十月三十日、金曜日。
今日、ボーバトンとダームストラングの生徒がやってくる。そのために授業が三十分早く終わる。金曜の最後の授業は魔法薬学だか、みんな(主にグリフィンドール生)が喜んだ。
お父さんは最初は怖がられてたみたいだけど、徐々に信頼を獲得していった。
授業が三十分早く終わり、急いで寮に鞄と教科書を置きに戻る。魔法薬学の教室は地下で、グリフィンドール寮は城で最も高い場所の一つだから、時間がかかる。
マクゴナガル先生が私たちを整列させ、城の前に並ばせる。
「もうすぐ六時だけど、どうやって来るんだろうね?」
「私にはわからないけど、どうするんだろう」
ハリーと話しながら夜空を見上げる。さっき後ろを振り向いた時に、ダンブルドアが空を見ているのを見たからだ。そして、やはり夜空からそれはやってきた。
「ほっほー!わしの目に狂いがなければ、ボーバトンの代表団が近づいて来るぞ!」
森の上空から、何かが飛んで来る。それは、十二頭の天馬だった。その後ろには巨大な馬車。それが、衝撃とともに着陸した。
馬車の扉には、交差した杖の紋章。それぞれの杖からは三個の星が飛んでいる。これがボーバトンの校章だろう。
馬車の中からは、ハグリッドぐらい大きな女性が現れた。
「マダム・マクシーム。ようこそ、ホグワーツへ」
「こーうえいです、ダンブリー-ドール。フランスに比べて、こーちらは寒いです。生徒たちをあたたかいとこーろへ連れていってもーらえませんか?」
「いいじゃろう。馬はこちらの魔法生物飼育学の先生に任せなされ。もうすぐ、ダームストラングも到着するじゃろう」
馬車から降りてきた水色の服の男女生徒たちが喜んで、城の中へと入っていく。ダームストラングはいつ来るのかな。
少しして、湖の中から異音が聞こえてきた。そして、映画のフライング・ダッチマン号のように、水中から不気味な船がゆっくりと、堂々と浮上した。
乗組員が降りてきたけど、一人だけ違う男──校長のカルカロフは、嫌な感じがした。ウィル爺から聞かされた元死喰い人の一人。何も起こさなければいいんだけど……。
カルカロフの横に立った生徒を見て、ロンとハリー、それに私も驚いてしまった。そこにいたのは、ビクトール・クラムだったから。世界最高のシーカーの一人。まだ学生だったなんてね。
ダームストラングの学生の後に続いて、城に戻る。女子生徒の多くは、なぜ羽根ペンを持ってこなかったのかと後悔していた。それはロンも同じだった。