やはり俺の浪人生活はまちがっている。   作:terror

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第7話です(・ω・)ノ


7.今日は一色いろはの誕生日だった……。

「……、……」

 

「ん……んん……」

 

……誰だ、俺を起こすのは……。家族だってそんなことしないし、ましてや起こしに来る幼なじみなんて二次元でした見たことねぇ……。

 

「……、……」

 

……ああ夢か、夢だこれは。どうせ夢なら戸塚に起こしてもらいたいなぁ。戸塚東京の大学に行っちゃったからなぁ。夢だけでも会いに来てくれないかなぁ。

 

「せんぱ〜い、起きてくださいよぉ〜」

 

…………。ちっ。

 

「なんだ一色か」

 

「なんですかその反応〜」

 

「いやぁ、どうせ夢なら戸塚に起こしてもらいたかったなって」

 

「うっわ……」

 

夢でも一色にドン引きされちゃったよ……。

 

「ていうか〜夢じゃないですよぉ!」

 

「夢じゃなければ一色が俺を起こしに来るわけがないだろ」

 

「むぅ。じゃあこれでどうですか?」

 

一色は両手で俺の両頬をつまむと、むぎゅーってしてきた。

 

えーなにこの頬っぺたつねり。顔が近いこともあり、恥ずかしさで全く痛みを感じないんですけど。やっぱり夢なの?

 

「い、一色、わかったからもう離せ」

 

「やっとわかってくれましたか〜。おはようございます先輩」

 

「あ、あぁ。おはようございます。……じゃねえよ。なんでいるのお前?」

 

普通に挨拶返しちゃったぞ。ほんとなんでいるのこいつ?ていうかなんで俺のこと起こしてるの?

 

「……先輩、私に何か言うことないんですか?」

 

……うむ。

 

「ご、ご機嫌麗しゅう?」

 

「なんでそうなるんですか……」

 

いやだって何も思いつかないんだもん……。何かあるの?

 

「……じゃあいいです。小町ちゃんも待ってるので早く起きてきてくださいね」

 

そう言うと一色は扉を閉めて部屋から出て行った。扉を閉める力が少し強かったのは気のせいだろうか……。

 

 

 

 

 

……目が覚めてきて思い出したよ……。今日一色の誕生日じゃん。

 

そう。今日4月16日は一色いろはの誕生日である。

俺はそのことを小町が用意した朝食を食べながら思い出した。

 

なんでもこれから一色と小町は買い物に行くらしく、俺のことも荷物持ちとして連れて行く気らしい。……だから昨日小町が予定空けといてと言ってたのか。

 

普段なら絶対ついていかないが、今日一色は誕生日だしなぁ。

それに一色、俺が誕生日忘れててちょっと機嫌悪いみたいだし……。

さっきから『私怒ってますよ?ぷんぷん!』みたいなオーラ出してる……。はぁ、仕方がない。行きますか。

 

小町と一色に早く支度しろと急かされたので、ちゃっちゃっと朝食を済まし、支度を始める。服を適当に選んでると、小町が入ってきた。

 

「お兄ちゃん今日何の日かちゃんとわかってるの?」

 

「一色の誕生日だろ?」

 

「わかってるのになんでおめでと言わなかったの?」

 

「あ、いやそれはな……」

 

「あぁ!わかった!お兄ちゃんサプライズだね?誕生日忘れてるフリして後からプレゼント渡すんだね?キャー!それ小町的に超ポイント高い!」

 

「え、いや……」

 

「あ、お兄ちゃん今日これとこれ着てね。じゃあ小町、いろは先輩と玄関で待ってるから。いやぁお兄ちゃんもたまにはやるなぁ」

 

「お、おい、小町……」

 

小町は行ってしまった。

 

…………妹よ。財布に300円しか入ってない俺がどうやってプレゼントを用意すると……?

 

浪人生はお小遣いなど全くもらえないのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第7話お読みいただきありがとうございますm(_ _)m
ここから数話いろはすの誕生日回続きます♪
それでは第8話でお会いしましょう。

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