吸魂鬼に転生してしまいました。   作:零崎妖識

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入り口

マートルのトイレ。ここに、『秘密の部屋』の入り口がある。

 

「リーナ、場所はわかってるの?」

 

「洗面台。どれか一つに蛇のマークがあるはず」

 

みんなで手分けして探す。ロックハートはドラコに監視してもらってる。

 

「……あった!でも、どうやって開くんだい?」

 

ロンが見つけてくれた。見ると、確かに蛇のマークが付いている。

 

「蛇語でしょ?だって、バジリスクを操るんなら、蛇と話せることが第一条件だろうし」

 

と、ネビル。この中で蛇語を話せるのはハリーのみ。ハリーは手洗い台の前に立った。

 

「開け」

 

「ハリー、普通の言葉だよ」

 

「……■■」

 

シューシューとハリーの口から聞こえ、手洗い台が変形し始めた。なんでこんなところをこだわったんだろうね、創設者四人は。

 

「……で、誰から行くんだい?僕としては、ロックハートを先に入れて安全確認したいんだけど」

 

「ドラコ、ナイスアイデア」

 

ロックハートの背中をドラコが杖で小突く。

 

「ね、ねぇ、こんなことしても意味がないだろう?」

 

小突く。

 

「も、もうやめるんだ。他の先生に協力してもらったほうが確実だろう?」

 

小突く。パイプの手前まで来た。

 

「わ、私は関係ないでしょう?ほ、ほら、杖もないし、戦力にならないですよ!?」

 

「先生が許可して同行したと言う事実と、安全確認のためです♪」

 

ドラコの前に立ち、思いっきり蹴っ飛ばす。体制を崩してお腹から落ちていったけど、まあ、無事でしょ。

 

「次は、私が行くね。あいつが変なことしてないか見張りたいし」

 

誰かが何か言う前に飛び込む。滑り台みたいな感じだ。所々で枝分かれしてる。っと、到着かな?地下牢よりも深い場所だね。

 

「スタッと。着地成功」

 

ロックハートは私が着地したところより遠い位置でうつ伏せで転がっていた。手が滑って立ち上がりにくいようだ。

 

他のみんなも降りて(落ちて)くる。

 

光よ(ルーモス)

 

ロンとハリーが光を灯す。私はだいぶ前に買っていた『輝きの手』を持っているからつけなくても平気だ。

 

 

しばらく進む。隊列は、ハリー、私、ロックハート、ドラコ、ネビル、ロンの順。足元には小動物の骨が転がっている。ーー何かが見えた。

 

「……抜け殻だ。巨大な、蛇の抜け殻」

 

緑の皮を持つ抜け殻。

 

「……ハリー、ここからは私たちだけで行ったほうが良い。みんながいたら、逆に足手まといになるかも」

 

「酷いことを言ってくれるね。でも、その通りだろうな」

 

「僕たちはここで待つ。ハリー、リーナ、ジニーを、僕の妹を頼んだよ」

 

「ロックハートは任せといて」

 

言うなり、ロックハートは取り囲まれ、動けなくなった。

 

「よし、行こう!」

 

 

何度も何度も曲がる。もう何度目かわからない曲がり角の先に、二匹の蛇が絡み合った彫刻が見えた。目にはエメラルドが施してある。欲しい。

 

「行くよ……■■」

 

壁が分かれていく。私たちは、『秘密の部屋』の中に一歩を踏み出した。




「おう、ブライト。完成したのか?」

「ああ、完成したぜ。しっかしよう?俺に他のやつの制作を中断させてまで、なんでこれを作らせたんだ?元から作る気ではあったが」

「俺の能力は知ってるだろ?まあ、言うなら、五年以内に、まだ、魔法界に必要な奴が死ぬ。そのための保険だな」

「へぇ……詳しくは聞かないでおこう。ほら、持ってけよ実力派エリート」

「サンキュ。この首飾りのお礼はまた今度な」

「楽しみにまってるぜ」

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