陽炎
大和
武蔵
矢矧
岩川基地、食堂。
「やりたい…でも…駆逐艦の皆さん見られたり、矢矧にみられたら…」
「どうしたんですか、大和さん」
「ひゃわっ?!!!!」
「おわっ?!」
「かかかかかかかか、陽炎さん?!」
「はぁい、陽炎ですよ。どうしました?」
「え、えっと…、陽炎さん」
「はい」
「大和、このゲーム?をやってみたいのですが、その」
「あー。大丈夫です。フリーモードですし」
「ふりーもーど?」
「無料です。スタートボタンを押せばできますよ」
「本当ですか?!じゃ、じゃあ…じゃあ早速…スタートボタン、とやらを教えて貰っても…?」
「はい、その黄色いボタンです」
「黄色いボタンね…。えいっ。…きゃらくたーせれくと?」
「ビッグボディかしら」
「ビッグボディだな」
「誰それっ?!…って矢矧に武蔵…。あ、はい、今やめますから…」
「いや、いいのよ大和。大和だって羽を伸ばしたい時ぐらいあるわよね」
「そうだな。いや、私達がいて、羽が伸ばせないというなら退散するが」
「…本当に?大和、このゲーム、をやっても…?」
「「「もちろん」」」
「…やった。やったわ!矢矧、武蔵、陽炎さん!大和、このゲーム初心者なんだけど、教えてもらえるでしょうか?」
「はい、で、今キャラクターセレクト中なんですが、時間がないのでこのままキン肉スグルのまんまで。で、本来ならこの棒を動かしてキャラを選択します」
「動いたわ!わあ…凄い…。この棒みたいので動くのね…凄いわ…」
「ふふっ。大和は本当にゲーム初心者なんだな」
「仕方ないわ。私達とか駆逐艦の子たちが大和を見てると「大和のイメージを壊さないようにしないと」って気を使っているもの」
「そうなんだよなぁ。もう少し砕けても良いと思うんだが」
「本当にそう思う」
「ですよね。せっかく平和になったんですし」
「お、説明は終わったのか?」
「ええ、一通りは」
「陽炎、ありがとう。大和に譲ってくれたんでしょ?」
「いえいえー、お礼を言われるほどのことじゃないです。それにゲームは皆で楽しむものですし」
「それもそうだな。…しかしキン肉マンマッスルグランプリ、それも2か」
「マッスルグランプリはニンジャゲーですし」
「それもそうか」
「ペンタゴンやら悪魔将軍だって強かったじゃない」
「それでもニンジャゲーだって思いますし。ニンジャ死スべし、ジヒはない」
「ハイクヲヨメ!」
「サヨナラ!」
「武蔵さんは兎も角、矢矧さんまで乗ってくれるとは」
「私だって、たまには乗るわよ」
「阿賀野さんが「矢矧は硬い」ってよく言ってますけどね」
「阿賀野姉は砕け過ぎなのよ。能代姉ぐらいしっかりしてくれればいいのに」
「何、能代はちょっと抜けてるお姉さんポジではないのか?」
「あー、私もそう思ってました。阿賀野型内じゃしっかりしてるポジなんですね」
「…そうなの?」
「だなあ。まあ、よくやってると思うが」
「そう。…後で能代姉によく聞かなきゃ」
「(あ、これ能代さん、ちょっと盛ってたな)」
「(すまない、能代)」
「あー…」
「あれ?大和さん」
「負けちゃいました」
「あ、本当だ。OPになってる」
「…で、楽しかったか大和」
「ええ!とっても!」
「そう。それならよかったわ」
「なあ、大和。武蔵達がいる前で出来たんだから、他の娘たちが居てもできるんじゃないのか?」
「……………皆、大和に引かない?」
「引かないと思いますよー」
「引くわけないじゃない。失望だってしないわ」
「本当?!」
「ああ」
「そ、それじゃあ…。もうちょっとだけ」
「もうちょっと言わず、たくさんやってもいいのよ」
「そうだ、大和。対戦しないか?」
「たいせん?」
「そう、対戦だ。楽しいぞ」
「じゃあ、武蔵、相手お願いできる…?」
「もちろんだ。ちょっと詰めて座ってもらうことになるけどな」
「三台持ちは流石に、と大淀さんに言われてますからね」
「拝み倒されたら買っちゃいそうなのに?」
「そのへんは鎮守府の財布係としてのプライドなんでしょうね」
「なるほど。大淀も大変なのね」
「だな」
「武蔵ー、早くー」
「ふふっ。ああ、今行く」
「武蔵さん、武蔵さん」
「わかっている。そういうのは得意だ」
「(あ、これは勝ちに行く顔)」
「(大和を慰める役は私になりそうね)」
\ ザ・マテンロウ VS アークマチョージンー /