PMC探偵・ケビン菊地  灰狼と女神達   作:MP5

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 そして牙を向いた、見も知らぬ大蛇に


黙示録6  進撃

「さて、諸君。狩りの時間だ」

 

全員がボルトを数センチスライドさせる金属音が鳴り響く。

 

 

 

24:30:55

某ホテル

 

作業服を着て、バラクラバの上から咽頭マイクをした二名がホテルの階段を上っていく。

 

『こちら、ブルー。

エレベーターは止めた。

合図が有ればいつでも電源をオフに出来る』

 

「ゴースト了解。配置についた」

 

『ベクター、準備完了』

 

『同じく、シュガー。オーケーだ』

 

『こちら、スコーチ反対側の入り口にて、待機中』

 

「スリーカウントで、突入する。アナコンダは殺すな。じっくり調理してやる。3、2、1、GO!!」

 

 電気が一瞬で全て消える、すかさず暗視ゴーグルをバラクラバの上から装着するとドアを蹴破る。

 AKの類いを持った男が二名いたが、MP7をダブルタップ(連射)し、頭を撃ち抜く。

 

 ラペリングしていたベクターとシュガーは合図で、窓ガラスを破ると、MP5とAK-12を撃つ。

 すかさず、暗視ゴーグルで銃身に装着したレーザーポインターから出る緑色のレーザーを確認する。

 二人はカバーしあいながら単発に切り替えて撃つ。

 

 スコーチはベネリM4をドアに向かって撃ち、銃声のノックをする。

 ベネリM4で敵を文字通り吹き飛ばしていく

 

 誤射を防ぐためにと暗視ゴーグルで見えるように全員が左肩に赤外線発光タイプのテープを巻いている。

 

 横のドアから少し長めのナイフを振りかぶる男が出てくる、スコーチは組みかかられると袖を引っ張りながら背負い投げる。

 左足で引っ掛けるとショットガンのストックで顔面を殴り、顔面をズタズタにする。

 

 ノートパソコンを閉じると、タブレットバックにしまう。

 

 ブルーはホルスターから拳銃を取り出すと数発でドアノブを撃ち抜く。

 死体を足で避けると、リロードしながらゆっくりと歩き始める。

 

 

「シュガー、どうしますか?」

 

「ここで言うかい、ベクターくんよ」

 

 敵のAKが乱射されるなか、ベクターはAK-12をリロードしつつ、左肩に吊るしていた注射器を取り出すと注射器のロックを外す。

 

「使うのか、ベクター?」

 

「仕方ないでしょ。」

 

 ベクターは左腕を剥き出すと、一思いに刺す。

 AK-12をゆっくりとスリングだけで吊るすと肩のホルスターから拳銃を取り出す

 眼の白目が黒眼と同じように、黒く染まる。

 

「僕が化け物(ベクター)と呼ばれている理由をお教えしましょう。」

 無数の銃弾がベクターに飛んでくる。

 

 ベクターは特殊な薬物を吸収すると能力を強化するように改良された実験シリーズの一人

 

 彼は注射器により、自己加速に加え細胞の再生も一時的に強化される。

 

 P226を六発撃つと弾が吸い込まれるように、敵の頭に当たる。

 

 三発程左腕に当たるが、弾は腕から落ちていく。

 

 

 ゴーストはMP7をダブルタップしながら、確実に当てていく。

 後ろから、敵にタックルされると

 ゴーストはMP7を手放し、両足を踏ん張らせ筋肉を勢いよく縮ませる。

 バネのように勢いよく反発させ、左腕から取り出した極細ワイヤーを首に引っ掛け、右手で先端に付けた小さなリングを掴み相手の口から泡が出るにも関わらず万力のような力で首をしめていく。

 フラググレネードが転がってくると、靴底で蹴りあげ、敵の銃撃を引っ掛けた男を盾にして防ぐ

 爆発音がした時、彼は死体を吹き飛ばして暴風避けにした。

 

 敵が一人フラりと立ち上がった瞬間

 右手首を勢いよくスライドさせ、細長いメカアームに取り付けられたナックルダスター部を切り取り銃身とグリップのみになったアパッチ・ピストルを取り出す。

 

 必殺には届かない威力の弾丸だから、一発突き刺さっただけでは傷が浅い。

 ゴーストは手の中の残弾が尽きるまで、撃ち続ける。

 

 

 

 気づくと、廊下の敵は全て死亡していた。

 ある部屋をスコーチが蹴り破り、中にいたスーツの男を全員で取り囲む。

「アナコンダはどこだ?」

「私は、知らない、知らないんだよ。信じてくれ!」

 泣きべそをかきながら小柄な男は頼んでくる。

 ゴーストは回りのメンバーを見回し、スコーチを見るとにやりとする。

 

 

 

 二時間後………

 ブルーが置いてあったパソコンを解析している間にスコーチを含めた四人は、バンに寄りかかりながら煙草を吸っていた。

「今回の襲撃の意味あったのか?」

「まぁな。一応奴の最高戦力は全て使い潰したはずだ。奴の情報網がどれだけ人を呼べるのかが重要だがな」

「まぁ、数日分の戦力は削いだ。下手に手出しをせず裏でこそこそなんとかするだろうな」

「そういえば、スコーチ。細工は?」

「ここからなら、バッチリだ」

 ブルーがバンから降りてくる

「情報の回収完了。次の目標が決まったわよ」

 スコーチは携帯を取り出すと決めておいた番号を打ち込む。

「でかい花火をあげるぜ」

 

 その頃、ホテルの一室では小柄な男がダクトテープでぐるぐる巻きにされ、身体の水分全てが漏れ出ているのではないかというぐらいの汗をかいていた。

 

 床には小麦粉がフワフワと舞い、バカじゃないかという位の量の「C4」が置かれていた。

 携帯電話が複雑に繋がれたコードに接続されている。

 

 スコーチが電話を掛けると、着信音が鳴り響く。

 

 小柄な男は身をよじって逃げようとするが、逆に爆弾に近づいてしまう。

 そしてコールが三回鳴り終えた

 

 

 ホテルの一室が黒煙と共に爆発した。

 一同はなにもないような表情でバンに乗り込んだ。

 




ゴーストCVのイメージは
イケメンボイスと言えばこの人、高橋広樹


ブルーCVイメージは今井麻美

シュガーのCVイメージ木村良平

スコーチCVイメージは安元洋貴

ベクターCVイメージは中村悠一

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