あ、第一話のUAが一万を超えました。
何週間経っても、クィレルがフラッフィーを突破する手立てを入手することはなかった。フラッフィーがまだ突破されてないか確認するためにフラッフィーのところに遊びに行ったけど、まだ来ていないとフラッフィーは言っていた。
ハーマイオニーはもう試験勉強を始めるようだ。まだ十週間ーー大体二ヶ月半は先なのに。結果、復活祭の休みは図書館で宿題の消化や復習などをすることになった。『薬草学』は苦手だし、よく復習しておかないと。……あ、ハグリッドだ。
「ハグリッド、何してるの?」
こっちに来るハグリッド。何かを背中に隠している。
「ちーっと見てるだけだ。お前さんたちは?」
ハグリッドは話をそらそうとしてるのかな?
「まさか、ニコラス・フラメルをまだ探しとるんじゃねえだろうな」
「そんなのもうとっくの昔にわかったさ」
ロンが意気揚々と言う。
「それだけじゃない。あの犬が何を守っているかもーー」
「ロン、そこまでだよ」
さすがに言い過ぎだと、ロンをたしなめる。
「それより、何を背中に隠しているのかな?私としては、それがすっごく気になるんだよ」
ハグリッドはバツの悪そうな顔をした。
「あー、ここじゃあ言えねえな。あとで小屋に来てくれや。誰にも言わんといてくれよ」
そう言って、ハグリッドな何かを隠したまま図書館を出て行った。
「ハグリッド、何を隠してたんだろう」
「『石』に関係あることかしら?」
「いや、『石』がすでに隠されている以上、それはないよ。ちょっと見てくる」
私はハグリッドがいた棚に近づく。ふむ、ドラゴンの本か。……いや、まさか。いくら三頭犬を飼っていたハグリッドだとしてもあり得ないはずだ。うん、違うと信じたい。ーードラゴンを飼おうとしてるなんて。
「ドラゴンの飼育だって?法律違反だよ!」
ハリーたちの元へ戻り、考えを話す。
「さすがのハグリッドでもそんなことはーーやりそうだね」
信用ないな、ハグリッド。
「もしハグリッドが本当にドラゴンを飼おうとしていたら、すこーしお話する必要があるね」
「ハリーどうしよう。リーナの目が笑ってない」
「リーナ、ほどほどにね?」
「わかってるさーー辞世の句ぐらいは詠ませてあげるよ」
「殺しちゃダメだからね!?」
「図書館ではお静かに!」
「アッハイ」
一時間後、ハグリッドの小屋を訪ねると、カーテンが全部閉まっていた。ハグリッドは私たちだと確かめてからドアを開け、すぐに閉めた。
小屋の中は凄く暑い。さっきの様子といいこの暑さといい、まさか。
「ハグリッド、本気で飼おうとしてるの?」
「……気づいとったか。こいつは確かにドラゴンの卵だ。きのうの晩、村まで行って、酒を飲んで、知らないやつと賭けをしてな。勝って手に入れた。ノルウェー・リッジバック種だ」
「はぁ……ハグリッド、辞世の句を詠め。介錯してやる」
有罪だ。
「なっ、何をする気だ、リーナ」
「ハグリッド。ドラゴンを飼うことは法律で禁止されている。このままだと君は犯罪者だ。最悪、アズカバンに私の手で放り込む事になるかもね」
「……せめて、こいつが孵るまでは育てさせてくれ。そのあとは引き渡す」
「ロン、確かチャーリーがドラゴンの研究をしていたよね。彼に預けよう。この子が孵ってからだけどね」
……私も、ドラゴンの赤ちゃんは見てみたいし。
「そう言えば、石の守りは平気なの?」
とりあえず、しんみりとした空気を入れ替える。
「誰が守っているのかと、誰にもフラッフィーをおとなしくさせる方法を教えてないか。ドラゴンのことを見逃す代金として、教えてもらおうか」
「……しかたねぇ。スプラウト先生、フリットウィック先生、マクゴナガル先生、それからクィレル先生にダンブルドア先生も。あとは、おお!スネイプ先生を忘れとった。まあ、この中の誰も盗もうとはしねぇだろう。守る側にいるんだから」
クィレルが盗もうとしてますよ?
「フラッフィーをおとなしくさせれるのは俺とダンブルドア先生以外はーーいや、お前さんはおとなしくさせれるんだったな。と言うか、懐かれとる」
まだ、クィレルはフラッフィーをおとなしくさせれないのか。安心だ。
数日後に、ハグリッドから手紙が届いた。『いよいよ孵るぞ』と。
ロンは『薬草学』をさぼって小屋に向かおうとしたけど、私とハーマイオニーで止めた。『薬草学』だけは絶対に受けたい。苦手科目だし。
そのあと、少し揉めてしまい、マルフォイに話を少し聞かれてしまった。とりあえず、午前中の休憩時間に向かうことに決まったけど、マルフォイが心配だ。
授業が終わり、私たちはすぐにハグリッドの小屋へ向かった。よかった、間に合った。
「もうすぐ出てくるぞ」
ハグリッドは興奮している。卵はすでにひび割れ、中に何かがいることが見て取れる。
中からコツンコツンと音がして、ひび割れがどんどん大きくなる。いよいよだ。
鳴き声がして、突然、卵が真っ二つに割れた。そして、赤ちゃんドラゴンが出てきた。うん。前にアズカバンで見たドラゴンほどは引き締まってないけれど、十分かわいいね。
「ハグリッド、やっぱりディメント家で引き取っていいかい?かわいい」
「ハリー、私、リーナの感性がわからないの」
「慣れてね、ハーマイオニー」
うう、さすがにダメか。っ!まずい、見られた!ハグリッドとともに窓際に駆け寄る。
「どうしたの?」
「ドラゴンが見られた。多分、マルフォイ」
早くこの子を引き渡さないと。もしマルフォイが言いふらしたら、まずいことになる。
チャーリーに連絡を取ってもらった。二週間は迎えに来れないようだ。マルフォイを見ると、薄笑いを浮かべているのがはっきりわかる。
ドラゴンがノーバートと名付けられ、そして私が女の子だと見抜いたのは、彼女が産まれてから一週間ほどの頃だった。もう三倍ほどに成長している。ノーベルタと名前を変えた彼女は好奇心旺盛で、なんでも咬みつこうとした。その度に私が落ち着かせることになった。ぎゅーって抱いたときはかわいかった。すりすりしてきてね、顔を舐めてきたりしてくれたよ。ハグリッドが羨ましがってた。
そんなこんなで、さらに一週間後。チャーリーから、土曜の夜中、一番高い塔に連れて来てくれと連絡があった。連れて行くのは、ハリーと私に決定した。
やばい、マルフォイに計画がバレたかも。ロンが手紙を落としてしまったらしい。ピーブズに聞いたけど、マルフォイが何か、紙を拾ったとのことだった。
ハグリッドの小屋へ行く。手紙のことを話すためだ。中へ入ると、ノーベルタが私にすり寄ってきた。すっかり懐かれてしまった。彼女は私のことをお姉ちゃんと呼んでいる。かわいい。
「土曜か。ノーベルタ……平気だよな?」
「ハグリッド、後悔しないよね?」
改めて、ハグリッドに確認する。
「ああ。約束したからな。ドラゴンの寿命は俺たちよりも長い。またいつか会えるだろうさ」
そう言ったハグリッドだったが、目には涙を浮かべていた。
土曜の夜、ノーベルタを引き渡す日だ。ピーブズをやり過ごし、ハグリッドの小屋へ向かう。すでに、ノーベルタの準備は完了しているようだ。
「長旅だからな。ネズミとブランデーをたくさん入れといた。元気でな、ノーベルタ」
ハグリッドからノーベルタを入れた箱を受け取り、透明マントに隠れて城へ持ち帰る。そして、塔への近道を通って行く。一番高い塔の下の階段に着いた時、二人の人間がもみ合っている姿が見えた。
「誰?」
「マクゴナガル先生と……マルフォイだね」
寝巻きのマクゴナガル先生は、マルフォイの耳を掴んでいた。
「罰則です!さらに、スリザリンから二十点減点!こんな真夜中にうろつくなんて、なんてことを……」
「先生、誤解です。ハリー・ポッターが来るんです……ドラゴンを連れてくるんです!」
「なんというくだらないことを!どうしてそんなうそをつくんですか!仮に本当だとしても、夜中にうろついていい理由にはなりません!まったく……あなたのことでスネイプ先生にお目にかからねば!」
先生とマルフォイが消える。そのあとの螺旋階段は気分が楽だった。あとごめんなさい先生、マルフォイが言ったの本当なんです。
塔のてっぺんに着き、透明マントを脱ぐ。ふふ、マルフォイが罰則を受けるとはね。
「ああそうだ。ノーベルタ、この後お別れだ」
(……どうして?お姉ちゃん)
「人間がドラゴンを育てるのはダメなんだ。でも、またいつか会えるさ。私にも、ハグリッドにも」
(ハグリッドは会いたいけど、お姉ちゃんにはもっと会いたい)
「ふふ、約束だ。いつか必ず会いに行こう。だから、なんでも咬みつこうとしちゃダメだよ?」
(わかった!)
少しして、四本の箒が空から舞い降りてきた。チャーリーの友人たちだ。みんなで、ノーベルタを牽引道具につなぎ止める。
「また会おう」
(うん、お姉ちゃん)
そして、ノーベルタは出発した。さて、私たちも寮に帰ろうか。
螺旋階段を下りる。いちおう、透明マントは回収したけど、慢心してたんだろう、マントはかぶっていなかった。
「さて、さて、さて」
つまり、フィルチに見つかってしまったのだ。
「これは困ったことになりましたねぇ」
ええ、本当に。
誰か、私に描写力と文章力をください。