03:59:6
東南アジアのある場所……
「ターゲットのヨットを視認。全チーム、待機せよ」
「了解、D1」
「D2、了解」
「こちらD3、待機完了」
「D4、援護可能位置に移動完了」
「D4、スナイパーポイントで待機」
「D6、発電機を確保、いつでも行けます」
エディ・カーマイケルこと"ギャンブル"は浮力調整ボンベを調整しながら全長40mのヨットの横からプカリと顔を出す。
NAVSOG(フィリピン海軍特殊作戦グループ)から選抜した12名により構成した部隊を率いて、6年間追い続けた麻薬王「アナコンダ」を暗殺するために今回極秘裏に 作戦を決行した。
「こちらD1、突入準備完了。ヨットの横に付いた」
ギャンブルと一緒にいるブーニーハットを被った隊員二人に確認を取り、暗視ゴーグルを降ろすとG36Cを水のなから出すと、梯子に手をかける。
「こちら、D2。反対側にいた監視を始末、バレていません」
「こちら、D3。キャビンを監視中、兵士を何人か確認。所持している武器はAKの類」
「D4、準備完了」
「D5、最上階のヘリ近辺にいる兵士に照準を合わせる」
「D6、行けます」
ボルトを引き、腰のホルスターに入っているグロック18を確認すると、後ろの隊員と頷きあう。
「スリーカウントで合図する。全員、行くぞ。3、2、1、作戦開始!」
梯子の手前にいた敵をヘッドショットすると後半の二人を待ち、来たのを確認すると後ろのスパス12を持った隊員がドアをぶち破り、横からフラッシュグレネードを投げ入れる。
「
「
周りから、仲間の声が聞こえ、制圧を完了したことを確認しながらアナコンダがいる部屋に突入する。
「5、4、3、2、1、ブリーチング!」
壁とドアが吹き飛び、迷彩服にブーニーハットを被った男達がG36CやG3、スパス12を持ち、突入していく。
しかし、パソコンがテーブルに置いてあるだけだ。
「さらばだ、諸君」
覆面を被った男が合成音声で語りかける。
「全員、撤退!、出ろ出ろ出ろ!」
その瞬間、目の前が閃光に包まれる。
麻薬王「アナコンダ」暗殺作戦
作戦結果=失敗
参加メンバー
全員死亡。
情報提供者の死亡を確認。
以後この作戦は失敗した作戦としてマスコミには提示
同時にエディ・カーマイケル隊長の死亡により、「アナコンダ」作戦の終結をここに命ずる。
宮城県某所
同日20:10:22
コードネーム「ゴースト」がバーで一人バーボンを水割りで飲んでいたところにメキシコ系の大柄な男がフラりと座る。
「久しぶりだな、ゴースト」
「うるせぇな、スコーチ」
二人は拳を軽く合わせる
そう彼もラークス計画の被験者の内の一人で、ゴーストはPTSDのように、スコーチは左腕を神経電動型義手という風になっている。
二人とも元々はNavySealsで活躍した後、溢れた後にスカウトされた身、ゴーストはチーム1、スコーチはチーム8だが、親近感は湧いた。
最近の状況について話をぼそぼそとすると、次の瞬間ニュース番組から衝撃の事実が伝えられる。
『フィリピン特殊部隊NAVSOGによる麻薬王「アナコンダ」暗殺作戦は失敗に終わりました』
「アナコンダか・・・・・・スコーチ関わったことあるか?」
ゴーストは紙煙草にライターで火を付ける。スコーチは画面から目を外さずに、水割りを飲む。
「いや、あまり」
『この作戦により、作戦を率いたエディ・カーマイケル少佐を含めた12名の命が失われました』
この言葉を聞いた瞬間に、スコーチもゴーストも顔つきが変わる。スコーチはグラスを落とし、ゴーストは煙草から口を離すと深く息を吐く。
「ギャンブル・・・・・・」
二人ともとある作戦にてギャンブルに救われたことがある。
「スコーチ、アナコンダの情報手に入れられるか?」
「ゴースト、つてがあるはずだ。後は武器を揃えてくれ」
「後は何人か、連れてこい。空いてるやつ呼ぶ」
「わかった。おそらく、被験者の面子で呼べるやつは呼ぶ。最高俺達含め5人、最低3人だ」
「二日後、同じバーで」
「了解」
二人とも、フッと立ち上がり夜の街に消えていった。