転生者多スギィ!   作:ヘイ!ゼエン!

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あらすじの語り部と主人公は別人です。
登場させる予定もありません。








本編
1話


 

 

この世界には二種類の人間がいる。

1つは元々この世界に住んでいた人間達。

もう一つは1度死んで別の世界からやってきた転生者達。

どちらも見た目は変わらないが決定的な違いは転生者は“特典”を持っているということだ。

特典を持つ転生者は常人を超越し、世界を変える特典すらある。

 

 

さて、ここで自己紹介させてもらう。俺、レーン・エイムは転生者の部類に入るらしい。しかし特典と言われるものを持っていないのだ。

本来ならば、神様が「間違えて君の事を殺しちゃった♡お詫びに特典つけて好きな世界に転生させてあげる♡」となるらしいが俺はそんな事を聞いた覚えもない。

隣の席の金髪イケメン君はそう言われて特典を貰ったそうだ。ちなみに彼の特典は『乖離剣-エヌマ・エリシュ』という剣だそうだ。

 

なかなか格好いい剣だけど殺意が高すぎないか?ここはただの小学校で俺達はただの小学生だぜ?まぁクラスの中に金髪or銀髪でイケメンの小学生が10人近くいるのはおかしいと思うけど。

 

「銀髪とか奇抜な髪で顔がイケメンの野郎はだいたい転生者だ。どいつもこいつも顔がイケメンならモテると思ってるんだろうよ」

と隣の金髪君(後で聞いたがギルガメッシュというらしい)は俺に教えてくれた。金髪君、君もだいぶ奇抜な髪をしているよ。

 

しかし改めて見るとなかなかに凄い光景だ。クラスの3分の1が銀髪&金髪のイケメン揃いというまるでアニメの世界のようだ。もっともそのイケメンが全員小学生というのだから何とも格好のつかない話だ。

 

女子に関しては普通な子が多い、ただ1人を除けばだが。金髪君とは反対の隣にいる女子は髪が深緑色で片目にオサレな眼帯をつけているので目立っていた。まるで転生者みたいな奇抜さだったので気になって聞いてみたがやはりそうみたいだった。

眼帯をつけた女の子(キンケドゥというらしい)は俺達と同じ転生者だが特典を貰った覚えもなくその上気づいたら女の体になっていたそうだ。

 

環境や体の変化に随分と苦労しているそうなので同じ転生者として助けて上げることにした。と言っても小学生なので出来ることは限られるだろうけども、少しでも助けになれたらいいな。

 

 

 

 

ある日、俺のクラスの中でいじめがあった。

いじめられていたのは篠ノ之箒という女の子で転生者ではなくただの女の子らしい。金髪君から教えて貰ったが何故彼は簡単に見分けられるのだろう?

 

それは一旦置いといて、篠ノ之は見た目がボーイッシュなことから馬鹿にされて男子と喧嘩になることがあった。それが原因で恨みを買っていじめになったらしい。

 

この時、クラス中のイケメン達(転生者)が我先にといじめを止めようとしたのだ。

なんて格好いいのだろう。女子の為に立ち上がり虐めを止めようとする其の姿は正義の味方のようだった。俺も同じ転生者として見習わなくてはならないとな。

 

それ以降クラスの中でわだかまりは無くなり、何か問題があるならイケメン達が駆けつけるなんて伝説すら出来た。

 

ちなみに篠ノ之を助けたイケメン達の中に織斑という転生者ではない男子もいたようだ。きっと彼はアニメの主人公のような勇気ある人間なんだと尊敬した。

 

 

 

 

篠ノ之のいじめから長い時間がたち、俺達は4年生に上がった。クラス替えでイケメン達はバラバラに別れたが金髪君と眼帯の女の子は相変わらず同じクラスだった。

 

今年もこの2人と楽しく過ごせたらいいな、なんて考えはどうやら甘かったみたいだった。

 

[白騎士事件]

世界中のミサイルが何者かによってハッキングされて、日本に向けて発射された。おおよそ2000発のミサイルを全て撃ち落とす技術は自衛隊にはなかった。

誰もが諦めていたその時である。

いきなりISと呼ばれる兵器が現れたのだ。現れたISは片腕に持つレーザーライフルによって半分のミサイルを薙ぎ払い、片腕に持つ刀で残りのミサイルを切り裂き、全てのミサイルはISによってたたき落とされた。

その後、世界中がISを捕まえようと軍隊を派遣するも艦隊は武装を斬られ、戦闘機は無力化された。しかし死者は0人であった。

現代兵器をはるかに凌駕する力があり、誰も死なすことのないほど余裕がある。

これを作った篠ノ之束はISの元となるISコアを世界中に配布させられた。

 

この事件によって世界は大きく動いた。

ISという兵器、そしてそのISは女性にしか使うことが出来ないということ。

 

そんなことよりもクラスの方が大きく動いている気がする。そう、ISを開発した篠ノ之束が注目されているせいで妹の篠ノ之箒を守る為に転校が決まった。それによってクラスのイケメン達が大慌てしているのである。

どうにも「まだフラグ建ててねぇよ!」とか「あれ?ワイに惚れるどころか誰にも惚れてなくね?」とかとか意味はわからないが篠ノ之が居なくなることに慌てている。

 

金髪君の反応を伺うと

「あれほどの事件があったんだ。その関係者である箒は必ず危険になる。寧ろ転校して身の安全を確保することが優先だ」

と言っていた。

おお、冷静に考えているようだ。やはり他の転生者とは何処か雰囲気が違う。

 

眼帯の女の子の方はというと

「友達が遠くへ行くのは寂しいな」

と言っていた。仕方ないとはいえ、友達と別れるのは辛い。いつか再開出来るといいけど。

 

さて、俺はというと実は全く関わりがない。いじめの一件で仲良くなった人は多いが、それを知ったのも全てが終わったあとで今更輪の中に入る勇気もなく、金髪君と眼帯の女の子と過ごしていたので特に思う事はないのだ。強いていうなら体に気を付けてくらいだろう。

そんなこんなでクラスでお分かれ会が開くことになっていた。イケメン達がみんな「また会おうぜ!」とか言ってたので便乗しておいた。金髪君が「どうせまた会えるさ。だいたい7年後くらいにな」とか具体的な事を言っていた。

 

 

 

 

ISが誕生したことによってここ数年世界はどんどん変わっていった。現代兵器における戦闘機は廃止が決定、多くの軍人は失職した。

女性にしか使えないことがわかってからは力を持つのは女性だと言い張る人が増え、女性権利団体による横暴が増えていった。

 

さてそんなことは置いておき、俺は小学生5年生になった。相変わらず金髪君と眼帯の女の子は一緒にいる、そしてイケメン達も。

そして最近クラスに新しく転校生がやってきた。名前は凰 鈴音、中国からやってきたらしく日本語がまだ上手く出来ないそうだ。

 

相変わらずというか、篠ノ之のいじめの一件で懲りてないやつらが次は凰をターゲットにしたのだ。

そして今回もイケメン達による成敗が行われ凰とクラスの仲は縮まった。

それと今回の虐めを止めようとしたイケメン達の中に転生者じゃない男子がいた。織斑もいたが五反田 弾という奴で、1番最初に虐めを止めようとしたらしい。

きっと織斑と同じで自信がある素晴らしい人間なんだろう。

 

 

 

 

それから少しして俺達は小学校を卒業し、最寄りの中学校に入った。中学に入れば環境が変わると思ったが隣にいるのは相変わらず金髪君と眼帯の女の子、あとはいつものイケメン達のメンバーだった。

 

環境が変わったと言えば父がリストラされたことだ。

父は自衛隊を勤めていたが、ISの導入と同時に行われた人員整理によって多くの男性職員が解雇された。

 

父はこの世に絶望して酒に逃げ、母は父を捨て自分だけが助かる道を選んだ。しばらくして父も俺を捨てて何処かに行ってしまった。

どうやら俺も覚悟しなくてはならないようだ。

 

 

 

 

両親が居なくなり半年が立つ。家に残っていた金は母が居なくなる時に持って行ってしまったのでアルバイトをしてなんとかやりくりしてきた。死ぬほど辛い時もあったがたバイト先で偶然一緒だった織斑に励まされて頑張ろうと思えた。

 

しかし今はもうバイトを辞めて代わりにISを作る会社で働いている。何故男の俺がISの会社にいるのかというと、その会社の社長が転生者で「ちょうどテストパイロットが欲しかったんだよ」という理由で雇われた。けど男の俺にはIS適正がないはずでは?と思っていたら「転生者には等しくIS適正があるのさ。特典に関係なく、ね」と丁寧に教えてくれた。

 

それとだが俺だけではなく金髪君や眼帯の女の子もこの会社に雇われることも教えてくれた。知り合いがいるのはありがたいが、これからもあの2人には長い付き合いになりそうだなと思った。

 

それから三ヶ月ほど経ち、俺達3人は専用のISが渡されパイロットとしての仕事が始まった。いやパイロットとしての仕事は既にあったのだが練習機体でISについての研修なので仕事というべきなのかわからないのだ。まぁどちらでも問題はないのだけれども。

 

金髪君のISは王の財宝(ゲートオブバビロン)というISで、装着すると上半身が裸になる。

 

眼帯の女の子のISはクロスボーンガンダムX1という髑髏がついてあるせいで海賊みたいだ。ちなみに装着するとヘソが見える。

…金髪君の機体と取替えてみませんか?(小声)

あ、ダメですか。

 

そして俺のISだがペーネロペーというISなのだが、全身を装甲で覆い尽くされた上にさらにその上から鎧のような装甲を被るのでデブその物だ。

ちなみに俺のISだけ肌を出すことがなかった。金髪君が涙を流した。

 

さっそくテスト飛行することになったのだが金髪君のISでは飛ぶことが出来ないらしく仕方なく俺のISの背中に乗せて飛ぶことになった。

既に知識としては理解していても実際にやるのはなかなかに難しいものだ。眼帯の女の子はもう自由に飛び回っているが俺はトラクターくらいの速さでウロウロしている。金髪君が背中に乗ってるから本気だしてないだけです(震え声)

それから射撃練習や着地練習をしたがやはり上手くいかず、俺だけが補習を受けることになった。いや、眼帯の女の子や金髪君がうますぎるだけで俺は普通なんだよ!

 

 

 

 

ISに乗るようになってから半年が経ち、中学2度目の夏休みに入っていた。

 

俺達は夏休みを満喫ではなく、ひたすらISに乗っては訓練の日々だった。一応お盆休みを貰おうと思ったが、両親が居なく親戚の存在を知らない俺にはそんなものを貰えるわけがなかった。

 

代わりにだがドイツで行われるISの世界大会の見学に行くことになった。俺達はどんなにやってもアマチュアレベルなので、プロの動きを見て学べと社長直々に指示された。

 

しかしドイツに行けるのは普通に嬉しい。海外の文化は気になっているし、日本では体験出来ないことを感じてみたい。早く行きたいところだ。

 

ソワソワしていると金髪君から

「どうせ碌でもない事が起こる。お前も気を付けておくんだな」

と言われた。まぁ海外だから文化の違いで勘違いとか起きそうだけど。

 

 

 

 

初のドイツということで結構緊張していたが、見てみたらガックリしてしまった。ドイツの光景なんてとんでもない、ほとんど日本風に変えられているのだ。IS用のアリーナが作られると同時に周りの建物も改築され、日本風の物になっていたのだ。

通訳の人に聞いたところ『そういうのが見たいならもっと田舎の方に行かないとね〜。ここら辺はみ〜んな変わっちゃったからね〜』だそうだ。何とも残念だ。

 

仕方ないが切り替えてISの試合をしっかりと見る。技術の一つや2つを見て出来るようになれたらいいのだが。

 

ちなみに俺達は社長の紹介によって特別席で眺めていたのだが、何故か織斑がいた。何故いるのかと聞いてみると

「千冬ねえが参加しているんだ。せっかくだから見てみたくてここまで来たんだ」

という答えが返ってきた。千冬ねえというのは織斑の姉で、日本代表選手としてこの大会に参加している。

 

織斑と世間話をしていると試合が始まっていた。さっそく織斑の姉が出ているがとんでも無く早く強い。動きが他の選手とまるで違い、鳥のように自由に動き回っていた。

 

戦闘スタイルは眼帯の女の子も織斑の姉と同じで機動力で圧倒してから攻撃をするスピード型だ。

ちなみに俺のISはある程度の攻撃を装甲が防ぎ、シールドエネルギーを攻撃に回す防御に優れたディフェンス型。金髪君は機動力も防御も全て捨ててエネルギーの全てを武装に回しているアタック型だ。

 

閑話休題、織斑の姉は当然のように勝利し次の試合が始まった。やはり世界大会だけあってレベルは高いが織斑の姉と比べると1つ落ちてしまう。どれだけ織斑の姉は異常なのか常人には計り知れないな。

 

試合もどんどん進んで行き準決勝1回戦が始まるまで来た。その前に一旦休憩が挟まれたのでトイレに行っておこう。織斑や金髪君を誘うと場所を確認したいということで眼帯の女の子も一緒について来ることになった。

かなり大きなアリーナなのでトイレが何処にあるかわかりづらいので近くに立っていた黒服のガードマンに聞いてみると案内してくれた。

 

案内されるがままついて行くと倉庫のような部屋に着いた。どう見たってトイレじゃないのに何を考えているんだと聞こうとしたら、腹を思い切り殴られ昼に食べた物が全て吐き出される。俺の後ろにいた織斑や金髪君も何処からか出てきた黒服達に捕まっていた。碌でもない事ってこういう事かよ…

 

 

 

 

頭に水をかけられて目を覚ます。目の前にはさっきの黒服達がこちらを見下していて、隣には縄をかけられた金髪君と眼帯の女の子がいた。どうやら誘拐されてしまったようだが隣の2人はまるで興味が無いという顔をしていた。

「この程度の奴らに負けるわけがなかろう」と金髪君は言い、

「やられた振りをしただけだ。ISを使わない奴らに本気を出しても意味はないだろ」と眼帯の女の子は言う。

この人たち頭おかしいんじゃないですかね。今更だけども。

 

そういえば織斑がいなかった。金髪君に居場所を聞くと「一夏なら隣部屋にいるだろうな。奴らの目的は“織斑千冬の弟”だけで俺らの存在は邪魔にしかならん」

 

「なら戦うか。そろそろトイレに行きたいし」と眼帯の女の子はそういいながら立ち上りISを装着し「ちょっとコンビニ行ってくる」といいながら目の前の黒服ごと吹き飛ばして部屋を出ていった。

 

いつの間にか金髪君も縄を解いていて、帰ろうとしている。俺はというと相変わらず縄を解けないまま床に寝ていた。

へるぷみー。

 

結局あの後心配になった眼帯の女の子が俺を助けに来てくれた。俺が助けられた時にはこの誘拐事件も全て終わっていたみたいだった。

織斑は眼帯の女の子が暴れたおかげで助かり、金髪君が帰り道に逃げようとした黒服達を全て取り押さえたそうだ。俺だけが何もしてなくて凹んでいるがそもそも中学生に期待するほうがおかしいと考えることにした。

 

織斑の姉は決勝戦を出ないで織斑の元に駆けつけたそうだが、そのせいで決勝戦が相手の不戦勝になり織斑の姉は政府から責任をとらされることになった。なんとも理不尽な話だ。

 

 

 

 

ドイツから帰国後夏休みが終わるまで俺は訓練に明け暮れていた。誘拐されたあの時、俺だけが何も出来ずにいたが悔しかったからだ。

ちなみに訓練をしすぎて宿題を忘れたことを眼帯の女の子に笑われた。

 

夏休みが終わっても夏の暑さがまだ終わらない頃、凰 鈴音の転校が決まった。そのせいで篠ノ之の時と同じようにクラスのイケメン達が慌てていた。 そしてクラスの中でお別れ会をすることになった。「また友達が居なくなるのか…」と悲しげに眼帯の女の子は言っていた。金髪君は「どうせ2年後くらいには会うことになる」と篠ノ之の時と同じように具体的な予想を言っていた。

 

お別れ会も終わり、クラスのイケメン達はみんな空港までついていき、最後まで見送っていた。眼帯の女の子が最後に凰と抱き合っていたのだが「ああ^~たまらねぇぜ」とか「キマシタワー!!」とか聞こえた気がする。

 

 

 

 

凰が転校してから一年とちょっと経ち、俺達は受験シーズンに入った。と言っても前世ではそこそこ頭が良かったので俺の学力では特に困ることはなかった。

眼帯の女の子はIS学園と呼ばれるISについて本格的に学ぶ為に行きたいらしい。

金髪君は高校には入らず、そのまま今の会社でパイロットをしたいそうだが「嫌でも彼処に連れて行かれるんだ。希望するだけ無駄」と言っていた。

 

クラスのイケメン達は近くの藍越高校に行くそうだ。ちなみに織斑もそこに入っていた。

 

 

 

 

[速報!ISが使える男が見つかる!?]

 

このニュースは全国に広がり、全世界で男性に対してIS適正検査が行われることになった。俺や金髪君は当然だがイケメン達は皆適正を持ち、他からも集まり最終的に30人近く集まった。ちなみに織斑以外はみんな転生者だ。

 

国連が発表したのはIS学園で保護をするということだ。結局のところ無理矢理IS学園に行かされることになったのだ。まぁISを本格的に学ぶなら必須とも言える高校に入ることが出来るのだから感謝しよう。

 

ちなみに眼帯の女の子は普通に試験に合格したらしい。

 

 

 

 

ISを使える男が見つかってから二週間、ちょうど今日はIS学園の入学式だ。生徒会長からのありがたい話を聞き流して立ちながら寝た。眼帯の女の子に叩き起された。

 

入学式も無事に終わりクラスが発表される。俺と眼帯の女の子は同じ1組だったのだが金髪君だけが2組に行ってしまった。今までずっと一緒だっただけに残念だ。

ちなみにイケメン達はほとんど別れ、1組にいるのは1人だけだ。あと、織斑も同じ1組にいた。

 

少ししてから副担任の山田真耶という女性が来たのだが、ドジっ子と言うべきなのか既に教室で2回も転び焦って何をすればいいのか分からなくなるなど心配になった。

 

とりあえずお互いを知るために自己紹介をすることになった。自分の順番が回ってきたので名前と出身中学と趣味を言っておいた。

俺の次は織斑なのだが如何せん緊張して上手く話せなさそうなのでカンペを送ってやった。織斑は少しぎこちないがクラスの自己紹介には充分だった。

 

織斑の番が終わると織斑の姉である織斑千冬がやって来てこの1組を担当することを伝えた。それと同時にチャイムが鳴り、自己紹介は強制的に終了し「休み時間にやっておけ」と言われた。

 

改めて1組のメンバーを見てみる。今まで一緒だった織斑や眼帯の女の子、イケメン達の中にいた銀髪君、それと篠ノ之箒がこの1組にいたというのは驚きだった。

 

「ちょっとよろしいですか?」

 

後ろを振り返ると金髪の女子が織斑に話しかけていた。織斑の頭の上に?がいくつか浮いて見える。織斑が俺のほうを見てくるが俺も知らないのでどうすればいいかわからない。

 

「ちゃんと聞いていますか?」

「あ、うん。一応聞いてるよ」

「まぁなんですかその返事は!?」

 

織斑がもう一度こちらを見てくる。仕方ないので助言を送ることにした。

 

「すいません!お金なら出すので許してください!」

「…はいぃ!!??」

 

織斑が更にもう一度こちらを見てくる。さらに助言を送る。

 

「いや、本当にすいませんでしたぁぁ!!」

滑り込むように完璧な土下座を決め込んだ。本当にやるとは思ってなかったのだが、やられた金髪の女子はオロオロしている。

 

「うわ、織斑君カツアゲされてるよ」

「カツアゲから始まる恋愛の可能性が微粒レベルで存在している…?」

「初日からヤンキーに絡まれるなんておりむーも大変だね〜」

 

クラスの全員が織斑と金髪の女子のやり取りに注目してる。金髪の女子は更にオロオロし始め慌てていた。

休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴り、担任が入ってくる。後からきた先生からすると金髪の女子が織斑を土下座させてるように見えた。呆れたのか顔に手をあててため息を吐いた。

 

「さっさと席に戻れ。織斑とオルコットの2人は後で職員室に来い」

 

無慈悲な宣言を叩きつけられた金髪の女子(オルコット)は顔面蒼白と言ったところだ。織斑は助かったと安堵していた。

 

「さっそく授業を始める、と言いたいところだが先に決めることがある。クラスの代表を決めるぞ。自選及び推薦は自由だ」

 

この後副担任からクラス代表の仕事を説明された。主な活動は庶務として担任の手伝い、それとクラス代表戦と呼ばれる他クラスのクラス代表者とISでの戦いに参戦することだ。

 

「せっかくだし男子にやってもらうなんてどうかな?」

「はいはい!あそこの銀髪の彼なんてどう?」

「男子ならエイム君もいるじゃない」

「なら私は織斑君を推薦するよ」

 

完全にクラス代表者は男子の誰かにしようという流れである。というか自己紹介がまだ終わってないから銀髪君の名前を誰も知らないじゃないか。俺は知ってるけど。

 

「ちょっと待ってください!」

「どうしたのオルコットさん?」

「なぜ男などにクラス代表をさせるのですか!?それよりも私の方がよっぽど相応しいというのに」

「クラス代表がヤンキーとかウチらまで危ない目で見られちゃうから…」

 

女子達は盛り上がっている時、俺と織斑は教科書を見て予習をしていた。織斑は全くわからないということで実際に乗ったことのある俺が色々と教えていた。

 

「そんなに言うなら決闘ですわ!」

「上等だ!」

「なら一週間後の日曜に織斑とエイム、オルコット、セイエイの4人で試合を行う。その結果でクラス代表を決める。さっそく授業を始めるぞ」

 

いつの間にか銀髪君はオルコットと喧嘩をしていて、その上決闘するなんてことを言い出した。

 

「え…?ちょ、ちょっと待ってくれよ千冬ねえ!どうして俺まで!?」

「織斑先生と呼べ。推薦された以上その責任がお前にはある」

「そんなぁ…」

 

うわぁ、どんまい織斑。

 

「自分には関係ないと思うなよ、エイム貴様も推薦されたのだからな」

 

うわぁ、どんまい俺。

 

 

 

 

ようやく今日午前中の授業が終了し食堂に向かう。来る途中に何人も転生者を見かけたのだが今までは奇抜な奴が多かった筈なのに周りの普通の女子までもが奇抜なせいで1周回ってあれが普通に見える。

ピンクや緑、水色の髪すら居る。ふつう、ふつうの髪ってなんだよ。

 

食堂につくと生徒で賑わっていた。

俺は何にするか迷っていると金髪君に声をかけられ、一緒に食べないかと提案された。丁度話したかったので良いタイミングだった。

 

金髪君のクラスではクラス代表者が転生者の奴らがやりたがり、結局ジャンケンで決めることになり、最終的にホワイト・グリントと言う奴が代表になったらしい。

1組もジャンケンで決めてくれたら助かるんだがな。

 

そういえば1組に篠ノ之がいた事を伝えると「知っている」と返された。ちょうど7年後に再開するという予想をあてられた理由を聴きたかったが最後まで教えてくれなかった。

 

 

 

 

午後の授業も終了し、放課後になり、男子は教室に集められ、副担任から忘れていた寮の鍵を渡された。大浴場はまだ男子の時間が確保出来てないので入れないということを注意された。そして何故か織斑が副担任からホモ認定されていた。

 

特にやる事もない俺は適当にぶらついていた。ちょうどこの時間は部活動が始める時間なので体育館に向かってみようと足を進めると銀髪君が突然現れて「何処の誰だか知らないが俺のハーレムの邪魔だけはするなよ!」と言ってすぐに何処かにいった。

 

俺は君の同級生なんだよなぁ…

体育館につくとハンドボールが行われていた。どうやら新入生向けに練習を見せているみたいだ。

見学している生徒の中に見知った顔があった。確か相川さんだっただろうか。

せっかくだから声を掛けることにした。

 

「ひゃぁ!びっくりした。エイム君がいるなんて驚いたよ。もしかしてハンドボールに興味があるの?」

 

別にそういう訳ではないが中学の頃にはなかった部活だから物珍しさに釣られた感じだ。

 

「へぇ〜。ねぇ良かったら一緒にやってみない?」

 

誘いは嬉しいがまだこの部活しか見ていないのだから他の部活も見てみたい。ということで今は断ることにした。

 

「そっか…。私中学の頃はエースだったからもし入る気になったらなんでも聞いてね!」

 

じゃあスリーサイズを教えて貰おうと思ったが、あまりに純粋な目を見て良心がいたんだのでやめた。

 

その後もグラウンドでサッカーを見学したがそもそも運動部はどうしても女子との試合しかないため公式戦に出ることはできないことに気づいた。

もちろん例外はあるかもしれないがそこまで希望している部活がある訳では無い。

 

 

 

 

文化部ならばと思い、校舎に戻ることにした。

各部活が宣伝しているポスターを見つけ、文化部を探してみる。華道、茶道、演劇、美術、……とやはり大きな学園だけあって生徒も多くそれに合わせて部活の数も多い。

その中でも珍しいものを見つける。

 

[生徒会員募集中!]

 

生徒会と言われるとやはりあの生徒会長の事が浮かんでくる。あの髪の色はなかなかに奇抜だ。ピンク色の髪の女の子といい勝負をしている。

 

「ふーん、君それに興味があるんだ」

 

いつの間に後ろには生徒会長が立っていた。改めて近くで見ると水色の奇抜さが際立つ。

失礼なことを考えすぎていた頭を振り、適当に返答をする。

 

「偶然かぁ。ねぇエイム君、私達と一緒に生徒会をやってみない?」

 

まさか誘われるとは。これは意外だった。

断る理由はないし、やってみてもいいと思った。しかし同時にある考えが浮かんだ。

 

もしかしたら生徒会に入ったら髪を水色にしなきゃいけない伝統があるのではないか。そうでもなければこんな髪色にするわけがないのだろう。

ということで自分まで髪を水色にはしたくないのでお断りさせてもらった。そこまで奇抜になるつもりはないのだから。

 

「奇抜って…これは地毛よ!!それに水色に染めるなんて伝統はないわよ!!!!」

 

………地毛なのか。…地毛なのか。

 

「2回も言わないでよ!!そこまで言われると泣くわよ!泣いちゃうわよ!」

 

地毛なんですか?

 

「ウワァァァン!エイム君がいじめてくるぅぅぅう」

 

ガチ泣きしながら走り去っていった。流石に言い過ぎてしまった気がする。……しかし本当に地毛なのだろうか。

 

 

 

 

部活動見学を終わりにして寮に戻る。

扉を開けて部屋に入る既に人がいたようだ。挨拶をしようとすると、いたのは眼帯の女の子だった。とりあえず知り合いが同じ部屋で安心をした。

その後、俺達は夕食を食べてベッドでぐっすり眠った。

 

 




解説

レーン・エイム
主人公()だが一般人でもある。原作知識が無くハーレムを夢見てるわけでもない。

専用IS ペーネロぺー/オデュッセウス
第2世代のIS、オデュッセウスにペーネロぺーユニットをつけた機体。ペーネロぺー状態になることでファンネルミサイル、メガ粒子砲が使用可能になる。
エネルギー切れを起こすと自動でパージされる。

特典 ???


ギルガメッシュ (金髪君)
原作知識を持った転生者だが好きなヒロインがいるわけでもないのでISに乗れるならそれでいいという考え。主人公の友達でいるのは原作知識がないから助けてあげるため。

専用IS 王の財宝(ゲートオブバビロン)
上半身の服が弾け飛ぶ。
代わりに大量の弾丸とブレードを撃てるようになる。

特典 乖離剣 エア
ランク :EX
種別  :対界宝具
レンジ :1~99 / 1~999 (EXTRA)
最大捕捉:1000人


キンケドゥ・ナウ(眼帯の女の子)
主人公と同じく転生者だが原作知識の無い転生者。しかもTSされた。手を伸ばしてくれた主人公に恩を返す為に一緒にいる。

専用IS クロスボーンガンダムX1
完全なクロスボーンガンダムではなくISようにチューンされ装甲が幾つか外された。代わりに機動力を高め接近戦に有利になった。

特典 ???



《後書き》
転生者が多すぎヒロインの奪い合いになる構図を書きたくてこの作品を書きました。作者のイメージで転生者はみんなチートでハーレム思ってるんですけど皆さんの考える転生者イメージが気になりますね。


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