秋の日のヴィオロンの...もう一つの物語   作:メトロポリスパパ

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大洗廃校を知り、カチューシャの取った行動とは。


【Steep news プラウダ】

プラウダ高校学園艦

プラウダ高校戦車道隊長 カチューシャは隊長室で昼食を摂っていた。

少し離れた所で隊員のクラーラがバラライカを弾いている。

そこへ、背の高い女性が部屋に入ってきた。

その女性は食事中のカチューシャの傍らに来て、書類を一枚渡す。

 

「カチューシャ、これを」

 

カチューシャは食事を邪魔されたからか、若干不機嫌そうに書類を奪い取り目を通す。

一通り目を通した後書類を置き、何かを考えているようだ。

パッと顔を背の高い女性に向けて言う。

 

「ノンナ、我がプラウダ高校戦車道は大洗女子学園戦車道の隊員を全員引き受ける用意があると大洗に伝えなさい」

 

背の高い女性、ノンナは返す。

 

「委員会に話しを通さなくてもいいのですか?」

 

「委員会は必ずOKを出すわ・・・ノンナ、クラーラ、それにミホーシャが加わって頂点にわたし。これでプラウダは無敵になるわよ!」

 

「素直にみほさんと戦車道がしたいって言えばいいのに」

 

「うるさいわね!ちがうわよ!」

 

「わかってます」

 

何時ものやり取りである。

 

「でもその前に・・・クラーラ、食器をさげて、ノンナ、電話を取って」

 

「Да」

 

「はい」

 

クラーラが食器をさげて、ノンナが電話を持ってくる。

 

「ノンナ、グロリアーナに電話を掛けてダージリンを呼んでちょうだい」

 

「はい」

 

ノンナが電話を掛けて、ダージリンに繋いでもらう。

 

「ダージリンさんです」

 

ノンナは、受話器の通話口を手で塞ぎながらカチューシャに渡す。

 

「もしもし、カチューシャよ」

 

「フフ・・・ごきげんよう、先日はありがとうねカチューシャ、それで、どうなさいましたの?」

 

「そうね、大洗の件はもう知ってる?」

 

「廃校の事かしら?先程、戦車道ニュースで拝見致しましたわ」

 

「そう・・・大洗が廃校になるという事は、大洗の隊員達はどうなるのかしら?」

 

カチューシャはどうやら探りと牽制を入れているつもりのようだ。

 

「そうね・・・あの大洗女子学園ですから、他校から引く手数多の勧誘があるかも知れませんわね」

 

「ダージリンはどうするの?」

 

「・・・もし・・・みほさん達がうちに来てくれたら楽しくなりそうね・・・しかし全員、と言うわけにはいきませんわね」

 

カチューシャは勝ち誇った感じで言う。

 

「ま、うちなら全員受け入れられる器があるけどね!」

 

「フフ・・・それは頼もしいですわね、でも、それを決めるのは私達ではな無くて・・・彼女達ですわよ」

 

「うぐ・・・」

 

続けてダージリンが話す。

 

「ところで・・・こんな噂を知っている?大洗の戦車が、あの試合の終了後全車両紛失したらしいの」

 

「え?」

 

「大洗は公立ですから、廃校となれば戦車も没収されてしまうでしょうね、しかし・・・無い物は没収できませんわね、フフフ」

 

「へ・・・へぇー・・・そうなんだ・・・ふぅ〜ん」

 

「不思議な事も有るものね・・・そう思わない?カチューシャ」

 

ミイラ取りがミイラになったカチューシャ。

 

「ま、まあ、そんな事もあるかも知れないわね、あ、あ〜

わたし今から委員会に出なくちゃいけないんだった!それじゃ切るわね、またねー、ピロシキー」

 

ガチャ

 

「ノンナ!」

 

「はい」

「受け入れの件は保留よ!それと!ダージリンが何か企んでいるわ!何を企んでるか調べて!」

 

「素直に、何してるんですか?と聞けばいいのに」

 

「うるさいわね!とっとと調べなさい!それと!わたしは寝るわ!」

 

「はい」

 

カチューシャは寝床に横になりフテ寝をする。

クラーラは優しくバラライカを弾きだし

ノンナも優しく歌い出す・・・。

 

 

 

カチューシャが寝入った頃、ノンナは再び電話を掛ける。

 

「度々申し訳ありません、プラウダのノンナです。ダージリンさんは居られますか?」

 

「はい、少々お待ちください」

 

「ダージリンよ」

 

「度々の電話申し訳ありません、ノンナです」

 

「いえ、構いませんのよ」

 

ノンナが単刀直入に聞く。

 

「ダージリンさんは、大洗の件で何か動いていらっしゃるのですか?」

 

「あら、大胆ですわね、でも・・・そういうのは嫌いじゃ無くてよ」

 

「いえ・・・ただ、カチューシャからダージリンさんが何か企んでいるから調べろと」

 

「それを、企んでいる本人に直接聞くかしら?フフフ」

 

ダージリンが続けて話す。

 

「ただ、分かっているのは、大洗は諦めていないという事だけ

、だから今は見守るしかないのよ」

 

「カチューシャもとても心配しています、大洗の人達が戦車道を続けられるように、全員を引き取ると言っています・・・」

 

「そうね・・・彼女は横暴で、搾取するのが大好きで、そして・・・とても優しい人だから」

 

ダージリンが続けて話す

 

「多分・・・いえ、必ず何かが起こるわ、何が起こるかはわたくしにも今は分かりませんが・・・今は待っていて欲しいの」

 

「分かりました、ダージリンさん・・・では、失礼します」

「ごきげんよう」

 

ノンナは電話を切り、カチューシャの元へ行き、優しく頭を撫でて言う。

 

「大丈夫ですよカチューシャ。大洗はまだ・・・負けていません」




大洗廃校を知った西隊長の心中やいかに?
次回
【Steep news 知波単】
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