何か色々迷って書き直してたら時間が立つのが早いですね。
それでは更新再会します。どうぞよろしく!
縄張り。
自然界に身をおく者なら誰しもが持つ生活スペース。
獣も鳥も人間も縄張りを持ち死守することが生きていく上で重要な役割を持つ。ただ誰しもが持つそれは個体差、または種族によりその性質が大きく異なる。
例えば人間でもぼっちとリア充では同じ学校の中でも生活環境はまったく違う。
本来自分用に支給された机も昼休みになればリア充に占拠されるし、グラウンド教室踊り場などの日当たりがよく過ごしやすい場所は軒並みリア充の縄張りだ。
逆にぼっちの縄張りはリア充と違い場所に依存するのではなく条件により変わる。
リア充のいない場所=ぼっちの縄張り。ただし、リア充がやってくるたびに場所は変わる。
学校と言う小さなコミュニティーの中ではぼっちの立場は弱い。なんせ奴らは常に5,6人の群れで行動し、君1人なんだし場所譲ってくんね?とか平然といってくる。
数の多さがそのまま正しさに変換される民主主義の中でそういわれては断ることは難しい。いや無理だと言える。
だが、勘違いしないでほしいのはリア充のいない場所といってもそれらすべてがぼっちの縄張りでは勿論無い。トイレの個室、屋上や校舎裏、空き教室に部室などぼっちでも近づかない場所は多く存在する。
今私が歩いてる特別棟もそれに分類される場所だ。視聴科室や文化系の部室があり用が無いのならリア充ですら近寄らないまさに特別な棟である。
平塚先生ときゃっきゃウフフと楽しいお・は・な・しをしていたが最終的に私の処遇は作文の書き直しとペナルティーの奉仕活動をすることで収まった。そのため職員室から特別棟にナウなのである。
強制なのに奉仕活動とはなんたる矛盾かと思いもしたが細かいことはいーんだよ。じゃないと先生みたいに行き送れるぜ。ゴホンゴホン。本人に聞かれたら殴られるねこれは。
私も色々と先生には迷惑をかけたし(セクハラ的な意味で)多少のことなら目をつぶりキス顔するのもやぶさかではないけど1つ問題があるとすれば。
「何をするのかまったく聞いてないんだよねー」
奉仕活動といっても色々あるし雑用の手伝いから肉体労働とか。そのほか奉仕活動って言われたら・・・
「はっ・・・まさか指定の場所に行ったらヤンキーに囲まれエロい事をされるのでは!」
エロ同人みたいに!!
・・・・まぁそれはないんだけどね。仮にヤンキーがヤンキー(♀)だったらありだけど。
先生がいれば直接聞けるのにあの後すぐに先生はどこかに行っちゃたし。つまり。かなり暇だ。
八幡は寂しいと死んでしまうのに先生は何を考えているのやら。
ぼっちだから常に1人だろって?・・・・そうですね。むしろ1人でいる方が基本は好きですよ。ただ、ちょっと想像してみてほしい。
コツコツと足音が反響する廊下に、水滴が不規則にポツン、ポツンと響く水道。夕日に照らされ間延びした長い影。夕暮れ時の学校の不気味で不安感を助長させるなんともいえないノスタルジック。
こんな所に1人でいたら流石のエリートボッチも誰かと一緒にいたくなる。女の子なので幽霊や怪談は苦手である。猥談は好きだけど、女の子だもん。
霊感は無いほうだけどよく幽霊や某有名な井戸の人に間違われる私としては不安なわけですよ。あっちの人達?に仲間と思われ連れて行かれないかってね。
生身の人間には排斥され、生身が無い人らには仲間にされるって、私の人生どんだけハードモードなんだよ。今更だけど。
でも、安心してほしい。なんやかんやで一番私が怖いのは死んだ人間よりも生きた人間なのである。
・・・・安心できる要素が1つもないと逆に安心できない?
できないな。うん。
・・・・・それな話をしてると本当にくるとかいうし話を変えよう。
結局奉仕活動とはなんなのか。普通に考え雑用。プリントのホッチキス止めとか整理とかだ。
もっともイヤなのが肉体労働。中学3年間帰宅部エースとして過ごした私にはもっとも辛い苦行。体力なし筋力なし持久力なしの夜道で襲われたら絶対逃げられない系タイプのJK。それが私だ。
どっちにしてもめんどくさい。
本当ならばっくれたいがそれだと後が怖いし。
私がどれだけ反省してるか丁寧に教えてあげたのにまったく相手にされなかったし先生には慈悲の心が足りないと思う。だから結婚できないんだよ。
このまま行くと私がもらってベトナムだかどこかで挙式を上げるバットエンドになっちゃうので誰かもらってあげて。
あの残念な女教師に祝福を!
ちなみに女教師の読み方はじょきょうしでは無くおんなきょうしなのであしからず。そっちのほうが響きがエッチだしなんとなくパトスが高ぶるのでここは譲れない。絶対にだ!!
そうこうくだらない事を考えているうちに先生に指定された教室の前に到着した。怖さを克服するのは希望や友情ではなくエロスである。新たな哲学がここに誕生した瞬間であった。本当にくだらないな・・・・。
その教室は他となんら変わらないけどプレートに何も書かれていない。準備室や倉庫でないことから肉体労働の線は消え安堵するが、じゃあ何なんだと疑問もわく。そんな少しの違和感を感じながら扉を開けるとやはり中は普通の教室だった。
後ろに積み上げられた机や椅子から物置として使用されてる風だけど普通の教室だ。ただ1つを除いて。
窓からさす夕日を浴びる人影。
潮風にゆらゆら揺れる黒髪。
まるでどこかの漫画で見たように1人本を読む少女。現実味すら感じられないそれは不思議なほどにある事が普通のようで非現実的だった。
少女の可憐な姿は、思い描いたどこかのヒロインのようで一目見たその時から私の心は惹きつけられた。
「どちらさま?」
入り口の前でポケーとしていた私に気がついたのか少女は本を閉じ話しかける。
想像していたよりも冷たい印象の声。でも想像通りの綺麗で澄んだ声。
「・・・・」
その声を聞きようやく私は彼女が現実にいるのだと確認した。だが、それがいけなかった。
考え事に脳が使われとっさに彼女の問いに答えることができない。
「・・・・どちらさま?」
案の定つづけて同じ言葉がとんでくる。さっきより心なしか低い声で、疑心に満ちた視線をそえて。
とにかく何か話さなければ。とりあえず、アレだ・・・・そう自己紹介だ!
「ひゃ、ひゃい!ひひきたにハチマンでひゅッ」
「・・・・」
・・・・何か今聞くに堪えないかみまくりを通り越した噛み倒しの自己紹介が聞こえた。というか私だ。
ある意味当然であり必然だろう。
だって私はあらかじめある事が分かっているクラス替え初っ端の自己紹介ですらまともにできないコミュ障だぞ。そんな私が突然エンカウントした美少女相手にまともな挨拶をする奇跡が起こるはずがないじゃないか・・・・。もうみんな死ぬしかないじゃない!!
なんだろう、今ならマミさんとうまい紅茶が飲める気がするよ。紅茶よりもマッ缶派だけど。コーヒー派じゃないマッ缶派だ。ここ重要だから。
「・・・・貴方大丈夫?」
今すぐにでもおうちに帰ってベットの中で1日中悶えたおしたいくらの醜態を晒した哀れなぼっちに少女は優しげな微笑を向け、気遣ってくれた。
もし私が男だったら出会って3秒で惚れて告白して振られるところだ。振られるの前提かよ。いや、出会って3秒で告ってくる奴なんて普通にごめんなさいだね。
「呂律が回っていないし、顔も酷いありさまよ。目なんて肥溜並みに腐っているし何かの病気かしら・・・・保健所に連絡しましょうか?」
危うくチョロインの称号を得てしまうところだった私に彼女は笑顔を向ける。・・・・笑顔でとんでも無い事をいいやがる。
顔が酷いありさまってなんだよそこは顔色でしょとか、初対面。それも女子の見た目を比喩するのに肥溜めなんて言葉をチョイスするなとか、病院じゃなくて保健所・・・・?私は人間だよ?貴方に私はいったい何に見えてるのとかツッコミどころが多く、むしろツッコミどころしかない彼女の辛辣すぎる言葉に私は一言だけ言葉を返す。
自爆&追い打ち死体蹴り状態で心がぼろぼろになりつつ震える唇を引き締めていった。
「・・・・け、結構です」
えー。ていうか・・・・えー・・・?
これがさっきまで幻想的だった少女と同一人物ですか?
なんか色んな意味でショックすぎて消化不慮だよ。その上デンキショック受けた上でかみなりと10マンボルトくらったくらいのダメージなんですけど。水タイプなら余裕で戦闘不能だよ。
「そう、じゃあお帰りは回って右よ。迷わないようにね」
いやいや迷わない。迷わない。
距離にして2メール。道順にして真っ直ぐの場所で迷う奴とかいないから!?
つーか何もしないうちから帰れって酷すぎるよ!自己紹介が酷すぎる私が言えた事じゃないけどさ!
「いやあの・・・私平塚先生に言われてきたんですけど・・・」
「先生が?私は何も聞いていないわよ」
コテンと首をかしげる仕草が可愛い。
待て、落ち着け私。騙されるな!!そんな見た目の可愛さに惑わされるんじゃない。
お、落ち着いて話し合えばなんとかなる。・・・あ、これ駄目なフラグっぽいな。
「仮に先生自身が貴方を連れてきたというなら分かるけれど、先生がいないならそれを裏付けることは不可能よ」
すごい笑顔です。はい論破やドヤァーてう効果音が似合いそうなすごい笑顔ですね。
というか私の発言はいちいち裏付けがないと信用されないものなのでしょうか。
「先生は私用で。もう少ししたら来ると思うんだけど・・・・」
「私用?いったいどんな用で貴方みたいな人を私に押し付けたというのかしら?」
口を開くごとに毒やら棘を投げつけてくるなこいつ。
私みたいな人ってなんだよ。人は見かけによらないって習わなかったのかよ。つまり見た目は割りとアウトって事だな。いい加減にしないと泣くぞコラ。自虐で泣くぞコラ。
それはそうと先生の私用。本人は口外してないけど私はそれを知っている。簡潔に完結に言えば『ブラ』だ。より正確に言えば『ブラのフォックを直してる』だ。
前提として女は常日頃からブラジャーなる下着を常備している。今時小学生でも知っている常識だろう。
このブラジャーには色々な効果があり敏感な肌部分と衣服が擦れないようしたり、運動や日常生活で邪魔にならないように留めておいたりする他、上級者になれば自分の為ではなく相手のために紐のような物を使う人もいるらしい。エッチなお姉さんとか出会いを求めるのが間違ってるダンジョンの女神様とかね。
私や私の妹のように慎ましやかなお胸の子には理解に苦しむが、世の女性それも先生ほどの年齢の方々はブラ1つでも中々大変なのだ。そう遠くない将来にハリが無くなる体のためにケアは欠かせない。
日ごろ大乱闘スポブラシスターズをプレイしてるのでその辺良くわからないが兎に角めんどくさいと寄せて上げるタイプを使ってる母親が愚痴っていた。
愚痴るくらいならやらなければいいじゃんたいした大きさも無いんだしと進言したら叩かれた上に小遣いが減らされた。解せぬ。
大人の女性にとってそれだけブラ事情と言うのは切実な問題なのだ。
ブラがはずれた(私が外した)先生が1秒でも早く直したいと思うのは至極当たり前なことで、備考するなら先生の今日のスタイルは体のラインがくっきりぴっちりしてるスーツタイプ。腕をもぐらせその場で直すのは困難な服装である。
故に先生の行動を推測するなら私と別れた後、保健室や更衣室で外れたブラジャーを直すため衣服を脱ぎ元に戻しているのだろう。
ただここで1つ問題がある。
目の前で訝しげに私を見つめる毒舌美少女の存在だ。
仮に私が素直に話したら・・・
『先生なら今外れたブラジャーなおしてるよ』
『?なぜそんな状況になったのかしら?』
『私が外した!』ドンッ
『通報しました』
なんて流れになりかねない。少なくとも今までよりも酷い罵詈雑言を浴びせられるのは確定事項だろう。
私が美少女の罵倒で喜ぶMなら良かったのだが、生憎私の性癖は周りからはMっぽく見られているが実は隠れソフトSなのでそれも望めない。なんだこのめんどくさい女は。私か。
事実を言えばアウト、だからといって嘘を言っても恐らくアウトだ。
彼女の事なんて知らないが自分の事は良く知っている。私は嘘をつくのが苦手だ。人を騙す嘘なら一流の手品師のようにタネも仕掛けもなくできるが自分を擁護する嘘は小学生並みに下手。なんだこのめんどくさい女は。私か。
ならば、事実を話しつつ嘘のない範囲で現実を曲解させるしかないだろう。
「先生は人気の無い場所で服を脱ぎ、人には言えない事情に勤しんでいるところだよ」
「・・・・は?」
美少女にあるまじき口をポカンとあけ開く彼女の姿を見て内心ガッツポーズをする。
べ、別に開いた口に欲情したわけじゃないんだからね!確かに美少女が口を開く姿はエロいしソーセージとかチョコバナナとかねじ込みたくなるが今は関係ない。
表情から分かるように彼女は突然の平塚先生の痴態を知り思考が停止している。これでは追求はできないし通報もできない!
自分の罪状を隠せた上に美少女の貴重な顔も拝見でき嘘も言っていない。
なんだなんだこの完璧な状況は。
まさに八幡大勝利である。
「アホか―――――――――――――――ッ!!!」
「ぐふッ!?」
が、現実は甘くない。
突然後頭部に受けたこの衝撃ほど甘くない。つーか痛い!
「アホか馬鹿なのか!それとも変態か!?いいや間違いなく君は馬鹿な変態だ!」
振り向けば顔を赤面させ胸を上下に揺らす平塚先生の姿があった。
「いっつ・・・・ちょっと先生いきなりなんですか!体罰ですよ体罰、流石の私も怒りますよ!」
「怒っているのは私のほうだ!」
涙目で抗議するも逆に怒られるなんたる理不尽。
「なんで私がその・・・変なことをしてるみたいに言ってるんだ君は!」
「でも何も間違った事は言ってませんよね」
規則正しく上下する先生の胸を見ながら確認する。見た感じちゃんとブラは直っているようだし私の推測は何も間違っていないことの証明だ。
「故意に事実を改竄する事は嘘以上に質が悪い!」
それを言われるとぐうの音もでないのが痛いところ。私が間違ったことを言っていないのに比べて平塚先生は正しい事を言っている。
「でもだからと言って体罰はいけないですよね?暴力教師」
私のターン。体罰、暴力を召還しPTAを場に伏せる。フィールドカード学校の効果により体罰と暴力の攻撃力が倍になる。平塚先生にダイレクトアタック。
「むしろ私は名誉毀損で君を訴えたい気分だよ。セクハラ女子高生」
しかし、先生は伏せてあったトラップカード国家権力を発動。私のフィールド上のすべてのカードは墓地に送られた。
「・・・・ま、まぁ私も悪いところがありましたしここはお互いお相子という事で」
「小心者か!・・・・まぁいいだろう。だが次はないと覚えておきたまえ」
ギロリとものすごい眼光で睨まれ蛇に睨まれた蛙のように縮こまる。
ふぇぇ・・・・平塚先生には勝てなかったよ・・・。
「平塚先生。2人でじゃれあってないで色々と説明してもらえませんか?」
私の敗北という名の和解を遂げた時、この場にいるもう1人の少女が若干不機嫌そうにこちらを見た。
「雪ノ下。私達は別にじゃれあってるわけじゃない。それどころか私にとっては社会的に死活問題であってだな」
「どうでも構いませんので、そこにいる目の腐った人?はなんですか」
目の腐ったは100歩譲って受け入れよう。事実だし。でも人の部分に疑問符がついてるのは受け入れられない。むしろ返品する。これでもちゃんとした人です人間ですホモサピエンスです。
たとえ目が腐って猫背で後ろからドロローって音が鳴っていても私は人間だ!
・・・・あれ?これ人間かな?
ゾンビとかお化けに近くない?
「どうでもいいって・・・・彼女は比企谷。入部希望者だ」
私が自分の存在に疑問を持っている間にも先生と雪ノ下さんの話は続き、自分の死活問題をどうでもいい呼ばわりされた先生はテンション低めに私を紹介した。
そのまま先生に促され私も軽く会釈する。このまま自己紹介をすればいいのだろうか。
「えーと2年F組の比企谷八幡です」
そういえば私達は自己紹介すらしてなかったと今更ながらに気がつく。流石私、安定のコミュ障だね!
「・・・・2年J組雪ノ下雪乃よ」
雪ノ下さんは酷く不本意であるように言った。その反応に私は酷く不本意である。
それにしても先生が雪ノ下と呼んだ時から薄々気づいてはいたがやはり彼女はあの雪ノ下のようだ。
進学校である総武校の中でも一般生徒と一線を引く存在国際教育科。雪ノ下のいるJ組だ。クラスの9割を女子が占め否が応でも目立つそのクラスの中にあってさらにさらに他の追随を許さない超有名人それが彼女雪ノ下雪乃である。
周期テストは常に学年1位でありその見た目の美しさも相まって今や学校中で彼女の存在を知らない者はいない。
ぼっちの私でさえ風の噂で彼女の存在を知っているほどだ。
そんな学校一の有名人と生で会ったことに驚き、そんな有名人のきつ過ぎる性格に驚き最後に先生の言葉にも驚いた。
「・・・・ていうか入部ってなんですか?」
なんかさらっと言ってたけど私が入部希望者ってどういうことだ。帰宅部にだったらもう入っているしアンダーグラウンドに存在するという雪ノ下ファンクラブに入るつもりはありませんよ。
「君にはペナルティーとしてここでの部活動を命じる。異論反論異議質問疑問抗議口答え言い訳屁理屈は認めない。少し頭を冷やして反省しろ。・・・・それと、目上の人に対する態度と同性間における適度な距離感についてよく考えるように」
怒涛の勢いで物申す姿勢に異議ありと叫ぶことすらできない。
でも後半は考えるだけでいいらしいので改善はしない。質問できないので確認は取りませんが私の自己判断でそうします。
「というわけで雪ノ下。彼女は見ても分かると思うが、見た目以上に問題を抱えている問題児だ」
「やだな先生褒めないでくださいよ」
「・・・性格も捻くれてるし、そのせいで友人と呼べる相手が1人もいない。人との関りを経験すれば少しはまともになるだろう。こいつを置いてやってくれ。彼女の問題だらけの性格と人格の矯正、または更正が私からの依頼だ」
嵐を呼ぶ問題児のように照れながら頭を搔いてみるが無視された。というか性格と人格変わったらもうそれただの別人ですよ。
「それなら先生が殴るなり蹴るなりすればすむ話なのでは?」
この女、真顔でなんてこといいやがる。
「私だってできるならそうしたいが・・・・彼女の場合それをしても喜ばすだけで効果は望めないんだ」
あれ、普通そこはPTAとか世間の目を気にするところでは?それに私はMではないですからね。
・・・・いやまぁ別にアレですけど。あまり否定しすぎるのも変な誤解を生むかもなので深く追求はしませんが、賛成の反対は賛成なのだ~とだけ言っておきます。
本当、そういうんじゃないんですけどね!
「お断りします。残念ですが話を聞く限り私の手には負えません。精神病院か保健所を紹介したほうが建設的です」
優しさの欠片も無い瞳と言葉でなじられる。
ふとここで、私はある違和感の正体に気がついた。初対面の雪ノ下さんに不思議な親近感を感じると思ったらあれだ。
今の眼とか、うちの妹がゴキブリを駆除してる時と同じ眼だからだ・・・・。
・・・・つまり、私は害虫と同列ってことですかね?コラ。
「学校から異常者を出したとなるとマスコミがうるさくてね。担任である私の責任にもなるし」
先生は教師の中でも最低の部類に入る理由で雪ノ下の意見を却下する。心底残念そうに。
「違いますよね。そこは教師として私を擁護するところですよね?」
「比企谷・・・・教師である前に私だって1人の人間なんだ。下手人を庇いたてると周りからバッシングをくらうんだ・・・・」
「最低の理由ですね。私まだ前科がつくようなことしてませんからね」
まだな。
「なるほど・・・・臭いものには蓋というわけですね」
「ねぇ何に納得しちゃってるの?臭いものって私?」
雪ノ下はしきりに首を上下させ絶対に間違っている理解を示す。それ根本的に間違ってますからね。問題回答それにたどり着くまでの仮定全部おかしいから。テストなら0点取っちゃうレベルだからね。
「先生の依頼では無碍にはできません、が・・・・それでも保障はできません。最悪の場合はやはり保健所に相談したほうが賢明ですよ」
1度は納得したくせに尚もしぶる雪ノ下。さっきはスルーしたけど保健所を進めるって私の事人間扱いすらしてないよねこいつ。
さすが、というのも自分を過大評価してるようで嫌なのだが、さすがの私もそろそろ怒るぞ。
大抵の悪口、ひそひそ話、陰湿な嫌がらせくらいなら耐えることができる私でも怒りを感じないわけではない。むしろ、今の今までブチギレ無かっただけでも私のメンタルの強靭さを物語っている。
例えるとしたら神や仏レベル。人間超越しちゃったレベルの精神力だから。
だが知っているか?
仏って奴も3度までしか人を許さないんだ。
人を超えた存在でも3度までしか許容しないのだし純人間の私はもうキレても問題ないよね?
次回予告。
運命的な出会いを遂げた八幡と雪乃。険悪な雰囲気のままお互い睨み合っていると窓から突然何かが飛び込んできた!?
飛び込んできたのはなんとこの世界とは別の世界からやってきた妖精ちーバ君。ちーバ君は敵に追われていて八幡と雪乃に助けを求める。
するとちーバ君を追いかけてきた悪の勢力『リアジューン』の怪物『オレノターメン』が襲ってくる。
絶体絶命のピンチのときちーバ君は八幡と雪乃に伝説の戦士『プリキュウア』に変身する力を与え2人はオレノターメンと戦う事に!?
ちーバ「奴らリアジューンは自分たちの都合のいい欺瞞と嘘に満ちた世界にするために僕らの故郷『独の園』に攻めてきた千葉。7つあるボッチストーンのうち5つは取られてしまったけど2つは僕が持って逃げてきた千葉」
ちーバ「奴らが世界を支配するとみんな上辺だけの仲良しを強要され争いの無い世界にされてしまう千葉!」
八幡「そんな事になったらぼっちの生きる場所が無くなるじゃないか!?」
雪乃(・・・・世界平和的にそっちのほうがいいんじゃないかしら?)
キュアスノウ(雪乃)とキュアボッチ(八幡)に変身した伝説のボッチ戦士プリキュウアはボッチの平和な学園生活を守るため奴らと戦うことを決意する。
ちーバ「今こそ2人の力を・・・・いいや1人と1人の力で敵を倒す千葉!」
キュアボッチ「孤独の使者、キュアボッチ!」
キュアスノウ「孤独の使者、キュアスノウ!」
スノウ・ボッチ「「ひとりでプリキュウア!!」」
キュアスノウ「欺瞞の青春のしもべたちよ」
キュアボッチ「さっさとお家に引きこもりなさい!」
今ここに少女達の戦いの火蓋がきって落とされた。
注意:勿論嘘です。
次回もお楽しみに~