意味:ロクデナシ
東方アレンジの曲名としての使用じゃありませんからね?原義としての使用ですからね?
試合開始直後、ブラッジャーの一つがハリーへ突進していった。……え?何で?ありえない!
ブラッジャーは一番近くにいる選手を叩き落そうとする。あの時一番近くにいたのはスリザリンのマーカス・フリントだ。つまり、本来ならフリントに向かうはずのブラッジャーがハリーへ向かった。
なんとかジョージが弾き飛ばしたけど、ソレは再び、ハリーを狙いに行った。ああ、今魔法を使ってもいいのなら良かったのに!あのブラッジャーを粉々にしてコンクリにでも詰めてマリアナ海溝にでも沈めに行ったのに!
……ふぅ、落ち着いた。私の箒は狙われにくいからともかく、他の人の箒が狙われないのはありえない。つまり、何かしらの魔法がかかっている?それに、競技場の外に大量の何かが見えるんだけど?
「ポッター選手、どうしたのでしょうか!ブラッジャーに追いかけ回されております!ーーあれ?あれはなんだ?……鳥か?ーーああ!鳥が競技場へ乱入ーーポッター選手へ突撃していきます!」
リー、説明どうも。今リーが言った通り、鳥がハリーへ突撃している。が、ブラッジャーが蹴散らしてしまった。
フレッジョがハリーに付きっ切りなので、もう一つのブラッジャーがフリーになってしまい、ろくに得点を決められなかった。現在、十点対六十点で私たちが負けている。ウッドはタイムアウトを取ることにしたようだ。同時に、雨が降り始めた。
「誰かがブラッジャーにいたずらしたんだ。それに、鳥もくちばしで突っついてきた。誰かが邪魔をしているんだ」
「でも、どうやって?」
「わからないけど、今没収試合になったら僕らが負ける。だからフレッドとジョージは他のみんなをお願い」
「「いいのか?お前が危険だぞ?」」
「かまわない。ーーリーナ、ごめん。ちょっと無茶する」
「仕方ないね。無事に帰ってくること。怪我なんかしたら、そうだね、何をしてもらおうかな〜♪」
「絶対にケガしません!」
ハリーにお願いをして、試合が再開する。
ビッシャーン!
おいちょっとまて!雷が降るような雨じゃないぞ!?ハリーは?ハリーは無事なのか!?
「ーーみんな!僕は大丈夫だから!試合に集中して!」
良かった無事だった!
しかしその後も、ハリーにだけ何かしらの、ひどい時は直撃したら死ぬレベルの何かが起こり、私のイライラは溜まっていった。そして、最後。
ハリーとドラコが二人でスニッチを追いかけ、ハリーが取った。ただし、右腕と引き換えに。
「勝った!勝ったよリーナ!だからごめんブラッジャー何とかして!」
「色々と言いたいことはあるけど、〈
試合が終わったにも関わらず、ハリーの頭を砕こうとするブラッジャーを粉々に爆破する。
「ハリー?私言ったよね?無事に帰ってきてって。だからぁ、今夜抱き枕になってね♪」
「はい、わかりました。今度からはできるだけ無茶はしないようにするよ」
「一切してほしくないんだけどね。どうせ聞かないでしょ」
「うん」
などと言いつつ、ハリーの腕を触診する。詳しくはわからないけど、複雑骨折はしてないみたいだ。
「どれ!私が治して差し上げましょう!」
何しに来た
「ミス・ディメント、下がって。この私が何回も使用した魔法です。なあに、心配は要りませんよ」
「先生、下手に魔法で治すよりも、医務室で治した方が堅実です」
「いえいえ、全然大丈夫です!〈
ハリーの腕の厚みがなくなる。正確には、ハリーの腕を立体として支えていた支柱ーー骨がなくなったのだ。
「えー、まあ、時にはこんなこともありますよ。でも、もう骨は折れてないでしょう?それじゃ、ハリー、医務室まで気をつけて行きなさい。あっ、ミス・ディメント、彼に付き添ってあげなさい」
もうこいつぶっ飛ばしたい。
医務室に着き、説明をすると、マダム・ポンフリーは怒りに怒った。
「まっすぐ私のところに来るべきでした!」
「骨折ならまだしも、骨を生やすとなるとーーアレがありましたね。ミス・ディメント、『万能薬』は骨を生やすことも可能ですか?」
「可能性としては」
二時間経ってもほねが生えなかったら無理で、生えたら怪我にも使えることが証明される。
「わかりました。それではこれをお飲みなさい。二時間後に確認します」
そう言って、マダム・ポンフリーは医務室の奥へ消えた。
数分後に、グリフィンドール選手とハーマイオニーやロン、ネビル、ドラコに、さすがに同情したのかスリザリン選手も見舞いに来た。
「すごかったぜ、ハリー。あのキャッチ!感動したよ!」
「でも、何でブラッジャーは暴走したのかしら?」
「言っておくが、スリザリンは何もしてないぞ」
「わかってるよ」
「具合は?」
「だんだん不調が治ってる感じがする」
「「しっかし、何してくれてるんだろうな、あのダメ教師は」」
「彼にも不調とかはあるのよ」
「ハーマイオニー、もう援護しようがないと思うよ」
「ネビル、よく言った」
そんなこんなで、二時間後。まさか本当に治るとは。
「ふむ、完璧に治っているみたいですね。少し検査をしますが、今夜は寮に帰れますよ」
検査が終わり、寮に戻る。もう就寝時間なので、ハリーを私の部屋にお持ち帰りした。
(とうとう犯罪に手を染めたのですかい、ご主人様?)
「正当な理由があって攫ってきたからね?」
「攫ったって言っちゃったよ」
ハリーに背を向けて、パジャマに着替える。背後ではハリーも着替えているようだ。
ベッドにハリーを押し倒し、ハリーに抱きつく。
「あんな無茶したんだから、今夜はとことん甘えさせてもらうよ?」
「えーと……ほどほどにね?」
「善処する」
チュッ
キスをして思いっきり抱きしめる。ハリーも抱き返してくる。むぎゅーっと。
後で知ったけど、この様子を雷と電に見られていたらしい。そして、自動アップデートだかなんだかで記憶を写真や動画として現像する機能がついたらしく、数ヶ月間、この動画がホグワーツ内で出回り、写真が取引されることになった。一部の人はブラックコーヒーをがぶ飲みしたそうな。まだこの時は知らなかったんだよねぇ。
ーーいつのまにか寝ていたようだ。何かの気配を感じた。異物の気配を。目の前にはハリー。一応明記しておくけど着衣だ。さすがにナニをしていたわけではない。部屋を見渡す。と、クリーチャーに似たような人影ーー屋敷しもべ妖精を見つけた。同時に、ハリーも起きて見つけたようだ。
「ドビー?」
あれがドビーか。さて、OHANASHIしなくちゃね。