シスコンで吸血鬼で鬼ですが何か?   作:エントさん

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おひさしブリーフ





本編どうぞ↓


堕ちた天使に断罪を(前編)

 薄暗い部屋の中、紅色の綺麗な髪が(なび)く。

 

「朱乃、これは、大変なことになったわね」

 

 そう、その髪に主は《リアス・グレモリー》である。

 そして、その側にはオカルト研究部、副部長の姫島朱乃(ひめじま あけの)がいる。

 リアスと朱乃は何やら深刻な面持ちだ。

 

「えぇ、そうですね。部長」

「部長も朱乃さんも、なんでそんなに深刻そうな感じなんですか?」

 

 その、深刻な面持ちにオカルト研究部、新入部員の兵藤一誠(ひょうどう いっせい)が堪らず聞いた。

 

「えぇ、イッセー貴方にも無関係なことではないわ。」

「そうですわ、むしろ、一誠君の所為でこうなったようなものですもんね。」

「えっ?」

 

 俺、『まだ』何もしてないと思うのですが・・・直接的には。

 いや!確かに朱乃さんや部長の胸やバストやオッパイを視姦していたけど!バレていない・・・はずだ。

 

「イッセー、あなた坂木先生にオカルト研究部に入ったと言ったそうね」

「え、あ、はい」

 

 なんで、先生の話が出て来るんだ?

 まさか、あの人!今日したことを話したのか!?

 あぁ〜、先生を倒すために悪魔の力を使ったのがバレたか!?

 

「と言うか、一誠君は坂木先生がオカルト研究部の顧問ってことは知ってますか?」

「えぇ!!あの人、ここの顧問だったんですか!?」

「そうよ、先生はここの顧問よ」

 

 ちょっと!どういうことですか?

 そんなの聞いたことも無いんですが。

 そもそも、俺がこの部に入って一週間ぐらい経つが一回も先生をオカルト研究部がある旧校舎に居るところを見たことがない。

 あ、もしかして・・・

 

「ってことは、先生も悪魔に何らかの関わりがある人だった「違うわよ」否定早っ!?」

「だから困っているのよ。今までは何とか先生に私たちのことを誤魔化していられたけど・・・」

 

 ん?じゃあ、一体なんで先生に秘密がバレそうになってるんだ?

 

「そうですわね。一誠君がいきなり入ったことで坂木先生が少しだけですが不審がっているんですわ」

 

 はい、俺の所為でした。すみません。

 

 

「・・・だったら!悪魔の力でチョチョイっと催眠かけて記憶を改竄すれば!」

「・・・それが出来たら、とっくにしていると思いますよ。頭使って下さい先輩・・・」

 

 今まで黙っていた塔城小猫(とうじょう こねこ)ちゃんが俺の提案を打ち落とした。

 うん、小猫ちゃんって、かなり毒舌なんだね。

 無口無表情毒舌ロリ・・・あると思います。※ないです

 

「えぇ、そうよ。なんでかは知らないけど先生には催眠が効かないの」

「それだけ、確固たる自我を持っているということですわね。カッコイイですわ」

 

 朱乃さんの顔がポワァと、している。

 どうしたんだろう?

 

「と言うか、今更なんですけど先生はなんでココの顧問なんですか?普通の人なんですよね?」

「うっ、色々、色々あったのよ」

 

 色々?部長!なんか凄い汗出てますよ!?

 

「簡単に言ってしまえば部長の『ワガママ』が原因ですわね」

「な、何言って言うのよ!朱乃!貴方だって賛成したじゃない」

「・・・と言うか、部員の満場一致でしたね・・・」

 

 なるほど、本当に色々あったんですね。

 なんか、俺の中の二大お嬢様(リアスと朱乃のことです)のイメージが崩れていく。

 

「ごほん!取り敢えず、今の所はまだ大丈夫よ。イッセーも今後は気をつけてね」

「え、あ、はい」

 

 こうして今日もオカルト研究部の1日は過ぎていくbyイッセー

 

 

 

 どうも、僕です。坂木要(さかき よう)です。

 今現在、僕はすごく困っています。

 理由は至極簡単、みんなが朝起きたらベットに潜り込んでいるからです。

 

 いやね?紗凪や無限、黒黒はいつもの事だから、まぁ、いいとして・・・

 あれ?ダメじゃね?

 いや、それはひとまず置いておこう。

 

 重要なのは、昨日からウチで預かることになった新しい家族のアーシア・アルジェントちゃんが《全裸(すっぽんぽん)》で僕のベットにいる。

 

 はい、アウト!アウト、アウト、アウトォ!!!!

 おかしいよ!こんなの、あんまりだよぉ・・・

 

 いやね、僕も男なのよ?これはね、生理現象なの!

 僕の息子がバベルを築き上げているのも仕方のないことなのですよ?

 

 クソォ!朝起きて両腕に重みを感じて重みの先を見たらいつもの如く紗凪と無限がいた。

 この子達の裸は見慣れているから・・・それも、どうかと思うけど・・・

 違う!今はそんなことじゃない!

 

 それで、上にも重みを感じで『あぁ、どうせ黒黒だろ』って思って見たら・・・

 

 これ以上は言わずもがなだろ。

 

 上には美少女、両腕にも美少女、下半身にはバベルの塔だ。

 今の状況、《大ピンチ(絶体絶命)

 

 はいそこ、今ロリコンとか思ったやつ、僕はまだ21歳だ。

 歳といっても4、5歳程度しか離れていない。

 から、大丈夫のはずだ・・・と思う。

 

 あぁ!状況が改善しない!

 このままでは、死んでしまう!(社会的に)

 

「う、うぅーん・・・」

 

 アーシアがモゾモゾっと動いた。

 

 やばい!このままじゃ、起きてしまう!!どうする!?どうすればいい!?

 

 ーーーこうなったら、あれをするか・・・

 

「イメージ、開始・・・」

 

        《イメージ(自己幻覚)

 これは、僕が一回だけ漫画の原稿を落としそうになった時、現実逃避で作った技だ。

 これは幻術の改良版、簡単に言えば自分に幻術をかけて一種の幻覚状態を作り出す技だ。

 心頭滅却(しんとうめっきゃく)すれば火もまた涼し、という言葉があるように思い込みは下手な催眠よりよっぽど効くのだ。

 すなわちこれは、イメージ(自己暗示)の究極系。つまり、イメージ(自己幻覚)だ。

 

 

 

 

 イメージ、イメージしろ。

 この世の険悪を最悪を増悪を諸悪を、イメージしろ。

 この世界の失敗を、イメージしろ。

 神の過ちを魔王の体現を、イメージしろ。

 すべての憎しみを悲しみを、イメージしろ。

 イメージ、頭のすべてを使ってその光景を鮮明をイメージしろ。

 

 

 

 銭湯にいる、おっさん共を・・・イメージしろ。

 

 しゅん・・・(なんの音かは察してくれ)

 

 

「う、うぅん、あっ!要さん!おはようございます!」

「あぁ、おはようアーシアちゃん」

 

 アーシアちゃんがやっと起きた。

 厳しい戦いだった。

 泣きたい。

 

 (ちな)みに、お互いファミリーネーム(苗字)からファーストネーム(名前)で呼び合うことになった。

 

「ちょっと、聞きたいんだけどなんでアーシアちゃん裸なの?」

 

 僕がそう聞くと、アーシアちゃんの頭からプシューっと煙が吹き出る。

 

「要、おはよう」

「兄さん、おはよう!」

「あ、おはよう二人とも」

 

 紗凪と無限も起きたようだ。

 

「あれ?アーシアちゃん?どうしたの?」

「アーシア、蒸発、じゅ〜・・・」

「あう、あうあう・・・」フシュー

 

 二人とも止めたげて、アーシアちゃんのHPと服はもうゼロよ!

 

「はぁ、まぁ、いいか。三人とも朝ごはん作りに行くからどいて」

「はーい!」

「うむ」

「あぁうぅ・・・」

 

 蒸発中のアーシアちゃんは置いておいて僕はキッチンに向かう。

 

 

 

 

「兄さん!おかわりぃ!」

「我も、もう、一杯」

「はいはい、ちょっと待ってね」

 

 うちには女の子とはいえ育ち盛りが・・・あれ?無限は育ち盛りじゃないのか?

 

「要、我、年中、盛ってる」

 

 おい、頭に育ちを付けなさい!

 それじゃ卑猥に捉える人間が多いですよ!!

 

「アーシアちゃんはおかわり食べる?」

「あ、い、いただきます!」

「あ、そうだ。今日は少し出かけるから、留守番よろしくね」

 

 僕はおかわりをよそいながら言う。

 今日は出かける予定がある。

 

 『協会』僕が今から行くのはそこだ。

 アーシアちゃんの事で色々と聞かないといけないことがある。

 

「兄さん、どこに行くの?」

「それは・・・買い物・・・」

「要、何か、隠してる」

「い、いや、うしょついてにゃいよ?」

 

 完璧に誤魔化せた(確信)

 

(((兄さん《要》《要さん》嘘下手だなぁ・・・)))

 

 ※無理でした。

 

 

 と、いうわけでやってきました協会へ

 今は遠目で協会の様子を確かめている。

 

 気配的に人間が17人、人外が4人といったところか?

 人間の方は一人以外、特に警戒することもないだろう。

 

 問題は人外の方、アーシアちゃんの話から十中八九、堕天使だと思う。

 堕天使の戦闘力は未知数。

 見た感じの力量は弱い、だが仮に相手がこんな能力を持っていたとしよう。

 

 《力を悟らせない能力》

 《力の出し入れが可能な能力》

 

 これが可能ならば相手の力量は今僕が感じている力の最低数十倍だろう。

 それが四人、考えすぎかもしれないが能力が不明の敵に対して過剰に反応するのは悪いことじゃない。

 

 できれば穏便に捕まって欲しい。

 だが、それは無理だろう。

 

 でも、今回の問題はここを叩かないと解決しないだろう。

 とりあえず、一番警戒しないといけない人間を叩くか・・・

 

 

 僕は隠れていた木の陰から移動し協会の玄関を叩いた。

 なぜ、わざわざ表から行くのか?

 その理由は、《油断》だ。

 

 『敵がわざわざ表から来るわけない』

 敵はこう思うだろう。そこに油断ができればそれだけで先手を取れる。

 

 タッタッタと、足音が近づいてくる。

 

「はぁい、はぁい。どこのどちら様ですかぁ〜?」

 

 ふざけた感じでドアの向こうから返事が聞こえてくる。

 ドアがギーと開いた。

 

「いきなりですが死んじゃってちょ!」

「っ!?」

 

 ドアが開かれた瞬間、中から目のイカれた神父がでてきた。

 その神父は光の剣?のようなもので僕を切りつけてきた。

 

「いきなりかっ!」

「ひゃ!なにオレッチの剣避けちゃってんの?!大人しく切り刻まれなちゃい!」

「完全に予想外!ていうかいきなり切り掛かってきますか普通!!」

 

 僕は剣を避けるために後ろへ跳んだ。

 

「誰かしらなねぇでごぜぇますが!オレッチのライトセーバー避けるってことはだだもんじゃねぇにゃぁっがっ!??」

 

 僕は神父?の腹を蹴っ飛ばした。

 神父はそのまま後ろに吹っ飛び協会の中にあった石像にぶち当たった。

 

「ってぇなぁ!!このボケカスが!話の途中で攻撃するなってマンマに聞かんかったのかぁ!あん!?」

「すまない。足が滑った」

「そんな訳アルァカ!!!」

 

 神父はそう言うと僕に蹴りかかってきた。

 僕はそれを避け蹴りをかましてきた神父に《父さん直伝かかと落とし》を食らわせた。

 

「ぼげぇりゃ!??」

「なぁ、あんた此処に堕天使っている?」

「誰が教えますかっての!ほらさっ!!」

「っ!」

 

 まだ喋れるのかタフだな、と思っていると神父が懐から出した銃で撃ってきた。

 それを回避するために体をそらした瞬間、神父がフラッシュボムのようなものを地面に叩きつけその場から逃げた。

 

「あぁ、やられたな・・・ん?」

 

 頭をペシッと叩き、後ろを見るとそこには・・・




 文字数が多くなってしまったので前編と後編に分けます。

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