ソードアート・オンライン ~IF 黒の剣士と絶剣~   作:舞翼

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更新が遅くなって申し訳ないm(__)m
ともあれ、書きあげました(^O^)
ご都合主義満載です(笑)

では、投稿です。
本編をどうぞ。


第3話≪ぶつかり合うこと≫

俺は、《スリーピング・ナイツ》との合流する2時間前、午前11時にある場所へ訪れていた。

其処は、埼玉県川越市総合病院である。

また此処は、SAOから帰還した俺にとって、馴染のある病院でもある。

俺は病院の一室で、ある人を待っていた。

 

「ごめんね。 待たせちゃったかしら?」

 

彼女の名前は、飯塚沙織。

――だが、その正体は。

 

「何か違和感があるな、その喋り方。――――鼠のアルゴ(・・・・・)

 

「こっちの方がいいかい? キー坊?」

 

「そうだな。 その方が話しやすい」

 

「アポまで取って呼び出したんダ。 お姉さんに話があるカ?」

 

俺は本題に入った。

 

「アルゴ。 お前は、第27層のボス情報を持ってるか? もしあるなら、教えて欲しい」

 

アルゴは眉を寄せる。

 

「何で必要なのか、聞いてもいいカ?」

 

俺は、ああ、実はな。と言い、ボス攻略を七人ですると話した。

もちろん、詳細までは話してないが。

 

「……話はわかったヨ。 だが、無謀すぎないカ?」

 

確かに、ALOプレイヤーほぼ全員に聞いても、『無謀な挑戦だな』、『出来る訳ないだろうが』と一蹴させてしまうだろう。

 

「ああ、それは百も承知だ。 だが、今やらないといけない事なんだ」

 

アルゴは、俺の真剣な目を見て嘆息した。

 

「わかったよ。 オレっちの最新情報をやル。 代金はつけで構わないヨ」

 

俺は小さく頭を下げた。

 

「すまない。 助かる」

 

アルゴの情報によるとこうだ。

ボスは巨大型であり、攻撃パターンは、ハンマーの振り下ろし、鎖の薙ぎ払い、頭を下げての突進、HPが半減したら広範囲のブレス攻撃、更にゲージが赤くなると、武器4つでの八連撃ソードスキルだそうだ。

 

「代わりと言っては何だが、ボスのドロップ品を渡すよ。 皆も、ドロップには興味ないだろうしな」

 

「なら、情報の代金はそれで構わないヨ。 頑張れヨ。 キー坊」

 

そう言い残して、アルゴは部屋から出て行った。

俺は今の情報を胸に仕舞い、病院を出、駐輪所で止めたバイクに跨り、帰路に着いた。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

冬休み最終日、2026年1月8日。

ログインした俺は、約束した待ち合わせ場所である、第27層主街区《ロンバール》の宿屋を訪れ、《スリーピング・ナイツ》の面々と合流した。

俺と《スリーピング・ナイツ》は、昨日同じように、宿屋の丸テーブルの椅子に腰を下ろしていた。

 

「んじゃ、ボスの攻撃パターンを教えるぞ」

 

此れには、ユウキが驚いた声を上げる。

 

「え、え、何でキリトが知ってるの?」

 

「まああれだ。 俺の伝手で買った情報だ。 情報を持ってると持ってないでは、戦術も違ってくるしな。 約束を破った感じで悪いな、どうしても成功させたくてな……」

 

ユウキは両手を突き出し、ぶんぶんと左右に振った。

 

「ぜ、全然。 とってもありがたいよ。 ね、みんな?」

 

ユウキがそう言うと、シウネーたちは強く頷いた。

また彼らも、ボス戦を如何しても成功させたいという意気込みが、ひしひしと伝わってくる。

俺はテーブルにホロパネルを広げると、入力窓に切り替えた。

 

「んじゃ、ボスの攻撃パターンを言うぞ。 しっかり頭に叩き込んでくれ。――攻撃パターンは、ハンマーの振り下ろし、鎖の薙ぎ払い、頭を下げての突進、HPを半減させたら広範囲のブレス攻撃、HPがレッドに突入すると、武器4つでの八連撃ソードスキルだ」

 

「と、いうことは、どのように戦えばいいのでしょうか?」

 

口を開いたのは、正面に座るシウネーだ。

また、今の《スリーピング・ナイツ》の面々は、全員が武装している。

 

「そうだな。 俺とユウキ、ジュンとテッチが接近前衛(フォワード)だな。 んで、タルケンとノリが中距離型(ミドルレンジ)後方援護型(バックアップ)にはシウネー。 此れが、最善のフォーメーションだな」

 

俺はそれぞれの攻撃に対する詳細な防御方法も列挙していく。

この指揮能力は、幼馴染の《閃光》のアスナから教授して貰ったのだ。……あの時のアスナさん。 メッチャスパルタでした。

 

「……回復が、私だけで大丈夫でしょうか?」

 

「まあ、何とかなるだろう。 てか、攻撃を食らわなければいい話だ。 だろ?」

 

ユウキはうんうんと頷き、ジュンとテッチ、タルケン、ノリは顔を引き攣らせていた。

あれ、変なこと言ったかな? 皆が出来ると思った事を口にしたんだが。

ともあれ、攻略会議が終了した。

俺はホロパネルを閉じてから、立ち上がる。

 

「んじゃ、行きますか」

 

《スリーピング・ナイツ》面々も強く頷き立ち上がる。

各々の得物を装備し、宿屋を出た俺たちは、翅を広げ常夜を飛び立った。 飛行も全員が随意飛行であり、その滑らかな飛びっぷりには感嘆してしまう。 其れは、コンバートして来たばかりと思えなかった。――此れは、MMOに対する慣れではなく、その根本であるフルダイブ技術そのもの親和性と言っても過言ではない。

俺もMMO歴は長いが、此処までのプレイヤーを見た事かあるのは、極一部だけだ。

 

「見えたよ、迷宮区!」

 

ユウキがそう言い、俺は眼を凝らした。

連なる岩山の向こうに一際巨大な塔が見えて、円筒形のそれは地上から上層部まで真っ直ぐ伸び、迷宮区の入り口は、塔の下部に黒々と開いていた。

暫くホバリングし、Modが居ないのを確認してから、迷宮区入り口前に降下した。

それから七人は巨大な塔を見上げ、大きく息を吐いた。

六人は、腰や背に装備している鞘から音高く得物を抜剣し、シウネーは杖を掲げ幾つもの支援スペルを詠唱し、七人の身体にライトエフェクトが纏い、視界の左上、HPバーの下に複数のスターテスアップのアイコンが点滅する。

 

「よし! 行きますか!」

 

「「「「「「おー!」」」」」」

 

準備が完了した所で、迷宮区に足を踏み入れた。

入口から暫く続いた洞窟が、石畳を組み合わせた人工の迷宮区に変わると、周囲の温度が下がり、湿った怜気が肌を撫でた。

また、POPするModも、フィールドModと比べれば強敵であるのだが、接近前衛(フォワード)の二人が、瞬く間にポリゴンの残滓に変えていた。

そう、言うまでもなく――――黒と紫のコンビである。

 

「ユウキ、行ったぞ」

 

「OK」

 

俺が取り逃がしたModに、ユウキが片手剣単発重攻撃《ヴォーパル・ストライク》で打ち抜くと、ポリゴン片の残滓になって消滅した。

 

「やったね!」

 

「おう、お疲れ」

 

剣を収めた俺とユウキが、片手を上げてハイタッチ。

ユウキとは初めての連携なのに、以心伝心してる感じである。 他のメンバーも、俺たちの連携を見て目を丸くしていたが。

ユウキが後方を振り向く。

 

「み、みんなゴメン。 ボク、楽しくて……」

 

俺も後方を振り向き、

 

「す、すまん。 俺も楽しくてな……」

 

皆が頭を振り、シウネーが代表して答える。

 

「い、いえ。 ボス部屋まで、私たちの体力は温存できますから」

 

「そ、そう言って貰えると助かります」

 

「う、うん。 ボクもかな……」

 

俺とユウキは、小さく頭を下げた。

この後は、《スリーピング・ナイツ》と連携を取ってボス部屋まで到着した。

扉の前には20人ほどのプレイヤーで埋まっている。 20人。 つまり、三パーティーということは、連結部隊の上限である七パーティーの半分以下である。 どうやら、残りのパーティーの到着を待っているのだろう。

俺は扉に向かって歩き出し、集団の前に立つプレイヤーに話しかける。

 

「すまない。 俺たちボスに挑戦したいんだ。 退いてくんないか?」

 

「悪いな、ここは今、閉鎖中なんだ」

 

「……閉鎖ね」

 

奴らは、ボス部屋前に偵察隊を配置して情報収集に当たらせるだけではなく、他のギルドに攻略されないように、多人数の部隊で物理的にボス部屋を封鎖しているのだ。

 

「大手ギルドがこんな手を使って、恥ずかしくないのか?」

 

「そう言われても、上からの命令なんでね。 文句があるなら、イグシィのギルド本部まで行ってくれ」

 

その時、俺の背部に立っていたユウキが、隣まで歩み寄って来た。

 

「どういうこと?」

 

ユウキが、首を傾げて聞いてくる。

 

「この人たちは退いてくれないらしい。 ユウキ、お前は、譲れないものがあったらどうする?」

 

ユウキは、いつも通り元気な声で訊ねる。

 

「ね、君。 君たちは、ボクたちがお願いしても、そこを退いてくれないんだね?」

 

「ぶっちゃけ言えば、そういうことだな」

 

身を翻そうとした土妖精族(ノーム)に、ユウキが言葉を投げかける。

 

「そっか。 じゃあ仕方ない。 戦おうか」

 

「な、なんだと!?」

 

ユウキがそう答えると、土妖精族(ノーム)は驚愕の声を上げ、俺の隣に立った《スリーピング・ナイツ》面々も笑みを浮かべていた。

また、大手ギルドとの、(いさか)いは下手をすればその後や現実、ゲーム外のネットコミュニティにまで持ち出される事もある。 だが、今この場では、ただの些細な事にしか感じなかった。

 

「ぶつからなきゃ伝わらないこともある。 ボクたちの真剣さを、君たちにも分かってもらわないといけない」

 

「そだな。 その通りだな」

 

俺は苦笑し、背に装備した鞘から、漆黒の片手剣を抜剣した。

これに応じるように、《スリーピング・ナイツ》面々も抜剣した。 俺たちは、臨戦態勢である。

ユウキは口許の笑みを消し、瞳は真剣な光を浮かべた――。

 

「さあ、武器を取って」

 

「あ……お、俺たちは……」

 

驚きから醒めやらぬ様子で、土妖精族は戦斧(バトルアックス)を外すと、ふらりと構えた。

次の瞬間、ユウキが一陣の突風となって回廊を駆けた。

 

「ぬあっ……」

 

状況を理解した土妖精族(ノーム)は、戦斧(バトルアックス)を振りかぶるが、ユウキが携える黒曜石の片手剣が胸の真ん中を捉える。

 

「ぐっ!」

 

体勢を崩した土妖精族(ノーム)に、追撃の真っ向正面の上段斬りが襲いかかり、重い音を立て剣が肩口に食い込みHPを削る。

だが、彼女の追撃を受けながらも、男は体勢を立て直す。

流石、有名ギルドでパーティーリーダーを務めるだけあって、易々とは倒れてくれない。

土妖精族(ノーム)も野太い咆哮を上げ、戦斧(バトルアックス)を右斜めに斬りつけようとするが、ユウキは慌てることなく剣を一閃。

甲高い音が響き渡り、戦斧は軌道を逸らされて、ユウキの頭上数センチを通過した。

弾く防御(パリイング)≫。 これは、武器の重さが同等でなければ成功しない。 だが、ユウキが弾く事が出来たのは、斬撃の恐るべき早さ故だ。

攻撃をいなされ、蹈鞴を踏む土妖精族(ノーム)の中心部に、垂直四連撃《バーチカル・スクエア》が放たれ、悲鳴と共に後方へ吹き飛ばした。

 

「きっ……たねぇ不意打ちしやがって……」

 

リーダーが立ち上がったのを見て、彼の仲間も、武器を構え陣形を取った。

俺は嘆息してから、

 

「お前らの方が汚ぇだろうが。 ボス部屋前で壁行為(ブロック)してんのは戴けないと思うぞ。 お前も武器を構えたんだから、その時点で戦闘は始まってる。 此れは決闘(デュエル)じゃないんだ」

 

「……ぐっ!」

 

俺の言葉を聞き、男が呻り声を上げる。

 

「――――そこを退いてくれ、俺らにはやらなくちゃいけない事があるんだ」

 

また、俺の言葉に気圧されたのか、敵が一歩下がる。

俺とユウキ、テッチとノリ、ジュンとタルケン、シウネーも、武器を構えて敵を睨めつける。

緊迫した空気を破ったのは、俺たちではなく、背後からの無数の足音だ。

後方に視線を向けると、約30人の妖精たちが目視できた。 此れを見た土妖精族(ノーム)は、勝ち誇った笑みを浮かべている。

また、後方から殺到してくる30人は既に連絡をもらっていたのか、抜剣済みだ。

強者揃いの《スリーピング・ナイツ》でも多勢に無勢だ。

ギルドが合流し戦闘になると、太刀打ちは難しい。 こうなってしまえば、戦えるだけ戦うだけだ。

だが、俺が戦うのは、前のギルドメンバーではない。

 

――後方は俺が食い止める、ユウキたちはボス部屋に急げ。 作戦通りに戦えば、絶対に勝てる。

 

――き、キリトはどうするの?

 

――ちょっくら、後ろの30人を蹴散らすだけだ。 皆も、俺の事は気にするな。

 

どうやら、《スリーピング・ナイツ》メンバーにも、俺の言葉が伝わったようだ。

皆も最初は躊躇していたが、強く頷いてくれた。

俺は振り返り、数歩歩いてから――剣を石畳に突き立てた。 気迫に呑まれたように、30人は立ち止まる。

 

「――――悪いな、ここは通行止めだ」

 

「おいおい、≪黒ずくめ(ブラッキー)≫先生よ。 幾らアンタでも、この人数をソロで喰うのは無理じゃね?」

 

俺は肩をすくめて答える。

 

「どうかな、試したことないから解んないな」

 

リーダー格らしき火妖精族(サラマンダー)が苦笑しつつ、右手を持ち上げた。

 

「そりゃそうだ。 ほんじゃ、たっぷり味わってくれ……メイジ隊、焼いてやんな」

 

ちらっと後方を見ると、不安そうにしてるユウキの顔が映った。

 

――ったく、そんな不安顔するな。 俺は大丈夫だから、前に集中しなさい。

 

――で、でもぉ……。

 

ユウキの声は、不安が入り混じっていた。 また、男の指示を受けたメイジ隊が、高速詠唱を唱えた。

この魔法は、≪単焦点追尾(シングルホーミング)≫魔法の詠唱だ。 この飛行不可のダンジョンでは、回避が不可能である。

だが、俺は床から引き抜いた漆黒の片手剣を肩に担ぎ、片手剣ソードスキル《デッドリー・ジンズ》のモーションに入り、殺到してくる七発の追尾魔法を空中で――――斬り捨てた。

これは、俺が独自で編み出したシステム外スキル≪魔法破壊(スペルブラスト)≫だ。

 

――うっ……そぉ……。 キリト、魔法を斬ったの? 近い内に教えてよ!

 

――いいけど。 てか、俺ら緊張感なくね?

 

――そうかなぁ。 キリトと居ると、安心するからかなぁ。

 

――お、嬉しいこと言ってくれるじゃないか。 絶剣さんよ。

 

この心の会話の最中も、俺とユウキの目線は敵を見ている。

また、俺の≪魔法破壊(スペルブラスト)≫を見て、「……なンだそりゃ……」「魔法を斬ったぞ」「ぐ、偶然に決まってる」等々の不安声が沸き起こるが、しかし攻略ギルドを名乗るだけあって、対応は早かった。

リーダーの指示で前衛たちが剣と盾、遊撃部隊が弓、長柄(ながえ)を構え、メイジ隊が詠唱を始める。

俺はメニュー・ウインドウを操作してから、左手を背に回し、実体化した二本目の柄を握り、それを抜き放った。――伝説級武器(レジェンダリーウエポン)、《聖剣エクスキャリバー》だ。

構えたと同時に、増援部隊がじりっと下がる。

――その時だった。 純白の彗星となった何かが、此方に突進してくる。 その間も、敵が吹き飛ばされ、あるものは地面に倒れる。 この技は、細剣、長距離突進系ソードスキル《フラッシング・ペネトレイター》だ。 俺の知る限り、この技を習得してるプレイヤーは一人しか知らない。

――俺の幼馴染、《閃光》の異名を持つアスナだけだ。

アスナが俺の隣で急停止し、此方を振り向く。

 

「やあ、キリト君」

 

「『やあ』、じゃねから。……いや、待て。 何でこうなる事が解ったんだ?」

 

「アルゴさんから連絡を貰ってね。 “《スリーピング・ナイツ》のボス攻略に邪魔が入る可能性があるかもしれないゾ。 用心しといてクレ”、って」

 

おそらくアルゴは、これを伝えようと俺にメッセージを送ったが、俺はダンジョンに居る為返信がなかった。

なので、幼馴染のアスナに送った。が妥当だ。 まったく、あいつには頭が上がらない。

 

「ぐはッ!」

 

前方の一人が呻いた。

俺が後方を見やると、其処には、《光弓シェキナー》を携えるシノンが映った。

この攻撃は、シノンの弓による援護射撃らしい。 それにしても、的確な射撃に感服致します。

 

「ウオリャアアア! オレもいるぜェ!」

 

この声は、古なじみの刀使いクラインだ。 彼も援軍として来てくれたらしい。

その後にも、片手剣、メイスを携えたリーファとリズベット、斧を背負ったエギル。 その後方にはシリカの姿もある。

このメンバーでなら、後方のギルドメンバーの殲滅は可能だ。

 

「キリト君は、《スリーピング・ナイツ》とボス部屋に向かって。 ここは私たちだけで倒しちゃうから」

 

「サンキューな。 後で礼はする。 精神的に」

 

アスナは、頬を膨らませて怒る。

また、先生口調で、

 

「そんなこと言って、お礼をされた事一度もないんですけど。 もう、早く行きなさい」

 

「お、おう、此処は頼んだ」

 

俺は戦闘を繰り広げていた中に飛び込み、二刀を振るい、周囲にいた奴らのHPゲージを吹き飛ばす。

 

「キリト!」

 

「おう!――皆、此処は頼んだ! 俺とユウキは、この奥を突っ込む」

 

シウネーの移動阻害系魔法≪水流縛鎖(アクアバインド)≫に絡めとられたプレイヤーを一閃。

俺とユウキの前では、どんな重装備をしたプレイヤーも紙切れに等しい。 時折、≪単焦点追尾(シングルホーミング)≫魔法が俺たちを襲うが、俺がソードスキルで斬り捨てる。 正に、無双タイムである。

舞を舞うかのように斬り裂き、僅か数秒で、10人弱のギルドメンバーを殲滅したのだった。

また、ゲームバランスを崩してるみたいで申し訳ない気持ちにもなってしまうが……。

ともあれ、前のギルドメンバーの殲滅には成功した。

 

「んじゃ、本番と行きますか」

 

強く頷いた6人は地を蹴り、俺はアスナたちに感謝の念を送ってから、ボス部屋の大扉を目指して全力で走った。

扉の内部に飛び込み、最後に潜った俺が、壁に設置されてる石のボタンを押した。

此れは、一分の猶予時間をキャンセルして扉を閉める為の物だ。

大扉が、左右から閉ざされていく。 その向こうでは、激戦が繰り広げられていた。 戦闘は優勢に進んでいる。 このまま調子ならば、アスナたちの勝利だ。

 

「キリト……さっきの人たち……ボクたちを……行かせるために……」

 

他の5人も同じ気持らしい。

だが、俺は左右に首を振る。

 

「俺の仲間たちは強い。 ボス戦が終わる頃には、勝ってるはずだ。 だから心配ないぞ」

 

「……ボクたち、キリトや、キリトの友達に助けられてばっかりで……」

 

ユウキは、しゅんとした。

 

「気にすんな。 いつもみたいに笑えよ、お前には笑顔が似合うぞ」

 

「……キリト。 それって、口説いてる?」

 

俺は目を丸くする。

 

「え? 口説いてるの、俺」

 

俺が周りを見ると、他のメンバーも頷いている。 いや、まじか……。

俺は、咳払いをして、

 

「さ、さて。 皆、HPとMPを全快にさせとくんだぞ。 ボス戦の手順は、打ち合わせ通りだ」

 

俺の“逃げ”に皆が笑った。

皆はポーチから小瓶を取り出し、それを飲み干し、HP、MPを全快にさせる。

 

「これがラストチャンスと見てくれ。 俺たちが負ければ、さっきのギルドに攻略されちまう」

 

「よぉーし……みんな、頑張ろう!」

 

ユウキの凛とした声に、全員が臨戦態勢に入った。

此れから、俺たちのボス攻略が始まる――。




《スリーピング・ナイツ》メンバーが、ユウキちゃんとシウネーしか話してない……。
まあでも、大丈夫なはず。メインはキリト君とユウキちゃんですから(^_^;)

名台詞出ましたね。「悪いな、ここは通行止めだ」( ・`ω ・´)キリッですね。
また、バーサクアスナさん登場です(^O^)
てか、キリト君とユウキちゃん仲良すぎだぜ。
ちなみに、ユイちゃんは、アスナさんの肩に乗ってましたよー。親指をぐっと立ててました。描写に書けず申し訳ないm(__)m

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