陽炎
赤城
岩川基地、提督室より
「うーん…今欲しいのはそれじゃないのよねぇ…」
「提督。失礼します」
がちゃ
「あら…?陽炎さんだけですか?」
「あ、赤城さん。司令なら隼鷹さんに連れてかれましたよ。「提督ぅー、お酒が足りないよぉー。買いにいこうよぉー」とかなんとか言われて断る前にずるずると」
「もう、隼鷹さんったら…。分かりました。後でお母さん、あ、違くて、鳳翔さんに伝えておきます」
「(あ、これ隼鷹さん、当分お酒禁止だな)赤城さんは司令に何か?」
「ああ。球磨さんと駆逐艦の皆さんが遠征から帰還したのを報告にと」
「そう言えば、今日の遠征担当赤城さんでしたね。お疲れ様です。報告書は、そのテーブルの上においていただければ」
「はい、お疲れ様です。陽炎さんは何を?」
「ああ、今までやってた仕事がひと段落したのでゲームで息抜きです」
「そうでしたか。何をやっているのです?」
「スーパーパズルファイターⅡXです」
「あら、ずいぶん懐かしい物を」
「赤城さんもやったことがありますか?」
「ええ、空母の中で流行りました。龍驤さんとか鳳翔さんとか強かったですよ」
「龍驤さんはなんとなく想像付きますけど、鳳翔さんが強いのは中々想像できないというか」
「そうですね。最近はめっきりやらなくなったそうですが、落ちものが得意だと言ってましたね」
「落ちものかー。私、これしかやらないものなぁ」
「おや?ぷよぷよとかはやられないのですか?」
「そうですね。たまーに雪風とかとやりますけど、はまるほど、ではないですね」
「意外です。陽炎さんはどんなゲームでもはまる方かと」
「大抵ははまりますけど、戦略ものと落ちもの系はだめでしたね」
「そうですか」
「といいつつ、スーパーパズルファイターⅡやってるんですが。純粋な落ちもの系でなければはまるんですかね」
「純粋な落ちもの、じゃないんでしたっけ?」
「そうですね、他の落ちもの系とは一線をかしてます。近いのは、「ポチっとにゃ~」っていうアケゲですかね…。あれともちょっと違う感じ、といえば違う感じですが」
「懐かしいですね。「ポチっとにゃ~」。加賀さんがとてもいいずらそうにしてたのを思い出します」
「何処に言いにくい要素が?!」
「「にゃ~」の所じゃないでしょうか」
「題名でも駄目なんですね、あれ?でもうちの加賀さんって確か…」
「そうですね。加賀さんというか加賀ちゃんですが。それでも他の加賀さんと同じく、「にゃ~」の所を言おうとすると恥ずかしいらしく、赤面しまして」
「ああ、なるほど」
「後は、鳳翔さんも言いづらそうにしてますね」
「二人とも言った後に赤面する姿を想像するのがたやすいですね」
「でしょう?そこが可愛らしいんですが」
「分かります」
「ぽちにゃの話はやっぱりいですね」
「ぽちにゃの話というか、それに関連しての加賀さんと鳳翔さん可愛い話ですが」
「でしたねー。…所で赤城さん」
「はい?」
「赤城さんは誰使ってました?」
「そうですね。デビロットです」
「隠しキャラ?!」
「あれ失敗するとダンになるんですよねぇ」
「最弱の中でも最弱っていう」
「そんなダンです。というかデビロットを使わないと龍驤さんとか鳳翔さんの二強に瞬殺されちゃうっていう」
「ああ…。他の方の使用キャラは?」
「加賀ちゃんはさくらでしたね。蒼龍さんと飛龍さんは同じキャラでフェリシア、翔鶴さんはケンで瑞鶴さんはリュウでした。五航戦の二人が選んだキャラが違うっていうのはちょっと驚きましたね。蒼龍さんと飛龍さんみたいに同じキャラにするかと思っていたんですが」
「ほうほう。…いやまあ、リュウとケンはある意味同じキャラみたいなところありますし。スト2Xまでケンはキャラ性能コンパチみたいな扱いでしたし」
「Xからでしたっけ。ケンの昇龍拳が当たると燃えるようになったの。それで、鳳翔さんと龍驤さんはランダムでしたね。私とやる時だけ、ゴウキでしたが」
「そりゃデビロット使わないと瞬殺されますわ」
「でしょ?お二人ともちょっと大人げないですよね?」
「デビロット使う方も大人げないですけれどね」
「先に大人げない事してきたのは鳳翔さんと龍驤さんの方です!」
「…どっちもどっちですねこれ」
「ええー…?陽炎さんは鳳翔さんと龍驤さんの味方ですか?!」
「どちらかの味方ということはありませんね。話を聞いているのは赤城さんからですし、どちらかが悪とかは正直私には決めづらいです。話の内容も「卵が先か鶏が先か」みたいな感じですから」
「ぐぬぬ…」
「いやそんな、納得できぬ、みたいな顔されても」
「…まあ、いいです。今も現役の私だったら、あの二人にだって勝てます」
「あれ?最初、「あら懐かしい」って言ってませんでしたっけ?」
「そんなこといいましたっけ?」
「うっわ、この人忘れてらっしゃる…」
「まあ、冗談は置いておくとして。聞き損ねましたけど、陽炎さんは誰使ってるんですか?」
「そうですねぇ、蒼龍さん、飛龍さんと同じくフェリシアです。レインボージェムには弱いんですが、それでも使ってて楽しいんでフェリシア使ってますね」
「レイレイとかじゃないんですか?」
「レイレイは攻撃ジェム強いんですけどねぇ。それよりは、フェリシア使ってプリーズヘルプミーで〆たい感はあります」
「ああー…」
「まあ、それならヴァンパイアやってろ、って話なんですが。実際ヴァンパイアやってる方が多いですし」
「そうなっちゃいますよねぇ」
「まあ、空母の皆さんと違って対戦相手もいないっていうのもあるんですが」
「他の方はやってくれないんですか?」
「落ちゲーはやってもらえませんねぇ。他のゲームはやってもらえるんですが」
「ああ、なんかそうなると確かにやることも無くなりますね」
「ね。ラスボスを倒してるだけだとつまらなくなりますしね。これはどんなゲームでも言えますが」
「そうですねぇ。RPGとかなら話は別ですけどね」
「そうなんですよ。まあ、RPGは一回やったら余程の事がない限り二周目やろう、って気にはなりませんが」
「うーん、難しい、ですね」
「ねぇ…。…おっと、こんな時間だ。赤城さん、この後どうします?」
「今、帰ってくる皆さんもいませんしね。暇になります」
「ちょっとご飯食べてくるんで、その後、勝負しません?」
「いいですよ?私強いですよ?あ、でも私もご飯食べたい」
「ふふっ、分かってます。でも、負けませんからね。…一緒に行きますか」
「はい!ご飯楽しみです!」
「赤城さんはいっつも楽しみでしょ?」
「はい!」
がちゃん。