「車内販売よ。何かいりませんか?」
おっと、ペティグリューの感情を食す事を考えてトリップしている間に車内販売が。
ロンは何も買わないようだね。ハリーは売ってる全ての種類を少しずつ買っていた。
私は、そうだね。
「蛙チョコレートとかぼちゃパイ、杖形甘草あめを一つずつ」
「百味ビーンズは?」
「いらない」
百味ビーンズ。あれはゲテモノ好きの私は好きだ。けど、量が多い。ハリーが買っていたから分けてもらおう。
ハリーはロンと分け合いながら色々食べてる。
「蛙チョコレートって、まさか、本物のカエルじゃないよね?」
「違うよ」
私も蛙チョコレートを食べる。カードはゴドリック・グリフィンドールだった。
「この人がダンブルドア?」
「あれ、ハリーってダンブルドアに会った事なかったっけ?」
「うん」
ダンブルドアのカードを見てみる。……趣味、ボウリングって。マグル社会に染まってるね。
ハリーはひとしきり蛙チョコレート(数匹、開いていた窓から飛ばされていた)を食べたあと、百味ビーンズの袋を開けた。
「気をつけて。ほんとに何でもありだから。普通のもあるけど、臓物味とか、レバー味とかね」
「慣れると美味しいけどね」
「え?百味ビーンズが美味しいだって!?おどろきだよ!」
「そう?レバーとか美味しいけど」
流石にダメな味はあるけどさ。石鹸とか。
☆
「そういえば、クリーチャーが用意してくれてた物って?」
そう、ダイアゴン横丁に行った日にクリーチャーが準備していた物。家を出るときに渡してきて、「ホグワーツ特急の中で開けてくれ」って言われた。
「小包だね。ハリーのが青、私のが赤か」
箱の中身は何かな?……これって、
「マフラーだね」
「うん。あと、端っこの方に僕たちの名前が書いてある。クリーチャーの手編みだね」
「クリスマスにも何か贈ってくれるかもね」
「セーターとか?」
お父さんが上質な毛糸を買ってそうだ。
コンコン
コンパートメントの扉がノックされ、開かれる。ネビルと呼ばれていた子だ。
「ごめんね。僕のヒキガエルを見なかった?」
首を横に振る。ハリーはもちろん、ロンも見ていないようだ。
「いなくなっちゃった。僕から逃げてばっかりいるんだ!」
「きっと出てくるよ」
ハリーが言う。ネビルは少し、希望を取り戻したような顔で出て行った。
「僕がヒキガエルなんか持ってたら、なるべく早くなくしちゃいたいけどな」
「ロン。ヒキガエルでも、彼にとっては大切な存在なのさ」
「そうかな。もっとも、僕だってスキャバーズを持ってきたんだから人のことは言えないけどね」
ネズミはロンの膝の上で眠り続けている。今度はお父さんやブロングス……ジェームズ・ポッターやムーニー……ルーピンたちの夢を見ているみたいだ。穏やかな顔をしてる。
「昨日、少しは面白くしてやろうと思って、黄色に変えようとしたんだ。でも呪文が効かなかった。やって見せようかーー見てて……」
トランクを引っ掻き回し、杖を取り出すロン。ボロボロな杖だね。……ああ、お下がりの杖か。何年使ってるんだろう。
「
杖を振り上げるロン。その瞬間、再びコンパートメントの扉が開いた。今度はなんだ?
蛙チョコレートのカードは、自分が引き当てたやつです。