ミラ ・・・魔法使いになるため勉強中の少女。
転生魔法でユキトを転生させた張本人。
ユキト・・・普通の高校生。ある日ミラによって異世界に
転生してしまう。
・・・・・etc
序章
澄み渡る空が続いている。
ふと、俺は思った。この空はどこまで続いているのだろうか?・・・病んでるのかな俺?
「おーい、ユキトくーん」
後ろから少し頼りなさそうな声が聞こえたら。ミラかな?
俺が振り返ると、黒いフードを被った金髪ショートの女の子。ー ミラがこちらに走ってきていた。
多分俺がまた、1人で町に出て行ったことを心配して、探していたのだろう。ー 子供かよ
そんなことを考えていると目の前でミラが盛大に転んだ。
「おい、大丈夫かよ?」
俺はミラに駆け寄って手を差し出した。
「うん、大丈夫。ありがとう」
そう言ってミラが俺の手を握った。ー すげー、柔らかい。
おまけにいい匂いする。なんて考えている俺がいた。
変態かよ。
「それより、何の用だ?」俺は今の変態思想を押し殺して、尋ねた。
「何の用だじゃないよ、ユキトくん。だめだよ1人で町に出ちゃ。まだここにきて一週間も経ってないんだから」
ふん 、と俺は鼻を鳴らした。子供扱いかよ。
「ほら、帰るよ。」
ミラが俺の手を引っ張ってきた。
「まてよ。俺は買い物に来たんだ」
「買い物?なんで?」
おい、あからさまに嫌な顔するな。
「お前、冷蔵庫の中見たか?」
俺はミラに聞いてみる。ちなみにここでいう冷蔵庫とは、昔の冷蔵庫のように、氷室があってそこに氷系の魔法で作った氷を入れる。
「見たよ。氷が溶けて全部腐ってたよ。」
「あのさ、なんでそのこと知ってるのに買い物行っちゃダメなの?」
まさか、腐ったもの食わす気かよ。
「熱しればまだ食べられるじゃん」
その気だった。バカなのか?前から思ってたけどミラってバカなのかな?
「あのな、腐ったものは腐ったものだ!」
ついつい大きな声が出てしまう。
「えー、勿体ないじゃん」
そう思うんなら自分で食えと、と心の中で呟いた。
「とりあえず、俺は買い物にいく」
「ウー、わかったわよ私も行くわ」
そう言って俺に付いてくることになったミラだが、花やら蝶やらに目がいってしまい、立ち止まってばかりだった。結局、15分で着くはずの道なのに30分もかかってしまった。
異世界には、大きな国がたくさんある。しかし、治めているのが人間とは限らない。エルフだったり、吸血鬼だったり、ここは、ナタリアという女王が治めている国 クロム。
その中にある小さな町 ホルメゾンそこに俺は住んでいる。
いや、転生してきたのだ。どうやら、ミラが、転生魔法の練習で間違えて俺を転生させてしまったらしい。まぁ居心地が良いから棲みついちまったんだけどな。
そんな、俺こと、中林ユキトは、八百屋にいた。
「おっちゃん、これと、これと、これ、合わせていくら?」
「980ルアーだよ」
八百屋のおっちゃんは、さらっと嘘をついてきた。
「おいおい、嘘はいけないぜ、おっちゃん。250ルアー
と240ルアーと370ルアーで890ルアーだろ。それとも年で計算ができなくなったか?」
「計算できてないのはどっちだ。860ルアーだろ」
あり、そうだっけ。まぁいいや。
「はいお釣り」
おっちゃんからお釣りを受け取った俺は、木陰でクレープを食べていたミラのところへ戻った。
「・・・ここは、私のオススメの場所なんですよ」
たしかにっと思った。この木陰からなら、町のいろいろな場所が見える。石の道に商店街のように並んだ店。騎士が馬に乗って現れたり、女王がたくさんの騎士に守られながり歩いてきそう。そんなイメージだ。
「さて、ユキトくん買い物が済んだのなら帰りますよ」
ミラがそう言った。なぁ、前から思ってたんだが・・・
「お前、インドアすぎないか?」
要するに、引きこもりですか?と聞いているようなものだ。その意図は、ミラにも伝わったらしく。
「誰が引きこもりだ!!」
と怒鳴られた。今日は俺が飯作るか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どうもハープと申します。初投稿です。
一応、週一投稿を目指しています。
この作品は、シリーズものです。完結まで見てくれたら嬉しいです。