無限の龍と無神臓   作:超人類DX

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サクッとオデン様を直してさよなら

メインは……彼女さ。


夢と呪い

 ロリコンの定義って何?

 年齢が三桁でも足りない奴の見た目が餓鬼で、ソイツと一緒にただ居るだけでロリコンなのか?

 

 だとすれば冗談じゃない。

 良いか、俺の好みは色気ムンムンのおっぱいボインな女性か、もしくは同年代の女の子だコノヤロウ。

 

 故にロリコンじゃない……良いか、決して違うんだ。

 第一そう呼ばれる大半の理由となってるオーフィスはそもそも龍神で年齢なんて不詳の遥か歳上の超生物なんだぞ? ホラ、これの何処がロリコンだ。つーかそもそもオーフィス相手に欲情したことねーし。

 

 なのにクソの役にも立ちそうも無い隻眼のジジイは半笑いでロリコンとほざく。

 だからイラッとしてぶちのめしたんだし、大体神と名乗る癖にどいつもこいつも脆過ぎなんだよ。

 

 貧乳? ふん、そんな奴に発言権なんざねーよアホ!

 

 

「いやー正直色々とすまんかったの!」

 

「………」

 

「オーディン……」

 

「何せオーフィスを少女の姿にして共に居る人間が居ると聞いてての、てっきりそういう趣味――」

 

「もう片方の眼も永遠に使えなくしてみたいんだけど、アンタ的にどう思うよ? くたばりぞこないさん?」

 

「……。ほっほっほっ……そんな殺気立たんでくれ。

老体に堪えるからの」

 

「ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい! 私からキッチリオーディン様に言い聞かせますのでご勘弁してください!」

 

 

 正直な所、アザゼルさんのお願いでなければ永遠に壊れたまま朽ち果てろと思ってたオーディンなるクソ役にも立たなそうな神の一匹の身に叩き込んだ壊神モードのダメージを否定して逃がして元に戻した訳だが――えっと、誰だっけ? この護衛の女の子に簀巻きの状態で担がれて現れた時は神(笑)と笑ってやったわ。

 

 治した瞬間また調子乗りになったんでブッ飛ばしたくなってる俺に、ひたすら謝りまくってるのは実に可哀想なので何もしないで置くがよ。

 

 

「そんな謝られても……アンタ別に何もしてないし」

 

「い、いえ……実の所オーディン様をアナタ様がケタケタと嗤いながらタコ殴りにしている様を見てしまってましたので、そ、その……失礼ながら畏怖を」

 

「酷い護衛じゃい。護衛対象がやられているのに守ろうとせんからの」

 

「うっ……だ、だって……」

 

「護衛してもあの時のイッセーなら無差別に破壊してたから、お前の判断は正解」

 

 

 名前……まぁ、知らんけど、このヴァルキリーと呼ばれる護衛の人は実の所このくたばりぞこないを半殺しにした際にその場に居たらしく、俺のやり方に怖くなって護衛どころじゃなかったらしい。

 成る程ね、だから下水道から生還したんだこの役立たずは。

 

 

「……。お主、ワシの事嫌いか? さっきから役立たずだのくたばりぞこないだの……」

 

「俺からすれば事実だからな。それとも何だ? え? テメー自身は役立つ偉大な神とでもほざくのか? ん?」

 

「……………。いや、ホント冗談じゃなくあの時は済まなんだ」

 

 

 俺は嫌いな相手にはかなり露骨な態度になってしまう悪癖があるらしく、ゴミを見るような顔をする俺の表情を察した役立たずが平謝りしてきた。

 ジジイに謝られても一文の得にもならないので、許す許さない以前に金輪際そのツラを見せるなと言ったら、今度こそ黙ってしまったが、罪悪感なんてまるで感じない。

 

 

「真面目な話になるが、ロキがお主に世話になったらしいの……。お主の攻撃によるダメージが治らず、今も寝たきりじゃわい」

 

「ロキ……? あぁ、あの時のか。

何だ、ドブ川から生還できたんだな、アレも」

 

「ド、ドブ川……」

 

 

 半分に割って食べるアイスをオーフィスと分け合って食いながら、俺はこの前の事を思い出す。

 護衛の人がまたビクビクしだしたが……まあ、放っておく。

 

 

「正直ウチの組織内では、お主を躍起になって消したがる者がおっての。

まあ、ワシというサンプルによってその考えは殆ど消えてしまったので安心すると良いぞい」

 

「安心も何も、毒の無い雑草が道端に生えてるからといって、不安を感じるのか?」

 

「…………。実にお主の考えらしいの。確かに、我等の力を破壊するお主を傷付ける手段は我等には無いし、出来ることと云えばお主とオーフィスの行く末をただ眺める事だけだわい」

 

「……」

 

「欲を言えば堕天使の所と同じく、ワシ個人と同盟を結んで欲しいとは思っておる。

特典としてこのロスヴァイセを好きにしてもええぞ」

 

「はい!?」

 

 

 同盟? このくたばりぞこないと? ありえねぇわ……と真っ先に断ろうとしたが、その瞬間口にした特典とやらにちょっとだけ揺らいだ気がした。

 本人は生け贄にされたとばかりに役立たずを涙目で睨んでるけど。

 

 

「ちなみに生娘じゃぞい」

 

「な、何故そんな事を彼に!?」

 

「ふーん?」

 

「え、ちょ、ちょっと何ですか?」

 

 

 未貫通と言われて、特に何を思うわけでも無いが、俺は横から何か言いたそうな目で見てくるオーフィスの視線を感じながら……えっとロスヴァイセ? って人をジーっと観察してみる。

 

 ちょっとやかましいが、顔立ちも悪くないとは思う。

 体型も……まあ、うんって感じ? 少なくともあのひんぬー会長よかと比べたら失礼になるくらいには。

 だけど……うーん……。

 

 

「よく知りもしない人だし、そもそもイッセーレーダーが無反応なんでパス。

つーか、マジで嫌がってる子を冗談でも生け贄にしようとした時点でやはりアンタはクソの役にも立たないボケだと確信したわ――――今すぐ消え失せろ」

 

「ガーン……!」

 

 

 俺見て完全に怖がってる子に興味なんて無いからな。

 丁重にお帰り願ったよ……当然だろ? 何故かロスヴァイセって子はショック受けた顔してたけど、多分彼氏居なさそうなツラしてた事に関係があるんだと思う。

 

 

 

 別に使命という理由ではない。

 これは単なる私の意地なのだ……。

 

 

「近々リアスとレーティングゲームをするんですよ」

 

「はぁ……え、そんな事を言うためにわざわざ実家から?」

 

「暇な雌……」

 

 

 理不尽の塊である生意気な後輩を膝付かせるという目標の為に……。

 

 

「そもそもレーティングゲームって何だ? オーフィスは知ってるか?」

 

「知らない、興味も無い」

 

「ある程度の地位を持った悪魔達の中で行われる名の通りのゲームです。

眷属をチェスの駒に見立てて腕を競い合うんです」

 

「なるほど、人間将棋みたいなもんですねわかります」

 

 

 生意気で、理不尽で、誰に対しても同じ態度。

 更に言えば私に対して許しがたい侮辱の言葉を浴びせる不届きもの。

 貧乳だ貧乳だとヘラヘラ笑う彼の横っ面に何度張り手を食らわせてやりたいと思ったことか。

 

 

「じゃあ俺グレモリー先輩の応援しようかな。ボインは正義だし」

 

「………」

 

「お前イッセーと近い。もっと離れろ」

 

 

 ほら、今だってそうだ。

 あんな脂肪の塊の何が良いのか、リアスを応援するとニヤニヤしながら宣う姿は実に腹が立つ。

 無限の龍神――いや、オーフィスはオーフィスで私が彼に近づくと露骨に嫌そうな顔をしてくるし、本当に生意気だ。

 

 

「じゃあもし私がリアスに勝ったらどうします?」

 

「は?」

 

 故に私は思うのだ……この生意気で強すぎて北欧神話の主神クラスも叩き潰した男の子を征服してやりたい。

 

 

「勝ったら? 拍手くらいはしますよ多分」

 

「そうじゃなくて、アナタはリアスを応援するにBET

私は自分自身が勝つとBET……」

 

「え、つまり賭け勝負しろって事すか?」

 

「Exactly(そのとおりでございます)」

 

 

 ヘラヘラ笑うその顔を、私だけを羨望する表情に変えてやりたい。

 

 

「こうしましょう、もしもリアスが勝てば私はアナタの言うことを聞く」

 

「ふむ? で、ひんぬー会長が勝ったら?」

 

「そうですねぇ? 別に貧乳でも無いのに散々私を貧乳だ貧乳だと馬鹿にしてきましたし……」

 

「いや、アンタ貧乳だからね? 現実をちゃんと受け止め――」

 

 

 

 

「私が勝ったら、冥界に来て貰い、沢山の悪魔が見ている前で私の手にキスした後こう言ってもらいましょうか? 『今までソーナ様を馬鹿にしてごめんなさい、実は一目惚れだったので結婚して欲しいです』――と」

 

「…………は?」

 

「……………。我に喧嘩を売ってるなお前? 良いよ、買ってやる」

 

 

 自分のモノにして、永遠に傍らに置いておきたい。

 何時からか……いえ、確か彼の本性を知り、それに対する恐怖を乗り越えた時から思うようになってもう一つの私の夢……。

 

 

「私が聞いているのはオーフィス……貴女では無く一誠君です」

 

 

 夢というものは呪いと同じ。

 呪いを解くには、夢を叶えるしかない。

 けど、途中で夢を挫折した者は一生呪われたまま……。

 

 

「俺が勝った時との差が激しいな。

所謂公開処刑ってか?」

 

「どうとでも捉えてください……で、どうします? 自分より弱い、ちっぽけな悪魔の女からのささやかな挑戦を受けますか? それとも逃げますか?」

 

 

 だから私は呪いを解く為に、己の持つ全てを投じる。

 呪いをかけてくれた彼を――

 

 

「安い挑発だな残念体型会長。

が、乗ってやるよ……もし俺が勝ったらスッケスケのネグリジェ着て踊ってもらうぜ……ケケケケ! そして写真に撮って、物好きに高値で売ってやるぜ」

 

「イッセー! ダメ! こんな雌の話に――」

 

「ふ、問題ねーよオーフィス。

そろそろ俺もこの貧乳会長の似合わないキャラを壊して元に戻し、泣かせてやりてーから丁度よかったぜ」

 

「で、でも……!」

 

「決まりですね。

ではレーティングゲームを観戦できる様手配しますので、楽しみにしていてください」

 

 

 ワタシノモノニシテヤル。

 

 

 

「ではまた。

ふふ……ふふふ……この呪いだけは死んでも解く」

 

「お達者でー…………呪い?」

 

「………」

 

 

 マズイ。

 あの雌悪魔……やっぱり我の思った通りだったし、何より危険な事になった。

 満足そうな顔して帰った雌悪魔の匂いを一誠から消すためにくっつき、我の匂いで上書きしてやりながら我はグレートレッドに昔やられ掛けた時に感じた危機以上のものを抱いていた。

 

 

「一誠……賭けごと弱い。忘れたの?」

 

「…………………………………………あっ!?」

 

 

 そう、一誠は賭けが弱い。

 我と簡単な賭け事勝負に一誠が勝った事は208回中0

 最近はそういう事もしなかったので、一誠も忘れていたらしく……今になってしまったと顔に出てるが……我それ以上にあの雌悪魔に腹が立つ。

 

 

「やっべー……そうだった。俺賭けんのダメなんだった。

うわやっば……どうすっかな―――って、お前は何時までひっついてんだよ?」

 

「我の忠告を聞いてくれなかったから暫くずっと。

あの雌悪魔の匂いを付けるのは我絶対に許さない」

 

「あ、そ……どんだけ嫌いなんだよ。お前がそこまで嫌うとか、マジであの貧乳会長スゲーわ」

 

 

 ……いっそ消してやろうか。

 でも一誠が嫌ってる訳じゃないから、そんな事をしたら怒られちゃう。

 うー……やっぱりあの雌悪魔は嫌いだ。




補足
夢というのは呪いと同じ……

もう一つの夢と化した一誠に掛けられた呪いを解く為、覚醒寸前のソーナさんはヤバイぜ。
 







 ………………………。まあ、賭けに勝った際の話を切り出した事に対して、戻ったソーナさんは寝室のベッドで枕に真っ赤になった顔を埋めながら足をバタバタさせてたりしますけどね。

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