陽炎
夕雲
岩川基地 食堂
「ねえ、陽炎さん」
「なに、夕雲」
「緑の悪魔、って何?」
「ゔっふぉぅ………。ごほっごほっ…」
「だ、大丈夫?!」
「ごほっ……。…夕雲、それ、誰から聞いたの。いや、言わなくてもいいわ。もう察したから」
「そう?でも、褒め言葉だって、清霜は言ってたけど…」
「何いってんだあのオータム…。いい、夕雲。その呼び名は決して褒め言葉ではないわ。たしかに凄い畏怖してる言葉だけど、決して人に向けていっていい言葉ではないわ」
「そうなの…。主力オブ主力の私に相応しい呼び名の感じもするけれど…」
「………そうね。こうなってしまったのは、陽炎型全体の落ち目。とりあえずあのオータムには痛い目を見てもらうことにして、ちょっと説明するわね。緑の悪魔さんが出るゲーム、君が望む永遠っていうんだけど。二部構成になってて、あのオータムが言った緑の悪魔さんが出てくるのは第二部の話なんだけど。…本当は当てはめたくもないけど、どんだけやばい人かって事で、夕雲に当てはめるわ。夕雲さんは高校生です」
「はい」
「その高校生時代に好きな先輩がいるとします」
「陽炎さんでいいかしら?」
「……、うん。いいわ。その陽炎さんには付き合ってる人がいて、その付き合ってる人が事故で植物状態になってしまいました」
「悲しいわね。とても悲しいわ」
「うん。でまあ、その悲しい話で第一部が終わるの。その時、ちょっとその緑の悪魔さんが出てくるんだけど、本当にちょっとした役だからそこまであれじゃないんだけど。問題は第二部。その陽炎さんが付き合ってた女の子の友達と半同棲している陽炎さん」
「最低ね。見損なったわ陽炎さん」
「私のことじゃないのに私が言われてるようになるからやめとけばよかったなこれ。…まあ、いいわ。その時、不思議なことが起こってその植物状態だった彼女が病院で目覚めるの」
「いいことじゃない・・あ、でも」
「そう。陽炎さんは今の彼女としてその目覚めた彼女の友達と付き合ってます。さて、陽炎さんはどっちを取るの?それとも他の人をとるの?っていうお話なんだけど。その陽炎さんがほかの人を取る、っていう行動を取ったときにヒロインに入ってくるのがその緑の悪魔さんこと、マナマナ。本名、穂村愛美っていうんだけど」
「…、震えてるけど大丈夫?」
「いや、ほんと。トラウマになるレベルだから、なあ…。…続けるね。陽炎さんが、付き合ってた彼女が入院してた病院に准看護師として働いてたのが緑の悪魔さんなんだけど。まあ、陽炎さん、彼女にも元彼女にも疲れて手を出しちゃうわけ」
「本当、最低ですね。見損なったわ」
「心に刺さる。…いやまあ、そのうち陽炎さん、心いれかえて彼女と元彼女に向き合おうとして、その手を出したマナマナと別れようとするんですよ」
「マナマナさん可愛そう…。そしてその方と一緒にされた私も陽炎さんに捨てられちゃうの…?」
「……。いや、捨てないけど。ええい、今は私と夕雲の話じゃなくて。…もし、もしだよ?私が夕雲を捨てるとしたら、夕雲はどうする?」
「…そうね。まず、陽炎さんの前に私しかいないようにするわ」
「落ち着いて!それ緑の悪魔と同じだから!………、その緑の悪魔、緑の悪魔と別れようとする陽炎さんを緑の悪魔が住んでるマンションから突き落とすんだけど、夕雲はしないよね?」
「好きな人を殺しかけちゃうのはちょっと…。と、ところで突き落としたあとどうするのかしら…?」
「その後は監禁です、猿轡とか手錠とかつけて逃げ出させないようにします」
「…えっ」
「…ああ、よかった。夕雲はやっぱり緑の悪魔さんではないわ。突然、おしおきとかいって逆レイプをしたり、マンションを解約したり、定期を解約したり、彼女さんに「私と陽炎さんは付き合ってます」とか言い出しそうにないわ」
「…あ、悪魔!マナマナさん本当に悪魔!…あ、でも最後はやっちゃうかもしれない…」
「やめてね?!私まだそんな修羅場を迎えたくないからね?!」
「…ところで他には…?」
「わかめと同じ名前の親友に殴られて精神崩壊した陽炎さんは女装したり処女を失ったりしました」
「わかめは役に立ちませんでしたか?」
「立ちませんでした。まともなわかめだと思ったのに。わかめは彼女を寝取っていきました」
「わかめはだめですね」
「…とまあ、かんたんにだけど緑の悪魔さんの説明したけど、これ、完全に夕雲ではないでしょ?」
「そうですね。…いえ、確かに所々はにているかな、って思いましたが…。違いますね」
「よかった…本当に良かった…」
\ ハイハイ、ダイジョウブデスヨ、カゲロウサン… /
真夏だけにね!!!!!!!!