吸魂鬼に転生してしまいました。   作:零崎妖識

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特急の中での一幕

「車内販売よ。何かいりませんか?」

 

おっと、ペティグリューの感情を食す事を考えてトリップしている間に車内販売が。

 

ロンは何も買わないようだね。ハリーは売ってる全ての種類を少しずつ買っていた。

 

私は、そうだね。

 

「蛙チョコレートとかぼちゃパイ、杖形甘草あめを一つずつ」

 

「百味ビーンズは?」

 

「いらない」

 

百味ビーンズ。あれはゲテモノ好きの私は好きだ。けど、量が多い。ハリーが買っていたから分けてもらおう。

 

ハリーはロンと分け合いながら色々食べてる。

 

「蛙チョコレートって、まさか、本物のカエルじゃないよね?」

 

「違うよ」

 

私も蛙チョコレートを食べる。カードはゴドリック・グリフィンドールだった。

 

「この人がダンブルドア?」

 

「あれ、ハリーってダンブルドアに会った事なかったっけ?」

 

「うん」

 

ダンブルドアのカードを見てみる。……趣味、ボウリングって。マグル社会に染まってるね。

 

ハリーはひとしきり蛙チョコレート(数匹、開いていた窓から飛ばされていた)を食べたあと、百味ビーンズの袋を開けた。

 

「気をつけて。ほんとに何でもありだから。普通のもあるけど、臓物味とか、レバー味とかね」

 

「慣れると美味しいけどね」

 

「え?百味ビーンズが美味しいだって!?おどろきだよ!」

 

「そう?レバーとか美味しいけど」

 

流石にダメな味はあるけどさ。石鹸とか。

 

 

 

 

「そういえば、クリーチャーが用意してくれてた物って?」

 

そう、ダイアゴン横丁に行った日にクリーチャーが準備していた物。家を出るときに渡してきて、「ホグワーツ特急の中で開けてくれ」って言われた。

 

「小包だね。ハリーのが青、私のが赤か」

 

箱の中身は何かな?……これって、

 

「マフラーだね」

 

「うん。あと、端っこの方に僕たちの名前が書いてある。クリーチャーの手編みだね」

 

「クリスマスにも何か贈ってくれるかもね」

 

「セーターとか?」

 

お父さんが上質な毛糸を買ってそうだ。

 

コンコン

 

コンパートメントの扉がノックされ、開かれる。ネビルと呼ばれていた子だ。

 

「ごめんね。僕のヒキガエルを見なかった?」

 

首を横に振る。ハリーはもちろん、ロンも見ていないようだ。

 

「いなくなっちゃった。僕から逃げてばっかりいるんだ!」

 

「きっと出てくるよ」

 

ハリーが言う。ネビルは少し、希望を取り戻したような顔で出て行った。

 

「僕がヒキガエルなんか持ってたら、なるべく早くなくしちゃいたいけどな」

 

「ロン。ヒキガエルでも、彼にとっては大切な存在なのさ」

 

「そうかな。もっとも、僕だってスキャバーズを持ってきたんだから人のことは言えないけどね」

 

ネズミはロンの膝の上で眠り続けている。今度はお父さんやブロングス……ジェームズ・ポッターやムーニー……ルーピンたちの夢を見ているみたいだ。穏やかな顔をしてる。

 

「昨日、少しは面白くしてやろうと思って、黄色に変えようとしたんだ。でも呪文が効かなかった。やって見せようかーー見てて……」

 

トランクを引っ掻き回し、杖を取り出すロン。ボロボロな杖だね。……ああ、お下がりの杖か。何年使ってるんだろう。

 

一角獣(ユニコーン)のたてがみがはみ出してるけど。まあ、いいか……」

 

杖を振り上げるロン。その瞬間、再びコンパートメントの扉が開いた。今度はなんだ?




蛙チョコレートのカードは、自分が引き当てたやつです。

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