吸魂鬼に転生してしまいました。   作:零崎妖識

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スクイブに関するオリジナル設定と、フィルチさん強化回。

ドラコ視点。


番外編:アーガス・フィルチへの贈り物

ロンのネズミがいなくなってから数日が経った。あのネズミが本当にピーター・ペティグリューなら、どこかに逃げて潜んでいる、という可能性もあるな。

だが、今の僕にとっての一番の問題は、この物体をどうするかなんだよなぁ……。

 

 

昨日、校庭を歩いていたら、突然リーナが降ってきたんだ。上からヒューンって、落ちてきた。魔法でも使ったのか、その後普通に動いてたけど。で、今持ってるこの物体を渡された。

正八角柱で、それぞれの辺には少しずつ形の違う三本の線、中央には東洋のオンミョウジュツだったか?黒白のマークが入っていた。

一緒に渡された説明書には、『ミニ八卦炉』と書いてあったけど、一体どんなマジックアイテムなんだ?

リーナはこれをフィルチに渡してくれって言ってたけど、最近ピリピリしてて渡しづらいし。どうしたらいいんだろう。

そんなことを考えていると、前からハリーが歩いてきた。よし、巻き込もう。

「やあハリー。ちょっと付き合ってほしいことがあるんだが」

「嫌な予感がするんだけど?」

そりゃそうだ。今まで僕から頼みごとをしたことは数少ない。人の良いハリーでも不審がる。

「リーナからのお願いでね。この『ミニ八卦炉』とやらをフィルチに渡したいんだけど、渡しづらい。だから協力してもらおうとね」

「……少し見せて」

言われたので、アイテムをハリーに渡す。少し触って何か納得したのか、

「よし、手伝う」

と言ってきた。

 

 

フィルチは事務所にいた。扉を開けると、隈のできた顔でこちらを見てくる。

「なんだ?罰則を受けに来たのか?さあどんな罰則がいい。今ならフルコースをお見舞いしてやる」

「落ち着いてください、フィルチさん。リーナから贈り物があるので届けに来たんです」

ハリーが臆さずに言う。こういうところは真似できない。

「贈り物?あの娘からか」

八卦炉を渡す。説明書も一緒に。

説明書には、

『このミニ八卦炉は魔法が扱えないスクイブでも、魔法が扱えるようにできる物です。

スクイブは魔法使いのようにうまく魔力を扱えず、結果として魔法が使えないので、このマジックアイテムには魔力の自動吸引機能をつけてみました。

マークを魔法を撃ちたい方に向けて、一定の起句を唱えると、その魔法が発動します。

なお、これは試作品で、何かと気苦労の絶えないフィルチさんにテスターの役割も兼ねてプレゼントしようかと。

起句は裏面に書いてあります。

リーナ・ディメント

 

作成者

ブライト・ディメント』

「ふむ、起句と言うのはこれか?〈スターダストレヴァリエ〉」

横の壁に向けて起句を唱えるフィルチ。すると、八卦炉からは星型の魔力の塊が勢いよくばらまかれた。

「ほう、これは凄いな。これがあれば、私も少しとはいえ魔法が使えるのか……感謝するとしよう」

フィルチに頭を下げられて、事務所を出る。ハリーはホッとした顔をしてるが、何か心配でもあったのか?




フィルチがミニ八卦炉を装備。フィルチが少し丸くなった。フィルチの攻撃力が上昇した。

はい、安定のブライト製品です。
スクイブのオリジナル設定は、他と同じように魔力は持ってるけど、それをうまく扱えず、杖から魔法として放てないというもの。ならば、勝手に魔力を吸引して使っちゃえば、魔法が使えるんじゃね?とブライトが考えて制作。欠点は一部の魔法(正確には東方の魔理沙の魔法)しか使えないこと。フィルチは実験台。でも失敗はない。

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