吸魂鬼に転生してしまいました。   作:零崎妖識

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閉じた入り口と新入生歓迎会

色々あって夏休みももう終わり。ロンに箒を渡したり、透明マント改の効果を試したり、クリーチャーのプレゼントを確認したり(手袋だった)。

 

最後の夜には、ウィーズリー夫人が豪華な夕食を作ってくれた。もう一度食べたい。

 

翌朝、出かけるまでに色々あった。夫人は色々と探してご機嫌斜めだし、ウィーズリーさんは鶏につまずいて首の骨を折るかもだったし。

 

大量の荷物はウィーズリーさんが〈拡大呪文〉をかけたので全部入った。そして私はこの一年間、ペティグリューの存在を忘れていたことを思い出した。テヘペロ♪

 

 

 

さて、無事にキングズ・クロス駅についたけど、何回隠れ穴に戻ったんだろうね。花火の箱を忘れたり箒を忘れたり日記を忘れたり。急がないと乗り遅れるかも。

 

パーシーが最初にホームに入り、その後にウィーズリーさん、フレッジョ、ジニーと夫人が続いた。つぎはハリーだ。

 

ガッシャーン!

 

……あれ?カートが柱にぶつかったみたいだ。こっそりと透明マントを使って私たちを覆い隠す。

 

「どうしたの?」

 

「ホームに入れなかったんだ。入り口が閉じちゃったのかな」

 

「今は透明マントを使ってるから平気だと思うけど?ちょっと行ってみる」

 

私はカートを柱へ押し込んでみる。しかし、柱を通り抜けることはなかった。

 

「……ええいじれったい!このまま吹き飛ばしてもいいよね!?」

 

「リーナ、落ち着いて。……まさか、ドビー?」

 

「ドビーって、確かハリーへの手紙を止めてたしもべ妖精だよね」

 

「うん。たしか、僕はホグワーツに戻らないほうが安全だって。妖精なら、入り口を閉ざすこともできるはずだ」

 

……ドビーか。まだ会ったことはないけど、もし会えたなら一言言わせてもらおう。私のハリーは自宅謹慎が必要なほどヤワじゃないって。

 

「行っちゃったよ」

 

ロンが言う。時計を見ると、既に汽車の出発時刻になってきた。

 

「どうしよう。パパもママもこっちへ戻ってこれなかったら!それに、僕たちはどうやってホグワーツへ行けばいいの?」

 

そうなんだよね。汽車が行ってしまった以上、ホグワーツへ行く手段は限られている。徒歩で行くか、諦めるか。

 

「あ、そうだ!車だよ!パパの車は飛べるし透明になれる!」

 

「この中で車の運転をしたことのある人はいないよ?」

 

沈黙。……飛ぶ?そうだ!

 

「ハリー、ヘドウィグを借りていい?」

 

「いいけど、どうするの?」

 

「フクロウ便をお忘れかい?」

 

私はなぜか九と四分の三番線に入れなくて取り残されたと手紙を書き、ヘドウィグの足にくくりつけた。

 

「ホグワーツまで頼んだよ」

 

(任せて!)

 

ヘドウィグを放す。これで、少なくとも明日には迎えが来るはず。

 

「迎えが来るまではどうしてようか?」

 

「うーん、リーナの家で平気かな?」

 

「ここからどれだけかかると思ってるんだい?」

 

「隠れ穴も車を運転しないとたどり着けないし……」

 

「「「……暇だ」」」

 

 

 

数時間後

 

「ミス・ディメント?どこです?迎えに来ましたよ?」

 

マクゴナガル先生の声がする。無事、手紙は届いたようだ。

 

「先生、こっちです」

 

「ああ、そこでしたか。ーーなんと、ミスター・ポッターにミスター・ウィーズリーまで。さあ、三人とも。私にお掴まりなさい。ホグズミードまで〈付き添い姿くらまし〉をしますから。詳しい事情は後で聞かせていただきます」

 

私たちはマクゴナガル先生の手や服に掴まり、何かを通る感覚とともに、どこかの村ーーホグワーツが見える村ーーへ到着した。

 

「ここがホグズミード村です。三年生になれば来ることもあるでしょう。さ、早くホグワーツへ向かいますよ」

 

 

ホグワーツに入ると、私たちはマクゴナガル先生の研究室へと連れて行かれて、説明をすることになった。但し、説明をしたのは全部ハリーだった。

 

「ーーというわけで、手紙を送って迎えを待つことにしました」

 

「なるほど、良い判断です。さて、歓迎会までまだ少し時間があります。早く大広間へ向かいなさい。みんな、あなた方のことをお待ちですよ」

 

「ありがとうございます」

 

そう言って私たちは大広間へ行った。扉を開くときに目立つのは嫌なので、透明マントを使ってこっそりと席へ座った。てか、使わなかったら岩心に目をつけられただろうし。

 

「ハリー、リーナ、ロン。いったいどこへ行っていたの?みんなが騒いでたわよ?私も、ネビルも、マルフォイも、心配してたんだから」

 

「ごめん。説明はハリーから」

 

丸投げ。ハリーの説明中に、新一年生が入ってきた。帽子の歌は去年と内容は同じだったが、少し前文が変わっていた。

 

「クリービー、コリン!」

 

写真機を持った男の子だ。彼はグリフィンドールへ入った。

 

「ラブグッド、ルーナ!」

 

どこかふわふわとした感じの女の子。彼女はレイブンクローだった。終始、レイブンクロー寮に関しての歌を歌っていた。

 

「ウィーズリー、ジネブラ!」

 

ジニーの番だ。彼女は去年のロンと同じように、すぐにグリフィンドール寮へ決まった。

 

「やったわ!」

 

「よーし、これで俺たちウィーズリー家は全員グリフィンドールだな!」

 

「やっぱ家系によって寮って決まるんじゃないのか?」

 

「いや、確か昔、スリザリン寮の家系の中から一人だけ獅子寮が出てるはずだ。何かで読んだ」

 

「本当か?それだったら僕らは奇跡の家系ということか?」

 

「その一人が特別なんだろ」

 

以上、一番上以外フレッジョの会話でした。あとジニー、ハリーに抱きつこうとしない。それをしていいのは私だけだ。

 

「ケチ」

 

「嫉妬かい?」

 

私とジニーの間で火花が飛び散る。まあ、負けるつもりはないけど。

 

そのあとはダンブルドアの話と注意事項の説明、あのよくわからない校歌を歌って、寮へ戻ることになった。

 

階段を上り、「二年生」と書かれた部屋の一つーー私の部屋の扉を開ける。相変わらず寂しいが、すっかり野生化した様子の雷と電が出迎えてくれた。さらに、去年のクリスマスにもらったけど使う機会がなくて放置していた二体の人形がなぜか自立稼働していた。ブライトがホグワーツにやってきて何か仕込んでいたのか?ともかく、去年よりかは寂しくはなさそうだ。


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