とある日の一幕
ぎゅう、と、ハリーに抱きしめられた。
今は七月のある土曜日の早朝。まだ日も昇ってないような真夜中。
「どうしたんだい、ハリー」
「……夢を見たんだ。ヴォルデモートが、誰かを殺した夢を。ワームテールも居た」
「……見せてもらうよ?」
「……うん」
ハリーの中にはヴォルデモートの一部がある。なら、こんな夢の時、夢の中で起きた出来事が本当のこともあるかも知れない。
私が覗いたハリーの夢は、年老いた男を殺す夢だった。それに、バーサ・ジョーキンズと言う魔法省の女性も殺されていると。そして、ハリーを殺すと。
あの家がどこにあるのかはわからない。でも、バーサ・ジョーキンズについてなら調べられるかも知れない。
「ありがとう、ハリー。辛くなったならいつでも言ってくれ。私はいつでも、ハリー、君を受け入れよう」
「……うん」
プリベット通りの朝は更けていく。今年起こる出来事など、まるで予感もさせないほどの清々しい天気で。
今、ハリーと私はダーズリー家の隣の家で宿泊している。ダンブルドア曰く、ハリーにはリリー・ポッター──ハリーのお母さんの護りが付いていて、その護りは、リリーの血縁に近ければ近いほど効力を増すとのこと。ダドリー・ダーズリーが太り過ぎて、バーノンさんもペチュニアさんもダドリーも、見事に冷戦状態になってるから、次点でこの家に居る、と言うわけだ。最も、普段からハリーはこの家に入り浸ってるけど。二日にいっぺんは泊まりに来てるし。
そういえば、明日からロンたちの家に泊まりに行くことになって居る。クィディッチ・ワールドカップの観戦のためだ。お父さんとウィル爺が送って来たチケットは、月曜日朝早くの『
「ドラコの方は許可取れたって?」
「うん。マルフォイ氏と喧嘩までして許可をもぎ取ったってさ。最終的に、母親の一声で許可を得たらしいけどね」
ナルシッサ・マルフォイさんだったか。あの人も親バカみたいだ。マルフォイ氏も親バカだけど、ドラコと喧嘩した理由は、愛する息子が、自分が毛嫌いしてるウィーズリー家に泊まると言ったからだろう。
「用意は出来たの?」
「もちろん。教科書も着替えも詰めた。あとは明日、ヴェルを抱えるだけだよ。そっちは?」
「終わってる。ヘドウィグも元気だし、ピッグも送り返したからね」
あの豆ふくろうはピッグと言う名前を貰い、今日も元気にロンからの手紙を、もしくはロンへの返事を運んでる。なんと言うか、元気一杯ななつき度マックスの後輩系って感じかな?
「それで、宿題終わった?」
「あっ……うん、すぐやるよ」
ワールドカップの前々日は、ハリーは宿題に追われる羽目になったとさ。
始まりました、第四章『炎のゴブレット』!……ただ、今章はこれまでで一番、構築し難い章なんです。何故なら、リーナをどうするか、クラウチJr.をどうするか、など、様々な(作者にとっての)困難が待ち受けてるからです。どうするかなぁ……。
何やら感想で、「同じ部屋の同じベッドで一緒に寝てると思った私はゲスいのだろうか」(一部要約)と言うような感想が有ったので。
同じ部屋の同じベッドで一緒に寝てますが?
ちゃんとピュアなお付き合いです。一線は七年生になるまでは確実に超えさせない。まだディープキスが精一杯なのですよ。
三章の間にブライトが作っていた発明群
SCP-261『異次元自販機』
お金を入れると、入れた金額によって色々な物を排出する自販機。ブライト・ディメント製のSCP-261は不完全で、商品の元(リンゴの種)の補充が必要。排出口付近で自動で変身術が掛けられるようになっている。何に変身するかはランダム。ただし、一部の吸魂鬼にはリンゴの種しか排出しない。
SCP-914『ぜんまい仕掛け』
ぜんまいで動く機械。『入力』、『出力』の二つのブースがあり、銅のチューブでオブジェクト本体と繋がっている。間にはRough、Coarse、1:1、Fine、VeryFineのラベルが貼られた銅のパネルとノブがある。
『入力』にいれた物を『出力』から、改造した状態で排出する。
Fine→普通に改造されるが、それでもオーバーテクノロジーに至ることも。複雑化。
Rough→分解。と言うか細切れになる模様。
Coarse→単純化。構成物質ごとに分解される模様。
1:1→似たような物に変換される。100ドルは75ユーロに変換された。また、このモードで初期配置のチェス盤を改造すると、このオブジェクトとチェスが出来る模様。
Very Fine→Fineの上位互換。しかし、Fine二回の方が圧倒的にヤバい。