とりあえず後日談かいていきやーす。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
第八十七話 三日経ってた
ヒエンside
「知らない天井だ」
俺の視界に真っ白な天井がまず映った。
真っ白といえば例の転生の間を思い出すが、周りを見る限りでは普通の病室といったところか?おそらくアースラの医務室だろう。
そういえばアースラの医務室を利用するのは何気に始めてだ。
身体をムクリと起こす。
自分の状態を軽く確認するが、海鳴大学病院とはまた違った病衣だった。あちらが少し青っぽかったのに対して、こちらは全体的に少し白かった。
そういえば…
あのあとお仕置きを受けてから俺は気絶してしまったが、病衣のまま時の庭園に来ていたから、バリアジャケット解除したら大変なことになってたんじゃないんだろうか?
主に背中のキズ関係で。
なんとかフィジカルヒールで応急措置程度にはキズは塞いでおいたけど。でもプレシアとの戦いで結構暴れたからなあ。たぶん出血はしていたかもしれない。
肩などを軽く回してみるが、痛みなどは特にない。完全に完治している。おそらくアースラの医務官が治癒魔法で治療してくれたのかもしれない。さすが魔法……俺、結構重傷だったと思うんだが。
すると俺の寝ているベッドの前にオレンジ色の光が集まり、ポンと相棒が姿を現した。
「ガウゥ~」
相棒が身体をこすりつけてくる。
うん?
今日はやけに甘えてくるな?
どうした?
「ガウガウ~」
三日も寝てたから心配した?
え?
マジで?
「ガウ」
すると……
ガラララ
扉を開ける音がしたので顔を向けると、そこには花瓶をもったなのはがいた。どうやら水を代えにいってくれていたようだ。
「あ」
「おいっす」
俺に気付いたようなので手をあげて声をかけておく。
「………」
「どうしたよ?」
すると顔を俯かせたまま動かないなのは。心なしか少し震えているように見える。
まさか!?
ここに来てまた説教か!?
『もうー!起きるの遅いの!?』とか。
そして俺が少し警戒していると……
「う、ううう……」
ポタポタ
ポタポタ
泣いている……だと!?
「ふ………ふぇええーーーん!!!!」
そしてなのはは、少し顔を伏せつつ大きな声で泣き始めた。俺はアタフタしながらまずは慰め始めるのだった。
そして騒ぎを聞き付けてクロノ、リンディさん、エイミィ、ユーノ、リニスの五人が俺の元にやってきた。
その際に皆、俺を見るとホッとしていた。
そしてリンディさんとリニス、ユーノの三人がなのはを別室へと連れていったあとクロノは俺と話すために病室に残った。
「三日ぶりだが……どこか痛むところはないか?」
「あ、ああ。どこも異常はないよ。すっかり全快だ」
「そうか。何か聞きたいことはあるか?」
聞きたいこと…
そういえばなのはは大丈夫なのか?泣いてたってことはまた心配かけたってことだし……
「あー……なのはは?」
「なのはなら大丈夫だ。さっき艦長から念話で報告があった。今はもう泣き止んで、顔を赤くさせて俯いているそうだ」
「そっか…」
クロノは腕を組ながらこちらをじっと見る。
「なのはが泣いていたのは君が無茶をしたせいもあるんだぞ?」
「う……」
返す言葉もございません。
「君は必死で隠していたのかもしれないが、あのとき虚数空間から出てきたときひどく息切れを起こしていたし、顔の汗も尋常じゃなかったんだぞ?他の皆は気付いていなかったかもしれないが……」
「バレてたのか…」
そう…
あのとき俺はアリシアから生命エネルギーをギリギリまで抜かれたせいか、気を抜けばすぐに意識を失いそうになっていた。
堪えられたのはあのとき死ぬ気モードになっていたおかげなのと、相棒が虚数空間の中でくれたパワーアップアイテムで、ある程度体力と魔力が回復していたからだ。
「そして僕はあのときお仕置きの件も含めて急遽、君を気絶させたという訳だ。はっきりいって君の身体は、あのとき限界を超えていたんだ」
「あ、ああ……それは……自覚してる」
フェイトやプレシア、アリシアを助けるためとはいえ無茶をした自覚はある。
「まぁ、どちらにしろあのときは全員で君にお仕置きはするつもりだったんだが……」
「って結局するのかよ!?」
「当たり前だろう。あれを行うことによりルールを守らない者には、それ相応の罰があるとアースラクルーにも嫌でも伝わったはずだ」
「つまり……見せしめに?」
「そうだ。それはそうと……君のことはアースラでもある意味伝説になっているぞ?『真性のドM』『空前絶後のバカヤロウ』『究極のド変態』『怪奇ゴキブリ男』などの二つ名までできたほどだ。ちなみに『空前絶後のバカヤロウ』は僕がつけた」
「全然うれしくねぇー!?」
なんだ!?
真性のドMって!?
バカヤロウはまだしも究極のド変態!?怪奇ゴキブリ男!?
ふざけんなあぁーー(ノ°Д°)ノ彡┻━┻
「しかしあの後は大変だったんだぞ?バリアジャケットが解除されると君は病衣のままだし、背中から大量に出血していたんだ。全員思わず顔が青くなったんだぞ?」
「………」
クロノは目を鋭くしながら俺を睨む。
俺は思わず冷や汗をダラダラと流しながら顔を背ける。やはりセイバーオルタにつけられた切り傷が開いていたらしいorz
「あの場面を見たなのはとフェイト、ユーノ、アルフがどれだけ取り乱したことか……。なのはに至っては私のせいで死んじゃったらどうしようといっていたんだぞ!!」
「ほんとすいませんっしたーー!!!」
クロノが大きく怒鳴る。
それを見た俺はベッドの上で勢いよく土下座した。
え?
プライド?
そんなものは必要ない。
ドブにでも捨てる。
そして後で拾いにいく。
「はぁー。あとで迷惑をかけた皆には謝っておけ。あとはこれからが本題なんだが……」
え?
まだあんの?
これまだプロローグ?序章?
「なぜか君の
「は?」
「それに加えて……君の体から
「は?は?」
「これは君が以前アースラで受けた健康診断の資料だ。ここに君の魔力値がある。以前はAAだった。だが君が寝ている間に計った数値はAAAに
「………」
「プレシアの病気も
「………」
「さて、聞かせてもらおうか。虚数空間で何があったかを?いや、プレシアと戦う前の事を……」
「………はい」
これはもう言い逃れできないだろう。
データがこれでもかと言うほど揃っているんだ。
だがその前にやっておくことがある。
「クロノ……少しだけ情報を整理する時間をくれないか?
「どういうことだ?」
「それなら
俺は心の中から出てこようとしない相棒の
「ガ、ガゥ~」
相棒はガタガタと震えていた。俺は良い笑顔をしながら相棒を抱き上げる。
「さぁて、A~I~B~O。OHANASHIの時間だあああぁぁぁ!!!!!!!!」
「ガ、ガウウウウウゥゥゥ!!!!!」
そんな俺と相棒のやり取りをクロノは呆れたように見ていたそうな。
相棒とのOHANASHIを済ませたあと、俺はクロノに事の顛末を話した。そしたら案の定、怒鳴られた。メチャクチャ怒鳴られた。
俺の頭の上にいる相棒もろともメチャクチャ怒られた。
彼に話した内容はこうだ。
まず最初に俺の能力について話した。死ぬ気の炎に始まり、死ぬ気モードのこと。そして大空の炎で魔法を強化していること。
そして俺が使う死ぬ気の炎を使用した魔法……『死炎魔法』について話した。その際に『調和』の能力が付与されることもだ。
プレシアの病気が治ったのは、その『調和』の能力が付与された魔力を至近距離から爆発として浴びたことで治ったかもしれないと話した。
そして虚数空間での出来事も話した。虚数空間で魔法が使用できたのは主に『調和』の能力を使用する死炎魔法で飛んだから……
そしてアリシアが目覚めたのは、俺がダメ元で自分の生命エネルギーを送ってみたら復活した……ということにしておいた。
だって…
ジュエルシード10個使用して復活したなんていってみ?ややこしいことになるのは目に見えている。幸いにもあのときの出来事は俺とプレシアしか知らない。プレシアには……あとで話を合わせるとして……とりあえず今のところは相棒と相談して秘密にすることに決めた。
それに……
ちゃっかり相棒が10個のジュエルシードを回収していたようで。今は10個とも俺の
うん。
もう何も言うまい。
ちなみにこの
で……
本格的に怒られたのがここからだった。
いや、アリシアに生命エネルギー云々辺りから結構ヤバかったが……
ここからクロノの堪忍袋の緒が切れた。
相棒曰く……
俺のリンカーコアとジュエルシードが
俺の魔力からジュエルシードの魔力が検出されたのはその影響とのこと。
つまり……
あのとき虚数空間で相棒が俺に飲ませたのは、俺が事前に持っていたジュエルシード2個のうちの1個だったらしい。
それを聞いたときは空いた口が塞がらなかった。思わず相棒を焼いて食おうかと思ったほどだ。そしたらこやつも案の定、
俺の中に
つまり……もう1個のジュエルシードを食べたことにより、
罪を犯した相棒の弁明を聞くと……
俺が封印したジュエルシードは『調和』の魔力により
こいつ弁明する気ねえし…。
いやそもそも開き直ってるし。
とりあえずジュエルシードを取り出そうにも完全に融合しているから取り出せないらしい。
まあエネルギー結晶体を食べても問題はないのは、一重に『調和』の能力のおかげな気がする。
まあ長々と語ったが…
俺と相棒とりあえず……
パワーアップしました!!キリッ( ・`д・´)
「反省しろ!!」
「「……はいっ/……ガゥ」」
◆◆◆
とりあえずクロノからの説教が終わったあと、これからのことについて話された。
「とりあえず今の君の状態を知っているのは僕と艦長、エイミィ、それとアースラの医務官、リニスの五名だ」
「え?リニスも知ってんの?」
「当然だ。彼女は君の師匠だろう?」
「ま、まあ」
どうしよう。
超こえぇーんですけど。
「君には定期的にアースラへ検診を受けに来てもらう。無論デバイスであるヒッツ、君もだ」
「「はい/ガゥ」」
俺と相棒は仲良く正座しながらクロノの話を聞いていた。
「ああ、それとテスタロッサ一家のことだが……」
「どうなったんだ!?」
「フェイトやアルフは……彼女達は公務執行妨害や、なのはやヒエンといった民間人への魔法攻撃といった罪を犯している。このまま無罪放免というわけにはいかない。だが……言い方は悪いが彼女達はプレシアに道具として利用されただけだ…。裁判は避けられないだろうが情状酌量(じょうじょうしゃくりょう)の余地はある。少なくとも執行猶予は取れるよう働きかける」
「そうか……」
そこらへんは原作とも変わらなさそうだ。だが問題は……
「で肝心のプレシアについてだが……」
「ああ」
「正直、現段階ではなんともいえないな」
「どういうことだ?」
「プレシアはこの事件の容疑者であり、最重要人物だ。管理局員への公務執行妨害、ロストロギアの不法所持、アースラ艦船への次元跳躍攻撃……今考えられるだけでもこれだけの罪を犯してる。普通なら重罪で数百年以上の幽閉だ……」
「………数百年」
「だが彼女は今……全ての罪を認めて協力的な対応を見せているし、彼女の過去にも同情の余地は見られる。かなり時間はかかるが……プレシアも過去の実験の被害者でもあるし、少しでも減刑できるよう裁判ではそこを重点的に攻めていく。任せろ。フェイトやアリシアのためにも、彼女達家族を引き離させるつもりはない」
「そうか…よろしくたのむよ」
「任せておけ」
ここらへんはクロノに任せるしかないか。正直、ここから先は執務官や管理局員の専門分野だ。たかだか一般人である俺にいえることは何もない。
「そういえばアリシアは元気か?」
「ああ、今はフェイトやアルフと元気に過ごしているよ。最初は少々ぎこちなかったが、アリシアが積極的にフェイトに関わっているうちに、いつの間にか仲良くなっていたな」
「そっか」
「他に何か知りたいことはあるか?」
「………」
知りたいことか。
これで無印はもう…大丈夫だろう。
だがこの半年後には……また新たな事件が俺達を待っている。
それを乗り越えるためにも、
「クロノ……
半年後に起きる事件……
『闇の書』事件対策のため、俺は早速動き出す事にした。
休む間もなく次の事件への対策。
なんというルナティックな世界であろうか。
では、また(・∀・)ノ