やはり俺の浪人生活はまちがっている。   作:terror

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評価件数も5件になったのでバーに色が付きましたねw
では、第5話です(・ω・)ノ


5.浪人生活にもこんなことはある。

四月十五日。俺の浪人生活も二週間目が終わろうとしていた。

予備校通いの生活は思った以上に一日一日が早く感じられた。

この分ならこの一年は意外とあっという間なのかもしれない。

 

この二週間であったことといえば予備校初日に一色が家に来たことくらいだ。一色と小町が作ってくれた夕食を食べた後、俺は一色を駅まで送った。そのときに一色が俺の志望校を聞いてきたのだが、俺は、

 

『まだ決まっとらん』

 

としか答えられなかった。実際本当にまだ志望校は具体的に決められていない。とりあえずセンター試験はしっかり点を取ろうと、センター対策の講座を満遍なくいまはこなしている。

 

『えー。志望校ちゃんと決めないと目標が定まらなくてよくないって聞きますよー』

 

……一色に超正論言われて困った。

 

『うっせ。じゃあお前はどうなんだよ高校三年生?』

 

『え、私は……、じゃあ私も決まってません!』

 

『お前も決まってねーんじゃねぇか……』

 

てか、じゃあってなんだよ、じゃあって。

 

『あ、先輩ここまででいいですよ!ありがとうございました!』

 

『おう。気をつけてな』

 

『また遊びにいきますね』

 

『おう。小町のこと、よろしくな』

 

『はい!任せてください!』

 

 

 

こんな感じで俺は一色を送った。

その日以降俺は普通に予備校に通い……って事件あったわ。そうだよ。俺の隣の席のやつだよ。

 

金髪縦ロールで、春らしい私服を着こなした三浦優美子は、俺の隣の席で、足を組みながらパソコンに向かい合って講座を受けている。

予備校初日に欠席とは図太いやつ。と、思っていた俺の隣の席の主は三浦だった。

 

まさかこいつも浪人してたとはな。最初に三浦の姿を俺の席の隣で見たときはそれはめちゃくちゃ驚いた。

 

まぁ、かといって何かあるわけではない。実際、俺と三浦は一言も会話を交わしていない。ただ、席が隣なだけ。それだけの関係だ。

 

さて、今日四月十五日は普通の登校日ではない。予備校自体は16時半に終了だ。なぜいつもより終了時間が早いかというと、今日はこの予備校の懇親会があるからだ。この予備校の生徒、約四十人で近くのバイキングで食事会だ。なんでも先生が言うには皆んなこの懇親会で友達を作るらしい。……でもさ、飯食うだけで友達になれるなら小学校のやつって皆んな友達だよね。うん。

 

参加は自由参加なのだが、大半の生徒は参加するそうだ。

もちろん俺は……参加するつもりなかったよ?

だが、この懇親会は予備校が料金を全てもってくれる。そのことを不覚にも、懇親会の申し込み用紙を母親に見られてしまい、知られてしまった……。そしたら、

 

『タダなんだからあんた行ってきなさいよ。私達も外で何か美味しいもの食べるから』

 

『お兄ちゃん、友達頑張って作ってきてね〜!』

 

……行くことになってしまった。俺もその美味しいもの食べたかったんだけど……。俺そんなバイキング食えねぇし。

 

てなわけで、16時半になって今日の学習は終わり、俺を含め他の生徒も後片付けを始めた。片付けを終え、自分の席で各々指示を待って少し経つと、先生が教室に入ってくる。これから全員でバスに乗って店へ向かうらしい。俺は端っこの席なので他の人が先に教室を出るまで待ってから席を立った。どうやら三浦も懇親会には参加するようだ。

 

さて、いきますか。……はぁ。めんどくさい。

 

 

 

 

 




第5話お読みいただきありがとうございますm(_ _)m
さて、今回から三浦が登場です。


では第6話でお会いしましょう。

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