第二試合目なり。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
第三者side
ヒエンと美由希の試合を見ていた面々は意外と高いレベルの試合に驚いていた。
そしてヒエンが美由希に一本取ったとき、なのは達三人組は唖然としていた。
「す、すごい。お姉ちゃんから一本とっちゃった……」
「ま、まずいじゃない!あと一本とられたらあいつの勝ちよ!?」
「大丈夫だよ。美由希さん強いし……たぶん」
なのはも、アリサも、すずかも言葉が出てこないようだ。
その隣では忍と那美が話していた。
「ヒエン君……すごいわね。美由希ちゃんに勝っちゃった」
「この二週間……毎日さざなみ寮に泊まり込みで、薫ちゃん相手に組み手してましたから」
「え!?さざなみ寮って女子寮なんでしょ?大丈夫なの!?」
「満場一致で大丈夫だということになりました♪」
「それでもヒエン君なら………なにもなさそうね」
「はい。何もなかったです。というかすぐに馴染みましたね」
「なんともあの子らしいわね…」
忍は少しあきれながらヒエンを見る。その本人は二本目の試合のために柔軟体操をしていた。
その隣では高町夫妻と槙原夫妻が仲良く話しながら見ていた。
「いや~驚いた。やるじゃないかヒエン君」
「あの子、体の基礎は既にできてましたからね。薫……ウチの女子寮の子なんですけどひたすら組み手ばかりして武器戦闘に慣れさせたみたいです」
「武器を持った相手との戦闘に慣れていなかったのか。それにしても彼は太極拳主体だとなのはから……あ、娘から聞いていたんだが……」
「太極拳の他にも、いくつか違う武術の技を師匠から叩き込まれたっていってましたね」
士郎と耕介は仲良さげに話す。
「そのときヒエン君となのはちゃん達がユーノ君を連れてきたんですよ♪」
「あらあら~そうだったんですか?」
愛と桃子はユーノの話で盛り上がっていた。実を言うと槙原夫妻は翠屋に何度か来ており、高町夫妻とも面識があるのだ。
そんな中…
薫はどこか満足そうにヒエンの方を見ていた。
「よぉ、意外とやるじゃねえかヒエンのやつ」
「真雪さん…」
「お前が
真雪が薫に話しかける。だがそれに答えたのは側にいたリスティであった。
「そうだろうね。ヒエン君が一本とれたのは正直美由希ちゃんが油断していたというのも大きいと思うよ」
「そう……ですね。ヒエン君にはウチから既に油断せずに全力でいけと伝えているので大丈夫だとは思いますが……まぁ、荒れるでしょうね」
それから三人は試合が始まるまでじっと待った。
第三者side end
◆◆◆
美由希side
そんな中、美由希はヒエンの攻撃に油断していたことを恥じていた。
(心のどこかで甘く見てたんだ…だからあんなにアッサリ一本とられた)
美由希は目を閉じ、深呼吸しながら意識を切り替える。
(もう油断はしない!今、出せる技の全てを出していく!!)
そして二本目が始まろうとしていた。
美由希side end
◆◆◆
ヒエンside
俺達は再度向かい合う。
美由希さんはこちらを鋭い目で見ている。先程と同じ戦法は通じないと思った方がいいだろう。
あのときはまだ初戦であったというのと、俺のスピードを彼女が見切っていなかったという様々な理由が重なって運良く勝てただけである。
恭也君が中央にくる。
「試合始め!!」
合図と同時に俺は構える。
だが美由希さんは既に動き出していた。
「セイッ!」
「うおっ!」
先手必勝とばかりに美由希さんが木刀を振るう。俺は
今までとは段違いのスピードで美由希さんは肉迫してくる。だが対応できない訳ではない。
彼女の攻撃を冷静に捌く。
薫さんの容赦のない組み手のおかげでこの手の猛攻には慣れている。
すると美由希さんのスピードがさらに上がる。
「な!?」
(まだ上がるのか!?)
そして俺の顔面に飛び蹴りが放たれる。かわせないと判断した俺はクロスガードで受け止める。
ドン!!
ズザザザザザ!!!!
5mほど後方へと後ずさる。
女子とは思えないほどの脚力の強さである。だが彼女の攻撃はまだ終わらない。
「御神流……
美由希さんが横一線に木刀を振るう。超直感が警鐘を放つ。俺は直感に従いさらに後方へと飛びずさる。
ビリィ!!
その瞬間俺の腹のジャージが突如横に裂ける。
「はあ!?」
真剣なら分かるが……木刀でジャージが斬れただと!?
「御神流……」
「なっ!?」
そしていつの間にか美由希さんは飛びずさる俺の前に、
(速すぎる!?)
「
そして木刀を二本同時に交差させ、俺の胸に放った。俺は再度クロスガードで受け止める。
ガキン!!
だがその瞬間…全身を凄まじい衝撃が襲う。そのまま俺は道場の壁に背中から激突する。
「ぐ!?」
倒れそうになるのをなんとかこらえる。まるでクロノのブレイクインパルスを食らったようである。ガードできたおかげでなんとかダメージは軽減できたが……これを何度も食らっては体が持たない。
「御神流……」
しかし追撃は終わらない。
俺も負けじと美由希さんに突貫した。
「
木刀の連撃を見切りそれぞれいなす……が俺の防御をすり抜け、木刀が放たれる。
咄嗟に首をずらし間一髪かわした。
そしてカウンターで腹に
「ぜぇ……ぜぇ……ぜぇ……」
俺は息を切らしながらも目の前の友人を睨み付ける。
彼女は澄ました顔をしており隙は全く見当たらない。俺は体力回復の時間を稼ぐために少し話しかけた。
「す、凄まじいな御神流……」
「全部冷静に対処してた人に言われたくないよ」
「そっちだって尋常じゃないスピードに、尋常じゃない攻撃力だ。本当に女子か?」
「あ、ひどーい。女の子にそんなこといっちゃいけないんだよ?でも……二週間前とは段違いだね。どんな特訓したの?」
「別に…特別なことはしてない。薫さん相手にひたすら組み手しただけだ」
「す、すごいね。それより太極拳だけなんて嘘でしょ?明らかに柔術の技使ってたよね?」
「だれもやってるのは太極拳だけなんて一言もいってない」
「うわー。ずるいよそういうの」
「そっちだって人の事言えないだろ。なんだよさっきの技?ジャージは切れるわ、衝撃はくるわ、挙げ句の果てにはガードすり抜けるって」
「うち…そういう流派だもん」
と俺達が軽く言い合っていると……
「お前達、話すのはいいが試合を再開しろ全く」
「「すいません」」
審判の恭也君から注意を受けた。
だがおかげで息を整える時間は確保できた。
そして中央に戻り、仕切り直すことに。
「では試合再開!!」
美由希さんが再び突貫する。
「御神流……
先程よりもさらに速いスピードで木刀の連撃を繰り出す。驚くべきは自由自在に扱うその器用さだ。まるで武器を自分自身の手足の如く使っている。
俺は間合いに注意しながら、化剄でそれらを受け流す。高速戦闘ならフェイトやクロノ達といった魔導師との戦闘で慣れている。
美由希さん自身の速さにも驚くが……
だがこのまま後ろに下がっていては追い詰められてしまう。だからこそ……ここで太極拳の
俺は美由希さんを中心に
俺は美由希さんの動きを横にかわし後方へと回った。そして彼女の後頭部に手刀を食らわせようとしたが……
突如、彼女の姿が
「なっ!?」
又しても驚く。
そして俺の後ろに気配を感知したが……
「御神流……
気付いたときにはいつの間にか地面にうつ伏せに寝かされており、木刀を後頭部に突き付けられていた。
「ま、参った…」
「これで一対一だね♪」
「勝負あり!勝者美由希!!」
決着は三戦目に持ち越された。
やっぱりこうみると御神流って人間やめてる気がする。
次回決着。
では、また(・∀・)ノ