例の如く深夜テンションで執筆しました。少しずつクズ度を出すって難しいですね。
「このっ!このっ!」
「痛い痛い!やめろ!いややめてくださいお願いします!と言うかちょっと待て!俺がいなきゃ、湧き出るゾンビを倒す奴も居なくなる!それでも良いのか⁉︎」
「それは私が引き継ぎますので問題ありません。良かったですねぇ、貴方が生きた証は私がいる限り残るんですよ?あ、ごめんなさい。アンデッドなのでもう死んでるんでしたね。【ターン・アンデッド】!」
「ぎゃああああ!焼けるううううう!た、助けてくれえええ!」
「…………」
どうもカズマです。突然ですが、女神様が堕天しました。駄女神ならぬ堕女神です。
俺は、どうしたら良いのでしょうか。
《数時間前》
「『ゾンビメーカーの討伐』……ね」
「はい、私からしたらちょっと見過ごせなくて……」
キャベツの収穫クエストから1日、クリスがあるクエストを持ってきた。
『ゾンビメーカーの討伐』。町外れにある共同墓地にゾンビメーカーなるモンスターが出現し、死体がゾンビとなって動き始めているのでそれを退治してくれとのこと。報酬5万エリス。
「駆け出し冒険者向けの依頼ですし、アンデッドモンスターには私の回復魔法や浄化魔法がとても有効なので危険は少ないのですが」
「それは良いんだよ。でもなぁ……今受ける必要もないしなぁ。金は足りてるし」
「ちょっ……」
昼飯のハンバーグセットに付いてきたキャベツ入りの日替わりスープを啜りながら呟く。
昨日受けたキャベツの収穫で、俺は300万エリスもの大金を手に入れた。無論報酬はパーティメンバーと山分けなのだが(クリスが後方支援に付きっ切りで殆どキャベツを収穫していないため)、クレアの活躍もあり1人100万はゆうに超える金を俺たちは手にしている。
人間、急に大金が入ってきたら働きたくなくなるものである。実際にこの街の冒険者たちも、多くの臨時収入が入ったことでクエストを受けない者が多い。例の如く昼間っから飲んだくれている。
しかもこのキャベツ、経験値が詰まっていて、食べると経験値が入るという超便利食材だ。結局あのキャベツ収穫クエストはクレアが言う通り報酬が良く、味も美味しく、さらに楽して経験値まで手に入るという3倍美味しいクエストだったわけだ。
経験値はさておき、1人頭100万エリス以上の手持ち金。ゆんゆんは杖を新調し、クレアは武器と防具のメンテナンスを行ったらしいが、俺は無駄使いせず、この金でこの先3、4ヶ月は楽して生活する心算だ。ぶっちゃけ面倒くさいクエストなんて受ける気はない。
「ダメですよカズマさん!普段からお金が入ったら働かない生活なんてしていたら、本当にお金に困った時に頑張れなくなりますよ⁉︎それに貯金もしなくちゃいけないし、家を建てるための前金だって……」
「母親かお前は」
クリスは性格は最高なんだが、どうにも真面目すぎて口うるさい……
すると、クレアが口を挟んできた。
「おい、サトウカズマ。クリスさんの言う通りだぞ。普段からだらしないと、パーティメンバーの私たちまで低く見られるだろうが。大人しくクリスさんの言うことを……」
「うるせぇ!お前は黙ってろ!」
「ッ……ど、どなったって!わた、私は怖くなんか……うぐっ……」
「カズマさん!怒鳴るの禁止って言ったじゃないですか!ほら、大丈夫ですよー」
「グスッ……クリスさん……クリスさん……」
クリスの胸に顔を埋めるクレア。それはとても嬉しそうで……
「……なあクレア、にやけ顏が隠しきれてないぞ」
「⁉︎」
「カズマさん!クレアさんがそんな事するはずないでしょう!」
「あーハイハイ、もうそれで良いよ」
困惑するクレアは見飽きたし、クリスに睨まれてまでここで言うことでもない。良い脅しのネタを見つけただけの事だ。
「そんな事より、良いじゃないですか!行きましょうよ!」
クレアの新しい弱味を握った事は置いといて、クリスは俺を説得しにかかる。まさにアークプリーストの使命感に駆られたクリスが……
「アンデッドですよアンデッド!あんな
「「⁉︎」」
俺とクレアは絶句した。あれ?クリスはもっと女神らしい性格で……駆逐とか悪意のこもった話口調はしないはずで……
「ゆんゆんさんもそう思いますよね⁉︎」
「ええっ⁉︎私⁉︎ど、どうでしょうか……確かに不浄なモンスターであるアンデッドは、クリスさんからしたら許せないでしょうけど……」
「そうですよ!この世の理、ひいては神に背いた不浄な存在なんてこの私自ら全て消し去ってやりますよ!」
「そ、そうですね……素晴らしい心構えだと思います……」
ゆんゆんが勢いで押されるのはいつものことだから良いとして、クリスが勢いで押し切るなんて強引な事をするのは見た事がなかった。それだけに、今更になって気付く。
「クレアさんも私に賛成なんですよね?」
「え、あ、ああ。勿論だ」
「ほら、まだ渋ってるのはカズマさん1人ですよ!多数決的にも、行く事は決定ですからね!」
「わ、分かったよ……」
このパーティ、クリスに逆らえる奴が1人もいねぇ!
そしてゾンビが活動を始める夕方、ゾンビメーカーとやらが出没する墓地に着き、俺が【敵感知】スキルを発動すると予想外に多いゾンビの数。それを不審に思い近付くと、狭い墓地の中心には黒い鎧を着込んだ男が仁王立ちしていた。
それを見たクリスは目を見開き、まだあっちが俺たちに気づいていない事を確認すると、クリスは不意打ちに一撃。
「【セイクリッド・ターン・アンデッド】!」
……いや不意打ちと言うにはとんでもなく派手だった。クリスの足元と墓地全体に巨大な光る魔法陣が出現し、巨大な光が墓地全体を焼き尽くす。
「え、ちょまっ……ぎゃわあああああああ⁉︎あーっ、が、ぐあああああ!」
俺たちがポカンとしていると、クリスがとてもイイ笑顔でこう言う。
「カズマさん、大物です!デュラハンですよデュラハン!」
……そして、今に至る。
「まっ、待ってくれ!俺にはやる事があるんだ!奴を見つけるまで俺は絶対に死ねないんだ!これでも俺は人間を殺した事はないし、自分に立ち向かってくる奴以外と戦うこともない!だから」
「あ、やめて下さい。アンデッドの言葉なんて聞いたら私の耳が腐るじゃないですか。【ターン・アンデッド】」
「ぎゃあああ!待って!お願いします!何でもするから、お願いだから話を……」
「黙ってろ腐れナメクジが。貴方みたいなアンデッドがこの私に命乞いなんて片腹痛いんですよ」
「「「…………」」」
こ、怖え……クリスが女神じゃない……心なしかクリスの周りに何かドロッとしたオーラが見える……
「な、なあクリス……その人、えーと、デュラハンだったか?そんなに言ってるんだし、少しくらい話を聞いてあげても……」
俺の言葉を受けてこちらを振り返ったクリスの顔に、全員がビクッと身体を震わせた。
「ハァ?何を言ってるんですかカズマさん。頭がイカれたんですか?」
「いや怖えよ!クリスお前普段そんな感じじゃないだろ!幾ら敵がアンデッドだからって……」
クリスがデュラハンから目線を外した所を見計らい、デュラハンが俺の後ろに回り込んで俺を盾にする。
「ほ、ほら!お前の仲間をそう言ってるんだし、俺は
デュラハンはそんな事を口にする。人殺し扱いという言葉に俺は疑問を抱く。
「は?人殺し扱い?どういう事だ?」
「やはりお前は知らないか。冒険者カードだよ。俺はベルディアという名前があって、仮にお前が俺を倒したとなると、冒険者カードの討伐したモンスターの欄には『デュラハン』ではなく『ベルディア』と表示されるんだよ」
……へぇ、モンスターにも名前を持った奴がいるんだな。
「……それが何か?」
「俺は今まで1人も人を殺した事がないし、害を与えた事もないから指名手配もされていない。そんな俺を倒したら冒険者カードにベルディアの名前が出て、お前らはベルディアという、人の名前の付いた何かを殺した事になるんだぞ?普通に人殺しの疑いをかけられる!
どうだ?流石に人殺しの疑いをかけられるのは不味いだろう?」
……確かに、理屈は通っている。流石のクリスも人殺し扱いされてまでこのベルディアというデュラハンを消滅させる事は……
「知りませんね。そんなもの、貴方の身体の一部でも切り取ってから持っていけばいいじゃないですか」
「え⁉︎いや、待ってくれ!殺されるのは良い、俺だって自分がアンデッドだと言う自覚はある。
だが、少し待ってほしい。ある事情があり、俺はまだ死ぬわけにはいかないんだ!」
……普通に消滅させようとしていた。
それはさておき、現在土下座してクリスに頼み込むベルディアは何か事情があるようだ。
今まで心優しく慈愛の精神を持って全てを包み込む完璧な女神だと信じていたクリスが今こんな事になっているので、何となく優しい気持ちになり、ベルディアの話を聞いてあげたくなった。
「な、なあクリス。話だけでも聞いてやろうぜ。もしかしたらいい奴かも……」
「おお!ありがとう心優しい少年!」
助かるかもしれないと喜ぶベルディアをよそに、クリスはとても嫌そうに顔を顰める。
「ハァ?そんなわけ無いでしょうが。どうせ時間稼ぎですよ。アンデッドですよ?さっさとそこをどいてください。ターンアンデッド喰らわせますので」
「うっ……」
「が、頑張れ少年!」
俺もろともベルディアを威圧しながら話しかけて来るので、怖くて何も言えなくなる。捨てられた子犬のような目をしたベルディアが助けて欲しそうにこちらを見ているが、俺には何もできないんだ……
「すまんベルディアさん……諦めてくれ」
「どうしてそこで諦めるんだ!できるできる絶対できる!諦めるなよ少年!」
「さすがカズマさん、聞き分けが良くて助かります。ほら諦めなさいクソデュラハン」
「ちょ……」
「あ、あの……待ってください……」
「!」
今にもベルディアが消されようとしている時、か細い声を上げたのは何とゆんゆんだった。これにはベルディア以外の、ゆんゆんの性格を知っている全員が驚いた。
「話くらい聞いてあげてもいいんじゃないですか?その、クリスさんなら何時でも倒せそうですし……話を聞いてからでも……私たちにできることもあるかも……」
「……」
「ひっ……そ、その……無理にとは言いませんので……」
クリスはゆんゆんを冷たい目線で見つめ、ベルディアと何度か見比べた後、諦めたように息を吐いた。
「はぁ……いいでしょう、話しなさい。ただし時間稼ぎをしている様であれば……」
「あ、ありがとう!そこの魔法使いの少女、感謝する!」
ベルディアの表情が明るくなる。しかし何故ゆんゆんがそんな事を……
疑問に思い、ゆんゆんに小声で尋ねる。
「なあゆんゆん、何であいつを助けたんだ?こう言うのもなんだが、お前はそんな性格じゃ無かったと思うんだが」
するとゆんゆんは辛そうな表情をした。何か聞いてはいけない様な理由があったのだろうか。
「……大した事じゃありませんよ。可哀想でしたし、話くらい聞いてあげてもいいんじゃないかって思っただけです。それに……」
ゆんゆんの表情が一層重くなる。
「……似ていたんです、あの人が。私の初めての友達が死んじゃった時の姿と重なっちゃったんですよ……あの、サボテンが枯れていた時の姿と……」
「お、おう……そうか……」
やっぱり聞いちゃいけない話だった。
「本当に、初めての友達で……私がはしゃいじゃって……それで、水をやり過ぎて……根腐れして……ぐすっ」
「わかった、もういい。運命だったんだ、ゆんゆんは悪くないさ」
因みに、根腐れしたサボテンはすぐに根っこの周りを切り取って乾燥させれば次の根っこが出てくるので、根腐れしてもそれだけで死んでしまったわけではない。砂漠で生きるためなのか生命力が高いので、ほっといて根腐れの原因である菌が全体に回らなければ何度でも蘇るのだ。
後でゆんゆんに教えてあげよう……
そして、遂にベルディアが語り出した。
「実はな、この共同墓地には俺の剣の師匠が眠っていたんだ。優しい人でな……ジジイになるまで、ずっと俺の事を気にかけてくれたよ。
そして、此処には若くして死んでしまった妻が眠っているといつも言っていて、ちゃんとした墓を建てる金くらい持ってたくせにこの共同墓地に入ったんだ。
俺は止めたが、師匠は譲らなかった。俺もよくは知らないが、何か思い入れがあったんだろうな」
懐かしそうな顔をして優しい声で語るベルディアは、どう見てもアンデッドには見えない。黒い鎧に全身を包まれている事もあるだろうが、それでもこんな顔で語るベルディアをアンデッドだとはとても思えなかった。
「……だが、此処は共同墓地だ。この街のプリーストは拝金主義で、金の無い人が眠るこの墓地にはゾンビが湧く事がある。まあ師匠と奥さんは金はあったから大丈夫なんだが、大事な師匠がいる墓地にゾンビが湧くのも気分が悪い。
だから、あるプリーストにゾンビ封じの結界を張って貰い、俺がたまに魔力を注いでその結界を維持していたんだ。それは一度死に、デュラハンになった後も変わらなかった。
あ、因みにこの墓地にいたゾンビはみんな俺がデュラハンのスキルで生み出したものだ。誰もこの墓地に入れるなとは命令してあるが、人は襲わないしこの墓地から出るものもいない」
「……プリーストじゃ無いベルディアさんでも結界の維持は出来るもんなのか?」
「出来るような結界を張ってもらったさ。そりゃあえげつないくらい金は毟られたがな……
まぁ、それは良いんだ。俺はそんなこんなでアクセルの街に住んで偶に墓地の結界に魔力を注いで……」
「はぁ⁉︎」
此処まで大人しく黙っていたクリスが急に声を上げた。
「アクセルの街に住んでたですってぇ⁉︎貴方みたいなアンデッドが……」
「ああもう!クリスはちょっと黙っててくれ!話が進まない!」
「でもカズマさん!病気のリスクが!」
「ま、まあまあ……確かにアクセルの街にアンデッドが住んでいたというのは受け入れ難いですが、何も事件を起こしてない証拠でもありますし……」
怒鳴るクリスをクレアが止める。
「ぐぬぬ……それで⁉︎」
「あ、ああ……とにかくそんな生活を送っていたんだが……ある日、結界が破壊されていたんだ」
とても悔しそうな顔でベルディアさんは語る。
「結界が破壊され、更にどうやったのかは不明だが神聖属性の気が墓地内に入らないようにされていてな……ゾンビが湧き出し、墓地にゾンビが蔓延っていた。
ある事情で遠出していた俺は戻ってきた時驚いたよ。ゾンビ化はしていなかったとはいえ、師匠の墓も破壊されていたからな。そしてやり切れない怒りが俺を支配して……あの時の俺は荒れていたな。ああ、勿論人間には手を出していないさ。本当だ」
拳を握りしめ、声に怒気を含ませ語るベルディアさん。それにひきかえ俺は嫌な予感がして、何となく冷や汗をかいていた。
「……過去の記憶があるのか、それとも力が無いからなのかは知らんが低級のゾンビほど墓場からあまり動かないものだ。
だが、神聖属性の気が断絶されて力を増したゾンビは墓場の外にも出て行き、更に何をトチ狂ったのか、犯人は墓地からゾンビを追い出して人を襲わせていたらしく、近くの森にはゾンビ被害が出ていた。
その時は街のアークプリーストがそのゾンビを退治していたらしいが、一体誰が墓地にそんな事をしたのかはわからないままだ」
そしてベルディアさんは決意に満ちた目で俺たちの方を向き、こう言い放った。
「犯人を捕まえて、何でこんな事をしたのか吐かせなければならない。罪を償わせなければ気が済まない。……犯人は僧侶職のような力を持っている事は分かっている……だが、そんな奴が何でこんな事をしたのか、意味が分からない。単に快楽目的なのか、それとも本当に頭がおかしいのか……
それに、犯人が人間だったら俺は容赦なくそいつを殺すだろう。そしたら俺は、正真正銘、唯のモンスターに成り下がってしまう。だが、そうなってしまったら俺は自ら命を絶つ覚悟だ!
お願いだ、犯人を捕まえるまでは俺を見逃してくれ!奴にこの手で罪を償わせなければ、俺は死ねないんだ!頼む!」
両手をついて頼み込むベルディアをよそに、俺たちのパーティは全員が同じように顔を引きつらせ、冷や汗をかいている。それはクリスも例外では無い。寧ろ1番ヤバイ顔をしている。
「なあ、クリス。ちょっと、良いか?」
「は、はい……」
ベルディアを待たせ、その場から離れてクリスに問う。
「なあ、あいつは本当に悪い奴か?」
「えっと、その、でもアンデッドですし……」
「コレはお前の身内が蒔いた種だ。そうだろ?悪いのはベルディアさんか?それともお前の先輩のあの駄女神か?」
「……それは、その」
「ベルディアさんをどうするんだ?」
「…………見逃し、ます……」
冷や汗をだらだらと流しながら、クリスは引きつった顔で頷いた。
そして俺は、次の話に移る。
「……でも、これは事件じゃ無い、事故だ。あの駄女神は別に悪気があったわけじゃ無い。単に頭が足りなかっただけなんだ」
「え?いや、それは……」
「情状酌量の余地はあると俺は判断した。幾ら何でも女神が殺されるのは不味い気もするし、此処は穏便に……な?わかるだろ?」
「え、ええ?でもそれは流石にベルディアさんが可哀想っていうかその……」
「黙って頷いとけ」
「……は、はい……」
「よし、戻ろう。クリスは何も喋らなくていい。話し合いは俺が全部済ませる」
クリスに口止めをし、ベルディアさんの元へ向かう。ベルディアさんは覚悟を決めた目をしていた。
「……話は終わったのか」
「ああ。ベルディアさんが犯人を捕まえるまでは、手を出さない。クリスにも説得をして、納得してもらった」
「……え?」
「あ、ありがとう少年!君は命の恩人だよ!」
喜ぶベルディアさんを尻目に、疑問符を浮かべるクリスを目線で黙らせる。
「気にしないでください。悪いのは全部犯人ですから。あ、ぼくはサトウ・カズマって言います」
「本当にありがとう、カズマ君!実は俺はアクセルの街で魔法具店を営んでいるんだ。魔法がかかった武器や装備も取り扱ってるし、来てくれたらサービスするよ!」
「あ、本当ですか?いやそんな悪いですよ〜」
「遠慮するなって!何なら剣の稽古を付けてやろうか?」
「剣の稽古もいいですが、それよりぼくはデュラハンのスキルが気になるなぁ。普通じゃ覚えられないし、強そうだもん。あ、ぼく冒険者職なんで一応覚えられるんですよ〜。教えてくれたら助かるんですけどねぇ」
「なんと、デュラハンのスキルを⁉︎すごい発想力だ、カズマ君は大物になるよ!勿論喜んで教えてあげよう!今度ウチの店に来るがいい!」
「えー本当ですかぁ?やったぁ、嬉しいなぁ」
クリスだけではなく、ゆんゆんとクレアも唖然として俺の方を見ている。
あの疑うことを知らなそうな3人には、今すぐドヤ顔をして、こう言ってやりたい。
『コレが世渡りだ』ってね。
ベルディアさん「ウィズかと思った?残念!俺でし……うおっ⁉︎なんで本気で魔法を……ゆんゆんの時はもっと優しかったろ!ちょ、やめ、ヤメロォー!」
ウィズは昔結構ヤンチャしてた……昔の渾名は『氷の魔女』……
こんな美味しい設定使わないわけ無いじゃないですか!