吸魂鬼に転生してしまいました。   作:零崎妖識

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まず始めに

更新遅れて申し訳ありませんでした!

更新が遅れた理由としては、
1.勉強
2.続きがなかなか思い浮かばなかった
3.新作書いちゃった
などがあげられます。
新作「ホグワーツでカンテレをかき鳴らしながら」も是非読んでみてください。


ムーディの授業

グリフィンドール生からの生暖かい視線から二日後、木曜日。ネビルが大鍋を溶かしかけたこと以外は特に何も無かった。

昼食を終えたグリフィンドールの四年生は早々と教室の前に集まって、列を作っていた。まぁ、気持ちはわかる。一年目がおどおどとしたクィレル、二年目がロックハート、三年目でようやくまともな先生であるルーピンで、防衛術の先生にはろくな人があまり居なかった。ムーディ先生はどんな授業をするのやら。

始業のベルギリギリで到着したハーマイオニーとともに前の方の席に座る。

少しして、硬いもの同士がぶつかる音が廊下から聞こえてくる。ムーディ先生の足音だろう。そして、彼は教室に入ってきた。

 

「そんな物、しまってしまえ」

 

ムーディ先生は近くの生徒の教科書を指差して言った。

 

「教科書だ。そんな物は必要ない」

 

ロンが顔を輝かせて、みんなは教科書をバッグにしまう。なるほど……ルーピンと近いタイプの授業かな?

ムーディ先生が出席簿を読み上げ、呼ばれた生徒を義眼がじっと見つめる。ネビルとハリー、私に対しては見つめられてた時間が少し長かった気がする。

 

「よし、それでは授業を始める。このクラスについては、ルーピン先生から手紙を貰っている。闇の怪物と対決するための基本をかなりまんべんなく学んだようだな──真似妖怪(ボガート)赤帽鬼(レッドキャップ)おいでおいで妖怪(ヒンキーパンク)水魔(グリンデロー)、河童、人狼など。そうだな?」

 

みんなが同意する。特にハーマイオニーとロンが。

 

「しかし、わしから見ればお前たちは非常に遅れている──呪いの扱い方についてな。わしが教えることは、魔法使い同士が互いにどこまで呪い合えるものなのか、だ。その最低線まで引き上げる。わしの持ち時間は一年だ。その間に、どうすれば闇の──」

 

「え?ずっと居るんじゃないの?」

 

ロンが口走る。そうか、今年も一年しか防衛術の先生は居ないのか。

ムーディ先生の義眼がロンを見据える。そして、私たちが知る限りでは初めて笑った。

 

「お前はアーサー・ウィーズリーの息子だな?お前の父親のおかげで数日前、窮地を脱した……ああ、一年だけだ。その後は静かな隠遁生活に戻るさ。今ここに居るのはダンブルドアのためだ」

 

ムーディ先生が両手をパンと叩き、注目を集めた。

 

「では──すぐに取り掛かろう。呪いについての話だ。呪いには様々な形があり、マグルにも知られているもので言うなら、ブゥードゥーやヴィジャ盤、日本の丑の刻まいりやら藁人形、犬神などがそれにあたる。ポルターガイストも呪いの一種かもしれん。不安定な感情の発露と言う者も居るがな。最も、今挙げたのは儀式的な呪いであって、魔法使いが通常使う呪いとは全く違う。

魔法省によれば、わしが教えるべきは呪いへの反対呪文であり、そこまでで終わりだ。違法とされる闇の呪文がどんなものなのかは、六年生になるまでは見せてはいかんことになっている。しかし、ダンブルドアはお前たちのことを高く評価している。そもそも、六年生になるまで見せてはいけないと言うのが甘すぎる。敵は早く知る方が良いし、親獅子は小獅子を谷に突き落として鍛えると言う。面と向かって礼儀正しく闇の呪文をかける者などおるまい。常在戦場、常に緊張し、警戒しなければならんのだ。いいか、ミス・ブラウン、わしが話している時は、そんな物はしまっておかねばならんのだ。よく出来ているとは思うがな」

 

ラベンダーは机の下で、パーバティに天宮図(ホロスコープ)を見せていたようだ。あの義眼はどうなっているんだろう。


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