態(モードディフェーザ) 死炎の外套(マンテッロ・ディ・ヒート)!!」

 

 

咄嗟に俺は防御形態を取り、光の矢の乱撃を調和の効果で無効化する。

 

しかし分身は食らってしまったのか、消え去ってしまった。

 

リフレインはというと、魔法陣を展開させて俺から少し離れた場所にいた。

 

忌々しそうに俺に視線を向ける。

 

 

「……やはり貴方は面倒だ。それに私の使役モンスター達もやられたのか、気絶しているようですし」

 

 

奴の言葉からして、グレース達と分身達は合体モンスターに勝てたらしい。

 

すると奴の雰囲気が変わっていく。

 

 

「ああ……忌々しい。本当に忌々しい。少し手を抜いたらこれだ」

 

 

目が怪しく光り、怒りを震わせているのか、奴の周りの大気が揺れる。

 

そして奴が腕を軽く振るうと、合体モンスター達三体が突如として現れた。

 

 

「なにっ!?」

 

 

俺はいきなりのことに驚く。

 

恐らくテレポートで呼び寄せたのだろう。

 

 

「だからここからは加減なしでいきます。まず手始めに、貴方から殺ってしまいましょう」

 

 

リフレインはそう言うと、合体モンスター三体に金色のオーラを纏わせる。

 

すると不思議なことに、気絶していた三体が復活したのだ。

 

 

「「「チクタクゥ!!!!」」」

 

 

そして俺の存在を認識すると、勢いよく向かってきた。

 

 

「ちぃ!?」

 

 

最初に大モンスターのキックをクロスガードで防ぐが、受け止め切れずに吹き飛ばされてしまう。

 

 

「くっ!?」

 

 

なんとか体勢を整えるものの、すぐに他二体の連撃が迫ってきた。

 

小モンスターの転がる攻撃をかわし、中モンスターのパンチを化勁で受け流す。

 

 

「死になさい!!」

 

 

「やばっ!?」

 

 

そしてトドメと言わんばかりにリフレインの稲妻が放たれた。

 

かわしきれないと判断した俺はブリッツアクションを使い、空中へと緊急回避すると、そのまま両手から炎を噴射し、高速で逃げていく。

 

今の攻防で完全に理解した。

 

俺だけではこいつらの相手は厳しい。

 

合体モンスター三体だけならまだなんとかなるものの、そこにリフレインまで加わってしまうと、対処が途端に難しくなる。

 

すると合体モンスター三体が、俺の後を追いかけてきた。

 

俺は射撃魔法を展開し、合体モンスター達に攻撃していく。

 

だが奴らはそれらを軽々と弾き飛ばし、あまり効いてる様子は見られなかった。

 

奴らを消し去るには、少なくともチャージした砲撃を食らわせねばならない。

 

だがそんな隙など微塵もない。

 

ここはなんとかして、ヒーリングっど♡プリキュアの三人ともう一度合流するしかない。

 

 

「逃がしませんよ」

 

 

しかしテレポートで俺の行く先へと回り込んでいたのか、リフレインが既に待ち構えていた。

 

こいつ、今まで戦ってきた敵の中で一番質が悪い。

 

正直、ここで奴の相手をするのは分が悪すぎる。

 

俺はフェイクシルエットを使用し、惑わせることで奴の横を通り過ぎようとする。

 

しかし、それは奴も予測していたようで……

 

 

「その技も一度見ましたよ。保険をかけておいて正解でした」

 

 

 

ゾクッ……

 

 

 

そのとき全身に悪寒が走る。

 

 

防御形態(モードディフェーザ)!」

 

 

咄嗟に黒衣のマントを再び纏った直後、真上から強烈な衝撃が襲ってきた。

 

 

「がっ!?」

 

 

見れば雷の暴風雨といってもいい程の雷の嵐が、俺へと降り注いでいた。

 

まるでフェイトのサンダーフォールだ。

 

だが破壊力はこちらの方が何倍もある。

 

 

「そういえばその黒衣のマント、先程こちらの攻撃を無効化していましたね。一体どういう原理なんでしょうね?」

 

 

すると雷の威力が上がっていく。

 

それに比例して俺の体力も徐々に消耗していく。

 

このままではまずいと思った俺は、両手から炎を噴射して雷の暴風雨の中を突っ切った。

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 

俺は息切れを起こしながら、リフレインへと視線を向ける。

 

奴はアゴに手を添えながら考える。

 

 

「ふむ。ダメージを受けている様子は見られない。しかし、妙に息切れを起こしていることから体力の消耗はしているようですね。なるほど……大体分かりました」

 

 

すると奴が俺へと話しかけてきた。

 

 

「貴方の黒衣のマント(それ)はあまり燃費のいい物ではないようですね。恐らく相手の攻撃を無効化する代わりに、体力を大幅に消耗するのでしょう。ここぞとばかりに使うための物なのでしょうが……相手が悪かったですね」

 

 

リフレインが手をかざすと、奴の背後に一本の巨大な光の矢が現れる。

 

かなりのエネルギーが込められているのか、大気が震える。

 

さすがにあれを受けると、ただではすまなさそうだ。

 

 

「あぁ、そうそう。これはかわさない方がいいですよ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……」

 

 

「……どういう意味だ?」

 

 

俺の質問にリフレインは淡々と答える。

 

 

「後ろを見てみなさい」

 

 

「後ろ……おい、まさか……」

 

 

嘘であってくれと思いながら、少しずつ後ろを向く。

 

だが最悪なことに、俺の後方には()()()()()

 

 

「やはり、そういうことかっ!?」

 

 

「それじゃ……いきますよ」

 

 

そして無情にも巨大な光の矢が、俺に向けて放たれた。

 

 

(まずい……こんな物があんな街中で爆発したら、大変なことになる!?)

 

 

少なくとも……多くの死傷者が出ることは間違いない。

 

 

「くそったれ!!」

 

 

そう考えたら身体は既に動いていた。

 

俺は五枚の盾を展開する魔法、マルチラウンドシールドを展開させて、巨大な光の矢をガードする。

 

しかし貫通力が高いのか、一枚二枚とすぐに突破されていく。

 

少しでもパワーを落とすことができれば……

 

 

「う、うぉおおおおお!!」

 

 

俺は額の炎の出力を最大限、加えて魔力も全力で注ぐことで、マルチラウンドシールドを(ダブル)強化する。

 

そのかいもあって、少し威力が下がった気がする。

 

三枚、四枚と続けて突破されるものの、威力は目に見えて落ちていた……が、最後の五枚目に達した時点で抑えきれずに、俺はシールドを展開したまま、街中まで吹き飛ばされてしまう。

 

その影響で、爆発音が響く。

 

通行していた人々、走行していた車などが驚き、その場で止まる。

 

それを合図に、大勢の人が逃げ惑うことになった。

 

それを視界の端で確認していた俺はなんとか地面に着地するものの、五枚目のシールドもとうとう破壊されてしまった。

 

その瞬間、俺は両手に炎を灯し、真っ正面から光の矢を受け止めた。

 

 

「こなくそおおおぉぉぉ!!!!」

 

 

後ろに後退しながらも、ギリギリ光の矢を止め切る。

 

そして勢いよく握り潰した。

 

 

「ふぅー……ふぅー……ふぅー……」

 

 

だがその代償として、体力を大幅に消耗してしまった。

 

 

「ふぅー……ふぅー……」

 

 

身体が物凄く重い。

 

 

「ふぅー……ぐっ……」

 

 

なんとか呼吸を整えるものの、思わず膝をつく。

 

 

「「「ヒエンさん!!」」」

 

 

そのとき、グレース達が駆けつけてくれた。

 

 

「大丈夫ですか!?怪我とかしてませんか!?」

 

 

ただグレースが予想外な程に心配してくるのが、少々気掛かりであるが。

 

分身の方は既に消えていた。

 

本体の俺が著しく体力を消耗したせいで、維持できずに消えてしまったのだ。

 

三人はそれで俺の方に何かあったと思い、急いで来てくれたのだろう。

 

 

 

 

 

 

「ほう……よく防いだものです」

 

 

 

 

 

 

そこへリフレインがやって来る。

 

 

「ですがもう……年貢の納め時です。貴方達だけは許しません」

 

 

すると先程と同じく光の矢を展開させてきた。

 

それも複数も。

 

それだけでなく三体の合体モンスターも現れた。

 

 

「くっ……」

 

 

俺達は、完全に囲まれてしまった。

 

前方には光の矢を複数展開させたリフレインに、後方には三体の合体モンスター。

 

まさに前門の虎後門の狼とは、こういう時のことを言うのかもしれない。

 

 

(この三人だけでも逃さなければ……)

 

 

俺はマルチタスクを駆使して思考する。

 

なんとかしてこの状況を打破しなければならない。

 

少しでも時間を稼げれば、最悪この子達を逃がすだけでもできるはず。

 

 

「反抗的な子は消えてもらいます……ん?」

 

 

そしてリフレインによる蹂躙が始まるかと思われたそのとき、()()()()()()()()()

 

それは奴も同じだったようで……

 

突然、俺達の前に星形のワープゲートが現れた。

 

さらに、そこから五人の少女達が現れた。

 

 

「わ〜っ!」

 

 

「オヨ〜!」

 

 

内、二人は着地に失敗してしまったが。

 

 

「うう……」

 

 

「ごめんルン」

 

 

とりあえず物凄く痛そう(小並感。

 

 

「ひかるちゃん!?」

 

 

するとグレースが反応する。

 

え?

 

知り合い??

 

そこからさらに……

 

 

「お兄様!!」

 

 

「あれ?ひかるちゃん!みんな!!」

 

 

見覚えのある魔法陣が出てきたと思ったら、冷火と、新たに五人の少女がやって来た。

 

 

「はなちゃん!あれ!?でも今、ワープしてこなかった!?」

 

 

「はなちゃん!?」

 

 

そしてあっちはあっちで知り合いで、グレースも知り合いらしい。

 

え?

 

なにこれ??

 

知り合いのオンパレード???

 

っていうか……

 

 

「冷火!?それにミラクルンも!?」

 

 

「お兄様!ご無事ですか!?」

 

 

「ミラ!ミラミラミラ!!」

 

 

「お、おお……なんとか。あとミラクルン、髪の毛を抜こうとするのはやめろ。それは割とシャレにならん」

 

 

しかしそれにしても……

 

なんというか個性的な面子だな。

 

というか美少女率やばくね?

 

すると金髪の少女と、青紫色の髪の少女がこちらを向く。

 

 

「ねえ、あの子達って……」

 

 

「ええ、99.8%の確率で新しいプリキュア。それに……」

 

 

青紫色の髪をした少女が意味深にこちらを見る。

 

え?

 

なに??(困惑。

 

 

「それにしても……街の方が騒がしいから来てみたけど……」

 

 

「なんかただ事じゃないって感じ?」

 

 

「そのようですね。それに……」

 

 

青のツインテールに黒い猫耳がある少女、黄色いショートヘアの少女、青紫のロングヘアの少女が発言する。

 

そして今度は、青紫のロングヘアの少女に意味深に見られる。

 

え?

 

だからなに??(怒気。

 

 

「なあ冷火、あの子達は一体……」

 

 

気になった俺は、唯一この状況を知ってそうな冷火に話を振ると、彼女は一言だけ言った。

 

 

「見ていれば分かりますよ」

 

 

いや、だからその内容を教えろよ……。

 

 

「「……うん!」」

 

 

するとマゼンタのツインテールをした少女と、濃いピンクのミディアムヘアの少女が頷き合うと、こちらを向く。

 

 

「「わたしたちも!!」」

 

 

そして()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

え?

 

もしかして……この子達って……

 

 

「みんな!」

 

 

「「「「うん!!」」」」

 

 

そしてクリスタルのような物を取り出し、変身アイテムに装填する。

 

 

「「「「「ミライクリスタル!ハート、キラっと!は~ぎゅ~」」」」」

 

 

少女達はカラフルな衣装を纏いながら、変身していく。

 

全員口紅やメイクをしていることから、大人の雰囲気を醸し出していた。

 

 

「輝く未来を抱きしめて!!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

 

 

「輝く未来を抱きしめて!!みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

 

 

「輝く未来を抱きしめて!!みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

 

 

「「輝く未来を抱きしめて!!みんな大好き!愛のプリキュア!キュアマシェリ!キュアアムール!」」

 

 

 

「「「「「HUGっと!プリキュア!!」」」」」

 

 

 

そして今度はマゼンタのツインテールをした少女と、その仲間達が構える。

 

 

「よーし!いくよ!!」

 

 

「ルン!」

「うん!」

「はい!」

「ええ!」

 

 

すると五人はオシャレなペンダントと、カラフルなペンを出すと装填した。

 

 

「「「「「スターカラーペンダント!カラーチャージ!」」」」」

 

 

そして歌いながら変身衣装を纏っていく。

 

まるで星座をイメージしているかのようだ。

 

 

「「「「「キラめく〜星の力で〜あこがれの〜わたし描くよ〜♪」」」」」

 

「「「「「トゥインクル トゥインクル プリキュア♪」」」」」×3

 

「「「「「スター☆トゥインクル〜スター☆トゥインクルプリキュア〜♪AH〜♪」」」」」

 

 

宇宙(そら)に輝くキラキラ星!キュアスター!」

 

 

「天にあまねくミルキーウェイ!キュアミルキー!」

 

 

「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

 

 

「夜空に輝く!神秘の月あかり!キュアセレーネ!」

 

 

「銀河に光る!虹色のスペクトル!キュアコスモ!」

 

 

 

「「「「「スター☆トゥインクルプリキュア!!」」」」」

 

 

 

グレース達は驚く。

 

 

「「えぇ!?」」

 

 

「皆、プリキュアだったんだ〜!!」

 

 

そして俺はというと……

 

 

「…………」

 

 

口を開けながら固まっていた。 

 

 

(いやいやいやいや。え?ちょっと待って??プリキュア???俺の知らないプリキュアがこんなに????)

 

 

そして絶賛混乱中であった。




次回は少し、砂漠の使徒との決戦について触れます。

必然的にハグプリとスタプリもヒエンの正体に知ることになります。

では、また( `・∀・´)ノ

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