PMC探偵・ケビン菊地  灰狼と女神達   作:MP5

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黙示録3  ゴースト誕生

数年前……………

ドイツ ルクセンブルク

某駅構内

 

5月2日

13:40:33

 

 駅構内の作業用通路を通りながら丸刈りにした頭を撫でる男がいた。

 彼は軍から技能識別コード『B(ブラボォー)4』を持ちことを許された後のイラクでの派兵で死亡したという正式な記録しかない

 その後は全く記録にも残されていない

 

いや

 暗殺者「ゴースト」としてCIAの工作員として記録はある。

 登山用の25Lのバックパックを背負って通路を歩いていく。

ラークス計画の被験者で、最高傑作とも呼ばれた彼はPTSDを持ちながらも完璧な暗殺者として作り出されている。

 彼は又、語学にも通じており、英語の他にもフランス語、ドイツ語、ロシア語、スペイン語に堪能である。

 左手に装着していた時計を見ると、左耳に装着しているイヤホンからの無線をチェックする。

 普段はフリーランスの殺し屋として生活しているが、CIAからの連絡を受けると行動を起こす「暗殺者」だ。

 ニット帽を被り直すとサングラスを外し、目的のポイントに到着する。

ネメシスアームズ・ヴァンクィッシュを分解したパーツをまとめた収納袋から取り出すとてきぱきと組み立て

銃身に消音器(サプレッサー)を取り付け

高倍率スコープの調整ネジを回して十字(クロスヘア)を顔が見える程度に重ねる。

 二つ折りの旧式の携帯がポケットの中で振動する。

携帯を開くと、メールボックスに任務内容が送られている

開くと標的の写真が写し出される。

特に素性は聞かない、それが元仲間の工作員であろうとテロリストであろうと、国に害をもたらす敵であろうと

 

 仲間を待つためかは知らないが茶色のコートを羽織った標的がエスカレーターを上がってくる。

携帯が鳴ったようでふと取り出し、立ち止まりながら、右耳に当てながら、話をしている

高倍率スコープの十字の向こうに今回の標的、敵工作員を収める。

残り数秒の命とも知らずに、

青ざめた顔がスコープに写り、キョロキョロと辺りを見回す

 

 一度、目を閉じる。

 

 スコープ越しに目が合う。

 その目を見た瞬間、俺は冷めた気持ちのまま引き金を引いた。

 ポッシュという消音器独特の銃声が上がると、標的は眉間に穴を開けフラリと崩れ落ちる。

 周りでパニックを起こすサラリーマン達には目もくれず、俺はネメシスアームズ・ヴァンクィッシュを分解し、バックパックから収納袋を取り出し、元の形に仕舞い直すとバックパックに入れる。

 少し離れたところに転がった空薬莢を拾い上げ、ポケットに入れる。

しばらくの間、雨の街に沈黙が降りる。

ニット帽をゴミ箱に投げ込み、サングラスを掛けなおすと駅のホームへと回りの喧騒を気にせずに歩き出す。

 

 この世界は、美しくなければいけない。そのために、泥をかぶって、見下されて、それでも動き続ける者たちがいるのだと。

 

 

 ふと目を覚ますと紙煙草を口に加えて火を付け、一服する。

 懐かしい夢を見たものだ。

 今回はフリーランスとしての仕事だということを確認し直し、缶コーヒーを冷蔵庫から取り出すと、電話が鳴っていることに気づく。

「はい、レオナルドですが?」

『すまない、用件はいつものだ。』

「了解した。今回は一人か?」

『いや、ファイルの受け渡しのみだ』

「言っていたデータは?」

『ケビンのか?、いつもの場所に置いてある。では場所は◼◼◼◼◼で、』

「了解した。」

 

 いつものようにイヤホンマイクを左耳に装着すると、シャツにジャケットを着ると札幌駅に向かう。

 監視カメラを交わしながら、指定されたロッカーに向かう。ロッカーに番号を打ち込むと、中から数札のファイルが出てくる。

 バックパックに詰め込むと、さっさと隠れ家に戻り、テーブルの上に広げる。

 

 

ケビン菊地 27歳 身長184cm

 

職業探偵

 

元第75レンジャー連隊

アフリカ系アメリカ人と日本人のハーフ。

アメリカ陸軍に入隊。

2年後に除隊。

トライデント・アウトカムズに入社。

アフリカや中東の紛戦地域への派兵経験あり

 得意武器はアサルトライフルとショットガン

レンジャーでの射撃成績は高い

陸軍での格闘技訓練では評価が高い。

 

 

爆発音が聞こえた。

にやりと彼は笑うと武器庫となっているクローゼットの裏を開く

念のために、デザインスーツの下に防弾ベストを着込み、ショルダーホルスターにFN Five-sevenとこの間拾い、綺麗にしたCz75を仕舞う。

バックパックの中にはMP7、数が多いための狙撃用ライフルとしてサプレッサーを装着したSIG552とG3に精密射撃用にM40A3を閉まった。

 

そしてふと辺りを見やり、屋上を伝って向かった。




 

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