私の上司はデコポンポ   作:fukayu

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 今回で一応ギギリ編はおしまいです。


まだ、結納金も貰ってないのに―!

『よいか、アトリよ。武官には武官の、文官には文官の役目があるのだ。周りが何を言おうとお前が気にする事は無い。私達は私達に出来る事をすればよいのだ。無暗に争いを続けず、敵も味方も等しく救う。きっとそれは難しい事だが、やり遂げなければならない。どんな者であれこの世界に生きる者なのだからな。救える命は救うべきなのだ。そうすればきっと後に民や聖上の為になる』

 

 そう言った在りし日の父の背中は大きかった。

 今でこそ、多くの者を騙し搾取した悪徳貴族として恐れられているが、実際の父は高潔で誰に対しても分け隔てなく接する好人物だった。

 武力は無いものの、優秀な文官として帝からの信頼も厚かった父は数多くの戦や他国との外交の影で暗躍し、相手国との和平を実現し長く続く筈だった戦を止め多くの民を救ったり、様々な文化を持つ国々や一族と条約を結びヤマトと我が家に富をもたらしてくれた。

 まぁ、帝の温情と戦後の遺跡調査などで有耶無耶になっていた属国に対し過去の戦での相手側の過失を掘り起こして賠償金を奪い取ったのは私だし、割と穴だらけだった条約を整備しその際についでに自分達に都合のいいような一文を加えたのも私なのでその世間の評価は大いに間違っているといえるが、それを娘である私が弁明したところで無駄なのはわかりきっているので放っておくことにしている。

 

 だって父は確かに言ったのだ。「周りの目など気にするな」、と。

 

 ……はい、父上。私は父上の言いつけの通り、無駄な争いは避け、見事にこの戦を押さえて見せました。

 

 現在私は父の仕事で言う所の戦後処理に追われている。

 どんなに激しい戦も終わってしまえば空しいものである。それは敵も味方も関係ない。誰もかれもが死んだ魚のような目をして天とそれに匹敵する勝利者たる私を見上げている。

 そんな鬱屈とした気分を変えるにはやはり、お金が一番だろう。

 

「一枚、二枚、おっとこれは数十年前に紛失したといわれる亡国の金印では無いですか! 掘り出し物ですよ、適当な子孫を祭り上げて一攫千金が狙えますね!」

 

 私は戦利品である宝の山の上で暗く沈んだ気分を盛り上げるために勤めて明るい声を出す。だが、残念な事にそれに応えてくれる声は無い。ノリが悪いな。

 

「あ、アトリちゃん、これはここでいいの?」

 

 そんな中、私の友人は敗者の務めを全うするべく自分達の住みかと現在私達が占領している森の広場を往復していた。

 

「あ、ご苦労様です。そうですね、今持ち運び用の荷馬車を手配しているので取り敢えず傷がつかないように保管しておいてください」

 

 長引くと思われたギギリ討伐戦はあっさりと終結した。

 当初の目的の一つであった兵達の訓練は風の殿学士の寝返りという予期せぬ事態こそあれ想定以上の成果が得られた。ネコネ嬢やルハナ姫の存在に釣られ締まりのない顔をしていた兵達がたった数時間で終わらない書類整理に追われ、数日間家にも帰れず職場に缶詰めにされた文官のような顔つきに変わっている。当初は女性陣に良い姿を見せようと張り切っていたものの、次第に連戦の疲労と蟲とは言えギギリの返り血を浴びた事で我に帰るも、安定した食料と無駄に高度なネコネ嬢の癒しとルハナ姫の甲斐甲斐しい看護により負傷してもすぐさま戦場に送り返される現実を目の当たりにし、更には私が睡魔の襲来を訴える部下に自作の一粒で3日は眠らずに仕事が出来る丸薬を渡した事で全てを悟って瞳の色を無くすまでの過程は物語にすれば大作間違い無しの傑作だった。

 まぁ、途中から一言も発さず黙々とギギリを切り捨て始めた兵の姿に私もさすがにやり過ぎた感が有ったので文官として責任を以て戦いを止めるべく和平交渉に出たわけだ。

 

「―――今更何しに来たの? みんなに酷い事をして、いくらアトリちゃんでもごめんなさいじゃ済まないよ!」

 

「この森、いい場所ですね。自然も豊かでさぞ、住みやすいところでしょう。ま、私が治める土地なので当たり前ですが」

 

「え?」

 

 それは丁度、ボロギギリの一体の甲殻の間に刀を使って無理やり呪符を埋め込み、爆☆殺☆している頃だった。

 私はおもむろに懐から数枚の書状を取り出し、敵対している少女に見える様に掲げる。

 

「この土地の権利書と区画整備の計画書です。私は新規事業の立ち上げに来ました」

 

「え? え?」

 

 何を言われているかわからないといった表情をする察しの悪い友人に私は笑みを浮かべながら語り掛けた。

 

「この木、よく燃えるんですよねぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「工事代がもったいないからここいら一帯燃やすよ。あ、大丈夫。私達の陣と森の境界線には燃え広がらないように昨日の内に細工しておいたから。責任に対しても、山火事なんてよくある事だから、ね?(意訳)」

 こうして長く苦しい戦いは終結し、現在私は過去に不用意にもギギリ達の縄張りに侵入し、惜しくもその命を散らした者達の遺品を回収していた。

 ギギリにとって食料にも苗床にもなるヒトと違い、彼らの持っていた金品には何の興味も無い。

 こちらとしても毎年散々注意を喚起していたにもかかわらずギギリの生態を正しく理解せずに勝手に散っていった者達と違い、彼らの持ち物には何の罪も無いので喜んで回収させてもらう。

 

 そもそもの事の発端は我が主、デコポンポ様の一言から始まる。

 その日、珍しく私の屋敷に顔を出した上司は彼から押し付けられた領地の管理をする私とかの地の地図を一瞥し、こう宣った。

 

『全く、相変わらず殺風景極まりないにゃもな。仮にもこのワシの部下のくせしてこの程度の土地も満足に栄えさせる事が出来ないにゃもか。全く、おみゃあと似て華やかさの欠片も無い土地にゃも。……これだから未だに嫁の行き先の一つも決まらないにゃもなぁ』

 

 本人にとってはほんの気紛れだったらしい、かくいう私もその時は「あ、地図の読み方わかるんだ!?」と内心驚愕していてそれ以外は特に何も思っていなかったので問題は無かったが、税制や今期の領地運営の打ち合わせの為に集まっていた私の腹心はそうは思わなかった。

 彼らは「嫁ぎ先については知らないし、関与したくも無いが領地運営については譲れない」、と憤慨し瞬く間に私に画期的な土地の開拓計画を提出、それをまたまた偶然見てしまった上司とその取り巻きが大いに盛り上がり、私に計画を早急に進める様にと命じた。本人達は滅多に帝都から出ないにもかかわらず、である。

 

 それからは怒涛の勢いだった。

 最近流行の温泉という異国の文化を調査するために最近では帝都一番と名高い宿で疲れを癒しながら部下の報告を聞く毎日。

 因みにこの文化、何かといわく付きのものだったりする。何でもある日、なんの予兆も無しに帝都の一点に突如として源泉が湧き出たとか。この時点で何かおかしいが、何も知らない民は天変地異だとか神の恵みだとか騒いだり、温泉気持ちいいので別にいいかと騒がなかったりするわ。事態を重く見た担当各所は多数の専門の学士に対し周辺の地質調査を命じ、その無茶なやり方と一向に上がらない成果のせいで抱えきれない赤字を生み出しててんてこ舞いに陥るわと色々あった。最終的に帝が特に問題ないと判断を下した事により、驚くほど呆気なく事態は収束したが、私の手元にある資料が彼らの最後の大仕事となったといえば起きてしまった悲劇まではどうしようもないと分かるだろう。

 

 私に出来るのは彼らが残してくれた資料を有効活用し不測の事態に備える事と一儲けする事くらいだ。

 幸いにも、限りある彼らの成果の一つがこの地に眠っている事がわかっている。せめてもの供養に精一杯稼がせてもらおうではないか。

 

「と、いう訳でこの地に温泉都市を作ることになりました。怪我や病気に対する危険手当や福利厚生、その他現地の住民や協力者との緩衝剤的役割はこちらで請け負うので気張っていきましょう!」

 

「という訳とはいったい……」

 

 すっかり濁った眼をした部下の言葉を聞き流し、一応は敗軍の将として私の手伝いをしている友人に話しかける。

 

「ええ、と。ギギリ達に関しては一応目標数の討伐が完了したのでこちらからは特に手出しはしないと約束しましょう。新しい住処についても手配しています。食料についてはこの先三年分の肉類を保証しましょう。一応領民に手を出さないという条件はありますが、こちらが関与していない族や他国の兵についてはその条件には入ってはいないのでそちらの判断に任せます。と、伝えてもらえますか?」

 

「うーん、わかったよ!」

 

 通訳が居るのは便利だ。

 怨恨関係で和解に時間がかかるヒトと違い、ギギリ側は頭で考えるより本能で生きる生物らしく、つい先程まで殺し合っていたとは思えないほど穏やか且つ活発にこちらの与えた食料を貪っていた。彼らにしてみれば普段は自分達の縄張りを荒らす不届き者を、今回は産卵のために必要な食糧摂取の邪魔をしてきた我々に対し防衛行動を取ったに過ぎない。元はとても大人しい生き物なのだ。見た目からは想像出来ないが、自分達の領分を侵す者と敵対する時ととてもお腹が減っている時以外は非常に大人しい。まぁ、種によっては他の生物に卵を産み付けてしまうという性質上どうしようもない理由で我々と敵対してしまう場合もあるが、それを除けば友好関係を築く事が出来ない訳でもない。その際に互いの意思疎通を図る手段というどうしようもなく高い壁が存在するが。

 

「うん、うんうん。アトリちゃん、みんなそれでいいってさ! 後、おんせん? とかいうの卵を温める時に便利そうだから使わせてほしいって! 代わりに開拓に協力するって言ってるよ!」

 

 と、このように意思の疎通さえできれば割と理性的な交渉も出来る。彼らは本能にこそ打ち勝てないが普段はこういった思考をする事が出来るのだ。それは目の前にいる友人が数年間ギギリの手によって無事に(?)育てられたことから分かる。

 今回の場合、友人が暴れ馬の如く乗りこなしていたボロギギリが元々彼女のいた群れの生き残りらしく、そこそこ人語を解せる事も分かったのでありがたく提案を受け入れる事にする。

 

「野郎ども―、楽しい遠足は終わりだ―! これより諸君はこのままこの地の開拓作業に入ってもらう。現地の住民であり土地勘のあるギギリ達の言う事をよく聞き、出来るだけ早く開拓するように! あ、書類手続きや諸々の許可は既に取っているので。後は当事者である皆様次第となっております。帝都に残る家族には厚い手当と共に八柱将であるデコポンポ様の庇護という最大級の加護が与えられますのでご安心を!」

 

「だ、騙された!」

 

「どおりで普段は俺の事を極潰しのゴミみたいな目で見る女房が優しいと思ったんだ! 折角俺の時代が来たと思ったのに!」

 

「嫌だ! 俺は帰るんだ! 暖かいあの家へ、まだ見ぬ恋人が待っているあの街へ!」

 

「あ、一応食料は渡していますが、いまだギギリ達は繁殖期の最中ですので、気を付けてくださいね? 不用意に持ち場を離れたりすると危険ですから一応忠告しておきますけど、中には人体に卵を産み付ける者もいるので一緒に子育てをしたいという訳でないのなら気を付ける様に」

 

「…………はい」

 

 阿鼻叫喚といった悲鳴が一斉に止む。

 余程先の戦闘が答えたのだろう。彼らを残して私達が帰る以上、あの無尽蔵ともいえる蟲の大軍を前に自分達がどうなるか想像したのだろう。

 

 ……今回は色々準備してきていたので割と簡単だったけど、本来ならボロギギリとか普通にやり合っても勝てないからね。呪法無しだと殆ど攻撃は通らないし、その呪法だって中級貴族程度じゃかすり傷くらいしかつかないし。

 

 絶望の淵に沈む彼らには悪いが私も仕事だ。仕事というのはどうしても誰かが貧乏くじを引くものである。私に出来るのはせいぜいが気休め程度の激励と業務連絡位。全く世知辛い世の中だ。

 

「まぁ、私も鬼ではありません。そう簡単に温泉が湧くとも思えませんし、都市を作るとなれば尚更時間がかかるでしょう。なので任期は半年とします。その後は後続に引き継ぎの後お役御免です。あ、それとこれは補足ですが――――今回の任務は帝都にいる他の兵達には簡単な建設事業とだけ伝えています。帝都に残ったあなた方の家族にも好条件のお仕事としか伝えてはいません。実際福利厚生はしっかりしていますし、ね?」

 

 暗く沈んでいた彼らの瞳にギラリと輝く物が生まれる。

 

「ああ、そう言えば友人が金に困っていたんだった。帰ったらぜひ仕事を紹介しないとなー」

 

「いやー、つらいわー。たった半年で高給取りになる自分がつらいわー。帰ったらみんなに自慢せずにはいられない自分がつらいわー」

 

「待っていてくれ俺の家! 半年後には手に入れた彼女と一緒に建て直してやるからな!」

 

 ……よし、これでしばらくは安泰、と。

 

 半年後、帝都に帰った彼らは皆一様に口を閉ざすだろう。

 ただ、とても割のいい仕事だったと周囲に漏らすだろうが、別にそれは私が権力を使って言わせている訳では無い。彼らが自発的に言っているだけだ。その結果、ヒトが集まるのだから私から言う事は無い。私に出来るのは上から今回の開発費をせびる事と、その一部を彼らに還元してやる事だけだ。

 

「……彼らには現地で食料を調達してもらうとして、余った肉類はギギリに渡す。そうするとどうだ、人件費が浮くではないか! フフフ、また儲かっちゃうなー。いやー、今回も予想外の収入があったし文句無しですねー」

 

「――トリ様」

 

 ほくほく顔で今回の戦果を山を改めて見て、思わず笑みがこぼれる。

 一体何十年分だろう。私じゃ今一価値がわからないものもあるが、デコポンポ様の鼻に掛かれば即座に価値があるものを分別できる。後は他国や帝都内の貴族との交渉に使うなり、あえて盗品蔵に流すなり色々と使い道がある。

 

「余った分はやっぱり貯金ですかねー? いやいや、疲れた体を癒す意味も込めて白楼閣で汗を流すというのも悪くないかな? 最近疲れと寝不足で肌の調子もよくないし、それもいいかもしれないな」

 

「―――アトリ様」

 

「うーんでも、あの宿他の所に比べても料金五割り増しくらいなんですよねー。そこが気になるというかなんというかー。でも、別に私節制家とかでも無いんですよねー、お金とか使えるならパーッと気持ちよく使いたいというか。……うん、決めた! ここは思い切りよく客室を一年くらい貸し切ろう!」

 

 そんな普段使いもしない別荘をいくつも持っている金持ちのような事を言っていた私に話しかける者がいた。同じく、本来なら私と同じ金銭感覚を持っている筈のルハナ姫である。

 

「アトリ様!」

 

「わっ、なんですか! びっくりしたじゃないですか。私お金のことになると周りがあまり見えなくなるんで気を付けてくださいよ、全く」

 

「え、あ、も、申し訳ございません!」

 

「いいですか? 私は別に私欲の為に客室を一年間貸切るとか言っているわけじゃないんですよ? これはあくまで敵情視察です。仮にもこれから同じ事業を手掛ける者として先人のやり方を学ぶというのはとても重要な事なのです! まぁ、安心してください。今回のルハナ姫の活躍は大変評価に値します。財宝は与えませんが、貸し切った暁には自由に立ち寄ってもいいですよ?」

 

「え、それはありがとうございます! わたくし、こうやって誰かに誘ってもらえたことなど初めてです!」

 

「う―――」

 

 軽く涙まで流しているルハナ姫の予想外の喜びように若干罪悪感を覚える。自分で言っておいてなんだが、彼女が居なければネコネ嬢一人での兵達の治療は不可能だったと思われる。功績的には客室に遊びに来る権利程度じゃどうやっても足りない。ここは一つ、今回の戦利品の中から一つだけあげちゃおっかなーと、考えているとルハナ姫の視線が私のお尻に向いている事に気付く。

 

 ……。

 

 …………。

 

 ………………いやいや、流石にないですよ? 私そういう趣味ないですからね? 至ってノーマルですから、私。

 

「あのルハナ姫?」

 

 恐る恐る話しかけてみるが、その視線が動く事は無い。

 ボー、と熱の籠った視線が注がれる中、私は身の危険を察して下敷きにしていた戦利品の山から退く。

 

「ルハナ姫? 私はそういう趣味は無いですからね? 確かに友人は女性が多いですが、別に他意は無いですし、そもそも友人自体あまりいないって何言ってんだ私!」

 

 感じたことの無い危機感に珍しく思考が落ち着かない。

 いつでも逃げれるような体勢でルハナ姫の方を伺うと彼女は先程まで私の座っていた部分を愛おしそうに見つめると、おもむろにその美しい両手で何かを掬い上げ始めた。

 

「ひぃ!」

 

 声にならない悲鳴が漏れる。

 

「…………見つけました」

 

「な、なにをですか? 何を見つけちゃったんですか!?」

 

「我が国の国宝です」

 

「も、もうそこまで話が!? まさか、盗賊に襲われたのも嘘で最初から私が狙いで!?」

 

 おかしいと思っていたのだ。

 賊に襲われたというのに本人は傷一つ無いし、その賊もいくら探しても見つからない。最近では彼女の割と化け物じみた防御性能とギギリの繁殖期の関係で目の前の姫に傷一つ付けられなかった憐れな賊は最後にギギリの縄張りに侵入してしまい、人知れず消えてしまった説から捜査を進めていたというのに、完全に油断したとはこのことだ。

 

 そうこう考えている間にルハナ姫はゆっくりと、しかし確かな足取りでこちらに向かって足を進めてくる。

 

「やっと見つけた、わたくしの宝」

 

「待って、待ってください! 私はまだ未婚なんですよ? それなのにそんな特殊な趣味は無理ですって! く、くそ! まだ、結納金も貰っていないのに! 国一杯の御祝儀を手にする夢が―!!」

 

 ルハナ姫から洩れる謎のオーラと溢れ出した泡に足を取られ逃げる事も出来ない。

 万事休す、と自信の行く末を受け入れかけた時、救いの手は訪れた。

 

「……一体、何を、しているのです」

 

「ちょ、ちょっと待ってください」




 頼もしい仲間が増えました。
 因みに原作序盤のボロギギリさんの言い分はこうです。

ハクを見て
 「なんだこいつは、他の奴らと臭いが違う! こいつはクセェ、俺にはわかる! こいつからは薬品の匂いがプンプンしやがる! これは生まれてくる子供にどんな影響があるかわからねえ! アイツの腹には何百っていうが気が居るんだよ、悪く思うなよアンちゃん!」

クオンさん登場
 「スタングレネードだと!? 一体どこからそんなものを持ってきた! クソ、見失った。まぁ、いいか。それよりも消毒だ!」

タタリさん
 「こ、コイツ、最早ここまでとはガッ――――」

罠に対するコメント
 「この陣形、あからさまに罠、でも本能には逆らえないわ! 腐りかけの肉は一番おいしいんだから! 帰ってこないあの人の為にも私が頑張らなくっちゃ!」

 この作品のギギリさんは旧人類が地下に籠った後も環境に適応しながらしぶとく生き続け、タタリ発生やアマテラス照射でも生き残ったエリートなのでかなり知性が高いです。知識も本能的に親から子へ受け継がれているのでタタリの正体や温泉など旧文明にも造詣が深いです。匠の建築にご期待ください。


 次回は馬鹿皇子です。

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