シスコンで吸血鬼で鬼ですが何か?   作:エントさん

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今回はコメディ回です。コメディ回かな?コメディ回にしたいな。


自宅訪問にトラップを

 僕、坂木要は頭の整理が間に合わない状況に陥っている。

 

 オカルト研究部が人外の集まりだった。

 兵藤が悪魔だって事はアーシアちゃんから聞いていたけど

 まさか、オカルト研究部の全員が悪魔だとは・・・

 

「こ、こんばんは」

「え、えぇ、そうね」

 

 ヤバイです。

 気まずい、気まずすぎる。

 

「取り敢えず、お互いに状況説明しようか」

「そ、そうね。朱乃、魔法陣の用意、朱乃?」

 

 朱乃ちゃんが僕を見て「やっぱり」と呟いた。

 そのまま、朱乃ちゃんは僕に近づき《抱きついた》

 

「え?」

「「「「え?」」」」

 

 オカルト研究部と僕の声が綺麗にハモった。

 朱乃ちゃんは涙を流しながら、僕の胸に顔を埋める。

 

「リアスちゃん。これ、どういう状況なのかな?」

「要さん、私に振らないでちょうだい・・・」

 

 

 それから10分ほどその状況が続き、朱乃ちゃんは泣き疲れて寝てしまった。

 僕は朱乃ちゃんを背負いオカルト研究部の部室に移動した。

 

 「じゃあ、お互いに状況説明しましょうか」とリアスが言う。

 

 全員が気になって仕方ないという顔をしている。

 あと、朱乃ちゃんは僕の肩に寄りかかって寝ている。

 

 リアスちゃんが「じゃあ、まずは私たちから」と言ってリアスちゃんたちの状況を説明してくれた。

 

 まずはリアスちゃんたちが《悪魔》である事、この街を管理している事、生徒会も悪魔の集まりである事。

 この時、僕と一緒に兵藤も驚いていたけど、なんで君まで驚いてるんだ。

 

 そして、今回あの場所に来たのは『私たちの管轄している街で堕天使が好き勝手しているからお灸をすえに』だ、そうだ。

 

 次に僕の状況を説明した。

 自分が《吸血鬼と鬼のハーフ》である事、アーシアちゃんの事。

 

 オカルト研究部の全員が驚いている。

 

「え、先生人間じゃないんですか!?」

「うん、人間じゃないよ」

「スヤァ」

 

 ムニャムニャと朱乃ちゃんが横で寝ている所為でシリアスになりきれない。

 

 アーシアちゃんを今は家で保護していると言ったら兵藤が「よかった」と胸を撫でおろした。

 

 そういえばアーシアちゃんと兵藤は面識があったんだっけ、「アーシアちゃんに会いに来る?」と兵藤に言うと「お願いします!」と元気よく返事をした。

 

 本気で心配してたんだな。兵藤、お前はやっぱりいいやつだ・・・でも変態だ。

 

 うちに来るという話題になった時何故かオカルト研究部の全員が来ることになった。

 横で寝ている朱乃ちゃんも寝言っぽく「わたしゅもいきゅましゅ」と言った。うん、起きてるよね君?

 

 いきなり大人数で行くのもアレなので明日うちに来ることになった。

 

 話が終わったので帰ろうと思い席を立つと子猫ちゃんに呼び止められた。

 

「明日、ご飯楽しみにしています」

 

 はい、うちで食べる気満々ですね。

 そうだなぁ、軽いホームパーティーっぽくするかそうしたら紗凪たちも喜ぶだろうしね。

 

 

 

 

 

《翌日・・・》

 

 

 

 

 

 オカルト研究部が来る当日、紗凪には事情を話している。

 一応、黒黒とアーシアちゃんにも話した。

 

 アーシアちゃんは僕が人間ではないと知り「えっ!?」と驚いた。

 そして何故だか黒黒も「ニャッ!?」と声を出してその場に固まってしまったけどどうかしたのかな?

 

 

 

 

 《ピンポーン》

 

 インターホンが押され紗凪が「キタァー!!」と叫びながら玄関に向かった。

 紗凪は友達大好きっ子ちゃんだから昨日からそわそわしっ放しだった。

 

「要さん、お邪魔するわ」

「あぁ、リアスちゃん達ゆっくりしていって」

「ここが先生の家ですか・・・大きいですね」

「・・・祐斗先輩、上の階には大きい書斎もありますよ・・・」

「そうなんだ。子猫ちゃん詳しいね」

「・・・はい、この中『一番』この家に来ていると思いますから・・・」

 

 あれ、子猫ちゃんそんなに家来てたっけ?

 疑問に思っていると張り合うように朱乃ちゃんが「私の方が来ているますわよね」と僕に言ってきた。

 

「うん、小さい頃からウチによく来るからね」

「・・・気づいてない・・・」

 

 え、今子猫ちゃんが小声で何か言ったけど聞き取れなかった。

 何を言ったんだろう。と考えていると兵藤が僕の前に出てきて

 

「先生!アーシアは何処ですか?!」

 

 と、聞いてきた。

 おぉ、そんなに心配しなくてもキッチンでパーティー料理を作ってるよ。と兵藤に言うと兵藤は物凄いスピードで部屋を出た。

 

「兵藤。部屋分かるのか?」

 

 いや、まぁ、大丈夫だろう。

 

 そのあと、アーシアちゃんだけが料理を持って帰ってきた。

 

「兵藤、迷ったな・・・」

「そうみたいね。はぁ・・・」

「・・・先輩、方向音痴・・・」

「この家広いから迷うのも仕方ないと思うよ」

「私も初めて来た時は迷いました」

「アーシアちゃんはそんなイメージだから大丈夫ですわ」

「そんなイメージ!?どう言う意味ですか姫島さん!」

「「もぐもぐ、むしゃむしゃ」」

 

 上から、僕、リアスちゃん、子猫ちゃん、木場、アーシアちゃん、朱乃ちゃん、ご飯食べてるのが紗凪と無限だ。

 誰も兵藤の心配をしていない。まぁ、自業自得だし僕の家だから心配するほどでもないか。

 

「取り敢えず、手分けして探そうか」

「そうね」

「・・・了解です・・・」

「それがいいですね」

「私のせいで迷ったんですから勿論です!」

「仕方ありませんね」

「「もぐもぐ、むしゃむしゃ」」

 

 一階がアーシアちゃん、木場、朱乃ちゃんだ。

 二階が僕、リアスちゃん、子猫ちゃんだ。

 

 全く世話の焼ける生徒だよ。

 

 

 

 

《三十分後》

 

 

 

 

 居ない。二階には居なかった。

 取り敢えずアーシアちゃん達も探し終わっただろし一階に戻って落ち合おう。

 

「アーシアちゃん、どうだった?」

「居ませんでした。すみません私の所為で・・・」

「い、いや!今回の件は僕がキッチンの場所を教えなかったのと兵藤が一人で突っ走った所為だからアーシアちゃんに非はないよ」

「・・・そうです。先輩の不注意です・・・」

「うぅ・・・ありがとうございます」

「そういえば、祐斗は何処に?」

「そういえば居ませんわね・・・」

「・・・もしかして・・・」

「木場まで迷ったか?」

 

 木場まで消えていた。

 なにこの家怖い・・・あ、僕の家だった。

 

「取り敢えず、祐斗が居なくなった一階を中心に探しましょう」

「あぁ、そうだね」

「そういえば、木場くんを最後に見たのトイレの辺りだった気がしますわ」

 

 朱乃ちゃんがそう言うと紗凪が食べる手を止めて

 

「兄さん!!私も探すの手伝うよ!」

 

 と言ってきた。

 え、どうしたのいきなり・・・

 

「あぁ、頼む」と言った瞬間、紗凪が物凄いスピードでトイレの方へ向かった。

 

「なんか、怪しいわね」

「そうですわね」

「我が妹ながら分かりやすいなぁ」

 

 トイレまで向かうと《いつもは唯の壁の部分》に穴が空いていた。

 ザ・隠し部屋って感じだなぁ。

 

「隠し部屋だな」

「隠し部屋ね」

「隠し部屋ですわね」

「隠し部屋ですね」

「・・・隠し部屋・・・」

 

 中を覗くとあからさまにトラップありますヨォ的な通路があった。

 

「トラップあるな」

「トラップあるわね」

「トラップありますね」

「トラップ、ありますね」

「・・・分かり易い・・・」

 

 トラップを躱しながら奥へ進んでいくなんかアトラクションみたいで楽しいなぁ。

 途中で落とし穴トラップに引っかかったであろう兵藤を見つけた。

 

「気絶してるな」

「そうね」

「あらら」

「イッセーさん大丈夫ですか?」

「・・・こんなのに、やっぱり馬鹿です・・・」

 

 子猫ちゃんが毒舌だ。

 まぁ、でもこれに引っかかるのは少し間抜けだな。

 

 取り敢えずこれは最後に回収するか。

 

 奥に進んでいくと道が二つに分かれていた。

 

 《幼少期←→青年期》

 

 と書かれた看板が立っている。

 

「どうする?」

「二手に分かれましょう」

「そうだな」

 

 と言うわけで青年期を僕とリアスちゃん、幼少期を朱乃ちゃんとアーシアちゃん子猫ちゃんで行くことになった。

 

 

 

 

 

 

『クイズのマァァァァァァ!!!!!一問目!!!!!!!』

 

二手に分かれて歩いていると、いきなり大音量で合成音声が鳴り出し僕とリアスちゃんは少し後ずさる。

 

「ビックリした・・・」

「ほんとね・・・」

 

『一問目!坂木要の好きな食べ物は!!!?』

 

 え、問題って僕の?

 

「確か、メロンだったわよね?」

《ピンポンピンポンピンポーーーン!!!!!》

『大正解!では二問目!!!』

 

 いや、なんで僕より先にリアスちゃんが答えられるの・・・

 

『二問目!坂木要の誕生日は!!!!?』

 

「はち「8月10日ね」早い!?」

《ピンピコピーン!!!》

 

 効果音統一しなさいよ。

 と心で思いながら次の問題を待つ、というかこれ以上何が出るんだ?

 

『最終問題ぃ!!!!坂木要の初めて自分の意思で発した言葉は!!!!?』

 

 いや、知らんがな!自分の意思で、つまり自我が芽吹いてって事だろ。

 なにその鬼畜問題クイズ王でも答えられないよ。

 

「『おかえり』だったはずよ」

《ピンピンピコピンピーン!!!!》

『全問正解!先に進みたまえ!!!』

 

「・・・・」

 

 え、怖い怖い怖い!!

 なんで知ってるの?!うわっ、鳥肌立った。

 

「一応言っておくけど紗凪ちゃんに聞いたのよ?」

 

 なんだ、ならよ・・・・くない!!

 なんで紗凪、僕のことそんなにしってん。

 

 分かってたけどブラコンにも程があるだろ。

 そして、勝手に僕の情報を流さないでください三百円あげるから。

 

「そんなことより先に進みましょ」

「アッハイ」

 

 

 それから少し進むと木場を見つけた。

 

 

 

 

「ムグムググムグゥー!!!」

「記憶を消すのってここのツボを押せばいいんだっけ?」

 

 吸血鬼モード(ヴァンパイアスタイル)の紗凪に縛られた木場を見つけた。

 

 

___ふぁ!?




コメディって書くの難しいのね。

紗凪ちゃんがどんどん壊れていってる。
《ガジャンがジャン》(紗凪が壊れる音)

後編は明日出します。
では、お楽しみに!

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