ご注文はSSですか?   作:D表

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一週間に一本って大変だね!()


第5羽

今日もリゼと一緒の帰り道、というかバイトに行く道なんだけど。

他愛もない世間話をしながら話していると前に見慣れたピンク色の髪の毛の女子が一人と初めて見る黒髪の女の子が一人。

「ん、ココアだよね?」地味に不安になったらからリゼに確認を取る。

「あぁ、そうだな。隣の人は友達だろう」

ま、やっぱそうだよね。

「リゼちゃん!レイくんも!あ、紹介するね、この子が同じクラスで仲がいい千夜ちゃんだよ〜」

「千夜です。よろしくね」

おぉ…礼儀正しいな

わりと常識人であることを望みたい。

「俺は文月零だよ、こちらこそよろしく。」

もっと何か言うことないのかと言える程無味乾燥とした自己紹介だよな。言い終わって思った。

「私は天々座理世だ、こっちこそよろしくな。ココアとはバイト仲間だ。」

やっぱり俺よりコミュ力高い((((

「あ、そうそう今ね千夜ちゃんと話してたんだけど今度一緒にパン作りしない?」

「そんなことしてる暇ないだろ?」

ココアの提案をバッサリと叩き切るリゼ先輩流石っすわー(棒)

『クキュルルルルルル』

リゼが顔を真っ赤にして手をお腹に当てている。

「リゼちゃん、焼きたてのパンってすっごく美味しいんだよ?「そんなことは知っている!言うな言うな言うな!」

顔をほんとにこれ以上赤くならないというぐらい赤くして耳を塞ぐリゼ。

控えめに言って弄りたくなる可愛さなんだよね。

「なぁリゼ、メロンパンとか焼き立てサクサクしてて美味しいよな「あああぁぁぁあ、やめろやめろやめろぉ!!!」

わっはっは、可愛い奴め〜。

「って言うか何時やるん?」

「今週の日曜日!」

今日が金曜だから…?

めっちゃ近いやん!

「チノに許可取らなくていいんかな?」

俺の最もな質問に対してココアの答えがこれだ

「大丈夫大丈夫、どうにかなるよ〜」

適当すぎんだろ(((((

 

適当な雑談のあと

「あ、これからバイトあるので帰るわね〜」

千夜がそう切り出してこの井戸端会議は終了した。

因みにチノからは

「ココアさんがしっかり働いてくれるならいいですよ。」だそうだ。

この時ココアは少女漫画でよくある目が白くなっていた。

ちゃんと働けや…((((

 

 

そしてあっという間に時は過ぎ、今週の日曜日に…。

そしてチノと千夜の自己紹介が終わり、早速パン作りに入るのだが…

「パン作りの経験ある人居るのか?」

そう。

いまリゼが言ったとおりパン作りの経験者が居るのか心配だな。

俺は親父が作ってるところを見てたので一応作ろうと思えば簡単なパンは作れる…はず。

「あ、私作れるよ!」

なん…だと…!?

あ、あ、あのココアが!?

数学と物理しか出来ないあのココアが!?

「レイ君!その反応酷いよ!?」

「あ、いや…ごめん。予想外過ぎたから…ほんとにごめんな」

そうココアに言われ自分の言った言葉の意味を理解した。

「ん〜ん、気にしてないから大丈夫だよ。

それより!みんな!パン作りを舐めちゃいけないよ!少しのミスが完成度を左右する戦いなんだよ!」

あ、熱い…まるで修⬛さんのようだ!

ちらりと隣を見るとリゼが教官を見ているかのような暑い眼差しでココアを見ている。

うん、察した。

「ココア!今日はお前が教官だ!よろしく頼むぞ!サーッ!」

「お願いします、ココアちゃん」ビシリと敬礼をかます千夜

「皆さん暑苦しいです」チノの最もなツッコミが入る。

ん?俺も入ってないかな?泣けてくるぜ(((

「皆、パンに何入れるの?」

「私は新規開拓に焼きそばパンならぬうどんパン作るよ!」

「因みに私は自家製小豆と梅と海苔を持ってきたわ」

率「私は冷蔵庫にあったいくらと鮭と納豆とゴマ昆布を使います」

「私はマーマレードとイチゴジャムと……」

千夜の疑問に上から順にココア、千夜、チノ、リゼだ。

(あれ?これってパン作りだよね?)

俺の心の中ではそのツッコミが渦巻いていた。

「あ、俺はリンゴとメロンパン用の生地を」

まともなの俺とリゼだけじゃねぇか!

「(な、なぁレイ、これはパン作りなんだよな?)」

リゼが小声で聞いてきた。

「(あ、あぁ…そのはずだが…)」

そんなやり取りをしている内にパン作りは始まっていた。

「まず、このドライイーストを入れて「ドライイースト!?そんなものを入れて大丈夫なんですか!?」

ココアの言った言葉に食い気味にチノさんが言う。

「ドライイーストは酵母菌なんだよ。これを入れないとふっくらしないよー」

(こ、攻母菌…!?)

「そ…それなら!パサパサパンでがまんします!!」

そんなこんなあんなこんなでパン作りもいよいよ大詰め。

「後はパンを焼くだけだね!」ココアがはしゃぎながら言う。

た、大変だった…

千夜が体力無くて手伝ったりココアがドジしそうになったり。

「ではこれからおじいちゃんを焼きます」

チノちゃん!?その言い方には物凄い誤解を生むよ!?

そしてパンが焼き上がるのを待つこと数十分

チン

できたっぽいな。

「みんなー!できたよ〜!」

ココアが大声で出来立てのパンをトレーに置いて持ってきた。

そして今からリゼがパンにチョコペンでうさぎの絵を描こうとしている。

「ゆ、揺らすなよ?!絶対に揺らすなよ!?」

「あ、揺らしてほしいってノリですかね?」

リゼがそんなことを言うから悪ノリで言ったら殺意が篭った目で睨まれた。

「スイマセンナンデモナイッスハイ」

「慎重に…慎重に…あっ!まだ熱が冷めてなかった!」

あ〜あ…やらかしたな

「傾いてるよ!」

「歌舞伎うさぎね!」

なんだそのフォロー。

「」案の定リゼは絶句してるし

「さ、さてと!試食しないか?」

重い空気を変えるためそう切り出してテーブルにパンを乗っける。

「そうだね!じゃあ食べちゃお!」

「「「「「いただきまーす」」」」」

俺を含めた五人が大きな声で食材に感謝の気持ちを伝える。

モグモグモグモグ

うん、やっぱり焼き立ては美味いな。

最高だぜ!

だが…チノ、ココア、千夜が作ったパンは…食欲そそらなかった。

「ところで!これを看板メニューにしたいんだけど…いいかな?」

そう言ってココアが持ってきたのはティッピーをモチーフにしたパンだ。

「おぉ…いいじゃん、食べてもいいか?」

「うん、皆も食べて食べて!」

ムッシャムッシャ美味っ!

外はサクッと中はモチモチしててほんと美味しい。

流石パン作り経験者が本気で作ったパンは違うな。

「でも…中が」

リゼ…そこに触れてはいけない。

そう、中身が真っ赤なイチゴジャム

((なんというかとてつもなくグロテスクだ))

やっぱりリゼとは気が合うな。

第5羽fin




とりあえず一言
辛すぎて泣ける

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