『だが断る』
そんなこんなのディメント家。
いろいろとネタが出てきます。
魔法界のお目付け役、ディメント家。アズカバンの吸魂鬼を自在に操り犯罪者を捉えていく、絶対正義にして必要悪……なんてことはなく、ディメント家が一方的に恐れられているだけであり、ディメントの者たちは絶対正義でもなんでも無く、自由気ままに生きている。
今回は、そんなディメント家の一部ーーまだ紹介されていない者たちのお話。
その男はアメリカにいた。その土地は、彼にとっては非常にありがたい場所だろう。男はカルロ・キリングと言う名前であり、犯罪者だった。まだ警察は彼の足取りをつかめていない。否、彼が犯罪者だとすら気付いていない。なぜなら、魔法を使って犯罪を犯したーー人を殺したからだ。
ただ、〈爆発呪文〉で頭を吹っ飛ばして、周りのマグルに〈忘却呪文〉をかけただけ。それだけで、マグルにとっては完全犯罪が成立する。杖を持っていても、ローブを着ていても、アメリカなら「コスプレだろう」で済まされる。カルロはそう考えていた。ーー彼らが来るまでは。
(なんで、なんであいつらが来るんだよ!イギリスでしか仕事しねぇんじゃなかったのか!?)
カルロは逃げていた。裏路地で、マグルの格好をして。カルロは純血主義であり、マグルの服を着るのはごめんだったが、逃げるためには必要なことだった。
(んだよ、なんで
まだ、見つかってはいない。しかし、カルロを追っている男は着々と、彼に近づいていた。
(あー、くそったれ。捕まるにしても綺麗なねーちゃんに捕まりてぇんだ。何が好きであんなのに捕まらなきゃならねえんだ!あんな、
筋肉モリモリマッチョマンの変態に!)
「さあ、覚悟は良いか?殺すのは後回しにしてやろう」
カルロはその後すぐに、身長190cmの筋肉モリモリマッチョマンの変態に捕まることになる。半殺しの状態で。彼の名はジョン。ジョン・ディメント。言うまでも無くディメント家の一員であり、去年のクリスマスに『
過去、アメリカ軍にてコマンドー部隊に『ジョン・メイトリックス』と言う名で潜入していた男である。
☆
南米、チリの、ナスカの地上。そこでは、見ただけで
「立ち入れないように魔法使いを何人か配置しているとはいえ、こんな大きなもの、すぐにマグルに見つかってしまうぞ。さっさとスケッチして、消してしまうとしよう」
彼はスケッチブックを取り出し、怪物どもをスケッチし始めた。一つの怪物につき三十秒ほど、計三分ほどでスケッチは完了した。
「さあ、今消してやろう。安心しろ、君たちはこの露伴が漫画として使おう。静かに眠るといい」
男は立ち上がり、改竄された地上絵の前に立つ。そのすぐ近くには、地上絵に似た怪物がおり、彼を喰らおうとしていた。
「その程度のスピードで僕を食べられると思うな。『
男の目が見開く。怪物は止まり、地上絵はまるで本のようにめくれ上がった。否、本当に本になっている。彼は本に書かれていた一文、「書き加えられた」を消しゴムで消し、本を閉じた。途端、怪物は消え去り、地上絵は本来の姿に戻った。
「さあて、他のもか」
彼は他の地上絵にも同じことをした。そして、ナスカの地上絵は完全に、本来の姿に戻った。
彼の名前はロハン・ディメント。日本で「岸辺露伴」として漫画を描いている吸魂鬼。彼の能力、『
そんな彼は、すぐにスケッチを漫画とするために、日本へと戻っていった。
て訳でネタ回でした。登場人物紹介でもどうぞ。
ジョン・ディメント
元ネタ、『コマンドー』のジョン・メイトリックス。
身長190cm、茶色の短髪の筋肉モリモリマッチョマンの変態。趣味は格闘技とボディビル。
ロハン・ディメント
元ネタ、『ジョジョの奇妙な冒険』の岸辺露伴。
日本で漫画家をしており、ディメントとして活動することは少ない。しかし、ほかに類を見ないような事件の場合はすぐに現場に飛ぶ。
能力持ちだが、彼の能力は「見て触れて能力名を言う」のが発動条件のため、視界内以外のものは対象外だし、体の一部が触れていないと発動できない。強いのに。