インスタント・HERO ~180秒で世界を救え!~   作:トクサン

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正義

 

「ねぇ雪那、私にお料理を教えてくれない?」

 

 昼下がり、木漏れ日が窓から差し込んで、少しだけ汗ばむ様な日。夏の始まりを感じる暑さと蝉でも鳴きだしそうな夏らしさに、僕が木製の廊下を清々しい気持ちで歩いていると、ふと声が掛かった。

 書斎から顔を出した幸奈、僕を見るなり「料理を教えて欲しい」と言ってくる。丁度トイレから部屋に戻ろうとしていた僕の足が止まって、扉から顔だけ出している幸奈を見る。気温は既に二十七度を超えており、着用したTシャツが汗を吸って湿っていた。

 

「料理? 別に良いけど……一体どうして?」

 

 幸奈は暇さえあれば読書に(いそ)しむ本の虫だ、そんな彼女が料理を習いたいと言い出した事に少なからず疑問を抱いた。

 僕が問いかけると、彼女は少しだけ頬を赤くして視線を彷徨わせる。「え、え~っと」と何か理由を絞り出そうとしている感じだ。そのまま数秒の沈黙、ふっと顔を上げた幸奈は唇を噛んで、恥ずかしそうに告げた。

 

「……えっと、私も雪那に美味しい物を食べさせたいなぁ、とか思ったりしちゃって」

 

 思わず言葉に詰まった。明らかな好意、少しだけ顔が熱くなる。そんな風にストレートな感情を向けられるとは思っていなくて、不意打ちに言葉が出ない。幸奈が顔を隠す様に本を顔の前に持ってくる、羞恥で耳は真っ赤だ。

 駄目かな?

 そう首を傾げる幸奈の髪がサラリと流れる。緩みそうになる頬を隠す為に口に手を当てて、僕は冷蔵庫の中身を考えているというポーズでしっかりと頷いた。ついでに、その顔の赤みを誤魔化す様に。

 駄目な筈が無い。

 

「勿論、任せて……と言っても教えられるほど料理が上手い訳じゃないけどね」

 

 料理は作れるが、美味しく作る自信は無い。こんな男料理しか作れない様な奴では不足だろうけど、そこはどうにか我慢して貰おう。

 そう言って頬を掻くと、幸奈は「そんな事ない」と大きく一歩踏み出す。その表情と気迫は、どこまでも本気だった。大股で一歩詰め寄った彼女からふわりと甘い匂いが漂う、少しだけ汗の混じった女性の香りだ。突然の事に驚いた僕が上半身を仰け反らせて、彼女が吐息を感じてしまう距離で言う。

 

「私は、その、雪那のお料理の味とか、暖かさとか、凄く好きだよ」

「……お、おう」

 

 真剣で、勢い良く放たれた言葉は、だからこそ僕の胸を射抜く。

 何と言うか、凄く照れる、とても照れる。

 思わず赤面して視線が泳いでしまう、恐らく誤魔化せないだろう程に。何と言い出せば良いのか分からなくて右往左往、それを見た幸奈が自分の言い放った言葉を省みたのか、「あっ」と声を上げて顔を真っ赤に。

 唇を一文字に結んで、カッと顔全体が赤みを帯びた。

 その後スーッと身を引いて、恐る恐る扉の向こう側に消える。

 パタンと扉が閉まって、沈黙が降りた。

 

「……御昼ご飯、今から作るけど、一緒に作る?」

 

 降りた沈黙を互いに守って十秒、頬の熱を冷ました僕は咳払いを一つ、彼女にそんな提案を持ちかける。扉の向こう側にいる彼女のリアクションを待っていると、数秒後、小さく音を立てて扉が開き――

 

「よ……(よろ)しくお願いします」

 

 なんて恥ずかしそうに扉の隙間から、幸奈が顔を覗かせた。

 

 

 良い記憶だ。

 

 楽しい記憶だ。

 

 まだ()()のままで、澪奈と幸奈と僕、この三人で過ごしていた頃の記憶だ。この頃はまだ弥生は地下室の中だったか。

 青空が何処までも広がって白い雲の良く見える、そう、夏の訪れを感じる日だったな。

 そろそろ(せみ)も鳴き始めて、近くの小川で水浴びなんかしたら気持ち良いだろう。

 そんな話を食卓でして――

 澪奈なんかもう食い付いて、今から待ち遠しい、そんな顔をしていたよな。じゃあ水着を買いに行かなくちゃと言ったら、二人に赤面されて居心地が悪かったのを覚えている。

 夏は暑いが風情がある。

 澄んだ風鈴の音、昼は蝉が鳴いて夕方は(ヒグラシ)、綺麗な青空に眩しい太陽、白い雲が影を作り出して、冷えた飲料水が一番美味しく感じる時期だ。

 そうだな、山登りなんかも楽しめただろう、山頂から見える景色はさぞ綺麗に違いない。朝日なんか見たら、きっと感動してくれただろう。

 少し遠出だが海に行っても良かった。ちょっと危険かもしれないが、行こうと思えば行けただろう?

 別に遠出じゃなくても良かったんだ、近場で良い、ただ歩くだけでも良い、ただ夏と言う季節を彼女達に感じて貰えればそれで良かった。

 幸奈も澪奈も人並みの幸せなんてのを味わえたのは、ほんの一週間足らずだ。

 夏の暑さも、光も、水の冷たさも、蝉の声も、緑の匂いも、何もかも。

 何もかもが不足していた。

 辛かったろうに、寂しかったろうに、悔しかったろうに。

 それを『僕』は消し去りたかった、彼女達に見せたかった。

 目に見える幸せを、彼女達の時間を取り戻したい、そう願った。

 

 なぁ、そうだろう、『僕』?

 

 

 

 

 

 

 お前は誰だ。

 

 見上げた天井はここ最近で見慣れたモノ。

 その木目の模様も、シミも、形も、全て僕の記憶と一致する。

 木製でどこか安心する匂い、肌に馴染んだシーツ、僕の寝床、ベッドの上、其処(そこ)に寝転がっている自分自身。ここは僕の部屋、そして僕らの家だ。心が落ち着く、住み慣れた環境に僕の体が自然と脱力した。

 けれどこの景色に見慣れない存在が一つ。

 僕の目の前にいる人物――『僕』

 少しだけ伸びた黒髪に口角の上がった口元、その瞳は爛々と輝いて僕を見ている。見慣れた顔だ、鑑を見るたびに突き合わせていた顔だから。

 だけれど、それは『僕』と言うは余りにも苛烈で、劇的で、熾烈な男だった。

 

「【俺】は【俺】さ、『僕』じゃない」

 

 男はそう言って否定する。

 意味が分からない。

 そう思った、けれど男はソレを馬鹿にする様に鼻で笑う。そして僕の傍に近寄って来て、横たわる僕を見降ろした。けれどその笑みは馬鹿にするようで、酷く慈愛に満ちている。それがどうしようもなく気味悪かった。

 起き上がろうとして、けれど体は動かない。指先一本、小指の先まで、まるで金縛りにあっているみたいに力が入らなかった。体の所有権が僕には無い、そう言われているみたいだ。

 

「なぁ、お前は結局、何がしたかったんだ?」

 

 男が僕に真っすぐな目で問うた。

 何をしたいのだと?

 僕は目の前の男の言う事が分からなかった。

 

「超能力者になって、国の闇を見て、理不尽に憤って、平穏を投げ捨てて、脱走者を助けて、超能力者として一緒に暮らして………結局さ、お前は何がしたかったんだ?」

 

 何を――?

 男の言葉を聞いて思考が回り始める、全ての始まりは国家超能力研究所の人間に襲われて、その理不尽を知った時。

 僕はその時から、何を想って動いてきたのか。

 そんなの。

 そんなの決まっている。

 正そうと思ったのだ、過ちを。

 超能力者が虐げられている、この現状を。

 理不尽な現在(いま)を。

 優位能力者だろうと無能力者だろうと、共に笑って過ごせる世界を願ったのだ。

 

「ふぅん……じゃあ研究所をぶっ壊して、超能力者の天下を作るのか?」

 

 僕は心の中で首を横に振る、違う、そんなのは望んでいない。

 そんなのは頭がすり替わっただけで、超能力者が全てを支配したって今度は逆の事が起こるに決まっている。

 僕は今の世の中を変えたいのだ。

 優秀な超能力者が虐げられ、人並みの幸せすら得られないこの現実を。

 超能力者だとか、超能力者じゃないとか、そんなのは関係無くて。

 互いに手を取り合って、足りない部分をそれぞれ補っていける世界。

 そんな世界を僕は望んでいる。

 だって超能力者で、人より優れているから虐げられるなんて、そんなのは絶対に間違っているじゃないか。

 僕が真剣な面持ちでそう答えれば、天井を見上げた男は頷く。

 

「幸奈と澪奈、後は秋って言ったか、あいつ等を助けたのもソレの一環か」

 

 その名前を聞いた途端、皆の顔が思い浮かぶ。幸奈と澪奈は共に過ごした一週間と少しの時間を、秋はあの助け出した瞬間を。確かに始まりはそうだった、けれどそこに困っている人がいるなら、助けを求めている人がいるなら手を差し伸べたい、それはこの道を往くと決めた時からずっと守ってきた事だ。

 救える人は救う、助けられるなら助けたい。

 お前だってそうだろう?

 僕は目の前の男に問いかけた。

 

「……さて、どうだろう」

 

 男は道化の様に肩を竦める、その表情には何か苦いモノが混じっていた。僕にはソレが何か分からない、けれど僕には無い《何か》を男は持っていた。それから男は、僕を見降ろしたまま笑顔で言う、そこには本心だけが含まれていた。

 

「お前は少し【助けすぎる】」

 

 僕はその言葉を咀嚼するのに、時間が掛かった。それは今まで言われたことの無い言葉だったから。助けすぎる、それは何とも含みのある言い方だ。

 何だ、それはと。

 助けて―― 人を助けて何が悪いと言うのか。

 最初に少しの怒りを覚えた、けれどその後に困惑する。

 男はまるで、その助ける事を悪の様に語ったから。僕が手を差し伸べる事を、余りにも憮然と否定したから。

 男は柔らかい笑みを浮かべて何度も頷く、それは称賛の様で称賛ではない、褒めている様で褒めていない、男はどこまでも道化だった。

 

「いや、良い人だ、善人だ、正に菩薩(ぼさつ)の様な人間だ、『僕』は本当に――」

 

 

【心が弱い】

 

 

 心が弱いと、男は『僕』をそう断じる。

 ぎゅっと、胸が痛んだ。それは肉体的な痛みでは無く、精神的な痛みだった。自分の胸に何かが引っかかる、その漠然とした何かが僕には分からない。だから恐怖を振り払うように僕は叫ぶしかない。

 心が弱いだと、何を言っているんだ、人を助けて、何故心が弱いと言える。

 人の善意は、正義だ。

 人が人を助けたいと言う想いは、強いものだろう。

 善意が悪であると言うのなら、それは余りにも悲しすぎる。それは僕の正義を否定する言葉だったから。

 

「いや、それは弱さだよ、お前のその優しさは弱さに他ならない」

 

 けれど男は否定する。僕自身の正義を、善意が強いものである事を。

 さもそれが真理の様に、事実の様に、僕の目を覗き込んで至近距離で謳う。

 男の目は濁ってなどいなかった、暗闇は無く、後ろめたさは無く、ただ絶対の自信と確かな根拠だけが宿っていた。自分が正しいと、絶対に正しいのだと、そう信じている目だった。その瞳が余りにも力強くで、僕の言葉は虚空に消えてしまう。

 

「一番最初の時もそうだったな、お前は自分を路上に叩き付けた【重力制御】の能力者を助けようとした、お前を一度は殺しかけたって言うのに、お前は救おうとした」

 

 男は淡々と事実を述べる、僕は男を正面から見つめながら答えた。

 あの人は制御官に命令されて動いていた、あの人自身の意思では無いと。

 救うべき人は救う、それが自身の意思でないのならば助けるべき人だ。それは違いない、それが僕の正義だから。

 

「そう……そうだな、アレは制御官に言われて動いていた、アイツに命令されてお前を殺そうとした、()()()()()() 他の人間に強要されたから、仕方なかったから、だから救ってやろうと言うのか? お前を殺そうとしたんだ、そこにどんな理由があろうと、誰の意思だろうと、お前は死にかけた、それが結果だ」

 

 男の目がしっかりと僕を捉える、その瞳に僕自身の顔が映った。

 凄まじい気迫だった、思わず頷いてしまいそうになる程の。けれど心の中で、かっちゃんとの約束が叫ぶ。それを認めてしまったら僕の正義も生き方も、全てが否定されてしまう。

 殺されそうになったから、助けちゃいけないと言うのか?

 約束は男に食って掛かった、そんなのは間違っていると。

 男は一歩だけ下がって首を横に振った。

 

「違う、そうじゃない、或はそれでも救うというのなら、それも選択肢の一つだ、けれど問題は、そう―― お前にそれだけの力が無い事だ」

 

 どこまでも力の籠った言葉だ、そして僕はソレを真っ正面から受け止めた。僕に力がない、能力だけを言うのであれば反論出来ただろう。けれど今の僕には出来なかった、それを余りにも実感していたから。

 思わず口を噤む。

 僕に力が、無い。

 男の目に『僕』の顔が映る、血色の悪い、酷い顔だった。

 

「澪奈の時もそう、襲ってきた二人をお前は手加減して叩き伏せた、結局その後は殺されてしまったけれど、もしあの時一思いにお前が殺していれば、少なくとも片方は炎に焼かれて絶叫する事は無かった」

 

「秋を救いに行った時も、お前が部屋に突入する時、或は全力で戦っていれば、あそこで全員殺していれば、結末は変わっていたかもしれないのに」

 

 男は朗々と謳う。

 僕の過ちを、最善の選択肢を選べたかもしれないIFを。

 爛々と輝く瞳で、曇りの無い信頼と、燃え上がる様な自信を伴って。そんなIFを耳にする度に僕の芯である筈の正義が揺らぐ、僕は本当に正しかったのかと心が問うのだ。

 

「そして、お前が【どちらも選ばなかった】結果、両方失った、守るべき人も、約束も」

 

 僕は思わず叫んだ。

 それは僕の最後の抵抗だったのかもしれない。

 何だそれは、どういう事だと。

 両方選ばなかった、両方失った、それが何を意味しているのか分からなかったから。

 

「あぁ、そうか、『僕』はまだ知らないのか」

 

 男が嗤う。

 嫌な笑みだ。

 不吉な笑みだ。

 そうして僕から顔を放した男は、すっと優しい表情を浮かべて言った。その声色はどこまでも慈愛に満ちていて、母の様に穏やかだった。けれど男の本質はそんな穏やかなモノではない、だからきっとソレもポーズでしかないのだと感じた、この仮面の下では黒い感情が(うごめい)ている。

 

「その眼で見ると良い、『僕』が何を選んで、何を失ったのか……自分の選んだ正義()が何を成したのか」

 

 静かに男が隣に退く、僕の目線はそのまま奥に向かった。男の向こう側に見慣れたベッドがあった、一番最初に幸奈が寝ていた場所だ、今はもう誰も使っていない筈の寝床。

 けれどそこに見慣れた顔があった。

 幸奈だ。

 幸奈が穏やかに眠っていた。

 綺麗な寝顔だ、穏やかで、何の苦しみのない、そんな表情だった。

 僕が最後に見た姿のまま、目を閉じている。

 

 

「………或は、彼女が【助かった】かもしれない」

 

 男の言葉に、僕は嫌な予感を覚える。男に視線を向けた、その表情は変わらない。何かを思い詰め、悔やんだ顔だった。

 今この男は、助かったかもしれないと言ったのか?

 ゾッとする、背筋に氷柱を突っ込まれた様な感覚、同時に焦燥感が胸を焼いた。ドクンドクンと鼓動が強く鳴り響き、額にじわりと汗が滲む。それは僕の意思とは関係無く、体を大きく震わせた。

 助かったかもしれない。

 待てよ、待ってくれよ、それではまるで……。

 僕は慌てて幸奈を凝視する。

 その寝顔は穏やかなものだ、いつも通り綺麗で、傷一つなくて、何も変わらない、何も――

 その視線を横に向ける。

 

 幸奈の脇腹に穴が開いていた。

 

 中から内臓と肋骨が見える、今にも零れて出てきてしまいそうな臓物、獣に食い千切られたかの様にズタズタの皮膚、その皮膚が赤黒く変色し血でシーツが赤を通り越して黒く滲んでいた。見ればその血は既に凝固していて、幸奈の胸は全く上下していない。

 

「澪奈の能力で外傷はある程度治っているんだ、これでもマシになった方さ、けれど少し遅かった、【死んでから治しても意味は無い】、彼女はもう死んでいる、幸奈という人間はもう、何処にもいない」

 

 呼吸が止まった、それは余りにも想像から離れた光景だったから。

 僕の中にある正義という芯が、音を立てて崩れた気がした。目の前に居る人は僕が守るべき人で、僕が選んだ人の筈だった。それが今や、物言わぬ屍に――?

 思考が、回らない。

 死んだ。

 誰が。

 幸奈が。

 幸奈……。

 幸奈が死んだ?

 信じたくなかった、信じられなかった、それだけは認められなかった。

 

 嘘だ。

 

「嘘じゃない」

 

 嘘に決まっている。

 

「認めろよ、お前の選んだ正義()だ」

 

 嘘だと言ってくれよ。

 

「お前が選んだんだ、他ならぬお前自身が」

 

 嘘だと言えよ!

 

「自身の選択から目を逸らすな」

 

 嘘だッ!

 

「お前の正義()だろうがァッ!!」

 

 怒号、男が僕の胸倉を掴んだ。

 そのまま勢いよく顔を寄せて額をぶつける、触れた先から凄まじい熱を感じた。怒りに 歪んだ表情を見せる男、その眼には『僕』に対する憎悪だけがあった。

 他ならぬ、僕に対する。

 

「正義の有無も、救うべき人の選別も、何かを選ぶ事すら出来やしないクソ野郎ッ! 万人を救う正義を振りかざして、全てを救う力も無いのに希望だけを持たせやがるッ!」

 

 男の言葉は深く僕の胸を穿った。選びもせず、正義だけを振りかざす、何を言っている。僕は救おうとしたんだ、彼女を、親友を、虐げられる超能力者を。

 僕は。

 

「自分を害す人間を救おうとすれば、それは自分と自分自身の仲間も危険に晒すんだッ、何故それが分からない!? 救う救うと(うそぶ)いて、『僕』は誰も救っていやしないのさ! お前のそれは『救い』なんかじゃないッ、どちらも得ようとして、どちらも失っている、ただの半端モノだッ!」

 

違う、違う違う! 僕はッ、僕の正義はッ!

男の額が強く僕の脳を打った、痛い、熱い、肉体的にも精神的にも。

僕は反駁(はんばく)しなければならない、嘯いてなどいない、救ったのだと。けれど、僕は確かに失った――

 

「違わないッ! お前が―― お前があの時、『守るべき人達』を選び、【かっちゃん(親友)】を切り捨てていれば、幸奈は死なずに済んだんだよッ! ()()()()()()() 他ならぬ『僕』が! 選ぶフリをしてどちらも見捨てた、お前がッ!」

 

 見捨てて何ていないッ、僕は二人を助けたかったんだッ!

 幸奈もかっちゃんも、僕にとっては大切な、大切な人だ!

 どちらか一方を選ぶなんて無理だッ!

 僕は―― 僕は二人を救いたかったッ!

 心からの言葉だ、僕の本心だ、これ以上飾れない、ありのままで何もない、それだけの。けれど剥き出しの心は容易く男に飲み込まれる、男の瞳は灼熱の炎の様だった。全てを飲み込む嵐の様だった。僕の言葉など届いていない、絶対的な意思の前に無意識の敗北を感じた。

 

「その結果が()なんだよッ! 両方を選んで気になって、今の今まで選ばなかったツケが回って来たんだっ! お前は幸奈とかっちゃんの両方を選んでいるようで、どちらも見捨てている!―― そんなのは『優しさ』(なん)かじゃない、お前の心が【弱い】だけだッ!」

 

 僕はっ……僕はッ!

 言葉が出なかった、何かを吐き出そうとすると『僕』という存在まで抜けてしまいそうだった。反論したい、違うと認めさせたい、けれど今僕の目の前に横たわる現実は男の言葉をそのまま現している様で、込み上げた言葉は行き所を失う。

 後に残るのは強烈な自己嫌悪と、強い後悔。死んでも死にきれない、そんな黒い黒い感情だけが空っぽの体に残る。

 僕のせいなのか? 僕が選ばなかったのだろうか、どちらも救うつもりで、どちらも見捨てていたのだろうか?

 男は僕から手を放して聞いてくる、穏やかに、静かに、僕という存在に問うてくる。その正義は何だと、お前は何を成したのだと、お前の選んだ道だろうと。僕は僕自身が、分からなくなっていた。

 

「なぁ、何でそんなに苦しそうなんだよ? 辛そうなんだよ? お前が選んだ結果だろうう? 満足の筈だろう? お前は親友も選び、幸奈も選び、結果どちらも失ったんだ、心の何処(どこ)かで分かっていただろう? 全員救うのは無理だって、そんなのは【本当の正義(ヒーロー)】じゃなきゃ無理だって―― 分かっていて選んだんだろう? その両方を失う可能性を、その正義()を!?」

 

 僕は―― 

 この正義()を選んだのか。

 大切な両方を一度に失ってしまう今を、選ばずに選んでしまったのか。

 救うと口にし、助けると口にし、守ると口にし、結局今に至って何一つ守れていない。 それは僕自身が選んだ未来で、他ならぬ僕が見捨ててしまったから。

 僕が【弱い】から。

 僕は………。

 

 

―― 僕は間違ったのか……?

 

 

「お前は【変身】(自分の力)について、何も、何も分っちゃいない」

 

 そう言って男は、僕の髪を掴んだ。

 頬を流れる滴、それが顎を伝ってシーツに染みを作る。

 僕は泣いていた、ただ悔しかった、悲しかった、情けなかった。僕自身が許せなくて、泣くことでしか自己を表現出来ずに居た。最早言葉は枯れ果て、何かを伝えられると思えない。

 男は僕の髪を引っ張って、その爛々と光る瞳を突きつける。

 

「ヒーローになれる能力? 想いによって強くなる力? 誰かを守る力? 

―― 笑わせんなよ、そんな崇高で大切で素晴らしい能力なら、()が生まれて来る筈がないんだ」

 

 自分の存在を『負』だと言い切る男、僕は涙を流しなら擦れた声で問いかける。

 じゃあ『僕』は。

 この力は。

 君は、一体何だって言うんだ。

 

「お前は変質するのが肉体だけだと思ってたのか? 体が丸ごと変わっちまうのに、精神的には何ら問題無いと、本気でそう思っていたのか?」

 

 怒りを滲ませて男は言う、そして何度も首を横に振った。

 

「甘いよ、甘い甘い、甘過ぎる、大丈夫な訳ねぇだろ、お前が変身する度に、肉体を変質させる度に、お前()と言う精神も変質するんだよ、お前の言う【誰もなれない、格好良くて、優しくて、強くて、超人】とやらに近付くんだ」

 

 男は言う、能力を使うたびに『僕』という存在も変質するのだと。その外見の変化に合わせて内面も変わる、変身する度に変質するのだ。そしてその精神は徐々に正義(ヒーロー)へと近付く。

 それが、その話が本当なら。

 『僕』の目の前にいる、この男は――

 

「そう、誰にもなれない、格好良くて、優しくて強くて、超人の【正義】(ヒーロー)

 

 僕の顔を覗き込んだまま男は笑う。その笑みは、後悔と憎悪と歓喜と悲しみを混ぜ合わせて、表情というキャンバスに撒き散らした様な――

 悲惨で、(おぞ)ましくて、惨い。

 だけれど、強い覚悟と信念を感じさせる顔だった。

 

 

「【俺】が、『僕』の願った、理想の正義(ヒーロー)だ」

 

 

 この男が。

 目の前の『()』が。

 僕の願った理想の正義(ヒーロー)

 認めたくは無かった、信じたくなかった、だってそれは余りにも約束とかけ離れたヒーローの姿だったから。けれど同時に、納得してしまった、その姿には確かに『僕』には無いモノがあったから。

 僕の能力から生まれた正義(ヒーロー)、本当の最強には程遠く、全てを守れる程の力を持たず、ならばその正義に必要なのは――

 誰を『救い』、誰を【見捨てる】かの選択。

 それを行うだけの強さが、目の前の正義(ヒーロー)にはある。

 

「『僕』はずっと逃げてきたんだ、選んで失う事を、どちらかを失う事を、だから選ばないという正義()を選んだ、研究所を悪と定めながら自分を殺そうとする人間を殺せない、そんな矛盾、全員に等しく情を持ってしまう【心の弱い】自分自身、かっちゃんだって知っていて超能力犯罪捜査官になったかもしれないのに、研究所の連中と手を組んでいたかもしれないのに、お前はそんな奴を信じて仲間を失ったんだ」

 

 男は掴んでいた髪を放し、僕は再び仰向けになる。目元からとめどなく涙が流れ、頬を伝って枕を濡らす。僕の理想の正義は、今の僕を【心が弱い】と称した。

 

「本当に守りたい人間が居るなら殺すべきだ、立ち塞がる全てを、能力者、無能力者問わず、選ぶ時が来たならどちらかを選び、どちらかを見捨てなければならない、そうしなければお前は、また大切なモノを同時に失う事になる……例えば、そう」

 

 男はふっと天井を見上げた後、無表情のままポツリと呟いた。小さな声だった、けれど僕の耳には確かに届き、その名は強く胸を打った。

 

「澪奈、とかな」

 

 思わずと言った風に体が反応する、その右腕が勢い良く跳ね上がり男の腕を掴んだ。動かなかった筈の体は、言葉への拒絶反応から独りでに動いた。弱々しい力だっただろう、振り解くのは簡単だっただろう。けれど男は何も動じる事も無く、僕を見降ろした。

 僕を見降ろす瞳は無感情で、ただ淡々と問うてきた。

 

「……お前がまた、選ぶ事を放棄すれば、今度はあの子が死ぬかもしれない」

 

 駄目だ。

 

「次また捜査官と戦う時、そう遠くない未来、かっちゃんと対峙しお前が選ばなければ、また死ぬぞ? お前の大切な人が、お前の身代わりとなって、或いは捕まって、或いはお前を助けようとして死ぬ」

 

 それだけは駄目だ。

 

「幸奈の様に殺されるかもしれない、研究所の連中に、その子飼いの超能力者に、または捜査官達に、無残に、悲惨に、惨めに」

 

 絶対に――

 

「そうなった時お前はまた嘆くのか、また守れなかったと、救うって言ったのにと、口だけで後悔し本質は欠片も変わらない、また誰かを救い、その誰かを自身の弱さによって殺す、身勝手で自分本位で希望だけを与え、救いは決して与えない、そんな上っ面だけの正義(ヒーロー)をまだ続けるのか?」

 

 男が僕を見降ろしている、感情の見えない瞳で、どこまでも見透かした様な透明色で。僕は涙を流しながら歯を食いしばった、僕がここで『選ばなければ』また同じ事を繰り返してしまう。それだけは―― それだけは絶対に嫌だった。

 

「嫌だ」

 

 言葉を口にした。

 久しく声を出していなかったかの様な、酷く枯れた声だった。

 けれどその声は、並々ならぬ覚悟を秘めていた。

 そう、まるで目の前の男の様に。

 

 無感情だった男が笑う、とても、とても嬉しそうに笑う。

 男の腕を掴んだ手に力が籠る、体が自由を取り戻し内側から強い力が生まれる。指先まで行き渡るその力は不快なモノでは無く、寧ろ絶妙な心地よさを孕んでいた。

 

「お前はまた、仲間を見捨てるのか?」

「見捨てない、今度は絶対に、間違えない」

 

 上体を起こし少しずつ男に近付く、『僕』の中の正義が変質する。より苛烈に、より劇的に、より熾烈に。

 

「選べるのか、お前に? 親友を見捨てる、或は誰かの命を奪う正義()を」

「選んでやる、例え親友(かっちゃん)を見捨てても、誰かを殺しても、進む正義()を」

 

 言葉に嘘は無かった、全てが僕の本心だった。

 例え恨まれようと、罵倒されようと、理解されなかろうと、僕は僕の大切な人を守るために選ぼう。大切な人を守るために、救うべき人の命を奪おう、例えその理由が何であれ立ち塞がるなら等しく戦おう。

 選び、見捨て、救い、今度こそ守る為に。

 

()が戦う、()が選び、()が守る、どちらか片方しか選べないのなら、躊躇わず切り捨てよう、その覚悟も、正義もある、()()だ―― もう【弱い()】じゃない」

 

 決断、そして正義は変質を終える。

 全てを救う力が無いのなら、手の届く範囲で守るしかない。自分の懐に入れた人を守る、是が非でも守る、何が何でも、誰を殺しても、何を見捨てても。

 

「―― ぁあ、良いね、最高だ」

 

 男が―いや、俺が笑う。

 男は俺で、俺は男だ。既に正義は等しく、男の正義は俺の正義となった。守る為に誰かの命を奪う覚悟も、救うべき人を見捨てる覚悟も、全ては正義が孕んでいる。

 人の常識から言えば、もうこの道は正義と呼べないのかもしれない。

 この道は犠牲によって成り立つ道だから。

 けれど、だとしても。

 俺はこの征く道を、正義と言い張るだろう。

 だって、誰かを守りたいと想うその気持は―― 絶対に、正しいモノ(感情)だと思うから。

 

――僕を待ち続けている、親友(ともだち)を守りたい!

 

 超能力者として歩み始めた、あの日と同じように。

 

「もう、(約束)から覚める時間だ」

 

 そう言って、()は最後の涙を零した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 目が覚めた。

 外から聞こえる(ひぐらし)の声、額に張り付く髪、茜色に染まった部屋。時が止まったかのように、優しさと平穏を感じさせる空気、すっと深呼吸をすると嗅ぎ慣れた匂いが肺を満たす。ゆっくりと手を天井に向けて、霞んだ視界が光を得た。見慣れた天井、見慣れた木目、間違いなく僕の部屋。

 寝汗で僅かに湿ったシーツを退かして上体を起こす、痛みに思わず顔が歪むけれど、耐えられない程の痛みではない。窓の外に目を向けると丁度夕日が沈んでいくのが見えた、時刻は既に夕暮れらしい、壁に掛けてある時計を見ると六時を回っていた。

 

「……」

 

 空全体が赤く染まる様な夕暮れ、世界が茜色に染められる。山々が黒い影となり、雲は灰色のモザイクに変わる。その幻想が部屋の中まで入り込み、僕の影を濃くしていた。直視するには眩しすぎる世界、聞えるのは(ひぐらし)の声と自分の呼吸音、静かに流れる時間に赤色の世界が僕の胸を覆う。

 窓に向けていた視線を自分の手元に落とし、シーツをそっと握る。それから隣に目を向けた。

 そこには誰も使っていない、夕日に照らされた無人のベッドだけがあった。

 

「……」

 

 ベッドには僕の影が伸びて、濃い人影を映し出している。誰かが寝た痕跡も無い、綺麗に畳まれたシーツに枕。皴一つない、誰かが整えてくれたのだろう。

 

 何を想った訳ではない。

 何かを期待していた訳でも、何かを得たかった訳でも。

 

 ただ少しだけ、胸が痛かった。

 

「っ……雪那、さん!?」

 

 気が付くと、部屋の扉が開いていて、向こう側に澪奈が立っていた。手には水を入れた容器にタオルが一枚。どうやら()の看病に来てくれたらしい。起きていた俺の姿に驚き、その顔に喜びと少しの淋しさを滲ませて駆け寄って来た。

 

「か、体はっ、体は大丈夫なんですか?」

 

 駆け寄って来るなりベッドの上に乗り上がってペタペタと俺の体に触れる、何度も異常が無いか確かめていた。今更だけれど俺は何も着用しておらず、下着一枚だけ履いた状態だった、少しだけ澪奈の手が(くすぐ)ったい。俺はゆっくりと頷きながら澪奈に「もう大丈夫だ」と微笑んだ。

 瞬間、澪奈の目元にじわりと涙が浮かぶ。

 それらを拭いながら、澪奈は「良かった、良かったぁ」と何度も繰り返した。そんな姿を見ながら俺は、澪奈をそっと抱きしめた。突然の事に硬直する澪奈、その髪からふわりと甘く優しい匂いが香る。その体の柔らかさを確かめながら、(しっか)りと口にした。

 

「ありがとう」

「えっ……」

 

 何の感謝なのか、澪奈には分からなかったのだろう。看病の礼か、それとも単純に助けてくれた事に対する礼か。そのどちらでも無い、俺は単純に生きていてくれた事に感謝していた。澪奈が生きている、それだけでどうしようもなく嬉しかった。

 

「今度はもう、間違えない」

 

 見下ろせば、澪奈を抱きしめる胸元には酷い火傷が見える。半ばゲル状になった様な、醜く悲惨な傷跡だ。胸元から首にかけて、下手をすれば顎の辺りまで火傷の痕が残っているのかもしれない。けれどそれ程の傷から生き延びたのだ、恐らく能力で治療してくれたのだろう、だから別に傷跡が残る事に関しては何も思う事は無い。

 ただ、この傷を付けたのが己の親友で、遠い約束を交わした間柄である事が胸を締め付けた。

 あの男も言っていた、もしかしたらかっちゃんは研究所の連中と手を結んでいるのかもしれないと、だから情け容赦なく殺しに掛かったのだと。

だから俺も覚悟を持たなければならない。(かつ)ての親友と対峙する覚悟を―― かっちゃんの命を奪う覚悟を。

 それを遂さっき、済ませた。

 だからこの傷は戒めだ、俺が俺たる証。

 

「今度こそ、絶対、守るから」

 

 そう言うと、俺の胸元でじっと体を硬くしていた澪奈が恐る恐る俺を見上げる。その瞳は潤んでいて、今にも堤防が決壊し泣き出しそうだった。その瞳を真正面から見つめ、受け止める。悲しみや怒り、憎しみ、全部俺が受け止めよう。

 澪奈が震える唇で言葉を紡ぐ。

 

「幸奈さんが、死んじゃいました」

「……うん」

 

 ぎゅっと俺の背に手が回る、それは誰でも無い澪奈の手。小さく、暖かく、こんな小さな女の子が今までずっと悪意に晒されて来たのだ。超能力という才を持っているというだけで。

 

「間に合い、ませんでした」

「……うん」

 

 それは懺悔(ざんげ)なのか、それともただの独白なのか。どちらにせよ、彼女の口から紡がれる言葉にはどうしようもない後悔と悲しみだけが宿っていた。俺を見上げる澪奈の瞳から、ポロリと涙が零れる。

 そこからはもう、止まらなかった。

 

「私の大切な人が、居なくなりました」

 

 ぐっと胸に頬を擦り付ける様に、澪奈がいやいやと首を振りながら抱きしめる力を強くする。行き場の無い怒りや悲しみを俺に当てていた、それで良い、俺は全てを受け入れるつもりだったから。

 澪奈が呟く様に言う、嗚咽の混じった痛ましい声だった。

 

「私には、もう、雪那(あなた)しかいないんです……」

 

 唯一の親友(とも)を失くし、己を知る人物は俺だけになってしまった。その孤独感は如何(いか)ほどか、俺には想像する事すら出来ない。けれど、親友(とも)を失った悲しみと痛みならば分かる。今の俺がそうだから。

 涙に濡れた頬を晒し、俺に顔を近づけた澪奈が懇願する。それは今まで見た事も無い、彼女の文字通り命懸けの願いだった。

 

「お願い、お願いします、もう、私を置いて行かないで下さいッ、もう嫌なの、独りは、独りになるのは嫌ですっ、多くは望みません、傍に居てくれるだけで良いのっ、だから、お願いします、お願い――ッ!」

 

 やっと手に入れた平穏は呆気なく終わる、大切な人の死と言う形で。

 俺は澪奈を強く抱き締める事を返事の代わりとする、元より離れるつもりなんてないから。彼女の口を塞ぎ、嗚咽を漏らしながら涙を零す守るべき人を抱きしめる。その胸に零れる涙は、やけに傷へと()みた。

 夕暮れ。

 赤色が空の向こう側へと沈んでいく。徐々に沈み行く太陽、その全てが向こう側に消えてしまえば後に来るのは暗い夜の世界、その暗闇が全てを隠してしまう。

 窓から差し込む赤色が消え去って、部屋から光が消える。

 それがまるで俺達の未来を示唆しているみたいで。

 俺はそっと、その眼を閉じた。

 その未来から目を背ける様に。

 

 

 

 




 感想欄が「敵は皆殺しジャア!」状態で戦々恐々。
あれ、そんな憎しみを煽る様な事書きましたっけ私……(;゚Д゚)
まぁ兎にも角にも主人公さん、漸く「敵絶対殺すマン」に変身出来る様になりました。

 恐らくインスタント・HEROを書き始めて一番力を入れた話です。
13618文字、約三話分をブッ込みました、長いね、せやね(´・ω・`)
分割しようと思ったけれど、なんか切ってしまうと勿体ないと言うか、何と言うか。

 まぁ兎にも角にも主人公の意識改革でここまで掛かるとは思っていませんでした。
いやぁ、此処まで長かった(くぅ~w 疲れました感)
 さて本題です、次話から漸く本格的にヤンデレヤンデレし始めると思います。
寧ろそのヤンデレヤンデレの為に書き始めたと言っても過言では無い。
やっとヤンデレキャラを書けると思うと心なしが心がワッショイし始めてハハハハ("´_ゝ`)
 
 さあ、澪奈や弥生さんとレッツヤンデレパライソ!

 因みに敵に対する報復行為は近い内に行われるかと思います(`・ω・´)
それまでに十分にヘイトを蓄積させなきゃ(使命感)
さぁ立ち上がれ主人公! 皆大好きゲリラ戦だ!

PS 最近感想欄でヤンデレ語を話す方が増えたので、ちょっと勉強してきます。

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