インスタント・HERO ~180秒で世界を救え!~   作:トクサン

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命の価値

 

「っ、このッ!」

 

 遅かった。

 全てはその言葉に尽きた。

 電話の向こう側から息を呑むがするのと、僕が携帯を地面に叩きつける瞬間、それは殆ど同時だった。けれど制御官― 弥生(やよい)の言葉は既に伝えられ、無情にも世界は流れる。

 僕は携帯を思い切り踏みつけ、振り返った。

 振り返ってしまった。

 

 

― 【研究本部(ラボトリア)より着用者の離反信号を受信、これにより(カラード)の安全装置を解除、処分を執行します】

 

 

 どこかで聞いた声だった、身の毛もよだつ声だった。

 余りにも早い死刑宣告。

 弥生の報告を受けてから十秒も経っていなかった。

 

「嘘、嘘ウソうそッ!?」

 

 伏せていた黒髪長身の超能力者が自分の(カラード)を外そうと足掻き、しかし固定された(カラード)はびくともしない。

未だに痛みから抜け出せない茶髪くせっけの超能力者は、全てを諦めた様な瞳で僕を見ていた。その眼は酷く透明で、何の感情も見られず、ただ僕の土色の顔だけが映っている。

 突然の出来事に上手く反応出来ていない澪奈は、ただ茫然と二人を見つめ、自分の(カラード)に指を這わせていた。

 

 パンッ、と(カラード)が弾けて、その瞬間が来る。

 

 最初は黒髪長身の超能力者だった。

 着火は一瞬だ、首から火が噴く。瞬く間に赤色が世界を染め上げ、熱風が僕らの肌を焼いた。月明かりだけが支配していた廃工場は、朱色の明暗に分かれる。

 地面に伏せた彼女の全身を炎が包んだ。

 

「あぁァアあっぁあああァアアあアッ、嫌、いや、イヤダっ、あツ、いィた、いタぁあァア!!」

 

 炎は首から、顔面、胴体、腕、足へと隈なく広がって行く。そして全身を火だるまにして黒いシルエットを作り出すのだ、鼻を突く匂いは人間の焦げる臭い。悲鳴、絶叫、慟哭、最早言葉とも言えない叫びを上げて地面を転がる()()()

 そして、それを見ていた澪奈は余りの惨さに口元を抑え、震える膝に耐えきれず座り込む。

 もう一人、無感情な瞳で、今まさに同じ超能力者が焼失しようとしているのに、無感情で、イノセントで、どこか達観した様な瞳で僕を見る(超能力者)が一人。僕が何も出来ず、ただ燃え尽きていく人を見ていた時、その視線に気付いた。

 彼女は震える体を抱き締めて這ったまま、僕に向かって呟いた。

それは廃工場に響き渡る悲鳴に掻き消されてもおかしくない声量だったのに、確かに僕の耳に届いた。

 

「ありがとう」

 

 何の脈拍も無かった、感謝される覚えも無かった。

 何の感謝なのだと、問う事も出来ずに。

 無様にも口を開きかけた僕の目の前で、パンッと(カラード)が弾ける。それは焼失への合図、ボッと彼女の首元から炎が吹き上げた。

 そして炎に包まれるのだ、やめろと叫ぼうとした僕を目の前に、彼女は自ら死の淵に飛び込んだ。

 

 

「【圧縮】」

 

 

 炎が彼女を焼く前に、全身を焼失(ショウシツ)させてしまう前に。

 彼女は自ら消失(ショウシツ)する事を選んだ。

 ボンッ、と彼女の体と、接していたコンクリートごと全てが消える。半円型にくり抜かれ、獣に齧られた後に残るのは足が二本。能力の範囲外だった足首、綺麗な断面で残されたソレから血が滴って、くり抜かれたコンクリートの中に小さな血溜まりが生まれた。

 燃やされて死ぬくらいなら、自分で死んでやる。

 そんな気概が聞こえた気がした、そしてそれが唯一の救いであるとも。

 気が付けば黒く燃え盛っていた超能力者は横たわり、呻き声一つ上げなくなってしまった。轟々と燃え続ける炎に絶命し、黒い焦げ跡と同化し廃工場を照らす。

 僕がもう見たくないと思った光景だった、片やマトモな死体一つ残らず、片や地獄の苦しみの中もがいて死んだ。その黒い死体が僕の記憶から、あの日を思い出させる様だ。

 

― また死んだぞ

 

 救うって言ったくせに。

 

 

 

 

「こんンのォックソ野郎がぁァアアッッ!!」

 

 

 

 

 タールの様な黒い感情だけが残った。

 身体中の血が沸騰して溶けてしまいそうな錯覚、消失感を埋める様に怒りがぽっかりと空いた穴に湧き出た。けれどそれはもう怒りなんて生易しいモノじゃない、殺意だった、親の仇とばかりに嚇怒(かくど)した僕は二人を殺した弥生(やよい)に明確な殺意を抱いていた。

 ソレは僕自身を支配して、到底制御出来るモノでは無かった。

 あの時、かっちゃんや僕の命が脅かされると、超能力者であると言うだけで理不尽に殺されると、そう知った時と同じ。

 けれど、誰かを心の底から殺したいと思ったのは初めてだった。

 

 気付けば僕の姿は、ヒーローのソレになっていて。

 けれど光の代わりにどす黒い何かが噴き出、蒸気が体中から発生する。

 姿形はどうでも良かった、ただ振り返った先に突っ立ち、先程までどこかやり切った様な、そんな歪な笑みさえ浮かべていたこの女を殴り殺せればそれで良かった。

 

 振り返り、僕の叫びに身を竦ませた弥生が目を白黒させる。

 そして僕がその胸倉を捻り上げ、壁に押し付けた途端、全てを理解した様に目を細めて、顔を引き攣らせた。

 もう手加減なんて出来ない。

 

 その体、肉片一つ残さず消し飛ばしてやる。

 

 拳を引き、その憎い顔面に叩き込もうとする。

 そうして勢い良く振り抜かれようとした腕に、誰かが抱き着いた。

 体全体で止める様に、勿論そんな事で止まる筈も無い。

 けれど拳は、ほんの弥生の鼻先数センチ前で停止した。

 全力での拳は強い風圧を生む、廃工場全体を揺らす様な風が巻き起こり、弥生の体が壁に押し付けられた。

けれど、生きている。

 目をぎゅっと瞑って、何かを堪える様に、涙を零しながら生きていた。

 

「だ、駄目ですよぉっ……その人を殺したらっ、貴方まで、研究所の人と同じになっちゃう…っ、駄目ですっ、殺しちゃ駄目ですッ…」

 

 僕の右腕に抱き着いて、その拳を止めようとしたのは澪奈だった。

 ポロポロと涙を流して、顔を歪めて僕をその場に留めていた。「お願い、お願いします、ねぇ、やめようよぉ……」と懇願する、それを見て僕は拳から力を抜いた。応える様に変身が解け、僕の腕がだらんと下がる。

 目の前で人が死んだからか、それとも僕の怒りを見たからか、僕の腕にしがみ付く彼女の涙は止まらなかった。

 

何やっているんだよ、もう一人殺しているじゃないか。

二人も三人も、同じことだろう?

今更、何を善人ぶろうとしているんだ。

 

そんな声が自分の内側から聞こえて来る、僕はそれに答える術を持っていなかった。

 弥生の襟元を捻り上げていた手を離す、そして数歩後ろに下がった後に言い放った。

 

「……許す気は毛頭ない、僕はー ()は、アンタを死んだ方が良かったって、そう思う様な目にあわせてやる」

 

 目の前で震えていた弥生がうっすらと目を開けて、自分がまだ生きているのだと、そう確認する様に僕を見る。そして小さく口を開くと、そこから「はッ、かは」と呼吸を再開した。激しく上下する肩は、彼女が呼吸を忘れて死を覚悟していた事を現わしている。

 怒りが無くなった訳ではない、無論殺意も、けれど血が滲む様な我慢の果てにその感情を閉じ込める事に成功する。激しく燃え盛っていた黒い感情は、胸をジリジリと焦がす様な下火に姿を変えていた。

 

 未だ腕にしがみ付く澪奈を見る、嗚咽混じりに息を零し、涙を流しながら震え続ける彼女。その頭にそっと手を乗せて、あやす為に髪を撫でた。サラサラと流れる髪の感触に僅かな安堵を覚えながら呟く。

 

「帰ろう」

 

 こちらを見上げる澪奈の泣き顔、黒い感情を顔の下に埋めながら、小さく笑いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

「心配したのよ!?」

 

 帰宅して一番最初に直面したのは、怒りに顔を染めた幸奈の顔だった。

 時刻は既に三時を回っていて、一時十分の待ち合わせ時刻から大分時間が経過していた。しかし起きるには少々早すぎる時間帯、にも関わらず幸奈は起床し僕らの帰りを待ち続けていた。

 玄関で心配げに、それこそ蒼褪めた顔でじっと座り込んでいた彼女を見た時は本当に幽霊か何かだと思った。そして帰宅した僕を見て「心配した」の一声、詰め寄る彼女に戸惑い、視線を泳がす僕は堪らず背後の澪奈を引っ張り出した。

僕の背に小鴨(こがも)宜しく引っ付いていた彼女は、突然手を引かれ矢面に立たされた事に驚く。けれど澪奈を見た幸奈は、驚き、涙ぐんだ瞳を見せ文字通り飛びついて来た。

 背後に僕がいなければ倒れていただろう、華奢な澪奈と僕をまとめて抱きしめる様に、ぎゅっとその腕に力が籠った。間に挟まれた澪奈も最初は驚き、それから嬉しそうに幸奈の首元に顔を埋めた。

 

「あぁ、澪奈、澪奈、貴女なのね?」

「幸奈さんっ、あぁ本当だ、生きてたっ! 良かったぁ……」

 

 感動の再開、少なくとも二人にとって研究所から抜け出すのは死と隣り合わせだっただろう。生きて再開出来た事に二人は喜び、ひと時の安息を噛みしめる。それから、ばっと体を離した幸奈は次いで僕に厳しい目を向けた。

 

「何で一言も声を掛けてくれなかったの? それに、私も連れて行って欲しかったッ!」

 

 そう言って顔を近づける幸奈は怒っているのだろうか、いや怒っているのだろう。その瞳を正面から見返す事が出来ず、ふっと視線を横に逸らしながら「し、仕方なかったんだ」と弱々しく反論した。

 

「それに、どうして一人で行ったかは手紙にも書いてあっただろう……?」

「それは知ってる、だけど、澪奈は私のっー!」

 

 そこまで口にして、僕と幸奈に挟まれていた澪奈が「あ、あのっ」と声を上げた。

 幸奈が視線を澪奈に落とせば、どこか必死な顔をした澪奈が幸奈の服を引っ張る。

 

「あんまり、怒らないで下さい、この人に凄く助けられたんです、追手が廃工場に来て、それでー」

 

そこまで澪奈が口にして、被せる様に幸奈が「研究所の連中が来たの!?」と叫んだ。

 澪奈の言葉に驚愕する幸奈、「どうして……っ」とどこか焦燥した様に僕を見る、彼女の計画では何事も無く合流を果たす予定だったのだろう。

 

「……超能力者に【能力探知】を持っている奴がいた、どうやら研究所の秘密を知っている一般人、僕を探していたらしい」

「っ、それってー」

 

 息を呑み、蒼褪めた表情で僕を見る幸奈に「いや、安心して良い」と首を横に振った。今彼女が何を考えたのか、僕には分かる。

 

「顔は本部に知られていないし、制御官も超能力者も、もういない、能力者は焼却処分されて死んだ、一人は焼かれる前に自分の能力で……」

「……そう」

 

 蒼褪めた表情はしかし、僕の言葉によって血色が戻る。けれど超能力者達の末路を伝えると、どこか悲痛な面持ちで幸奈は俯いた。それから心配げな表情で「怪我とかはしないないのよね……?」と僕の体を見る。

 

「大丈夫、どこも怪我していないよ、仮に怪我をしても多少なら問題ないだろう」

 

 そう言って僕は澪奈の頭に手を置く、ピクリと動いた澪奈が僕を見上げ、僕は無言で彼女の頭を撫で続けた。

 

 ― 澪奈の超能力は【再生促進】

 

 傷付いた細胞などの再生を促し自然治癒能力を飛躍的に高める能力である。

 仮に怪我をして出血した場合、彼女の能力を使用すれば簡単に傷を治す事が出来る。血液が一瞬で凝固し、好中球やマクロファージが損傷部位の不要物を取り除く、同時に線維芽細胞がマクロファージより分泌され損傷した血管、組織を再生する。それらが彼女の能力によって一瞬で行われるのだ。

更に言うと、通常組織の強度はケガ以前のモノに比べて80%程の強度しか得られないが、澪奈の能力を使用した場合100%の強度回復が見込める。

治癒、医療系の能力は珍しい為ランクは『Ⅲ』、これでも治癒系能力者の中では最低ランクらしい、最初聞いた時に首を捻ったのは記憶に新しかった。ランク『Ⅴ』では四肢欠損を治す事すら可能なのだと聞き、漸く納得した程だ。

澪奈の場合は治せて骨折まで、失った体や明らかな重傷を完治させる事は難しい。

 この能力は攻撃にも転用可能で、健常者に使用すれば細胞を破壊する事も可能だとか。

 

「勿論、怪我をしない事が一番だけどね」

「何も無かったなら良かった……」

 

 ほっと胸を撫で下ろす幸奈、そして僕に心配そうな、けれど無理して笑っている様な表情で、「お願いだから、余り無理をしないで」と言った。声は弱々しく、或はそれは懇願だったのかもしれない。

僕は曖昧に頷く、誰も好き好んで無理はしない。無理をしなければ死んでしまうし、誰も救えはしないのだ、特に僕の場合は。

 けれど僕には彼女のその表情が何よりの信頼の証に見えて、少しだけ嬉しく思った。

 そのやりとりをじっと見つめる瞳が二つ、無論僕らの間に挟まったままの澪奈である。

 

「幸奈さんと、その……雪那(せつな)さん、は昨日あったばかりなんですよ、ね?」

 

 どこか戸惑った様な口調でそんな事を言う、僕は首を傾げて「うん、そうだね、昨日であったばかりだ」と肯定した。

 

「それがどうかしたの?」

 

 不思議そうに幸奈が澪奈を覗き込む、するとどこか羨ましそうな、恥ずかしそうな顔をして彼女は口を開いた。

 

「その……何か、通じ合っているみたいで、良いなぁって思って」

 

 その言葉を聞いて、僕と幸奈は思わず顔を見合わせた。

僕も幸奈もきょとんとした顔で、お互いそんな事を言われるとは思ってもいなかったという表情だ。それから数秒後、かっと幸奈の顔が赤くなって、僕もどこか気恥ずかしく感じ視線を逸らす。

 澪奈はそれをじっと、やはり羨ましそうに見ていた。

 

「あ、あの、別に、そんな……そこまで親しいって事は……」

 

 確かに助けて貰ったし、返しきれない恩も一杯あるけど。

なんてぶつぶつ独り言を呟く幸奈を前に、僕は「まぁ、何だ」と澪奈に声を掛けた。

 

「これからは仲間なんだ、仲良くなる機会なんて、沢山あるよ」

 

 面と向かって言うには少々気恥ずかしすぎる言葉。

 思わず顔が熱くなる。

 かつてこんな台詞(セリフ)を女の子相手に口にした事など無かったから。

 

「……はいっ」

 

 けれど僕を見上げて、最初は驚いたように、その後本当に嬉しそうに笑う澪奈を見ると。

 こんな恥ずかしいセリフを口にするのも、まぁ、悪くないと思えるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 部屋は薄暗かった。

 元々長い間使っていなかった為、所々には埃も見える。唯一の光源は天井にぶら下がる電球が一つ、リフォームの際もこの部屋だけは手つかずだったと言う、此処だけ妙に古臭く感じるのはソレが理由だ。

 四方をコンクリートで固めた地下室、ふらふらと揺れるオレンジ色の光がソイツを照らす。

 部屋へと続く鉄扉を開くと、キィと錆びた音が鳴った。

中に居た人影が音に気付き、ふっと顔を上げる。

 

「……話す気にはなったか?」

 

 声を掛けると、その人物― 宇多弥生(うたやよい)はふっと笑みを浮かべ、「そんな訳、ないじゃない」と言い放った。

 両手両足、目も封じられ、パイプ椅子に縛り付けられた彼女はこんな状況にも拘わらず国家超能力研究所の情報を守ろうとしている。けれどその体は小刻みに震えているし、浮かべる笑みは引き攣ったものだった。

 虚勢だと直ぐに分かる。

 

 あの後、澪奈の能力で治療を施した弥生をこの地下室に監禁した。

 殺しても良かったが、自分の中にある理性が彼女の持つ情報を欲していた。

 脱走者の知らない情報、つまり関係者のみが持つ国家超能力研究所の情報だ。

 

「……()はね、一人、研究所の人間を殺しているんだ」

 

 そう言うと、目の前の弥生の肩がピクリと跳ねる。「別に脅しのつもりじゃない」と俺は肩を竦め、彼女の目の前まで歩を進めた。近付く度に彼女の足が反応し、笑みを張り付けていた口元はきつく結ばれる。

 彼女に対する明確な恐怖、それが自分だった。

 

「誰も好き好んで人を殺しなんかしない、アンタ等がどうかは知らないけど、()は自分から喜んで人を殺す人間じゃないんだ、だからアンタに積極的に暴力を奮うつもりもない」

 

 ただー

 

「アンタを許した訳でもない、だから暴力を奮わず、手間も掛けず、全部勝手に終わる方法を考えた」

 

 そう前置きして、精一杯無感情に、冷徹な声で告げた。

 

 

「アンタが壊れて助けを乞うのが先か、勝手に死ぬのが先か、見守る事にするよ」

「えっ……?」

 

 

 反応は呆然とした声だった。

 

「アンタを此処に放置する、三日か、一週間か、一ヵ月か、一年か、アンタが根を上げるまで、まぁ、一ヵ月、一年も飲まず食わずで生きられるとは思わないけどな、情報を話さないなら勝手に死ね」

 

 それだけ言って部屋の唯一の出入り口まで歩を進める、背後から戸惑いの声が上がり「ちょ、ちょっと!」と切羽詰まった叫びが耳に届いた。

 

「こんなところに私一人でっ、な、なんでッ、拷問なら拷問らしくッ、ね、ねぇッ!」

 

 大きな音を立てて扉を開き、ガチャンと強く閉める。中の声は一層激しさを増したが、素知らぬ振り。

それから鍵を掛け上へと昇る階段に足を掛けた。扉越しに聞こえる声は酷く小さい、これで上の扉も閉めれば完全に声は聞こえなくなるだろう、幾らそこで叫んでも、誰にも聞こえはしない。

 

「澪奈には、内緒にしなきゃな……」

 

 そう独り口にして、二人の待つ部屋へと向かった。

 






 何かの番組で見たのですが、少女を誘拐して監禁し、犯人が食事を与え続けたところ、犯人に少女が依存し始めたそうです。(^v^)



 ………だそうです(^v^)

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