ほとんど書き終えてたのに一度全て文字消えてしまいました……。
文字の保存機能が欲しい……。あるのかな?
更新遅れましたが第8話です!(・ω・)ノ
ふぅ。やはり女子の買い物に付き合うのは骨が折れる。
俺、小町、一色が買い物に来たのはおなじみ、みんな大好き東京BAYららぽーとだ。
午前中は一通り見て回って買う物の目星をつけるとのことで、服やアクセサリー店を色々回った。一色が試着したときに、
『わぁー!いろは先輩可愛い!ね!お兄ちゃん?』
と、小町が俺にふってくるので困る。それに俺も、
『お、おう』
としか返せないのだが、一色も一色で、
『ありがとうございます……』
とか、なぜか照れるのでますます困る。しかもその目線を少し斜め下に落とし、顔を少し赤らめてもじもじしてる姿は、一見するといつものあざとい仕草にも見えるのだが、いつもの作られたあざとさは感じられなかった。
一色のやつ、この間会った時は気づかなかったが、しばらく会わないうちに少しあざとさが抜けてないか?もともと一色はあざと可愛いわけで、その一色からあざとさがなくなったら普通に可愛くなってしまうわけで、それはそれで扱いに困るわけで、って落ち着け俺。
そんなこんなで午前中は過ぎ、昼食は一色と小町とで食べたいとのことだったのでオムライスになった。ちなみに俺のぶんは、小町が事前にお袋から二人ぶんの昼飯代をもらっていたので助かった。俺の所持金じゃ食べれなかったからね……。
昼食を終えると再び買い物に戻り、そして、今に至る。
ちなみに俺は今トイレで用を足している。こういう時一人になれるからトイレっていいよね。一人になれるこの空間はとても心地いい。まぁ、あまり待たせるのもあれだからさっさと済ませますか。
トイレから戻ると、二人がここで待っていると言っていた場所には一色しかおらず、小町の姿は見えなかった。……あれ、これデジャブ?嫌な予感しかしないんだが……。いや、気のせいだろ。うん。
「悪い待たせたな。で、小町は?トイレ?」
「あ、先輩おかえりなさーい。小町ちゃんは何か急用が入っちゃったみたいで……」
……気のせいじゃなかったわ。まーたやりやがったな、あいつ……。ほんとせめて一言言ってほしい。ていうか今回やる場面じゃないだろ……。
「その……悪いな。どうする?帰るか?」
「もう少し付き合ってもらってもいいですか?もうちょっと見たい店もあるので……」
このままじゃ一色に申し訳ないし、それにまだ一色の誕生日祝ってやれてないしな……。
「わかった。じゃあ行くか」
「はい!」
俺と一色は二人で買い物を再開した。
午前中に回りきれなかった店も回り終え、一色も買い物の目星をつけたらしく、今まで回った店をまた数店回り直して服を数着買った。
途中、小町からラインがあったのだが、ただ一言。
『頑張れ!』
だ、そうだ。帰ったら覚えとけよ……。おそらくこの頑張れとは、小町が今朝勝手に勘違いした、俺から一色へのサプライズで誕生日プレゼントを『渡すこと』への頑張れだろうが、そもそも所持金不足でそんなプレゼントを用意できない俺がどう頑張ればいいんだ……。買い物に付き合いながら、俺の所持金で買えるものがないか探してはみたものの結局見つからなかったしなぁ。こうなることなら小町に恥をしのんで金借りるべきだったか……。プレゼントなしで誕生日おめでととか言うのもあれだしなぁ。完全に言うタイミング逃しちゃってるし……。もう帰ってからメールかなんかで誕生日おめでとって言ったほうがいいんじゃねぇの?
うーん、と俺が色々考えてると、不思議に思ったのか一色に声をかけられた。
「先輩どーしたんですかー?」
「あ、いやなん「あんれぇ?いろはすとヒキタニくんじゃね?」
俺の言葉を遮った声の方を見ると、茶髪でロンゲの男、戸部翔がそこにはいた。こいつ変なタイミングで出てくるな……。なんか嫌な予感するんですけど……。嫌な予感するの今日二回目だよ……。
「と、戸部先輩どうしたんですかこんなところで?」
一色の顔が引きつってるのは気のせいかな……。
「今日は服買いに来てるんよー。ほら、俺浪人したじゃん?浪人生って意外と服ないと困るんよー?毎日私服登校だしー。あー、高校制服でマジ楽だったわー」
こいつも浪人してたのかよ……。予備校で見たことねぇから別の予備校かこいつは。
「そうなんですね!では私たちはこれで!」
一色のやつバッサリ会話切りやがった……。
「あ、そういえばー、今日いろはす誕生日だよな?おめっとさん!」
「「…………。」」
爆弾投下してくれやがったこいつ……。どうしてくれんのこれ?
「あ、ありがとうございますー」
「あ、もしかして…………。ごっめ、マジ邪魔した?わり、わりー!じゃ、俺行くわ!またな!いろはす、ヒキタニくん」
そう言うと戸部は去っていった。
…………。
「い、一色?」
「は、はい……」
「その……、なんだ……、誕生日おめでと……」
「あ、ありがとうございます」
……ほんとどうしよこれ。俺はどうするべきだ?こういう時でも葉山なら上手く対応できるのだろうが、って葉山ならまずこんな状況になってねぇか……。
「あー!もう!なんでこうなるんですかね!……先輩、私の誕生日ほんとはちゃんと覚えててくれたんですよね?」
「あ、あぁ。一応。なんで知ってるんだ?」
「小町ちゃんが教えてくれたんですよ。先輩がいない時に小町ちゃんに先輩誕生日覚えててくれてなかったのかなーって話したら、ちゃんと覚えてるので大丈夫ですよって!」
あぁなるほどな……。って、小町が教えてたなら俺直接言うしかなかったじゃねぇか……。始めから詰んでいたのか俺は……。もう正直に言うしかないか……。
「その……悪いな、プレゼントも用意したかったんだが俺金がぜんぜんなくてな。用意できなかったわ。すまん……」
「……そうでしたか」
一色は下を向いて少し落ち込んでるように見えた。が、すぐに顔を上げると笑みを浮かべながら俺の顔を覗いた。
「あーあ!先輩が誕生日ちゃんとわかっててくれたって聞いたから、もしかして朝は知らないフリして後でサプライズで誕生日プレゼントくれるんじゃないかって思ったのになー!」
「ぐっ」
「ずっと楽しみにしてたのになー?」
あぁ!もう!わかったよ!ほんと俺は年下の女のこういうのに弱いな……。
「ほんと悪かったな。今度金入ったらなんかプレゼント買ってやるから。それで勘弁してくれ」
これで一色も満足だろ……。
「もうこの際プレゼントはいいです!」
えぇ。なんでだよ。今めっちゃねだってたじゃん。
「だって先輩お金ないみたいですし、浪人生だからお小遣いもあまりもらえなそうじゃないですか。だから申し訳ないなーって」
……おっしゃる通りで。
「じゃあ俺はどうすればいいんだよ……」
「だからプレゼントの代わりに、先輩に3つ、なんでもお願いできる権利を私にください!」
とてもいい笑顔で一色が俺に要求してきたプレゼントは物ではなく、俺に3つ、なんでもお願いできる権利だった。
第8話お読みいただきありがとうございますm(_ _)m
今までで1番文字数が多い回となりました!
……それだけに文字が消えたのが痛かった。
1万文字とかを1話で書く人ほんとすごいと思います(汗)
作品の話ですが、八幡と雪乃が付き合ってたことを知ってるのはごく少数の人間です。
それでは、第9話でお会いしましょう。