待っててくれた方、お待たせしました!
では、本編どうぞ!!
シスター様に案内を
夕暮れ、それは1日の終わりを感じる時間帯だ。
夕暮れ時の気持ちで今日という日の評価が決まる。
少なくとも僕はそう思っている。
それを踏まえて聞いてほしい。
今、僕の目の前には、地べたに横たわっているシスターがいる。
いやいや、ふざけてないよ?
僕もかなりコンガラガッチュレーションなのだ。
声をかけるべきか・・・
でも、声をかけたら絶対面倒くさいことになる。
僕の感が全開で警報を鳴らしている。
僕の感は当たるんだ。
グ、グ〜
お腹空いてるのね。
腹の虫さんが泣いてるよ。
でも、倒れるくらいお腹空いてるってかなり大変な事態だ。
「君、大丈夫?」
「...
わぁ、英語かぁ。
「
一応、話せる事は話せるが本場の人と話すのは初めてだから発音が心配だ。
「
成る程、アーシア・アルジェントちゃんって言うのか
「
取り敢えず、何してるのか聞いた。
「
いや、分かってたけどね。
お腹空いてるのね。
めっちゃ、恥ずかしそうだし・・・
「
僕は今日もらったパンの残りを彼女に差し出した。
「...
「
彼女は勢い良くパンを食べている。
リスみたいだ。
偶にこちらを申し訳なさそうに食べてるのは可愛いな。
「
彼女は食べ終わると、頭を下げながらお礼を言ってくれた。
いい子だな。
彼女はそう言うとそのまま立ち去って・・・
「....
うん、これで終わるとは思ってなかったよ。
お願いね、ここまできたら聞いてあげますよ。
「
「
協会はどこ?
教会って確か古いのが一つあった気がする。
「
道を聞かれただけだが教会まで連れて行こう。
この子、多分一人にしたらまた迷う。
これは絶対だろう。
僕の感がそう言っている。
「....」
彼女も、もう迷うのは懲り懲りなのか了解してくれた。
申し訳なさそうにしている。
いい子だ、いい子だけど厄介ごとに巻き込まれるタイプの子だ。
うぇぇぇん!!いだいよぉ!!
教会に向かっている途中、怪我をして泣いている子供を見つけた。
あと、此処からは英語を日本語にします。
英語で話してる設定ですが、あれ?設定って何?
まぁ、翻訳こんにゃく食べたってことにしておいてください。
「男の子がこれくらいで泣いてはいけましせんよ。」
彼女は怪我をした子に駆け寄り、怪我をしたところに手をかざした。
何をしているのか気になり、少し近づくと彼女の手から光?のようなものが出ていた。
「ほら、もう大丈夫ですよ」
え、怪我が治っている。
もしかして、彼女も人外か?
いや、違う、人外だったら少なくともお腹が空いて道に倒れるなんて事はない。
じゃあ、超能力者とか、か?
「坂木さん、お待たせしました」
舌を少し出して謝るアルジェントちゃん。
うん、可愛いです。
愛玩動物みたいだな。
「アルジェントちゃん今のは?」
僕がそう聞くとアルジェントちゃんは少し暗い顔をした。
あ、これ、聞いちゃいけないことだったかな?
「アルジェントちゃん、話したくないなら話さなくても・・・」
「いえ、よかったら聞いてください・・・」
話します、じゃなくて聞いてください、か。
「あぁ、聞かせて」
「実は・・・」
アルジェントちゃんはポツポツと話をしてくれた。
昔、聖女と言われ祭り上げられた事
怪我をした悪魔を助けて教会を追放された事。
それでも神を信じ、シスターをしている事。
この街にはシスターとして用事があってきた事。
「なるほど、ね」
「はは、こんな話されても困りますよね・・・」
アルジェントちゃんは俯いて悲しい声でそう言った。
「それに、こんな・・悪魔も治せるような・・・気持ち悪いですよね・・・」
泣きそうな声だ。
きっと、こんな風に話をするのは初めてじゃないんだろう。
その度に拒絶されて、その度に孤独になった。
この子はいい子だ。そして、可哀想な子だ。
神の救いや愛という宝くじよりも当たらないものを信じてしまった為に自分で幸せになれる方法を見つけられていない。
「そんなことないと思うよ」
僕はそう言う。
これは本心だ。彼女は気持ち悪くなんてない。
さっきも言ったが彼女はいい子だ。
うちのクラスに来てほしい位だ。
「!?本当、ですか...?」
彼女は軽く驚いた風に言う。
きっと、今までにない返しだったのだろう。
「神は信じるのに僕は信じてくれないのかい?折角パンをあげたのに、イエス・キリストのように」
僕は少し
「そ、そんな事ないです!ちょっと、驚いてしまっただけです!すみません!!」
お、おぉ、思ったより反応が凄い。
必死に謝っている。
「じゃあ、信じてくれるかい?」
「は、はい・・・」
彼女は俯いて照れるように言った。
いいね、可愛い子だ。
素直な子は先生評価高いよ。
「それに、アルジェントちゃんは悪い事してないと思っているよ」
「え?」
僕がそう言うとアルジェントちゃんはまた驚いた表情をした。
「人でも悪魔でも君は見捨てず助けてあげた。君はそんな自分を誇りに思えばいい。少なくとも僕はそんな君を素敵だと思うよ」
アルジェントちゃんは照れて下を向いた。
「す、素敵だなんて・・・」
「謙遜することはないよ。君は神でも愛せなかった悪魔に慈悲をかけてあげられたんだ。それは、立派な聖女だと僕は思うよ」
アルジェントちゃんは話を聞いている途中に泣いてしまった。
きっと、今まで溜まってきたものが溢れちゃったんだろう。
「・・・ありがとう、ございます・・・」
それは蚊の鳴くような声だったが僕はしっかり聞こえた。
本当にアルジェントちゃん、君はいい子だ。
あの後、沈黙の続いたまま教会に着いた。
「あ、ありがとうございました。」
そう言ってアルジェントちゃんは教会に入ろうとする。
アルジェントちゃん、それじゃあ不正解だよ。
「あぁ、アルジェントちゃん。またね」
「っ!はい!また!」
アルジェントちゃんは笑顔で教会へ入っていった。
彼女には、また会うことになる。
きっと、そうなる気がする。
昨日のことが気になってあまり眠れなかった。
眠いです。
「先生!先生!先生!聞いてください!」
兵藤が叫びながら僕のところへ来た。
うるさい、頭に響く、やめてくれ。
「うるさいよ。兵藤」
そう言うと兵藤は悪びれることなく顔を僕の目の前に持ってきた。
「俺!彼女が出来ました!!」
「あぁ、そう、良かったね」
そんなことで、一々大声だすな。
そりゃ、学生だ。
彼女の一人や二人できて普通だろう。
え?僕?居なかったよ馬鹿者が。
確かに兵藤は変態だが顔が悪いわけじゃなければ性格も悪いわけじゃない。
変態だが優しいし顔も中の上ぐらいだ。
「えぇ!?反応薄くないですか?」
「薄くない、兵藤が大げさなだけだよ」
そう、本当に大げさだ。
兵藤、ハーレムハーレム言ってる割に自分に自信なさすぎだろ。
「え、それって・・・もしかして嫉妬ですかぁ?」
こいつ、最高に憎たらしいドヤ顔してる。
教師じゃなかったらゲンコツしてたかもしれない。
「取り敢えず兵藤、宿題3倍な」
「えっ!?」
一瞬で兵藤の顔が絶望に染まった。
宿題ごときで大げさな。
「冗談だ。HR始まるから早く席につけ」
兵藤はトボトボ席に着いた。
じゃあ、授業を始めるか・・・
今回は短かったですね。
英語調べるの面倒くさかったですw
時系列が原作と少し違いますが後々調整するので大丈夫です。
次回!兵藤死す!デュエルスタンバイ!
あ、お気に入りが50になっていました!ありがとうございます!
これからも頑張りますよ!!!